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2014年4月30日 (水)

もっと知って欲しい自衛隊大会

毎年4月下旬に行われる自衛隊サッカー大会。今年で48回目となったこの大会だが、先日の27日に決勝が行われ、単独クラブとして関東リーグ2部にも所属している(海自)厚木マーカスが2年ぶりに王座奪回を果たし、これで最多優勝記録を17回に伸ばして今年の大会は幕を閉じた。



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それにしても、毎年この大会を見ていて驚かされるのが、年々大会のレベルが上がって来ていることだ。カテゴリー的に考えれば、参加チームの頂点が関東リーグに所属している厚木マーカスを筆頭に、それ以外のチームは県リーグの1部~3部という感じであり、昨年優勝を果たした空自第三補給処サッカー部(以下FC.3DEP)は埼玉県リーグの2部所属クラブといったところ。あくまでもカテゴリーだけで見てしまえば、地域リーグよりも「下」の大会と見られてしまうかもしれない。



だが、実際に試合を見ていると、そこに「県リーグ相当」と思われる試合は意外に少なく、逆に「おおっ!」と感じるような試合もある。さらにどの参加チームも優勝を狙うとともに、自衛隊でサッカーをやる人間であれば「マーカスに勝ちたい」と誰もが思うもの。そのため、大会の常連チームである下総・館山、海自大村、陸自滝ヶ原、厚木なかよし(マーカスとは姉妹クラブのような関係である)、さらには前回王者であるものの「マーカス相手に圧倒して優勝したい」と、チャレンジャー精神を持ち続けるFC.3DEPといった出場チームは、普通の仕事とは違う大変な任務の中で、限られた時間を有効に使って、より質の高いサッカーを目指してトレーニングに励んで来たのである。



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いや、高いレベルを目指すのは、ここにあげたチームだけではなかった。4大会ぶりの出場となった陸自習志野も、ひそかに上位進出を目指していたのだが、準決勝では連覇を狙っていたFC.3DEP相手に、しっかりとした戦略を練り、まさにしてやったりの「粘りの戦い」を見せ、本大会における「番狂わせ」を達成。そして初の決勝進出となったが、ここでは準決勝のような戦略を練るのではなく、真っ向勝負で挑んだのだが、残念ながら力の差は如実であり、王者マーカスに完敗を喫してしまったが、この敗戦が必ず来年以降の躍進に繋がることを予感させてくれた。



このように、目標となる高いレベルのチームの存在があり、そこに勝利することを目指したことにより、大会のレベルが上がって来たことは間違いなのだが、それとは別の角度で、なぜこの大会がおもしろいのか? を考えてみたい。



そしてその答えについてだが、この大会には今のサッカー界だけではなく、現代社会が失いつつある光景がそこにあるからこそ、「おもしろい」「魅力的」と感じるのではないだろうか? 



ではそのおもしろや魅力とはなんなのか?



端的に言えば、強い意志と強い肉体を持ったものにしか出来ない、強靭でフェアなサッカーがそこにあるからであろう。この大会とかではなく、普通に子供であろうと大人であろうとサッカーではファールはつきものであり、倒す、倒されるというのはどこの試合にだってある。当然、倒された中には本当に大ケガに直結する場合もある。だがその反面で、本当はたいしたことがないのに、時間稼ぎやカードを期待して大げさに倒れる場合もある。しかしこの大会では、みんな大げさなそぶりはしないし、早く次のプレーに入ろうとなんとかすぐに立とうとする。また、倒されたからと言って、怒りを露にして食って掛かるような仕草をしたりする選手もいない。



そう、鍛え上げらた肉体だからこそ、多少の痛みにも我慢できるし、鍛えられた精神があるからこそ、次への切り替えがすぐに出来るのである。確かにこの大会では、FC.3DEPやマーカスのように、フィジカルだけに頼らないで繋ぎで圧倒しようとするチームもある反面で、自衛隊らしいフィジカルサッカーを続けているチームある。だがそういうチーム同士の試合だからと言っても荒れる訳ではなく、とてもクリーンでフェアな試合がほとんどなのである。



また、ここ最近の社会の流れとして、仲間や職場の団結よりも個性の方が尊重される時代に変わって来ていると感じるが、この大会を見ていると「団結力の素晴らしさ」というものも、実はいいものなんだなあ…感じるのである。近年の大会ではマーカスを筆頭にFC.3DEPや下総・館山と言った強豪チームが大会を引っ張って行く存在になっているが、それ以外のチームは申し訳ないが、実力がやや下であることは否定できない。そんな中で、どんな分野でも「チームワーク」という言葉をよく耳にするが、特にこの大会ではチームワークをさらに上回る「団結力」というものが、想像以上に大きな力を生み出す原動力になっていると強く感じるのだ。



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自衛隊という組織では、ほとんどの任務や演習が集団で行うことばかりであり、それをこなす上で年齢も出身地も階級も違う仲間が集い、意思疎通をはかってそれらを乗り越えて行く。だからこそ、常に一人はみんなのために、みんなは一人のための意識が強く、これが任務においてだけではなく、サッカーやスポーツの世界でも色濃く反映されている。さらにここに、OBたちの思いや期待、所属部隊の名誉のためにという意識が加わることで、実力以上の力が備わることもある。そして強い団結力が生まれるからこそ、準決勝で習志野はFC.3DEP相手に番狂わせを達成することが出来たし、決勝でもマーカス相手に最後まで1点を取ろうと諦めない姿勢を見せてくれた。



こういったフェアな姿勢や、一つにまとまった団結力を見られる大会というものは、実は近年においては少ないのでは? と思うのだ。そしてこういう大会こそ、子供たちが見本とすべきなのでは? と感じるのだ。レベル云々ではない。スポーツをやる選手として、フェアプレー精神を持ち、スポーツマンらしく正々堂々とした振る舞いを見せてくれるこの大会を、もっと多くの人に知ってもらいたいと思うのだ。そしてもう一つ。この大会のラストを飾る表彰式の存在にも言葉を付け加えたい。



高校サッカーを例に出してしまって申し訳ないが、この大会のレベルはどんどん向上しており、とても素晴らしい大会の一つだと思っているのだが、一つだけどうにかならないのかな? と感じるのが開会式や表彰式でのだら~んとした態度や、はしゃぎすぎる場面。これについては、別に高校サッカーだけに限った話ではないのだが、特にメディアの多さ、注目度の高さから選手側もそうなってしまいがちなのかな? と感じるが、それに比べてこの自衛隊大会の表彰式は、日本のサッカー界の中で間違いなくNo.1の規律と美しさのある式だと感じるのだ。



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まあ、防衛省の幹部がという「上司筋」が来賓として来ていることもあるし、常に整列や敬礼など厳しくトレーニングしている自衛隊員だからこそ、「あたりまえだろ?」という部分はある。だが、普段の自衛隊を知らない人にとって、あの式は「なんて規律があり、美しい式なんだろう」と必ず感じるはず。すべてを真似しろという訳ではないけれども、いろいろな大会を主催する関係者は、この大会の式を参考にしてもいいのでは? と思うぐらい。



スポーツというものは、どうしても結果だけや、そこのレベルだけで語られがちだが、スポーツをやる上でとても大事となる、礼儀、人を思いやる心などを含めたフェアプレー精神、そして日本人ならではの団結力が、目に見えるということもとても大事だと思うのだ。確かにこの大会は自衛隊隊員だけのローカル大会かも知れない。よって、見に来る人のほとんが家族やOB、そして職場の人間だけに限定されしまいがちだが、会場自体は誰でも見に来ることは可能だし、入場料も無料。来年こそ、強靭な肉体を持つ男たちの、フェアでクリーンなこの大会を、ぜひとも多くの人に見てもらい、もう一度フェアプレー精神とは何か? そして団結力の素晴らしさというものを実感してもらえれば幸いだと感じるところです。

2013年12月 3日 (火)

白井豪という生き方

突然だが、どれだけの人が「白井豪」という選手の名前をご存知であるだろうか? 彼の名がわかる人はきっと、高校サッカーを追い続けている人か、大学サッカーを良く知っている人であろう。

経歴として都立三鷹高校→早稲田大学というコースで、高校では選手権ベスト8、そして大学ではインカレ(大学選手権)制覇など、輝かしい実績を持っている。経歴だけ見ればエリート街道に見えるかも知れない。だが実際のところは、山あり谷ありの連続であったのである…

高校3年のとき、都立三鷹は選手権初出場を勝ち取り、いきなりオープニングゲームにて国立競技場で戦うという「大役」を担うこととなる。そしてこのゲームでは、雹が降り出すなど予想外の天候となり、さらには先制点を奪われるなど非常に難しい中での試合となった。だがこの試合で、後半16分、28分に立て続けにゴールを奪い、チームを逆転勝利に導いたのが白井であり、この試合で無名のサッカー選手から、一躍全国区の選手となっていった。

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このあと、2回戦では後に早稲田で共に活躍することとなる、当時2年生だった富山がいた矢板中央と戦い、さらには3回戦も勝ち抜き、予想外の健闘を見せ、チームはベスト8まで進出。さらに自身も大会優秀選手に選ばれた。

そして敗れた藤枝東戦のあと、「最初は(サッカーは)高校までと思っていたのですが、ちょっと考えちゃいますね…」と語ってくれていた白井。だが、その後の彼に待ち受けていたのは、華々しいサッカー人生ではなく「浪人」という厳しい現実だった。

彼と同級生に当たる河井(藤枝東→慶応大→現清水)、比嘉(流経柏→流経大→Fマリノス)、中里(流経柏→流経大→横浜FC)、増田(広島皆実→流経大→広島)といった逸材たちは、1年時から試合に出るなど順調な成長を見せていた。そんな中で、どこにも所属していない白井の中から、選手権直後に出た「ちょっと考えちゃいますね」という気持ちが、やや消えかけていた。

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そして選手権から1年という時間が経過してから、1年遅れで早稲田大学に入学したのだが、「ア式蹴球部」に入るのは意外な形であったのだった。本人は自分から進んで「体育会系」に入る気はなかったのだが、古賀聡監督直々の「入部要請」があり、彼は再びサッカーの第一線に戻って来たのである。

だがそこでも、彼にとって辛い時期があった。高校時代まではFWだったが、大学に入ってからは「同期」となった富山の存在などもあり、慣れない2列目にコンバートされた。また、168cmという小柄な体型故に、ケガとの戦いが必ずついて回って来たことにより、なかなかシーズンを通して納得するプレーが出来なかった。だが3年生となった2011シーズンは、年間を通じてコンスタンスに出場し、背番号もいい番号である「14」を与えられるなど、早稲田になくてはならない存在になってきた。

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しかし、4年生となった年のシーズン突入前、今度は前十字靱帯断裂という大ケガを負ってしまい、シーズン絶望かと思われた。そんな苦しすぎる現実の中で、普通に就職することも考えた。だが、「このままでは終われない」という気持ちが、彼を突き動かした。そしてシーズン後半に入って、驚異的な回復を見せた白井はついに復活を果たし、背番号「28」を背負ってピッチに帰って来た。

