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2014年3月9日 - 2014年3月15日

2014年3月13日 (木)

Jリーグ仕様への進化を見せる長野

2014年3月9日、長野パルセイロだけではなく、ともにJ3リーグを戦う町田ゼルビア、ガイナーレ鳥取を除いた全てのチームが、初めてこの日「Jリーグ」の一員となった…

個人的な話になってしまうが、長野エルザ時代からパルセイロを見続けて今年で9シーズン目になるが、ここまでの道のりは本当に山あり谷ありの連続であり、決して平坦なものではなかった。JFLでの3年間こそ抜群の成績を残したが、そこに上がる前の北信越時代は本当に長く苦しい時代でもあり、そんな下積みとも言える時代の記憶がいまだに強いため、ごくあたりまえの風景だったはずのものが、とても新鮮であり、聖なるものに見えたのであった。

それはJリーグフラッグである。

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そんなもの、普通にJ1やJ2を見に行けば、どこだって見られるもの。しかし、この日に見た旗は長野にとっても、対戦相手の福島にとっても、きっと違ったものであったはずだ。そう、それは「やっとここまでたどり着いたんだ…」という達成感と「Jクラブの仲間入りした」という実感がそう感じさせたのかも知れない。正直な話、リーグのフラッグはあの微妙なデザインの「J3ロゴフラッグ」かと思っていたのだが、西が丘のポールに上がった旗はまぎれもなく「Jリーグ旗」であり、これを見た瞬間にこれまでの歴史をなんとなく思い出してしまった。

大量得点で勝利しなければ逆転優勝はない状況で迎えた2007HFL最終戦の金沢戦、JFL昇格の大本命と言われながらも、雨の本城で散った2008年地域決勝、ライバルに完敗を喫し、文字通り「負ければ地獄」を見ることになってしまった2009年全社千葉大会…

どれも悲劇的なシーンであり、当時は「どう整理すればいいのか…」と思ったものであったが、今にして思えばこんな試練があったからこそ、クラブが年々強くなって行く「糧」となったし、ライバルたちに比べて遠回りをすることとなったが、それをムダな時間から有意義なものにすることにも出来たのではないだろうか?

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さて、美濃部体制2年目となった今シーズンは、J2昇格を賭けた勝負の年であるとともに、J3優勝はもちろん、内容という面でも昨年以上を求めるシーズンとなっていた。そんな中で将来性のある若い選手だけではなく、高橋、勝又というJFLで実績を残しているストライカーに、元日本代表の伊東が加入し、さらに1年ぶりに戻って来た向を含め、戦力的には昨年よりもかなりスケールアップさせてきた。

だがそんな美濃部パルセイロも天候には敵わなかった。キャンプインを目前としていた時期に2週連続の大雪が直撃してしまい、チームの根幹を作る大事な時間がそこでロスされてしまい、直近のトレーニングマッチを見る限りでも、連携という部分ではまだまだかな? と感じさせていた。

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しかし開幕戦でのパルセイロは、監督が試合後の会見で「まだまだです」と語った通り、確かに物足りない部分もあった。だがそれでも、昨年以上の「可能性」を見せた事は間違いなかった。これまで、いかにして宇野沢頼みのサッカーから脱却し成長するか? が課題だったのだが、裏に抜ける早さと駆け引きのうまい高橋の加入は、あきらかに新しい目玉となった。 また、4-1-4-1でしっかりブロックを作り、固い守備から速攻を狙っていた福島に対し、繋ごうとしてブロックに引っかかるよりも、序盤は高橋を裏に走らせてまずラインを下げさせて、アンカーと最終ラインの関係性を崩してから、いつものサッカーに戻して相手を圧倒すると言うゲームプランを見事に成功させたところは圧巻でもあった。

だがそれ以上に目立ったのは「戻って来た男」の存在感と、彼の復帰によりもたらされた安定感だった。町田に移籍した向だったが、シーズン当初は大黒柱的存在として活躍したが、チームの不振、秋田監督の迷走、監督交代のあおりを受け、決して満足出来るサッカーがこの地では出来なかった。その結果として、彼は古巣への復帰を決断するのだが、その決断が間違いではなかったことを開幕戦から証明した。

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前からの積極的な守備、そしてドリブルでもパスでも攻撃の起点とり、高橋の移籍後初ゴールを見事に演出。しかしそれ以上に目立ったのは、向が戻って来たことによって、より役割が明確になった大橋の動きが甦ったと感じられた事であった。昨シーズンの大橋はバランスを考えるあまり、これまでのシーズンと比べて「悩む」時間が多かった。だが、前から積極的に行ってくれるし、ボールを持った時の信頼度が高い向の存在があるからこそ、中盤でしっかりとしたポジショニングが取れるようになり、いい動きを連発していった。

そして最後に、これも美濃部流がしっかり身に付いていると感じたことだが、この試合で危険な場所でのファールが1度しかなかったことだ。ファールで止めてしまい、セットプレーを与えてしまうことは、失点のピンチに大いに繋がって行く。だからこそ、守備においていかに前で食い止めるか? そして数的優位を作ってしっかり囲い込む事、さらにファールしないという約束事が昨年以上に徹底出来ていることも感じられた。

美濃部監督も見ている観客も「攻撃面」では確かに物足りなかったかもしれないが、キャンプでの「天候面」というアクシデントを考えれば、上々の開幕戦ではなかったのでは? と感じさせる試合であった。さらにここに、勝又、畑田、松尾というカラーの違う攻撃陣が調子を上げてレギュラー争いに絡んでくれば、パルセイロは昨年以上のクオリティを見せてくれることは間違いない。

そして次節、いきなり町田との試合が組まれているが、相馬体制に戻って輝きを取り戻したこのチームとの試合はJ3屈指の好ゲームになる可能性は大であるし、J3と言うリーグのクオリティを図る試合にもなってくる。そんな大事な試合だからこそ、ぜひとも多くの人に会場に足を運んでもらいたいと思うところだ。

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