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2017年4月23日 - 2017年4月29日

2017年4月29日 (土)

自衛隊サッカーが誇る「ナショナルダービー」

第51回全国自衛隊サッカー大会・準決勝
空自 入間・横田基地 0-2 空自 FC 3DEP
海自美保 0-8 海自 厚木マーカス



この結果により、明日の西が丘での対戦カードは
10:00 3位決定戦
空自 入間・横田基地 vs 海自美保
12:00 決勝戦
空自 FC 3DEP vs 海自 厚木マーカス
となりました。



結果的に見て、順当というか、妥当なカードとなった決勝戦。
今大会というか、自衛隊が絡んだサッカーチームを見渡した場合、昨年まで地域リーグ(関東2部)で戦っていた厚木マーカス、そして埼玉県リーグ2部で戦うFC 3DEP(以下三補)は、抜きん出た存在であることは疑う余地はない。確かに厚木なかよしや、今日準決勝で敗れた空自入間も良いチームであったが、三補と比べた場合、選手それぞれの「個」という部分では劣っている気はしないのだが、11人というチームとしての成熟度の部分で差が見えてしまったところが勝敗を分けたところであろう。



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この2チームに関しては、両者とも前半の入りは良かった。しかし、その攻撃とて、県リーグやカップ戦で同等、もしくはそれ以上のレベルのチームを、普段から相手にしている三補にとって、凌ぎきれないものではなかった。慌てず対応すれば、相手がラッシュを仕掛けてきても、それを受け流す術を身につけているのである。そしてチームは「前半を我慢して乗り切れれば、後半になれば運動量は下がって来るので点は取れる。そして先制点が取れれば、相手が前ががりになるので、追加点も奪える」というゲームプランを描いていたが、見事なまでにそれを実践。



まあマーカスに関しては、強いの確かなのだが、ちょっと組み合わせにも恵まれたかな?という部分もあり、ベスト8、準決勝は危なげなく快勝。ちょっと苦労する場面が少なかったことが、逆に決勝で悪影響にならねばいいのだが…という部分もあるが、やはり優勝候補筆頭という立場には変わりはないだろう。このように、結果的に優勝候補筆頭と、対抗本命が決勝戦に進んだ今大会。しかし、順当な結果で良かった気もするのだ。



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自衛隊サッカー大会とは、普通に考えて「自衛隊隊員、そして所属部隊のための大会」であることは間違いないのだが、近年は多種多様なサッカーを見る、楽しむという文化が広がりを見せていることもあり、自衛隊サッカー大会というものも、身内(部隊)だけの大会から、「一般の方にも見てもらえる、楽しんでもらえる大会」に変わって行く必要性もあるのでは?と思うのだ。中には、「自衛隊のサッカーってどんなレベルなんだろう?」と興味を持って、初めて大会を見に行く人もいるかもしれない。そんな人のためにも、明日の決勝戦のカードが、マーカスと三補という、自衛隊サッカーにおける「ナショナルダービー的存在」であったことは本当に良かったとも言える。



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この両チームは、この大会に向けて集まったチームではなく、普段からより高いレベルを目指すために活動を続けているクラブチームでもある。マーカスに関しては、関東リーグから降格してしまい、17年ぶりに神奈川県リーグで戦うことになったが、2004年には地域リーグ決勝大会にも出場した伝統あるクラブでもある。そして三補の方だが、歴史の長さはマーカスとあまり差はないが、本格的な強化が進んだのは38回大会(平成16年)以降からであり、2014年に埼玉県リーグ2部で優勝し、2015年シーズンはチーム初の県リーグ1部を経験。現在は2部で活動中だが、1部復帰を目指してリーグ戦に挑んでいる。