そして大学生活最後の大会となったインカレでは、1回戦から決勝まで、全試合において先制点をたたき出すという驚異的な決定力を見せつけ、最後の最後で最高の結果を出して学生生活に別れを告げた。

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だが、同期の富山が大宮、島田が岡山に決定する中で、大ケガのため出遅れてしまった白井は、夏場から秋にかけてJクラブでの練習にも参加できず、Jリーガーへの道は閉ざされてしまった状態にあった。しかしそんな彼のもとには、いくつかのJFLクラブからの誘いもあったのも事実。そこでやってもいいかな? という気持ちもあったのだが、せっかくの人生なのだから、チャレンジしてみたいという気持ちが勝り、彼は再び「浪人」という道を歩むこととなる。

そんな時に、栃木SCからの練習参加の話が舞い込み、願ってもないチャンスに白井は飛びついた。そして練習に参加すると、スタッフから高い評価を得て、入団間近かと思われた。だがクラブからの答えは「編成の都合上、夏まで待って欲しい」とのことだった…

非常に微妙の返答である。果たして、これを「入団内定」ととるのか? それともどうなのか… しかし、今はこのチャンスに賭けるしかない白井は、夏まで待つことに決め、そしてそれまでの間の所属先として、慣れ親しんだ「東伏見」を本拠地とする早稲田ユナイテッド(東京都1部)に籍を置くこととなった。

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そしてこの決定の裏には、かつて海外でプレーした経験だけではなく、Jリーガーを目指した経験もある今矢直城監督の存在が大きかったのである。本当なら、「夏まで」というつもりで入ったクラブ。しかし、ここで出会った今矢監督の多彩な経験、そしてサッカーを通じた人生観というものに触れた彼は、選手としてだけではなく、社会人としても大きく成長していくのであった。

だが、時間が立ってもJクラブの方からは何も連絡がない…

それもそのはずだった。クラブは夏場に入って11試合勝利なしという状態であり、そんなところ(彼の入団)まで気を掛ける余裕がなかった。そして彼を評価してくれた松田監督の退任が決定すると、その話自体も自然消滅してしまったのである。

またも不運に襲われてしまったのだが、彼には「早稲田ユナイテッド」というクラブがすでにあったため、大きなダメージとならなかった。いや、ダメージよりも、「だったら、自分も今矢さんのように海外でやってみたい」という気持ちが高まって来たのである。

そして海外のテストを受ける前に、お世話になったクラブを都リーグから「関東リーグ(2部)」に上げたい! という強い気持ちを持って、関東社会人サッカー大会に挑むこととなった。

早稲田ユナイテッドは都リーグ3位という結果を出して出場となったが、他の代表チームを破り、関東リーグ昇格(※決勝に残った2チームのみ昇格というルール)が目の前に迫った準決勝までコマを進めた。

相手は群馬県1部優勝のtonan前橋サテライト。トップチームであるtonan前橋は、関東リーグ1部に所属しており、今年は「J3」参入にも手を挙げて、いまではJ準加盟クラブの一つでもある。そしてこのサテライトチームも当然ながら、スケジュールに沿って全体練習をこなしているだけあり、出場チームの中でも高い完成度を見せていた。

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だがそんな相手に対しても、しっかり最終ラインからビルドアップして、繋いで行く姿勢を見せる早稲田ユナイテッド。また、前線の核となる白井も、時にはターゲットマンとしてボールをさばき、時にはアタッカーとしてスペースを突く鋭い動きを見せて行く。そして試合は序盤からユナイテッドペースで進み、山のようにチャンスを作り続けて行くのだが、フィニッシュの部分で正確性を欠いてしまうユナイテッドは、どうしても先制点が奪えない…

結果的に、相手のシュート数よりも3倍(15対5)の本数を放ちながらも、決定力不足が最後まで響いてしまい、内容では相手を上回ったものの、終わってみれば0-3という結果で敗れてしまい、早稲田ユナイテッドは関東リーグ昇格を逃してしまうのだった。

そして試合後、ガッカリうなだれる白井の姿がそこにあった。自分を拾ってくれ、そして成長させてくれたクラブのために、恩返しをしたいという思いが強かった。だが、自分の力だけではどうにも出来なかった事実だけが残ってしまった…

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だが翌日、勝っても何もない「3位決定戦」において、最後まで意地を見せた早稲田ユナイテッドは勝利し、3位という結果を勝ち取って、今年のラストゲームを迎えたのである。いや、何もないことはない。今年のメンバーで試合をやるラストゲーム。たとえ消化試合であろうと、ここまで一緒に戦って来た仲間のため、そしてチームのためにも負けられないという思いは強かった。

これにて、白井豪の2013シーズンは終了し、これからはオーストラリアに渡って、プロ選手へのチャレンジをつづけるとのこと。

決して恵まれた体を持つ選手ではない。そして運に恵まれているかどうかもわからない。だが、度重なるケガとの戦い、そして2度の「浪人」という苦しい思いを味わったからこそ、彼には強いメンタルが備わったのである。

これから先のチャレンジも、スムーズに行くとは限らない。また山あり谷ありかも知れないが、これまでの苦しみを考えれば、そんなことも乗り切れるのではないだろうか? 選手権で一躍知名度を上昇させた「シンデレラボーイ」の挑戦は、まだこれからも続いて行く。そしてその挑戦を今後も追い続けたいところである。

2013年10月17日 (木)

第49回全国社会人サッカー大会

今週末の19日から始まる第49回全国社会人サッカー大会。今大会は長崎県を舞台にしておこなわれるが、今回も実に興味深いカードが1回戦から並んでいる。

では、1回戦の対戦カードと簡単な展望をブロックごとに紹介していこう。

<Aブロック>
Match01:@島原陸上 10:00KO
◎ファジアーノ岡山ネクスト vs レイジェンド滋賀FC

Match02:@島原陸上 12:30KO
トヨタ自動車北海道サッカー部 vs ◎グルージャ盛岡

Match03:@平成A 10:00KO
VONDS市原FC vs ◎FC今治

Match04:@平成A 12:30KO
◎サウルコス福井 vs 札幌蹴球団

まさに「プレ地域決勝」と呼べるカード(チーム)が揃ったAブロック。東北1位グルージャ盛岡、北信越1位サウルコス福井、中国1位ファジアーノ岡山ネクスト、四国1位FC今治と、9地域のうちの4地域のチャンピオンが揃い、さらには旧佐川系選手も名を連ね、関東1部でもおかしくない実力を持つVONDS市原も入っており、特に2回戦以降のカードが注目となってくることは必至。

そしてこのブロックの注目となるのは、J3入りを目指しているグルージャ盛岡であろう。東北リーグでは序盤戦こそ不安定であったが、徐々に実力を発揮しだし、先日行われた東京国体では単独チーム(岩手県)として出場して見事3位に入り、さらにその翌週に行われたリーグ最終節で勝利して逆転優勝するなど、チームの勢いは上昇中。

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1ヶ月後に迫った地域決勝を見据えて「本気モード」で来る盛岡にとって、このブロックに入ったことは、本当に良かったことかもしれない。そしてもう1チーム注目を挙げるとすればサウルコス福井だろう。

今年から佐野達GM兼監督を迎え、チーム戦略という面で大きく躍進し北信越リーグは無敗のまま優勝。さらにチームは実戦機会を求め、ほぼ単独チーム(福井県)で国体に挑んだが、1回戦の茨城県選抜の粘り強い守りを最後まで崩せず、最後はミスからのカウンター1発に沈んでしまい、まさかの1回戦負けに終わってしまった。

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だからこそ、今大会を「リベンジ」と位置づけるサウルコス。佐野監督も「北信越リーグの日程消化が早かったこともあり、実戦から遠ざかってしまい(実戦の)感覚が鈍って調整しづらかった」と語ってくれているが、地域決勝を睨んだこの大会ではしっかり勝ち抜いて最低でも3連戦までは行きたいところであり、地域上位との連戦で感覚を掴んで欲しい。

本命:グルージャ盛岡 対抗:サウルコス福井

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<Bブロック>
Match05:@平成B 10:00KO 
ジョイフル本田つくばFC vs 三菱重工長崎SC

Match06:@平成B 12:30KO 
矢崎バレンテFC vs 関大FC2008

Match07:@平成C 10:00KO 
△ヴェルフェたかはら那須 vs ◎FC大阪

Match08:@平成C 12:30KO 
△FC KAGOSHIMA vs 藤枝市役所サッカー部

今大会の中では、やや注目度が低いブロックとなってしまうが、関西優勝のFC大阪と、関東2位でリーグ戦を終了してしまったヴェルフェたかはら那須との対戦は楽しみであり、この大会で「復活」を果たしたいヴェルフェにとって初戦が大一番となってくる。

本命:ヴェルフェたかはら那須 対抗:FC大阪

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<Cブロック>   
Match09:@平成人芝 10:00KO 
時津サッカークラブ vs 浦安サッカークラブ

Match10:@平成人芝 12:30KO 
トヨタ蹴球団 vs △アミティエ・スポーツクラブ

Match11:@国見総合 10:00KO 
FC北陸 vs 新日鐵住金大分サッカー部

Match12:@国見総合 12:30KO 
レノファ山口FC vs tonan前橋

Aブロックと並んで注目となるこのCブロック。Aブロックが「プレ地域決勝」という感じに対して、こちらは地域決勝出場権を賭けた「敗者復活戦」というイメージが強い。その中でも注目なのは浦安SC、レノファ山口、 tonan前橋の3チームであろう。関東2部所属の浦安にとっては、最初からこの大会で上位に入るのが目標の一つでもあったのだが、正直なところ実力的には関東一部優勝のFC KOREAと同等レベルの実力を備えており、今大会の優勝候補と言っても過言ではない存在と言えるだろう。

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さらにおもしろいカードが並ぶ1回戦の中で、最も注目を集めるカードとなるのがレノファ山口 vs tonan前橋の対戦ではないだろうか?

