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2013年4月28日 - 2013年5月4日

2013年5月 4日 (土)

第三補給処サッカー部、5回目の挑戦で初優勝

かなり今更……という話ではありますが、先週末に行われた第47回自衛隊サッカー大会・決勝戦について触れたいと思います。

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さて決勝のカードだが、5回目の決勝進出で初の優勝を狙う埼玉の空自FC 3DEP(第三補給処サッカー部)と、2回目の優勝を狙う海自厚木なかよしFCの間で行われた。

正直な話、3位決定戦が本当に手に汗握る好ゲームであったこともあり、決勝戦の前で選手関係者や家族はともかく、一般のお客さんからすれば「もう満足…」「もうお腹いっぱい…」となってしまった人もいたかも知れない。そんな状況の中で決勝戦は行われたが、前の試合の余韻を吹き飛ばすかのような素晴らしい幕開けで試合は進んでいく。

今大会開幕前から厚木マーカスと並んで優勝候補と目されていた3DEP。ここまで、苦しい試合はあったものの、順当に勝ち抜いて決勝にコマを進めてきたが、大事なこの試合の入り方は、大会で一番の入り方を見せるのであった。

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プレイングマネージャーの熊谷哲平が「ビルバオのサッカーが好きなので、あのチームのようなハイプレッシャーをガンガン仕掛けて主導権を握りたかった」と語ってくれたように、この日の3DEPは素晴らしいハイプレッシャーで相手を自陣に釘付けにすることに成功する。

2分に春本がファーストシュートを放つと、その後は真木、小木曽の2トップが立て続けにシュートを放ち、流れを自分たちの物にすると、10分に得たFKのチャンスにDFの山本が飛び込んで頭で合わせて、早くも3DEPが先制。

さらに圧巻だったのは15分に決まった2点目のシーンだった。

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バックパスの処理にGKが対応しに行ったが、FW小木曽は猛然とチャージ。GKはなんとかクリアしたものの、これが小木曽の足にあたりルーズボールとなり、すぐさま反応した小木曽は無人のゴールに見事に流し込み、あれよという間に2点のリードを奪っていく。

立ち上がりの3DEPは本当に素晴らしかった。この日の試合が最後まで出来れば、関東1部レベルで戦ってもまったく遜色ないレベルであった。しかしだ。見ている側とすると、ややオーバーペースではないか? という不安もあった。

そしてその不安は徐々に的中することとなり、3DEPの運動量が前半30分を過ぎた頃からダウンし始めていく。ここまで、チャンスらしいチャンスをつくれなかったなかよしも、40分に近づく頃にはカウンター主体で3DEPゴールを脅かすシーンも生まれだしていく。

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スタートから飛ばしてきた3DEPだが、やはり連戦の疲れからとしては徐々にハイプレスが弱まりだし、時間的にも前半はこのまま2点のリードを守ればいいという流れになりつつあった。だが、決勝にコマを進めてきたなかよしも決して甘いチームではなかった。相手のプレスが弱まりだしたころからチャンスを作れるようになり、さらに前半終了間際のCKから、ファーでフリーになっていたDFの松本が強烈なダイレクトボレーをたたき込み、差を1点差として前半を折り返す。

一次リーグはチームによっては1日のインターバルがあったが、決勝トーナメントに入ってからは連戦が続いており、コンディション的には非常にキツイ状態でもあった。そんな中でハイスパートで入った3DEPのペースが前半途中で失速してしまったことは、仕方が無い部分でもあった。

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そして後半だが、今度は完全になかよしがペースを握ってゲームは進んでいく。前半のような全体が高いラインを取り、ハイプレスを掛けていくことが出来ない3DEP。普段は関東リーグで戦う熊谷(大成シティ坂戸)や小木曽(アルマレッザ飯能)、そして高校選手権でも活躍した真木(米子北卒)といったタレントの力でたびたびチャンスは作るものの、前半のような連動や連続した攻撃があまり生まれてこない。

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それに対して、なかよしは2トップをターゲットにした攻撃を何度も繰り返し、ゴールに迫っていくが、最後のシュートまではなかなか持ち込めない。ペースは完全になかよしのものであったが、厳しい状態の中でも3DEP最終ラインが集中を切らさず、粘り強いディフェンスを見せていくと、逆に今度はセットプレーから効率良くゴールを脅かしていく。