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どちらのチームも、普通の一種カテゴリークラブとして、地域に根付いた活動なども行いながら、チーム力アップに日々励んでいる。そんなクラブチームだからこそ、目の肥えたファンにも「自衛隊のサッカーって体力勝負なだけではなく、戦術浸透度も高くてなかなかおもしろい!」と感じてもらえるはず。だからこそ、明日は自衛隊が誇る自慢の2チームが、一般のサッカーファンも納得するような、素晴らしい決勝戦を見せて欲しいところでもある。よく言われる「自衛隊員の熱き戦い!」というような、抽象的な表現ではなく、掛け値なしに「おもしろい」と感じてもらえる試合を見せられれば、大会の一般的な知名度や価値というものも、もっと高まっていくはず。



どの部隊が優勝を掴むか? ということも大事だが、大会自体の一般的価値を上げるためにも明日の決勝戦は、まず「名勝負」となることを期待したい。

2017年4月27日 (木)

第51回全国自衛隊サッカー大会、ベスト4決まる

駒沢オリンピック公園第二球技場、補助競技場で行なわれている、第51回全国自衛隊サッカー大会だが、本日27日は準々決勝4試合が行われ、本大会のベスト4が決まった。



駒沢第二球技場
海自 下総 2-3 空自 入間・横田基地
空自 FC 3DEP 4-1 海自 A.N.F.C



駒沢補助競技場
海自 美保 2-0 空自 浜松
海自 大村航空基地 1-5 海自 厚木マーカス



以上の結果により、明日行われる準決勝は以下のようになりました。
4月28日(金)駒沢補助競技場
10:00 空自 入間・横田基地 vs 空自 FC 3DEP
12:00 海自 美保 vs 海自 厚木マーカス



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やはり今大会も、昨年まで関東リーグ2部で戦っていた厚木マーカス(今シーズンは神奈川県リーグ1部所属)と、過去に埼玉県リーグ1部まで登ったFC 3DEP(今シーズンは埼玉県リーグ2部)の力がやはり抜きん出ているのは間違いない。自衛隊の大会とはいえ、この2チームは単なる「部隊サッカー部」としてだけではなく、地域に根ざしたクラブチーム的な役割を持っているからこそ、やっているサッカーの「質」というものが一味違う。基本的には『自衛隊員だけ』で構成していることもあり、一般のクラブチームのように『新しい戦力』を増やしにくいというマイナス点はあるものの、そんな中でも常に高いレベルを維持しているのは、日頃の鍛錬ぬきには語れない。



そして今日のFC 3DEP(以下三補と称す)は、前回大会(2015年大会)において、同じくベスト8で激突し、1-1の末PK戦で敗れた海自 A.N.F.C(厚木なかよし)が相手となり、「今度こそ勝つ!」という強い気持ちを持って試合に挑んできた。



さて三補だが、この大会に向けてというよりも、埼玉県内の大会出場のため、実は1月8日からすでに今年の公式戦が始まっていた。そして埼玉県リーグの方も4月の頭から始まっており、試合勘という部分では問題ナシの状態だった。さらに今シーズンは、東京国際大学のセカンドチームや、ザスパ草津チャレンジャーズなど、自衛隊大会にはいないであろう、レベルのチームを相手に公式戦や、TRMをこなして来たこともあり、チームのベースアップは確実に進んでいた。



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だが、全てがいいことだけではない。これまで三補のサイドアタッカーとして活躍してきた春本選手は今大会、空自入間・横田基地メンバーとして参戦であるし、チームのエースに成長した真木選手は、研修などもありしばらくチームから離れており、復帰というか出られる試合は29日のみという状況だった。確かに「全自」では、普段の県リーグ公式戦では登録メンバーではないため、参加しない齋藤雄太(大成シティ坂戸FC所属)や、小木曽真悟(アルマレッザ入間所属)の2人が「助っ人」として入って来てくれるものの、やはりベースとなる主力戦力が抜けてしまうのは痛いところ。だからこそ、今大会では点取り屋として田代選手の活躍が期待されたが、今日の試合を含めて、十分すぎる活躍を見せている。しかし、三補の躍進を語る上で、熊谷哲平という人物の存在を忘れてはいけない。