どちらもJ準加盟&J3参加を表明したクラブであり、さらに両者とも所属地域リーグにおいては優勝できなかった(両者とも3位)。すでにtonanの方はJ3での審査は落ちてしまったが、レノファは「最終選考」に残っているクラブであり、この大会は結果を出して地域決勝出場権を獲得するための、大切な「追試」となってくる。

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しかし相手のtonanとて、来季のJ3入りはなくなってしまったものの、JFL参入という「別ルート」の可能性は残したいところであり、こちらも負けられない戦いとなる。両者にとって、初戦から「決勝戦」のような戦いとなってくるが、その結果はどうなるだろうか…

本命:浦安SC 対抗:レノファ山口

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<Dブロック>
Match13:@百花台 10:00KO 
千葉教員サッカークラブ vs 六花亭マルセイズFC

Match14:@百花台 12:30KO 
△FC岐阜SECOND vs 高知UトラスターFC

Match15:@愛野 10:00KO 
△ヴァンラーレ八戸 FC vs △ディツォーラ島根

Match16:@愛野 12:30KO 
◎ヴォルカ鹿児島 vs バンディオンセ加古川

すでに地域決勝の出場権を獲得しているのは九州のヴォルカ鹿児島だけとなっているこのブロックだが、東北2位ヴァンラーレ八戸、東海2位FC岐阜SECOND、中国2位ディツォーラ島根、さらに全国大会の常連バンディオンセ加古川など実力派クラブが揃っており、好カード続出の予感がしている。

そんな中で注目なのはJ3参入にも名乗りを挙げたヴァンラーレ八戸。リーグでは序盤から安定した戦いぶりを見せ終盤まで首位をキープしてきたが、ラストでグルージャに抜かれてしまい2位で終了。tonan同様、来季のJ3入りはないため、この大会をJFL入りの足がかりとしたい。

さらに先日行われた東京国体において、準優勝を果たした岐阜SECONDにも期待がかかる。本体であるFC岐阜の経営が不安定であるため、SECONDチームがJFLで戦う可能性は低いが、Jクラブのセカンドチームとして、出る大会において結果を出すことは選手個人のトップチーム昇格に繋がってくる可能性もあるので、選手たちのモチベーションは決して低くはない。

また、地味な注目だが、千葉県リーグ所属の市川教員SCが、大会で全国も強豪相手にどこまでやれるかは楽しみなところであり、11月に行われる関東リーグ昇格を賭けた関東社会人サッカー大会に向けて、本大会をいい経験の場にして欲しいところだ。

本命:ヴァンラーレ八戸 対抗:ヴォルカ鹿児島

※◎→地域決勝出場決定クラブ
※△→所属地域リーグ2位クラブ
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という感じになっている1回戦の組み合わせ。
過去には「罰ゲーム」とまで言われたこの大会。以前は月曜日からのベスト8を避けたいがために「負け抜け?」なんていうことも囁かれたものの、現在は「本気モード」で来るチームがほとんどとなり、実力伯仲のおもしろい大会になりつつある。

また、全国9地区のうち7地域の優勝チーム(※北海道のノルブリッツ北海道、関東のFC KOREAは本大会においては予選敗退)が顔を揃えており、地域決勝を睨んだ「プレ大会」という見方もできるこの大会の評価は年々高まっている。

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今大会は長崎開催ということで、九州地区以外の方からすれば行きにくい場所でもありますが、注目カードが連日登場するこの大会をぜひ、多くの人に観戦してほしいと思います。

2013年9月27日 (金)

シティ、今季最高のゲームで残留確定

昨シーズン、関東リーグ昇格を賭けた関東社会人サッカー大会において準優勝を飾り、4度目のチャレンジでついに「関東への扉」をこじ開けた坂戸シティ。そして今年は、地元企業の支援を受け「大成シティフットボールクラブ坂戸」(以下シティと称す)とチーム名称を変更し、戦いの舞台を埼玉県から「関東」へとステップアップさせて新シーズンを迎えた。

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選手兼監督の熊谷哲平をはじめ、何人かの選手は地域リーグクラスでのプレー経験はあったものの、シティというクラブ自体は地域リーグ初参戦であり、チームは初戦から苦しい戦いと向き合うこととなってしまう。個の力ではなんとかやれても、チームとなったときに他のチームとの「スピードの差」「正確性の差」「勝負勘の差」が如実に現れてしまい、県リーグと地域リーグとの「差」を見せつけらてしまうのであった。

さて連敗スタートという中で迎えた第3節、この試合がシティにとってひとつのターニングポイントとなっていく。

相手はシティと深い繋がりを持つ、アルマレッザ飯能。監督の熊谷をはじめ、水沢など数名の主力選手がかつて在籍していたクラブであり、当時一緒にプレーした中野や鶴田といった選手もまだ健在であり、この両チームに関わる人にとっては「夢のオールスターゲーム」と呼べる対戦でもあった。

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また、監督の熊谷にとっても「アルマとリーグで戦うことは目標の一つだった」と語ってくれているように、自分を成長させてくれたクラブに対して、自分が作り上げたチームと対戦することは感慨深いものでもあった。そしてこの対戦において4-1と快勝したシティは、「自分たちでもやれる」という手応えを掴むこととなる。

さらに次節の日本工学院F・マリノス戦でも勝利したチームは、手応えを「リーグへの順応」に変えていき、県リーグレベルのチームから、ワンランク上でも戦えるチームへと成長を遂げていく。そんな状態の中でチームは、全国社会人サッカー大会・関東予選のための中断期間を迎えたが、後期2節終了時点で昇格組としては大健闘とも言える5勝6敗という数字を残したのであった。

ここまで、数字的に負け越してはいるものの、関東リーグ初参戦組としては「上々の滑り出し」であったシティだが、リーグ戦再開となる夏本番を迎えた時期から、本当の意味で「リーグ戦の厳しさ・難しさ」を実感することとなる…

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県リーグと地域リーグの違いは、簡単に言えばチームの「修正能力」と「総合力」があるかないに分かれると考える。県リーグレベルであれば、特に相手の分析をしなくても自分たちのポテンシャルだけで押し切れるし、「個」の力が抜けていれば勝ちきれてしまう。しかし、地域リーグになれば2度目の対戦ではしっかり注意すべき点をチェックしてくるもの。さらに県リーグ以上に負担のかかる試合移動に、過密日程となってくる試合スケジュールをしっかりこなせるか? ということが問われてくる。

しかしシティは、天皇杯埼玉県予選と並行して行われることとなったリーグ戦の中で精彩を欠いてしまい、前半戦以上に厳しい戦いを強いられてしまう。さらに悪いことに、ホーム会場として使用しているグラウンド状態のコンディションがお世辞でも良い状態ではなく、練習を重ねて来たはずのパスを繋いだ自分たちらしいサッカーが影を潜めてしまう。

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終盤を迎えて、リーグの洗礼を浴びることとなってしまったシティ。リーグ戦中断前は残留は固いのでは? と思われたが、最終節を前にして順位は残留争いの主役でもある8位にとどまっていた。さらに残留を争う9位、東京海上日動火災保険株式会社サッカー部とは勝ち点(16pt)で並ばれ、かろうじて得失点差「2」で、なんとか残留ラインを保つ状態であった。

そんな中で迎えたリーグ最終戦。試合はホームゲームのメーン会場となっている坂戸市民総合運動公園だったが、実はこの会場での今季成績は1勝1分5敗と大きく負け越している。さらにリーグ残留のためにはただ勝つだけではなく、得失点差も考えて大量得点での勝利が必要不可欠となっていた。

順位こそ残留圏の8位にいるものの、やりにくさもある会場での最終戦に一抹の不安もあったシティ。そしてその「不安」はある意味で的中してしまい、ゲームは序盤から支配するものの、どうしても得点が奪えないもどかしい展開が続いてしまう。早く得点を奪いたいという焦りからか、気持ちだけが前に行ってしまい、丁寧にパスを繋いでゲームを組み立てる上で要となる「適度な距離感」が保てず、不用意なボールロストを連発。20分過ぎたころからは、奪われてカウンターという一番やってはいけないシーンも顔を出してしまう。そんな重苦しい試合だったが、38分にワンツーで崩して最後は矢内が決めて、ついにシティが先制!

ほとんどの時間でシティがボールを支配したものの、前半の得点はわずかに1。当然ながら選手それぞれが「うまくいかない」という思いを持ちながらベンチに戻ったのだが、ハーフタイム中に「日動が前半、5-0でリードしている」という情報がもたらされた…

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シティ、日動ともどもリードしており、このまま行けばそれぞれ勝ち点3を積み重ねることとなるが、得失点差で2点リードしていたはずのシティが、この時点で逆に2点のビハインドとなってしまったのだ。この日はベンチスタートだった監督の熊谷は「もっと点を取りに行こう」と選手に指示を与えると、選手それぞれも、より闘争心を高めてピッチへ戻って行った。

後半に入ると、開始直後から前半以上に攻勢を強めるシティ。3分にPKを獲得すると坂戸のドラゴンこと、鈴木竜基がまずこれを決めて2-0。さらに監督の熊谷哲平が「交代オレ!」で、ついにピッチに登場。

熊谷自身、これまでのホームゲームでなかなか結果を出せず、魅力あるサッカーも披露することができず、さらには自分に付いて来てくれている選手たちの「力」を発揮させてあげられなかったことに対して、誰よりも責任を感じていた。そんなこともあり、この日のリーグ最終戦は勝って残留を決めることと同時に、このクラブに関わってくれる人、すべてが満足できるゲームにしたいと強く感じながら試合を迎えていた。

だからこそ最後まで手を抜かず、選手全員にも全力プレーを求め続けた結果が、今季最高となる7ゴールを生み出し、自身にとっても2007年6月17日の与野蹴魂会戦以来となる、6年97日ぶりの「関東リーグ公式戦」でのゴールも決めた記念すべき試合となった。

熊谷だけではなく、選手、そしてサポーターも含め、関わる人すべての「勝ちたい」という気持ちが最後の最後で爆発し、今季最高ともいえる内容で「残留」という結果を勝ち取ったシティ。

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企業のサッカー部でもなく、Jを目指している訳でもない、ごく普通の「街のサッカー好き」が集まった社会人チームであるシティ。しかし熊谷は「大人になっても高いレベルでサッカーをやれるクラブを地元に作りたい、さらに地元の子供たちが『大人になったらここでプレーしてみたい』と思ってもらえるようなクラブにしたい。そしてスポーツを通じて地元が活性化されるためのツールとしていきたい」という意思のもと、ブルーダーを離れ2008年から坂戸で地道に活動してきた。

向上心の高い熊谷にとって、残留争いとなってしまったことは悔いが残るそうだが、クラブが力をつけて行くということは、1年1年の積み重ねの上で出来て行くものだから、今年の成績を悔やむことはない。いや、逆に言えば厳しい戦いの中で残留できたことは、この先クラブが「一部」を目指す上で大きな経験となってくるはず。

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この日のように、「絶対に勝たなければいけない試合」において、監督は選手のメンタルをどのようにコントロールし、どんなゲームプランを描くのか? そして選手側はどんなプレーすべきなのか? ということを、実体験で知ることが出来た。そんな貴重な経験を来シーズン、いや、来月に予定されているKSL市原カップでぜひとも発揮して欲しいものである。

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さて、今回は地域リーグの残留争いをピックアップしたが、地域リーグやJFLで下のリーグに落ちてしまうことは、J1/J2リーグ以上に「戻る」ことは、本当に難しいことなのである。

J1クラブがJ2に落ちてしまった場合、「2位以内」を確定すれば昇格確定となる。しかし、JFLクラブが地域リーグへ降格、さらに地域から県リーグに降格した場合、それぞれのカテゴリーで優勝(もしくはそれに準じる成績)しても「はい、昇格です」とはならない。JFLに戻る場合はご存知の通り、「全国地域サッカーリーグ決勝大会」を勝ち抜かなければならないし(※今シーズンだけは例外になりそうですが)、地域リーグの場合は、まず各地域の都道府県リーグで優勝(もしくは成績上位)したのちに、所属地域優勝(もしくは成績上位)チームによる、地域リーグ参入決定戦(関東で言えば関東社会人サッカー大会)を、勝ち抜かなければ(もしくは成績上位)昇格出来ないのだ。

地域決勝も難しい大会だが、こちらはグループリーグのため、一つ負けてもまだチャンスはあるが、関東社会人の場合は一発勝負のトーナメントのため、有力チームといえども簡単に勝ち抜けない大会となっている。