77分、CKのチャンスでゴール正面が混戦となったが、途中出場の藤田が押し込んで、劣勢だった3DEPが値千金の追加点を奪う。

ここまで、ピンチの連続だった3DEPだが、この3点目が選手に大きな勇気と希望を与えることとなる。また熊谷は選手全員に「リアクション!」と大きな声で戦術の徹底を図り、残り時間をしっかり守りきって悲願の初優勝を飾ったのである。

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試合後の熊谷は、自分に付いてきてくれた選手や、バックアップしてくれた部隊・職場の仲間、そして家族に感謝を述べたが、それ以上に印象に残ったのが、この日キャプテンマークを巻いたDFの川口への想いだった。

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「彼はね、去年の大会とその前の決勝の2度、キャプテンマークを巻いたのですが、両方ともダメだったんですよ。サドンデスに入ったPK戦で外してしまったこともあるし、オウンゴールしてしまった事もありますしね… でもね、彼を今度こそ『男にしてやりたい』と思って彼をキャプテンに指名しましたが、チームのみんなも同じ思いで彼を盛り立ててくれました」

と嬉しそうに話してくれた。

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また、「このチームは決まった選手だけで戦って勝ち進むのではなく、チーム全員で優勝を勝ち取れたことは大きなことだと思っています」とも熊谷は語ってくれたが、大会に出場したチームの中で、登録選手全員が試合に出たチームは3DEPだけだったかも知れない。

メンバーには、元プロ選手の熊谷もいるし、レベルの高いところでプレーした経験を持つ選手もいる。だがその反面で、実は約半数近くの選手がこの部でサッカーを始めた選手ばかりなのである。しかし、「努力は無限の可能性を生み出す」という信念をもつ熊谷は、辛抱強く指導して選手の成長を促し、そして全員の団結力があれば絶対に『部の歴史』を塗り替えることが出来ると信じてプレーし続けたのである。

実は大会の2週間前、このチームの練習試合を見たが、その時はお世辞でもここまで勝ち進めるとは思わなかった。熊谷とともに、リエゾン草津でプレーした木村直樹が率いるザスパ草津チャレンジャーズチームの練習試合では、ほぼ一方的にやられてしまい0-4という完敗を喫していた。

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サイドをガンガン突かれて突破を許し、運動量に優る相手に走り負けてしまっていたが、あの試合での敗戦が成長するための経験となり、大会ではしっかり走れるチームになり、何よりも攻めるとき、守るときの「メリハリ」が出来るようになっていたのである。

練習だけでは積み上げられない「プラスα」を、大会中にさらに積み上げて、強いチームから「たくましいチーム」に成長したFC 3DEP。この大会が終わってしまうと、熊谷と佐々木はシティに戻り、小木曽はアルマレッザに戻ることとなるが、彼らがいなくとも、この大会で得た経験をしっかり活かせれば、所属する埼玉県リーグ2部でもしっかり力を発揮できるはず。

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また、これまでの「挑戦者」という立場ではなく「王者」として新しい歴史を踏み出していく3DEPには、ぜひとも連覇に挑戦してほしいところである。

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第47回全国自衛隊サッカー大会 決勝戦
4月28日 @西が丘サッカー場
海自・厚木なかよしFC 1-3 空自第三補給処サッカー部(FC 3DEP)
[得点者]
45分松本(なかよし)
10分山本、15分小木曽、77分藤田(3DEP)

2013年4月30日 (火)

激戦となった全自3位決定戦

22日から始まった47回目の全国自衛隊サッカー大会。そして最終日の28日、西が丘で3位決定と決勝戦が行われたが、2試合ともじつに素晴らしい試合が繰り広げられ、大会自体のレベルも「自衛隊だけの大会」として見るよりも、普通に見ても面白い「第一種カテゴリー」の大会であったことを印象づけることとなった。

さて、決勝戦の前に行われた3位決定戦だが、本大会において17回という最多優勝回数を誇る厚木マーカス(海自・厚木航空基地)と、このマーカスに勝つことを目標に調整を続けてきた海自下総・館山チームが激突。