大東大卒業後、ザスパ草津の前身である、リエゾン草津でプレーし、その後はシンガポールリーグでプロとしてプレーした経歴を持つ、異色の自衛官。さらにこの「三補」だけではなく、オギ、雄太とともに、飯能ブルーダー(現・アルマレッザ入間)、坂戸シティ(現・大成シティ坂戸)でもプレーした選手で、サッカー選手としての実力、そして指導者、トレーナーとしての実力も、自衛隊という枠を飛び越した存在でもある。そんな彼の指導方法、トレーニング方法、サッカー理論をチームに長い間植え付けてきたこともあり、近年ではマーカスと並ぶ存在に成長してきた三補。また、プロに近いとも言えるほどのサッカー論理以上に注目したいのが、『まずサッカーを楽しめ!』ということを重視している点だ。



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自分たちがやっていても、楽しいと思えないサッカーをしていたら、見ている人に自分たちのサッカーが響くわけがないし、つまらないと思うはず。だからこそ、やりたいサッカーをやりきって、まずは自分たちが楽しみ、充実感を味うことを重視している。そんなプレーが出来ていれば、必ず見る側にも響くし「楽しい」と思ってくれるはず。だからこそ『まず楽しもう』ということを大事にするのが、三補イズムというか、熊谷イズムの基本。自衛隊のサッカーなんて誰が見るの?と思うかもしれない。しかし、少なくもともマーカスや三補、そして厚木なかよしなどの、全自の上位常連チームのレベルは、決して低いレベルではないし、見ていて十分面白いと感じるものだし、自衛隊の大会だけではなく、これらのチームの視線というものは、内向きだけではなく、外にも向けられているのである。



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さて、話を試合の方に戻すが、前半の立ち上がりから勢い良く前からのプレスを掛け、三補になかなかチャンスを与えず、ゲームの流れはなかよしが握っていく。しかし、末永、新井の真ん中2枚が固めるディフェンスラインと、中盤の雄太がしっかり体を寄せ、攻められながらも決定的な場面を作らせず、前半をスコアレスで折り返す。そして後半に入ると、一気に攻めのギアを上げた三補は、両サイドアタッカーの桑本、オギのチャンスメークから、どちらも田代が中でしっかり決めてリードを広げていく。そしてスコアを3-1としてアディショナルタイムに突入したが、ここで普段の県リーグ公式戦では絶対に見られない連携で得点が生まれることとなる。シティ所属の雄太がドリブルで持ち込み、相手DFを十分引き付けた上で、フリーになったオギにラストパス。これをアルマレッザ所属のオギがしっかり決め、さらに得点を重ねて4-1と、最高の形で「リベンジ」を達成して準決勝にコマを進めた。



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この試合、間違いなく前半は海自 A.N.F.Cはいい動きをみせていた。しかし、三補からすれば、じっくり構えて焦らずやれば、間違いなく流れを取り戻せるという自信があった。これこそ、普段から県リーグやカップ戦で、高いレベルの相手と対戦することで「もまれてきた」からこそ、生まれてくる自信というか、「試合慣れ」という部分が顔を出した場面でもあった。



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こうして、準決勝は「入間ダービー」が実現したのだが、上記にも記したとおり、相手チームには春本選手がいるし、空自入間チームを統率するのは、これまた元三補の河崎健太郎氏。この「空自入間・横田基地サッカー部」も、三補同様にアグレツシブに攻撃的なサッカーを目指すチームである。入間ダービーといのは間違いないが、それ以上に「三補イズムダービー」とも言えるこの試合は、とても面白い試合になりそうだ。



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今年の自衛隊サッカー大会も、あと2日。そして4試合でラストを迎えることになるが、明日は平日開催ということもあり、観戦するのが難しいという人も多いだろうが、ぜひ29日に味の素フィールド・西が丘で行われる3位決定戦、決勝戦は観戦して欲しいところ。 そして、「日本一礼儀正しい」と言われる、自衛隊サッカー大会のみどころの一つである表彰式が見られるのも、最終日の特典。「整列、敬礼、回れ右、休め」の号令に、一糸乱れぬ動きを見せるこの表彰式を、この機会にぜひ決勝戦と合わせて一緒に見てはどうだろうか?