余談になってしまうが、JFLが現行レギュレーションになってから、一度降格して、再びリーグに戻って来た(地域決勝を勝ち抜けた)例は、ホンダロック以外(※アルエットとロアッソは別物と考えます)に現れてはいない。

またJクラブに関しては、メディア露出もあるし知名度もあることから、降格してもある程度のスポンサーはつくし、リーグからの分配金も多少なりともあるので、予算規模を縮小すればダメージを最小限に抑えることは出来る。しかし、JFLや地域クラブがそのカテゴリーから降格してしまった場合は、Jクラブ以上のダメージとなってしまうことも少なくはない。アマチュアリーグのため当然ながらリーグからなんの保証も分配金もない。また、ついてくれたスポンサーが継続してくれるかどうかも本当にわからない(※長野パルセイロは2008年にJFL昇格できず、AOKIとの契約が終了している)。

さらに上記にもあるとおり、戻るには2つの難関を勝ち抜かないと、元の場所には戻れない。また、JFLでやるには最低でもリーグに支払う年会費(1000万円)に、全国を回るだけの移動費を捻出できないとやっていけない。いや、地域リーグにだって、それぞれの加盟金があるので、じゃあみんなで1万円出しましょう! なんてレベルでは当然やっていけるリーグではない。

当然ながら、降格となってしまえば選手の流出も考えておかなければいけない。しかしだ、そんな状況の中でも高いレベルを維持するだけではなく、さらにチーム力を向上させて行く必要もあるし、しっかりとしたクラブ運営をしていくことも大事となってくる。簡単そうというか、淡々とやっているように見えるが、実は難しいことを、なんとかやりくりしながら日々成長を続けているアマチュアサッカーの現場。このことを多くの人に知ってもらい、興味を持ってもらえることを願いたいところでもあります…

2013年5月17日 (金)

北信越で実現した師弟対決

かつて「無駄に熱い」と呼ばれた北信越リーグ。だが、当時4強と呼ばれたチームのうち、3チームが卒業していくと2011年シーズン以降は普通の地域リーグになったかと思われたのだが、再びこのリーグに熱い戦いが帰って来た。

かつての4強の一つであるJAPANサッカーカレッジ(JSC)に、昨シーズンリーグ初制覇を達成したサウルコス福井、そして1部昇格3年目にして初優勝を狙うアルティスタ東御の3チームによる戦いだ。その中でも、昨シーズン優勝を果たしたサウルコスは大物選手の補強こそなかったものの、昨シーズンのJFL最優秀監督である、前V・ファーレン長崎監督である佐野達氏をGM兼任監督として招聘。さらにアルティスタは、佐野が監督をしていた長崎のヘッドコーチだった堺陽二を監督に招き、今季は「まさか」の師弟対決が北信越の地で実現することとなったのである。

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さらに佐野と堺と言えば、長崎での関係だけではなくザスパ草津での関わりも忘れてはならない。2005~06年までは選手とコーチ、07年からは新米コーチとベテランコーチ、そして2009年は監督とコーチとして、5年間群馬の地で一緒に成長してきた仲間であった。また、何よりもザスパの前身であるリエゾン草津から唯一Jリーガーになった堺の存在を、実力だけではなく人柄的にも評価していた佐野は、常に自分のそばに置いてきた。

これまでは「先生と生徒」「部下と上司」と言ったような関係であった2人が、場所を変えて今度は「対等な立場」で激突することとなったのである。

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ここまでの両者の成績だが、サウルコスは4戦全勝で首位を走り、アルティスタは降雪の影響で1試合未消化だが、こちらも3戦全勝で暫定2位(もう一つのライバルであるJSCは3勝1敗)。

地元出身の元Jリーガー、梅井大輝をはじめ、10人の選手が新加入となったサウルコス。佐野体制一年目ということもあり、それなりにチームに変化はあったものの、予算の都合もあり他地域のライバルクラブのような大型補強とまでは行かなかった。しかし、それでもS級保持者であり、Jリーグ、JFLで指揮を執った佐野の手腕は注目であったし、「どう変わったのか?」がこの日のポイントであり、そんな変わったライバルに対して、「熟成」を選んだアルティスタがどう挑むのかも楽しみでもあった。

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さてゲームの方だが、ともに4-2-3-1とベースになる戦い方はまったく同じ形であった両者。だが、10番坂井のゲームメークと、梅井のロングフィードを軸に攻撃を展開するサウルコスが立ち上がりからペースを握っていく。それに対してアルティスタは、ボランチの三橋、土屋の「元パルセイロ組」が勢力的に動き回り、流れが悪い中でもしっかりと相手の攻撃に対応していく。また、トップ下に入った元松本山雅の斉藤も随所でベテランらしいしぶい動きを見せ、傾きそうな流れをうまく食い止める働きを見せる。

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そんなゲーム展開の中で、最初に決定機を迎えたのはアルティスタだった。37分にカウンターからチャンスを掴み、左サイドを抜け出した藤丸が絶妙のクロス。フリーで石戸が入ってきて頭で合わせるも、ここは惜しくも枠の外でチャンスを逃してしまう。

結果的に、前半はサウルコスが終始ペースを握ったものの、両サイドのスペースをワイドに使う「佐野好み」な攻撃を繰り出す事が出来ず、優位に試合を運びながらも決定機を作り出せないまま、スコアレスで後半戦に突入していく。

そして後半だが、いきなりサウルコスは危ない場面を迎えてしまう。49分にGKがバックパスの処理をもたつく間に、相手のプレスを受け「あわや」というシーンが生まれてしまう。そしてその直後の50分、今度はDFのパスを西井がカットすると、素早く中へ入れると藤丸が合わせて劣勢だったアルティスタが先制点を奪っていく。

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それにしても、なんともお粗末な失点シーンであった。失点の直前にバックパスの処理にもたついていたのだからこそ、GKもDFラインも集中した動きをしなければいけない場面であったのに、立て続けに緩慢なプレーを見せてしまってはどうにもならない。そして「もう一度あるかも」と感じ、プレッシャーを掛けにいった西井の動きは実に素晴らしいものであり、この1点が試合のペースを一気にひっくり返すこととなる。

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リードを奪ったアルティスタだが、三橋、土屋がセカンドを完全に制圧し、サウルコスに思うようなゲームをやらせない。そしてセカンドを奪っては素早い攻撃を仕掛けて、再三サウルコスゴールに迫っていく。しかし、ホームでは絶対に負けられないサウルコスも必死の反撃を見せ、70分に坂井の縦パスから、抜け出した亀山が起死回生の同点ゴールを奪う。

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こうなると、ホームであるサウルコスの方に流れが移って行くかと思われたが、この日のアルティスタはここから粘り強さを発揮。同点となってからはしっかりブロックを形成し、カウンター主体のサッカーに切り替え、うまく相手の攻撃に対応。そして何よりも、「佐野のサッカー」を知る堺だからこそ、「ワイド」を使わせないうまい守り方を見せていく。

そんな守備を見せる相手に対して佐野監督からは、驚きの言葉が出たのだった。

これまでの草津や長崎の時には、ワイドな攻撃を仕掛けろという意味を込めて「幅っ~~~~~~あ!」「オーガナイズ!」という言葉を連発していたが、この日は「狭く!」という予想外の指示を飛ばしていたのであった。

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佐野監督の予想外な言葉が出たこの状況の中で、残念ながらホームのサウルコスに決勝点を奪う力はなかった。アルティスタも「アウェーで勝ち点1は決して悪くはない」ということもあり、無理をせず終盤はリアクションの姿勢を崩さす、初の師弟対決となったこの試合は結局1-1の痛み分けで終了となった。

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さて、試合後に「狭く!」の意図を佐野監督に問うと、このような答えが返ってきた。

「本当はもっとワイドを有効に使った攻撃をしたいですよ。でもね、今のウチのチームに相手の状況を見ながら、それが出来る選手がいないんだよね。狭くと言っても、中央を狙えという訳ではなく、自分たちがしっかりやれるスペースで、やれることをしっかりやりなさいということなんだけど、セカンドもほとんど拾えずに苦しい試合になってしまったね。

前半のうちに2点は決められるチャンスがあったのに、そこで決めきれないから苦しい試合になってしまう、(失点時の)ミスが出てしまう。

今日の試合なんかさあ、今週ほとんど練習に出ていない選手が試合に出ているんだよ。信じられる? 仕事の関係もあってどうしても練習に出られないのは仕方が無い。でもね、練習に出ていない選手をスタメンで使わざるを得ないというのもちょっとねえ…

まあ、僕がチームを見だしてからまだ時間も短いですし、これからですよ。関心を持ってくれるお客さんももっと増やしてかなければいけないし、もっと地元に対して知名度を上げていかなければいけない。クラブの環境も良くしてかなければいけないし、やることは山ほどあります。だからこそ、チームもクラブも良くなるまで時間がかかるかもしれませんが、まずはもっとゴール前でのシーンが増えるような見ていて楽しいサッカーが出来るようにトレーニングしていきます」

正直、佐野監督らしいサッカーが出来なかったサウルコスだが、この日に限っては「相手」がやや悪かった気もする。佐野サッカーを最も知る男であり、現役時代は華のあるプレーヤーではなく、必死さ、泥臭さがウリだった堺陽二のチームである。そしてヨージは試合後「こうじゃないサッカーをやりたいんですけどね」と、苦笑いしながらこう続けてくれた。

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「本当はね、もっと違う形(攻撃的)でやりたかったのですが、今日はまあ相手のホームだし仕方が無いかなあとも思います、ただ、本当に選手は最後までファイトしてくれたし、特に後半はいい流れを作る事ができたので収穫だったと思います。

まあ、戦術的な部分でも、もっと取り組みたいと思うのですが、それは次の対戦の時に出せればと思います。あとは前半のやや消極的な部分が消えれば最高なんですけど…」

まだ監督に就任して時間は短いものの、昨年とほぼ変わらないメンバー構成ながらも、昨年以上のチームに仕上げている感が強いアルティスタ。土屋や斉藤といったベテランに、関東大学リーグで戦ってきた若い選手がうまく融合し、かなりいい感じでチーム力をアップさせてきていることを強く実感させてくれた。どこでプレスをかけに行き、どこで奪うか? どう攻撃を仕掛けるか? という約束事が徹底されてきており、この日の戦い方を見る限る、実は今年の優勝候補はアルティスタなのでは? と感じてしまう部分もあったほどだ。

もし、今週末に行われるJSCとの試合で勝てば、一気に優勝候補に躍り出る可能性もあるアルティスタ。選手としてはJリーガーになれたものの、FWとして結局ゴールは奪えなかった。ある意味で悔いも残った現役生活だったかも知れないが、サッカー人としての「第二の人生」は実にいい滑り出しのように感じられたのであった。