地域カテゴリーの関東リーグ2部に所属するマーカスに対して、下総・館山チームは今大会に向けて合同チームとなったが、チームのベースは千葉県社会人2部に所属する下総基地サッカー部。そんなこともあり、両者の間には「2カテゴリーの差」というものが存在したが、気迫あふれるプレーと、抜群の組織力を活かしたプレーの数々で、両者の間にあったはずの「差」を見事に埋めていく。

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立ち上がりはイーブンといった形でゲームは進んでいくが、マーカスは4-4-2というオースドックスなスタイルだが、さすがに上位カテゴリーで戦うチームだけあり、前線のFW2枚、そして中盤の両サイドアタッカーの攻撃力は高い。それに対して下総は、3-4-2-1システムを用いて、後ろからじっくり繋いでサイド攻撃から活路を見いだしていく。また、守備においては危ない場面はボランチがたびたび最終ラインまで戻り、固い守備を見せていく。

拮抗した展開というか、激しいつぶし合いが続いたこの試合だが、35分にゲームが動き出していく。マーカスFWの坂本が後ろからのチャージで2枚目のイエローとなり、前半のうちに数的不利な状況なってしまう。それにしても、この日の主審のジャッジは「少し厳しすぎるかな?」という面があった。坂本の2枚目は仕方がないとしても、1枚目は「それで?」という気もした。ただ、この日の主審がフェアだったのは、厳しいジャッジ方針は最後までブレず、常に同じ基準でファールを取っていたことであり、それは評価したいと思うところ。

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話はそれてしまったが、カテゴリー差を組織力で埋めていた下総だったが、今度は「数的優位」という大きなアドバンテージを得て、一気にゲームの流れを自分たちの方へ引き寄せていくかと思われた。たが、それで一気に力が落ちるほどマーカスは甘くはなかった。

また、マーカスにとっても退場者のポジションがFWであったことも救いだった。FWの守永は、1人で2人分の動きを強いられたが、中盤と最終ラインの役割は大きく変わることもなく、なんとか10人になってからの5分間を凌ぎきると、今度は攻めに出るチャンスを伺い始める。

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そして時間は45分を迎えようとしていたときにゲームは動く。下総の選手たちは「前半は0-0でも悪くはない」という考えがあった。だが、その余裕とも思える考えが「隙」となってしまい、マーカスに付け入られてしまう。右サイドのスローインから素早く繋ぎ、最後は守永が合わせて一人少ないマーカスが先制点を挙げて前半を折り返す。

しかし、下総は1点ビハインドの状況でも慌てることなく、しっかりと後ろから組み立てて、相手の運動量が止まりだす時間を待ち続ける。すると55分を過ぎた頃からマーカスの中盤にスペースが生まれ始めたことと、数的不利をなんとかしようとするあまりに生まれてしまったファールの連発から、何度もゴールマウスを脅かされることとなる。

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そして75分、またもFKのチャンスから途中交代出場の落合が頭で合わせてついに同点。その後も下総がマーカスゴールを脅かし続けるが、必死のディフェンスを見せる相手に対して決勝点を奪えない。

ゲームはついに延長戦に突入したが、後半途中から選手交代を駆使し、なんとか全体の運動量を回復させていたマーカス。だが、マーカスはまたも不運に見舞われてしまう。延長前半7分、キャプテンの坂倉がレッドカードで今度は2人少ない絶体絶命の状況となってしまう。

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しかし、驚異的な粘りを見せるマーカスは、またも奇跡的なパワーを発揮。延長後半4分、左サイドからチャンスを作り、クロスを入れるとゴール前で混戦となったが、途中出場の須田が難しい体勢からボレーシュートを放つと、ゴールネットを揺らしてマーカスがついに勝ち越し! だが、下総も最後まで諦めなかった。キャプテンの鈴木は「昨日(準決勝)負けたことは悔しかったが、ここで関東リーグのマーカスとやれることはいい経験だし、目標にしていた相手だったので絶対に倒したかった。だからこそ、あの時間帯でも絶対に(点を)取れると信じていました」と語ってくれた通り、再びドラマが訪れる。

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2-1となった2分後の延長後半6分、下総はFKのチャンスを掴むと、一気にボールに多くの選手が飛び込み混戦となるが、最後は鈴木が蹴り込んで土壇場で同点に追いつく!