2017年4月23日 (日)

三補、タイトル奪還へ白星スタート

第51回自衛隊サッカー大会・初日
駒沢オリンピック公園・補助競技場
FC 3DEP(空自 第三補給処サッカー部) 1-0 陸自 FC伊丹sta
得点者 25分田代

正直なところ、27日の準々決勝までは余裕でしょ? と思っていましたが、どんな大会でも最初の試合というものは難しいもの。特に三補の場合、この大会では「マークされる」チームの一つであるため、さすがに楽に勝たしてはもらえなかった。

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確かに最初からいい感じでボールが回り、サイドからチャンスを何度も作ったが、相手もしっかり中を固めていたこともあり、なかなか崩せずじまい。結果的に、GKが前に出ていたところを田代が見逃さず、意表をついたロングシュート1発で勝負が決まったが、反省点というよりは「初戦の硬さ」というものが出てしまったかと? という試合でもあった。

その点に関しては、この試合でゲームキャプテンを務めた斎藤雄太(普段は大成シティ坂戸FCに所属)も『初戦はどうしてもこうなりがち。まずは勝つことが大事だから、悪くはない。継続して自分たちのサッカーやっていきましょう』と話している。

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得点は1点しか奪えなかったし、崩して奪った得点ではない。だが、繋いで崩す、バイタルまで侵入する、連動した攻撃をやるということは出来ていたし、このチームのレジェンドでもある熊谷哲平も『アイデアが大事。考えてプレーしよう』と声を掛けていたが、場した選手たちも、そこは意識しながらボールを回していた。ただ、得点力という部分に関しては、普段このチームでキャプテンを務める、真木基希不在というのも影響している。先月から、仕事上の都合で他部署に研修に出ているそうで、明日以降の欠場がすでに決まっており、出られるのは最終日(3位決定戦or決勝戦)のみとなるそうだ。米子北高校在籍時に選手権出場の経歴を持ち、部隊配属後にすぐに中心選手としてチームを引っ張っる存在になった彼が不在なのはやはり痛いところ。だからこそ、今大会ではもう一人のエースでもある、田代廣奈にかかる期待は大きいところ。

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しかし、今日の相手である陸自 FC伊丹staだが、粘り強い守備で対応し、攻撃面でも後半の30分には『あわや』というシーンを作り出し、最後まで三補を苦しめた。多分、本来の所属している普段のリーグカテゴリーから考えれば、実力差があるのは間違いない部分だが、この大会の面白さとは、部隊の名誉というものが掛かってくることもあり、普段の実力以上の力がでるからこそ、見ていておもしい試合が結構生まれるもの。

確かに大会の優勝チームを見れば、ほとんが去年まで関東リーグに在籍していた厚木マーカスなのだが、当然他のチームが優勝したこともある。この大会に出場してくるチームは、みんなマーカスや三補に、そしてなかよし(海自 A.N.F.C)と言った、上位進出の常連チームに勝ちたいのである。その『勝ちたい』という強い意志があるからこそ、番狂わせも起きるし、何より試合時間が決勝、3位決定戦以外は35分ハーフの70分でゲームが行われる。90分でやれば、カテゴリーが上のチームの優位はなかなか揺るがないが、70分であれば番狂わせも起こりやすい。これこそが、この大会の面白さなのかもしれない。

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明日以降も、駒沢オリンピック公園の補助競技場、もしくは第二球技場で大会が行なわれているので、ぜひ興味がある方は会場に足を運んでみてください。

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