さて、試合後の佐野監督に戻るが、ヨージとの再会の後にこんな言葉も残してくれた。

「ヨージがしっかりファイトするチームを作ってくれて、なんか原点を思い出したような気がしましたね。昔、自分が草津町でチャレンジャーズを指導していた頃を。

アルティスタのサッカーは、それに通じるものがあるし、やはり『必死さ、ひたむきさ』があったし、それの大切さを改めて感じた気がするし、懐かしさを感じたね…」

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佐野達が指導したチームの中で、最も厳しい環境の中にあると言えるサウルコス福井。GMという「全権」を持つ立場になった佐野だが、それは監督以上に難しい立場でもある。これまでのように現場を強くするだけではいいという立場ではない。時にはクラブのトップとして、時には営業マンとして、いろいろな顔を持って24時間クラブ運営に力を注がなければいけない。さらに、福井のサッカー熱はこれまでの群馬や長崎に比べて決して高くはなく、チームが置かれているカテゴリーも下(佐野がザスパ入団時はJ2)である。

長期的ビジョンを持ち、じっくりと行きたいところでもあるが、そう長い時間を掛けられるほど、クラブに「体力」がある訳でもない。難しい状況の中で、どう結果を出していくのか? どうクラブを変えていくのか? という、難しい問題に挑戦する佐野達。

決して平坦な道ではないと思うが、この日の相手が見せてくれた「必死さ、ひたむきさ」を、自分たちもしっかり持ち続ければ、夢で終わるのではなく、必ず現実のものとなるはず。

今は佐野達を信じ、彼の新しいチャレンジがどう進んでいくのかしっかりと見極めたいところでもある。

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2013 北信越サッカーリーグ 5月12日@テクノポート福井
サウルコス福井 1-1 アルティスタ東御
[得点者]
70分坂井(福井)
51分藤丸(東御)

2013年5月 9日 (木)

グルージャ、辛くもガンジュを下す

2005年シーズン末に起こった「お家騒動」が原因で、グルージャ盛岡から分裂する形で結成されたガンジュ岩手。だからこそ、今でもガンジュ岩手をよく思わない関係者もいるだろう。しかしだ、あの時からもう8年という月日が流れている。

ピッチレベルで戦う選手やスタッフにとって、そんな因縁は関係のないものどころか、過去にそんなことがあったんですか… というレベルであり、特に気にするものでもなく引きずるものでも無かった。そして今、ここにある両者の関係は、それぞれのチームをリスペクトしながらも、東北の覇権を争うだけではなく、J3への道を勝ち取るために負けられない「ライバルのひとつ」であるということだけだった。

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過去に天皇杯岩手県予選で対戦はしたことはあるものの、同じカテゴリーで公式戦で戦うのは初めてとなった両者。しかし、この対戦を迎えるにあたって、大きなプレッシャーを感じていたのはグルージャの方だった。

ガンジュは岩手県4部からスタートし、毎年コツコツカテゴリーを上げ、昨シーズン途中から就任した申在範(シン・チェボン/元ジェフ市原)監督のもと、メキメキ力をつけてきたが、申監督は「今年は勝てれば(優勝できれば)もうけもの」というぐらいであり、まだまだチームは発展途上と考えていた。そんな中で、開幕から4連勝という、いい状態の中でこの日の対戦を迎えていた。

それに対してグルージャには、開幕前から大きなプレッシャーがあった。「J昇格」を目標に掲げ、1部リーグ昇格イヤーとなった2005年から数えて5度、東北社会人一部リーグを制しながらも、地域リーグ決勝大会では敗れ続けてJFL昇格を逃し続け、その間にTDK(現ブラウブリッツ秋田)と福島ユナイテッドといったライバルチームに先を越されてしまい、クラブとして非常に厳しい状態の中で今シーズンを迎えていた。

開幕戦であるCobaltore女川戦では、ゲームを終止優位に進めながらもスコアレスドロー、さらに4節のヴァンラーレ八戸戦では痛恨の敗戦。ライバルと目されたガンジュ、ヴァンラーレは揃って4連勝スタート。それに対してグルージャは2勝1分1敗で、4節を終えた時点で「勝ち点差5」をつけられ、早くもピンチに陥っていたのであった。

内容とか目指すサッカーはどうでもいい。とにかく勝つしかないグルージャ。それに対して「勝てればもうけもの」というガンジュ。そんな対照的な両者だったが、さすがに上位を争うチーム同士の対戦らしく、激しい戦いとなっていく。

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それにしても、大一番を迎えるにあたり、この日のピッチはかなり残念なものであった。

芝の育成状況はお世辞でもいいとは言えず、天候も雨が降ったりやんだりで、この試合の前に行われてた第一試合でも足を取られて正確なパスが出せない、または変なバウンドとなり思うようにボールコントロールできないシーンが続出。だからこそ、細かく繋ぐというよりも、長いボールを交えながらのゲームとなったこの試合。

3-6-1のガンジュに対して、グルージャは4-3-3。ただし、ここまでの試合の反省か、征矢が守備時にはセンターMFの位置まで戻るなど、グルージャは守備での約束事を徹底させてきた。

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ゲームの立ち上がりは完全に五分。しかし、先に決定機を迎えたのはグルージャ。13分のCKでは小林亮太がフリーのタイミングでヘディング。だがここは枠を捉えきれず。それに対してガンジュは1トップの森川を起点に、2シャドーの仲谷、小寺がサイドをつき、開いたスペースにボランチの長谷部、櫛引が飛び込んで相手ゴールを脅かしていく。そして18分には仲谷の突破からチャンスを掴み、続く19分に森川のうまいポストプレーからサイドに展開と、徐々にいい形を作り出していく。

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ともにチャンスは作るものの、ピッチ状態の悪さも手伝って、なかなかいい状態でシュート体勢に入れず、ジリジリとした展開となっていったこの試合だが、40分にガンジュのビッグチャンスが訪れる。

DF小林と小寺が競り合いの中で接触。しかし、主審の判定はノーファール。だが小林が倒れたことにより、グルージャ側は一瞬集中が切れ、小寺の突破を許してしまう。すると抜け出した小寺はゴール正面でシュート! 完全に決まったかと思われたが、無情にもシュートはバーを叩き得点を奪えない。

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それぞれ決定機はあったものの、それ以外の場面ではシュートチャンスを作れずスコアレスで前半を折り返す。

そして後半だが、3トップの一角である加藤に替え、裏に抜ける早さが自慢の高瀬を投入すると、流れは一気にグルージャに傾いていく。また、ガンジュの1トップである森川が、前半終盤での接触プレーから手を痛めてしまい、アグレッシブな動きにブレーキがかかってしまったところも、流れが変わる要因になってしまった。

前半以上に、両サイドバックがチャンスに絡みだしたグルージャ。そんな状況に対して、ガンジュ申監督は74分に石本を投入し、システムを4-4-2に変更して相手の攻撃に対応していく。だがグルージャも同時にメンバーチェンジを行い、前線でターゲットマンとして期待する土井良太を投入。

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攻勢に出るグルージャ、守備の意識を高めるガンジュ。流れは一方的になりつつあったものの、かなりスコアレスドロー臭が漂ってきたこの試合。なんとか相手の壁を破りたいグルージャは、82分に佐藤がドリブルでPA内に侵入。相手DFとの競り合いの中で倒れるも、ここは明らかなシミュレーションで警告となってしまう。

だが、「なんとかしなくちゃ」というギリギリの思いがガンジュの固い壁を打ち破ることとなる。

88分、征矢が強引なドリブル突破からFKのチャンスを得ると、ここで「自分がもらったチャンスなんで蹴らしてください」と申し出る。

征矢は流経大時代、その能力を中野監督や大平ヘッドコーチから高く評価され、早い段階からJFLチームやトップチームで出場する機会を掴み、成長を続けてきた。だが、同級生の山村(現鹿島)、比嘉(現横浜FM)、増田(現広島)、中里(現横浜FC)、関戸、上條(ともに岡山)、村瀬(松本→藤枝にレンタル中)がJリーガーとなる中で、彼はそこに入り込めなかった。しかし、夢はあきらめられない。そんな彼は大学卒業後、新潟シンガポールに入団し、今年はJ3を目指すこのクラブでやってきた。

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自分の手で「Jリーガー」という夢を勝ち取るためには、ここで「道」を断たれる訳にはいかなかった。そして彼の執念が決勝ゴールを呼び込み、辛くもガンジュを1-0で下し、J3への道をつないだのであった。

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だが、グルージャの鳴尾監督は勝ったものの、グルージャが直面する厳しい状況はまだまだ変わっていないこと、そしてやりたいサッカーが出来ていないことには不満ものぞかせた。

「守りながら戦う相手とは本当にやりにくいですね(笑)

サイドを崩してのビッグチャンスは何回か作れましたが、まだまだ単発。連続して攻撃を仕掛けられないと、カウンターを食らってしまい、なかなか波に乗り切れないので、その点はもっと改善していきたいです。また、2試合ぶりにゴールが生まれて勝ちましたが、これでいきなり劇的に変わるかどうかわかりませんし、本当に目指すサッカーが出来るようになるまでは、もう少し時間がかかると思います。

今日の勝利はあくまでも次に繋がっただけであり、『チャンスをもらった』ぐらいにしか思ってはおりません。

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今日の試合も気持ちよく選手がプレーしているとは思えませんでしたので…
やはり、(流れの)いい時間帯で点を取れるようにしたいし、先制することで波に乗れるはず。そのためにも、目指す連動するサッカーを継続してやっていきたいです。

あと、どうしてもどのチームからも比較対象とされ研究されてしまうし、(見ている側からは)勝ってあたりまえでしょ? と思われてしまうのが、やはりプレッシャーに繋がっており、どうしても今はチームが固くなってしまっていますので、うまくモチベーションを上げていき、この勝利を次のヴァンラーレ戦につなげていきたいです」

それに対して試合後の申監督は、にこやかな表情でこのように語ってくれた。

「なかなか自分たちのペースに持ち込めなかったですね。

今日の試合はリーグ戦18試合のうちの一つなので、特に気にする事はありません。自分たちがやってきたサッカーを、この後も続けるだけだし、精度をアップしていくだけです。

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今日は結果的に負けてしまい、(内容的にも)思うような攻撃の形は作れませんでしたが、守備面ではよく頑張っていた事は収穫だと思います。失点もセットプレーでしたからね。ただ、拮抗している中で、ちゃんと決められるかそうでないかがグルージャさんとの差だと思いますね。あの場面で直接決めた。それに対して、小寺のシュートはバーに阻まれたと。

まあ、今日の試合は最初から「ウチが勝ったらもうけもの」と思っていました。やはり、グルージャさんの方がチームとして上だったですしね。ただ、今は「戦術よりも個」を作っているい段階で、チームのベースを作っている最中でもあり、長い目で見てくれると幸いです。

でも、次にやるときには絶対に負けませんよ」

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確かに、全体的に見てグルージャが支配したゲームだったが、いいところまでは攻め込めても、堅い守りを完全に崩すまでには持ち込めず、結果的に自分たち(グルージャ自身)で難しい試合にしてしまった感もあるこの試合。また、昇格の切り札として加入した土井と林が最初から出て来れない現状も、停滞の要因の一つになっている。土井は途中交代で出場したが、もっと運動量を増やしていかないと、頭から使うのは難しい。さらに期待のかかる地元出身の林勇介だが、3月に入ってから合流したこともあり、まだまだチームにフィットしていないこともあり、スタメン出場はもう少し時間がかかりそうだ。

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だが、林も浦和、草津で戦力外となった現状に対して、もっと厳しい目で見つめ直さないといけないだろう。地域リーグだから、地元だから出来るだろ? では、絶対に通用しないだろうし、使ってもらえない。征矢のような必死さ、貪欲さをもっともっと出してほしいところ。さらには、この日のゲームのように、停滞してしまった中で林や土井が持つ「個の力」は絶対的なカードであるはずなのだから、そこでチョイスされる選手になってもらわないとダメなのだ。

グルージャ浮上の鍵は、間違いなくこの2人のデキにかかっていると言えるだろう。

さてガンジュだが、開幕からの4試合は格下ということもあり、危なげなく勝ち進んできたが、やはりグルージャとなると、これまでのようには行かなかった。今年からはSAGAWA SHIGAで活躍した櫛引を獲得するなど、実力の高い選手が揃い、十分に一部でも勝てる陣容を揃えてきた。だがいかんせん、下部リーグで格下と戦う機会ばかりであり、拮抗した試合というものがほとんどなく、その「経験の差」が勝敗を分けてしまったと言えるだろう。

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しかし、その点については申監督は焦ってはいない。周囲は「今年昇格を!」と期待するかも知れないが、監督は成長を認めつつも「まだまだ」と考えている。それはチームの成長だけではなく、フロントを含めた「クラブの体力」についてもだ。グルージャに比べれば、サポートしてくれる企業の数も多くはない。また、チームを熱烈に応援するサポーターの数は足下にも及ばない。

市内を歩いてみれば一目瞭然だ。盛岡市内にはグルージャを応援するポスターを見かけても、ガンジュを応援するポスターは残念ながら見つけることは出来なかった。グルージャは知っていても、ガンジュは知らないという市民、県民はまだまだ多い。だからこそ、チームを強くするだけではなく、「こんなクラブがあるんです」ということを、もっともっとアピールしていかないといけないガンジュ。

グルージャに勝つことも大事だが、それ以上に「知名度、関心度」をアップさせるという課題にも、選手、フロントが一丸となって取り組んでもらいたいかぎりである。

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5月5日 東北社会人サッカーリーグ一部 @岩手県営陸上競技場
グルージャ盛岡 1-0 ガンジュ岩手
[得点者]
89分征矢(グルージャ)

2013年5月 4日 (土)

第三補給処サッカー部、5回目の挑戦で初優勝

かなり今更……という話ではありますが、先週末に行われた第47回自衛隊サッカー大会・決勝戦について触れたいと思います。

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さて決勝のカードだが、5回目の決勝進出で初の優勝を狙う埼玉の空自FC 3DEP(第三補給処サッカー部)と、2回目の優勝を狙う海自厚木なかよしFCの間で行われた。

正直な話、3位決定戦が本当に手に汗握る好ゲームであったこともあり、決勝戦の前で選手関係者や家族はともかく、一般のお客さんからすれば「もう満足…」「もうお腹いっぱい…」となってしまった人もいたかも知れない。そんな状況の中で決勝戦は行われたが、前の試合の余韻を吹き飛ばすかのような素晴らしい幕開けで試合は進んでいく。

今大会開幕前から厚木マーカスと並んで優勝候補と目されていた3DEP。ここまで、苦しい試合はあったものの、順当に勝ち抜いて決勝にコマを進めてきたが、大事なこの試合の入り方は、大会で一番の入り方を見せるのであった。

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プレイングマネージャーの熊谷哲平が「ビルバオのサッカーが好きなので、あのチームのようなハイプレッシャーをガンガン仕掛けて主導権を握りたかった」と語ってくれたように、この日の3DEPは素晴らしいハイプレッシャーで相手を自陣に釘付けにすることに成功する。

2分に春本がファーストシュートを放つと、その後は真木、小木曽の2トップが立て続けにシュートを放ち、流れを自分たちの物にすると、10分に得たFKのチャンスにDFの山本が飛び込んで頭で合わせて、早くも3DEPが先制。

さらに圧巻だったのは15分に決まった2点目のシーンだった。

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バックパスの処理にGKが対応しに行ったが、FW小木曽は猛然とチャージ。GKはなんとかクリアしたものの、これが小木曽の足にあたりルーズボールとなり、すぐさま反応した小木曽は無人のゴールに見事に流し込み、あれよという間に2点のリードを奪っていく。

立ち上がりの3DEPは本当に素晴らしかった。この日の試合が最後まで出来れば、関東1部レベルで戦ってもまったく遜色ないレベルであった。しかしだ。見ている側とすると、ややオーバーペースではないか? という不安もあった。

そしてその不安は徐々に的中することとなり、3DEPの運動量が前半30分を過ぎた頃からダウンし始めていく。ここまで、チャンスらしいチャンスをつくれなかったなかよしも、40分に近づく頃にはカウンター主体で3DEPゴールを脅かすシーンも生まれだしていく。

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スタートから飛ばしてきた3DEPだが、やはり連戦の疲れからとしては徐々にハイプレスが弱まりだし、時間的にも前半はこのまま2点のリードを守ればいいという流れになりつつあった。だが、決勝にコマを進めてきたなかよしも決して甘いチームではなかった。相手のプレスが弱まりだしたころからチャンスを作れるようになり、さらに前半終了間際のCKから、ファーでフリーになっていたDFの松本が強烈なダイレクトボレーをたたき込み、差を1点差として前半を折り返す。

一次リーグはチームによっては1日のインターバルがあったが、決勝トーナメントに入ってからは連戦が続いており、コンディション的には非常にキツイ状態でもあった。そんな中でハイスパートで入った3DEPのペースが前半途中で失速してしまったことは、仕方が無い部分でもあった。

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そして後半だが、今度は完全になかよしがペースを握ってゲームは進んでいく。前半のような全体が高いラインを取り、ハイプレスを掛けていくことが出来ない3DEP。普段は関東リーグで戦う熊谷(大成シティ坂戸)や小木曽(アルマレッザ飯能)、そして高校選手権でも活躍した真木(米子北卒)といったタレントの力でたびたびチャンスは作るものの、前半のような連動や連続した攻撃があまり生まれてこない。

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それに対して、なかよしは2トップをターゲットにした攻撃を何度も繰り返し、ゴールに迫っていくが、最後のシュートまではなかなか持ち込めない。ペースは完全になかよしのものであったが、厳しい状態の中でも3DEP最終ラインが集中を切らさず、粘り強いディフェンスを見せていくと、逆に今度はセットプレーから効率良くゴールを脅かしていく。

77分、CKのチャンスでゴール正面が混戦となったが、途中出場の藤田が押し込んで、劣勢だった3DEPが値千金の追加点を奪う。

ここまで、ピンチの連続だった3DEPだが、この3点目が選手に大きな勇気と希望を与えることとなる。また熊谷は選手全員に「リアクション!」と大きな声で戦術の徹底を図り、残り時間をしっかり守りきって悲願の初優勝を飾ったのである。

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試合後の熊谷は、自分に付いてきてくれた選手や、バックアップしてくれた部隊・職場の仲間、そして家族に感謝を述べたが、それ以上に印象に残ったのが、この日キャプテンマークを巻いたDFの川口への想いだった。

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「彼はね、去年の大会とその前の決勝の2度、キャプテンマークを巻いたのですが、両方ともダメだったんですよ。サドンデスに入ったPK戦で外してしまったこともあるし、オウンゴールしてしまった事もありますしね… でもね、彼を今度こそ『男にしてやりたい』と思って彼をキャプテンに指名しましたが、チームのみんなも同じ思いで彼を盛り立ててくれました」

と嬉しそうに話してくれた。

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また、「このチームは決まった選手だけで戦って勝ち進むのではなく、チーム全員で優勝を勝ち取れたことは大きなことだと思っています」とも熊谷は語ってくれたが、大会に出場したチームの中で、登録選手全員が試合に出たチームは3DEPだけだったかも知れない。

メンバーには、元プロ選手の熊谷もいるし、レベルの高いところでプレーした経験を持つ選手もいる。だがその反面で、実は約半数近くの選手がこの部でサッカーを始めた選手ばかりなのである。しかし、「努力は無限の可能性を生み出す」という信念をもつ熊谷は、辛抱強く指導して選手の成長を促し、そして全員の団結力があれば絶対に『部の歴史』を塗り替えることが出来ると信じてプレーし続けたのである。

実は大会の2週間前、このチームの練習試合を見たが、その時はお世辞でもここまで勝ち進めるとは思わなかった。熊谷とともに、リエゾン草津でプレーした木村直樹が率いるザスパ草津チャレンジャーズチームの練習試合では、ほぼ一方的にやられてしまい0-4という完敗を喫していた。

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サイドをガンガン突かれて突破を許し、運動量に優る相手に走り負けてしまっていたが、あの試合での敗戦が成長するための経験となり、大会ではしっかり走れるチームになり、何よりも攻めるとき、守るときの「メリハリ」が出来るようになっていたのである。

練習だけでは積み上げられない「プラスα」を、大会中にさらに積み上げて、強いチームから「たくましいチーム」に成長したFC 3DEP。この大会が終わってしまうと、熊谷と佐々木はシティに戻り、小木曽はアルマレッザに戻ることとなるが、彼らがいなくとも、この大会で得た経験をしっかり活かせれば、所属する埼玉県リーグ2部でもしっかり力を発揮できるはず。

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また、これまでの「挑戦者」という立場ではなく「王者」として新しい歴史を踏み出していく3DEPには、ぜひとも連覇に挑戦してほしいところである。

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第47回全国自衛隊サッカー大会 決勝戦
4月28日 @西が丘サッカー場
海自・厚木なかよしFC 1-3 空自第三補給処サッカー部(FC 3DEP)
[得点者]
45分松本(なかよし)
10分山本、15分小木曽、77分藤田(3DEP)

2013年4月30日 (火)

激戦となった全自3位決定戦

22日から始まった47回目の全国自衛隊サッカー大会。そして最終日の28日、西が丘で3位決定と決勝戦が行われたが、2試合ともじつに素晴らしい試合が繰り広げられ、大会自体のレベルも「自衛隊だけの大会」として見るよりも、普通に見ても面白い「第一種カテゴリー」の大会であったことを印象づけることとなった。

さて、決勝戦の前に行われた3位決定戦だが、本大会において17回という最多優勝回数を誇る厚木マーカス(海自・厚木航空基地)と、このマーカスに勝つことを目標に調整を続けてきた海自下総・館山チームが激突。

地域カテゴリーの関東リーグ2部に所属するマーカスに対して、下総・館山チームは今大会に向けて合同チームとなったが、チームのベースは千葉県社会人2部に所属する下総基地サッカー部。そんなこともあり、両者の間には「2カテゴリーの差」というものが存在したが、気迫あふれるプレーと、抜群の組織力を活かしたプレーの数々で、両者の間にあったはずの「差」を見事に埋めていく。

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立ち上がりはイーブンといった形でゲームは進んでいくが、マーカスは4-4-2というオースドックスなスタイルだが、さすがに上位カテゴリーで戦うチームだけあり、前線のFW2枚、そして中盤の両サイドアタッカーの攻撃力は高い。それに対して下総は、3-4-2-1システムを用いて、後ろからじっくり繋いでサイド攻撃から活路を見いだしていく。また、守備においては危ない場面はボランチがたびたび最終ラインまで戻り、固い守備を見せていく。

拮抗した展開というか、激しいつぶし合いが続いたこの試合だが、35分にゲームが動き出していく。マーカスFWの坂本が後ろからのチャージで2枚目のイエローとなり、前半のうちに数的不利な状況なってしまう。それにしても、この日の主審のジャッジは「少し厳しすぎるかな?」という面があった。坂本の2枚目は仕方がないとしても、1枚目は「それで?」という気もした。ただ、この日の主審がフェアだったのは、厳しいジャッジ方針は最後までブレず、常に同じ基準でファールを取っていたことであり、それは評価したいと思うところ。

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話はそれてしまったが、カテゴリー差を組織力で埋めていた下総だったが、今度は「数的優位」という大きなアドバンテージを得て、一気にゲームの流れを自分たちの方へ引き寄せていくかと思われた。たが、それで一気に力が落ちるほどマーカスは甘くはなかった。

また、マーカスにとっても退場者のポジションがFWであったことも救いだった。FWの守永は、1人で2人分の動きを強いられたが、中盤と最終ラインの役割は大きく変わることもなく、なんとか10人になってからの5分間を凌ぎきると、今度は攻めに出るチャンスを伺い始める。

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そして時間は45分を迎えようとしていたときにゲームは動く。下総の選手たちは「前半は0-0でも悪くはない」という考えがあった。だが、その余裕とも思える考えが「隙」となってしまい、マーカスに付け入られてしまう。右サイドのスローインから素早く繋ぎ、最後は守永が合わせて一人少ないマーカスが先制点を挙げて前半を折り返す。

しかし、下総は1点ビハインドの状況でも慌てることなく、しっかりと後ろから組み立てて、相手の運動量が止まりだす時間を待ち続ける。すると55分を過ぎた頃からマーカスの中盤にスペースが生まれ始めたことと、数的不利をなんとかしようとするあまりに生まれてしまったファールの連発から、何度もゴールマウスを脅かされることとなる。

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そして75分、またもFKのチャンスから途中交代出場の落合が頭で合わせてついに同点。その後も下総がマーカスゴールを脅かし続けるが、必死のディフェンスを見せる相手に対して決勝点を奪えない。

ゲームはついに延長戦に突入したが、後半途中から選手交代を駆使し、なんとか全体の運動量を回復させていたマーカス。だが、マーカスはまたも不運に見舞われてしまう。延長前半7分、キャプテンの坂倉がレッドカードで今度は2人少ない絶体絶命の状況となってしまう。

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しかし、驚異的な粘りを見せるマーカスは、またも奇跡的なパワーを発揮。延長後半4分、左サイドからチャンスを作り、クロスを入れるとゴール前で混戦となったが、途中出場の須田が難しい体勢からボレーシュートを放つと、ゴールネットを揺らしてマーカスがついに勝ち越し! だが、下総も最後まで諦めなかった。キャプテンの鈴木は「昨日(準決勝)負けたことは悔しかったが、ここで関東リーグのマーカスとやれることはいい経験だし、目標にしていた相手だったので絶対に倒したかった。だからこそ、あの時間帯でも絶対に(点を)取れると信じていました」と語ってくれた通り、再びドラマが訪れる。

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2-1となった2分後の延長後半6分、下総はFKのチャンスを掴むと、一気にボールに多くの選手が飛び込み混戦となるが、最後は鈴木が蹴り込んで土壇場で同点に追いつく!

試合は延長戦でも決着がつかず、勝敗の行方はPK戦にゆだねられることとなったが、「チャレンジャー」だった下総の方が精神的に優位に立っていたのである。確かに相手よりも2人多いという状況であったが、上位カテゴリーのチームを相手に、2度のビハインドを追いついたということが自信となっていた。また、PK戦の直前には「こんな機会は滅多にないのだから、みんなで思いっきりこのプレッシャーを楽しもう!」とリラックスしてPK戦へ挑んでいく。

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その結果、マーカスの5本目を下総GK・國井が見事にストップして、目標だったマーカスに勝つと同時に、3位という成績で今大会を終えることとなった。

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試合後、下総の室田監督、そしてキャプテンの鈴木ともども「結果的には(マーカスに)勝利したけれども、個の力では本当に差はあったし、改めてテクニックの高さと豊富な運動量の凄さを知ることとなりました」と語り、厚木マーカスという存在が、サッカーをプレーする全国の自衛隊員のあこがれの対象であり、抜きん出た存在であることを、再度認識させられた。

さて、3位に入った下総・館山チームだが、合同チームとして大会にエントリーしていたが、ここまでたどり着くには決して平坦ではなかった。基本的に館山からの選手が、下総の練習場に赴くという形で大会に向けて準備してきたが、どうしても「単一部署チーム」に比べて練習時間という面ではハンデがあった。チーム戦術や連携面でも当初は不安もあった。だが、メンバーは同じ方向性を向き、ボールをしっかりキープして、自分たちが主導権を握ってゲームをコントロールしようという高い理想を全員で共有出来たことにより、大会では実に素晴らしいゲームを披露。成績的には3位で終了したが、戦術的に見ると大会の中で一二を争うオーガナイズされたチームであったと言えるだろう。

そして4位に終わってしまったマーカスだが、準決勝、3位決定戦、ともどもPKで敗れてしまうという不運もあったが、その実力高さ故にマークされる存在であったからこそ、この結果になってしまったと言えるだろう。

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だが、3位決定戦での数的不利になってからの驚異的な粘りは賞賛すべきものであり、敗れてもなお「マーカス強し!」という印象は多くの人が抱いたはずであった。

それにしても、3位決定戦でありながらも、決勝戦のような大熱戦となったこの試合。やはり、強い気持ちとたくましい精神力があれば、どんな困難な状況でも奇跡を起こせるということ、そしてどんなカテゴリーの試合でも、素晴らしいものは素晴らしいということを、改めて教えてくれる試合でもあった。

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第47回全国自衛隊サッカー大会 3位決定戦
4月28日 @西が丘サッカー場
海自下総・館山 2-2(PK4-3)厚木マーカス
[得点者]
75分落合、106分鈴木(下総)
45分守永、104分須田(マーカス)

2013年4月27日 (土)

第47回全国自衛隊サッカー大会

今週の月曜日から始まった第47回全国自衛隊サッカー大会。正直な話、大会の知名度はお世辞でも高くはなく、会場によっては一般の方が見ることが出来ないなど、今ひとつメジャーにならない要因はあるのだが、試合の方を見てみると以外にも面白い。

今回も24チームが出場したこの大会。3チーム×8ブロックのグループリーグに、各ブロックの1位チームのみが進む決勝トーナメントという形式で、準々決勝までが35分ハーフで、準決勝以降から45分ハーフの通常ルールが用いられており、出場チームの顔ぶれを見ると地域カテゴリーの関東リーグ2部に所属する海自厚木マーカスを筆頭に、その他のチームはおよそ県リーグの1部から2部相当の実力を持ったチームが揃っている。

ただ、やはり大会において上位を独占しているマーカスに、(海自)厚木なかよし、空自入間第3補給処(FC 3DFPC)、大村航空基地FC、海自那覇、さらには海自下総と言ったチームは、かなり練習を積んでしっかりとしたベースを持つチームに作り上げてきており、他の参加チームとの「差」をしっかりと見せつけてくれた。

そんな中で、昨日は駒沢オリンピック公園の補助グラウンド、第二球技場で準々決勝の4試合が行われたが、上記にあげたチーム同士の戦いは、最後まで拮抗した戦いとなり、そうでない試合はやや力の差を感じてしまう結果となった。

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さて、昨年は4回目の決勝進出であったが、またもマーカスの前に苦杯を喫してしまったFC 3DFPCは、準々決勝で同じく埼玉県の熊谷空自と対戦。FC 3DFPCといえば、プレイングマネージャーであり、今でも中心選手である7番の熊谷哲平の存在抜きには語れない。知っている方もいるだろうが、彼は関東リーグ2部に所属する「大成シティFC坂戸」の監督でもあり、かつてはザスパ草津の前身であるリエゾン草津でプレーしたのちに、シンガポールに渡ってプロ選手として活躍した経験も持っている。

シティの監督であると同時に、自衛隊員の顔も持ち、そしてこのチームの精神的支柱として、若い選手を引っ張る存在でもある熊谷。

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そして試合の方だが、大方の予想どおり、実力で勝るFC 3DFPCが、空自熊谷陣内に一方的に攻め込む形でゲームは進む。空自熊谷は、相手の速いパス回しについて行けず、守備ラインが完全に混乱。ここでFC 3DFPCが早い時間で先制点を奪えていれば試合の流れはその場で決まってしまったはずだったが、最後のフィニッシュが決まらず、少しイヤな雰囲気が漂い出す。

すると15分過ぎから、空自熊谷はボランチ1枚が最終ラインにまで戻って、5バックのような形をとり、さらに中盤のアタッカーもしっかりブロックに入るなど、守備面で落ち着きを取り戻していく。そうなると今度は、FC 3DFPCがパスの出しどころを失い、逆に奪われてカウンターでピンチを招くシーンも生まれてしまう。

序盤の優位な展開のイメージが強かったのか、短いパスを繋いで中からこじ開けようとし続けたFC 3DFPC。しかし、中の守りをガッチリ固めた相手の前では「効果的」とは思えない攻撃の連続で、自滅のような形で前半を無得点で終えてしまう。

空自熊谷としては理想的な展開だったかもしれない。しかし、FC 3DFPCにとってはなんとも言えない難しい試合になってしまった。だが、一瞬の連携ミスが試合の流れを一変させていく。

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後半10分(ぐらい)、空自熊谷のDFとGKが痛恨の連携ミス。ここをFWの真木(米子北高校で全国大会出場経験あり)が逃さず詰め、待望の先制点を奪う。ここまで、しっかり守りを固めて、少ないチャンスで活路を開いてきた空自熊谷だが、この失点で集中が切れてしまい、再びFC 3DFPCの攻撃に翻弄されてしまい、熊谷→真木の連携から立て続けにゴールを奪い、試合を3-0として勝利をほぼ手中にする。それにしても、ゴールを決めた真木の働きも良かったが、ベテランらしい正確なラストパスを入れた熊谷の働きは「さすが」の一言。

これで無失点で終わらせれば最高だったのだが、空自熊谷も最後に意地を見せて1ゴールを奪い、結局ゲームは3-1でFC 3DFPCが勝利。

ただ、内容的には点差以上の差があったこの試合。FC 3DFPCにとっては、若い選手が引いた相手に対して、もっと落ち着いて対応し、さらには攻撃の形をもっとワイドにしていれば、ここまで苦戦しなかったかな? と思えるこの試合。

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プレイングマネージャーの熊谷も「若さが出てしまいました。もっと落ち着いてやれば出来るはずなんですが…」と語ってくれていた。

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そしてこの試合の後に行われた海自下総と滝ヶ原の試合は、3-4-3(3-4-2-1)システムでゲームに挑む下総が力の違いを見せつけ8-1と滝ヶ原を一蹴。しっかり組織された3バックは、守備となった瞬間にサイドが下がって5バックになるなど、「優勝する」という意気込みが伝わる本気モードのチームであると感じさせてくれた。

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この2試合を見ていた関係で、第二球技場で行われていた別の準決勝2試合は見なかったが、こちらの会場は大会の上位常連チームが揃ったこともあり、かなり拮抗した試合となったようで、マーカスも楽勝とまでは行かなかったし、厚木なかよしも辛くもPK戦で準決勝進出を決めた。

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これにより、準決勝のカードは厚木マーカス vs 厚木なかよしという、「兄弟対決」が実現。また、悲願の初優勝を狙うFC 3DFPCは難敵、海自下総と激突。

本日の試合は一般観戦は出来ないが、明日、西が丘で行われる3位決定戦、そして決勝戦は見ることが出来るので、ぜひとも足を運んでみてはどうだろうか?

J1リーグや欧州のトップリーグと比べてしまうとレベルは一目瞭然だが、若い選手から、かなり年齢はいってますよね? と思う程のベテラン選手が、最後まで必死なプレーを見せるこの大会。プロとは違う「アマチュア」の白熱したゲームを見るのも意外に面白いものですよ。

2013年4月24日 (水)

ダービーならぬ「夢のBruder対決」

浦和レッズと大宮アルディージャが激突した「さいたまダービー」が行われた4月20日に、群馬県前橋市で埼玉県のチーム同士の試合が行われていたことをご存じであっただろうか? 

その試合とは関東サッカーリーグ2部、第3節。ACアルマレッザ飯能 vs 大成シティFC坂戸のカードであり、ある意味で「もうひとつの埼玉ダービー」なのだが、この対決はダービーと呼ぶよりも「兄弟対決」であり、もっと違う言い方をすれば「夢の対決」でもあったのだ。

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なぜ、兄弟対決なのか?
なぜ、夢の対決なのか?

それは両チームが深い関係を持っているからだ…

この日のホーム主催者であるアルマレッザ(以下飯能)は、2009年から現在の名称に変更して関東リーグで戦っているが、それ以前は「飯能ブルーダー」という名前で戦っていた。そして、当時の中心選手の一人に熊谷哲平という選手がいたが、彼こそが現在のシティ(以下坂戸)の監督であるのだ。また、熊谷の他にもブルーダーでも活躍した中居剛士などは、坂戸を牽引する選手の一人として今なお現役。

飯能には、熊谷や中居、水沢を知るスタッフや選手が、今なお数多く在籍している。また、熊谷にとっても2008年の坂戸監督就任以来、飯能と同じカテゴリーに立つこと、そして公式戦で対戦することが目標の一つでもあった。さらにもうひとつ、両チームのサポーターは、かつて「ブルーダー」を応援していた仲間でもあったのだ。

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飯能ブルーダーの「Bruder」とは、ドイツ語で「兄弟」を指す言葉であり、この日の対決は2008年に熊谷が坂戸の監督になって以来、両チームに関係する人みんなが楽しみに待っていた「夢の兄弟対決」でもあったのだ。

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さて試合だが、両者とも中盤をボックス型にした4-4-2スタイルでスタートしていくが、立ち上がりからコンパクトなラインを形成し、素速く前線にボールを集めていく坂戸がペースを握り、FWに入った斎藤裕、鈴木竜基がうまくボールを受けてチャンスを立て続けに作っていく。

それに対して飯能は、やや相手のペースに押し込まれ、コンパクトなラインを保てず、全体的に間延びしたラインとなってしまい、空いたスペースを坂戸に狙われていく時間帯が続いていく。

立ち上がりは坂戸が優位にゲームを進めていくのだが、坂戸の攻撃以上に目に付いてしまったのが、主審とラインズマンのかなりあやふやなジャッジの数々だった。ゲーム立ち上がりから、主審の笛が鳴らない時間帯がかなり続いていく。ゲームをうまくコントロールして、多少のファールでもアドバンテージで流していたのなら問題なかったのだが、実際はそうではない。完全に「あれ、このプレーってファールにしていいの?」という事に迷ったあげく、多少の危ないチャージでも全部流してしまうという、かなり危ないジャッジが続く。また、ベンチ側のラインズマンも、かなりオフサイドを見逃すなど、「おい、大丈夫か?」と言いたくなってしまうほどの疑惑の判定が続出。

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そんな中で18分、バイタルエリアまでボールを運んだ坂戸に対して、飯能守備陣が対応したが、ハンドのように見える微妙なプレーが生まれる。しかし、主審の判定はノーファール。この判定に選手も多少イラッとしたようだったが、この後も坂戸がボールをキープしてPA内に突入すると、DFに倒されて今度こそファール判定となり、坂戸はPKのビッグチャンスをゲット。ここはキッカーの鈴木竜が落ち着いて決め、坂戸が今節も先制点を挙げる。

だが、先制点を奪われた事で飯能が目を覚まし、間延びしていたラインもコンパクトになり、ボランチの清水、中村が積極的にボールに絡むようになり、さらには左サイドの坂井、原田が上手く抜け出してチャンスを次々と生み出していく。

先制点を奪われた飯能だが、その後はペースを奪い返して反撃に出て、25分には原田のオーバーラップから決定機を迎え、さらに28分にも連携から坂戸守備陣を崩し、清水が落ち着いて縦にスルーパス。これに反応した佐々木がキレイに決めて、飯能がついに同点に追いつく。

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さらに勢いづいた飯能は直後の31分に、スローインから素速く繋いで坂井がシュートを放つなど、完全に序盤とは逆の展開となり、坂戸は攻め手を見いだせず厳しい時間帯を迎えてしまう。しかし、前節の反省(1-3 神奈川教員戦)を踏まえ、厳しい時間帯でも守備陣は粘り強く対応し、なんとか前半の残された時間を凌ぎきり1-1のタイで折り返す。

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前半の途中から完全に飯能ペースになった試合だが、エンドの変わった後半は再び積極性を取り戻し、坂戸が一気に息を吹き返す。さらには、前半以上に冴え渡る鮮やかな速攻を見せ、飯能ゴールに迫っていく。

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そして51分、斎藤が前で競ったボールのセカンドを拾った矢内が難しい体勢ながらも強引に左足を振り抜くと、ゴールへ一直線に飛んでいき坂戸が2点目を奪う。さらに4分後の55分には、左サイドの中居から素晴らしいボールが入ると、鈴木竜が頭で見事に合わせてリードを2点差とする。

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前半中盤以降は相手の勢いに押されて防戦となってしまった坂戸だが、後半からはキッチリとラインを修正し、立ち上がり同様に全体をコンパクトにして、速い攻撃を仕掛けてゴールに迫り、理想的な形から連続ゴールを挙げてゲームを優位に進めていく。

その後も運動量が衰えない坂戸は、相手にチャンスらしいチャンスを与えず自分たちのやりたいサッカーを終始展開。さらに76分には、山崎がこぼれてきたセカンドボールを豪快に蹴り込んで、試合を決定づける4点目を奪う。きれいに揃った3ラインは最後までコンパクトな形を保ち、前線、中盤、両サイドが実にいい連携を見せ、まさにチームが目標に掲げる「Enjyoy Football」最後まで展開した坂戸が、目標の相手との大切な一戦で、今季初勝利をもぎ取ったのであった。

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それにしても、この日の坂戸は終始、気持ちが入っていた。確かに、連敗を止めたいところだったし、相手は監督のルーツでもある飯能ということで、気合いも入っていたかも知れないが、それ以上に前節の反省点をしっかりカバーしていたことが勝利に繋がったと言えるだろう。

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全員がハードワークしなければ、やって楽しいサッカーにたどり着けるわけがないのだが、この日は見事にそれをやり切った。さらには、同点に追いつかれてからの闘い方に成長が見えたことが、得点以上に収穫であった。

初戦、2戦目と、失点してからズルズルといってしまうシーンが多かったが、この日は悪いなら悪いなりに「耐える」ということがしっかり出来たのである。もし、前半のうちにリードを許していたら、後半はまったく違う展開になっていたかも知れないが、その時間帯を耐えられたことが、後半の反撃に繋がっていったのである。

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これで坂戸は関東リーグ(2部)において、記念すべき初勝利を飾ったのだが、この大事な試合、そして記念すべき試合に坂戸の熊谷監督が諸事情により不在であったことはナイショである(笑)。  ぜひとも、次の坂戸ホームの時には熊谷監督も揃って、また「夢の兄弟対決の続き」、そして「夢のオールスターゲーム」を見せて欲しいところでもある。

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また、敗れて3連敗となってしまった飯能だが、繋いで崩していこうという方向性は悪くはない。だが、関東リーグは全部で18試合しかないため、これ以上の連敗は避けたいところだが、この日出来ていたものをさらに伸ばし、何とか今季も関東リーグに残って欲しいと願いたいところだ。

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そして最後にもう一つ。なぜ、埼玉勢同士の試合が群馬で行われたのか? ということだが、単純に言えばグラウンドを押さえることが出来なかったということなのだが、地域リーグレベルであれば「簡単に押さえられるであろう」と思うのは大間違いである、ということを知っておいてもらいたい。

特に関東地区を指す話になってしまうが、土日はサッカーだけではなく、いろいろなスポーツの日程が入っていることや、それぞれの県リーグレベルでも試合数は多いし、その他にもJFLや大学リーグ、なでしこリーグにチャレンジリーグ、ユース年代のプリンスリーグや県の大会など、数多くの試合が予定されており、普段の練習場が試合会場として使用できるチーム以外は、会場を押さえることは年々難しくなってきている。

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また、飯能市や近隣地域を拠点とするアルマレッザにとって、正直なところ本拠地周辺に試合を開催できる会場が少ないことも泣き所であり、試合会場を決めることは例年以上に厳しい状況にあった。そんな中で、決まっていない試合日に関しては、他の参加チームの協力を得て会場が決定したこともあり、ホームゲーム9試合のうち、半分以上の5試合(群馬3、東京2)が埼玉県外でやることとなっていた(今回の場合はtonan前橋さんの協力でグラウンドが決定)のである。

本来なら、普段お世話になっている地元の人にも気軽に見に来て欲しいと思うところだが、残念ながらそれが出来ない苦しい事情があった飯能。そう考えると、今季のホームゲーム全てを坂戸市民総合運動公園で行える坂戸はなんとも恵まれた環境にあると言えると同時に、自治体や地元との連携がしっかり取れていることが窺い知れる。

ただ、今回のようなことはあまり好ましいことでもないので、出来れば埼玉県協会や、KSLがもっとバックアップしてほしいとも感じるところであり、出来る限りホームゲームをチームが所属する県(都)でやれるように働きかけて欲しいところでもある。

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2013関東サッカーリーグ2部 第3節 
4月20日@大胡運動公園陸上競技・サッカー場
ACアルマレッザ飯能 1-4 大成シティFC坂戸
[得点者]
20分・55分鈴木竜、51分矢内、76分山崎(坂戸)
29分佐々木(飯能)

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