試合は延長戦でも決着がつかず、勝敗の行方はPK戦にゆだねられることとなったが、「チャレンジャー」だった下総の方が精神的に優位に立っていたのである。確かに相手よりも2人多いという状況であったが、上位カテゴリーのチームを相手に、2度のビハインドを追いついたということが自信となっていた。また、PK戦の直前には「こんな機会は滅多にないのだから、みんなで思いっきりこのプレッシャーを楽しもう!」とリラックスしてPK戦へ挑んでいく。

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その結果、マーカスの5本目を下総GK・國井が見事にストップして、目標だったマーカスに勝つと同時に、3位という成績で今大会を終えることとなった。

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試合後、下総の室田監督、そしてキャプテンの鈴木ともども「結果的には(マーカスに)勝利したけれども、個の力では本当に差はあったし、改めてテクニックの高さと豊富な運動量の凄さを知ることとなりました」と語り、厚木マーカスという存在が、サッカーをプレーする全国の自衛隊員のあこがれの対象であり、抜きん出た存在であることを、再度認識させられた。

さて、3位に入った下総・館山チームだが、合同チームとして大会にエントリーしていたが、ここまでたどり着くには決して平坦ではなかった。基本的に館山からの選手が、下総の練習場に赴くという形で大会に向けて準備してきたが、どうしても「単一部署チーム」に比べて練習時間という面ではハンデがあった。チーム戦術や連携面でも当初は不安もあった。だが、メンバーは同じ方向性を向き、ボールをしっかりキープして、自分たちが主導権を握ってゲームをコントロールしようという高い理想を全員で共有出来たことにより、大会では実に素晴らしいゲームを披露。成績的には3位で終了したが、戦術的に見ると大会の中で一二を争うオーガナイズされたチームであったと言えるだろう。

そして4位に終わってしまったマーカスだが、準決勝、3位決定戦、ともどもPKで敗れてしまうという不運もあったが、その実力高さ故にマークされる存在であったからこそ、この結果になってしまったと言えるだろう。

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だが、3位決定戦での数的不利になってからの驚異的な粘りは賞賛すべきものであり、敗れてもなお「マーカス強し!」という印象は多くの人が抱いたはずであった。

それにしても、3位決定戦でありながらも、決勝戦のような大熱戦となったこの試合。やはり、強い気持ちとたくましい精神力があれば、どんな困難な状況でも奇跡を起こせるということ、そしてどんなカテゴリーの試合でも、素晴らしいものは素晴らしいということを、改めて教えてくれる試合でもあった。

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第47回全国自衛隊サッカー大会 3位決定戦
4月28日 @西が丘サッカー場
海自下総・館山 2-2(PK4-3)厚木マーカス
[得点者]
75分落合、106分鈴木(下総)
45分守永、104分須田(マーカス)

2013年4月28日 (日)

北野監督の下で変わる木島良輔

1998年:横浜マリノス
1999年:ベルラーノ(アルゼンチン・レンタル)
1999年:横浜マリノス
2000年〜2002年9月:横浜Fマリノス
2002年9月~12月:大分トリニータ
2003年10月〜2005年:大分トリニータ
2006年:東京ヴェルディ
2007年8月〜12月:東京ヴェルディ
2008年〜2009年:ロアッソ熊本
2010年:町田ゼルビア
2011年〜2012年8月:松本山雅
2012年8月〜12月:東京ヴェルディ
2013年3月〜カマタマーレ讃岐

移籍、退団、再契約…

実力があることは多くの人が認めるはずであり、かつて彼を指導した元帝京高校の古沼貞雄さんも「能力は非常に高いもを持っていた」と話す。しかしその反面、ムラのある性格については口が酸っぱくなるほど苦言を呈していたのだが、恩師が気にかけていた面がネックとなってしまい、ここまでは波瀾万丈のフットボール人生を歩んでいるのが木島良輔だ。

彼が高校生のとき、韮崎で行われた試合を実際に見たことがあるのだが、その時も古沼監督は彼を後半の早い時間で交代させてしまったのだが、その時の交代理由がなんとも面白かったので今でもはっきり覚えている。

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「おまえはさあ、いつも準備が遅いからさっさと着替えさせないとバスが出る時間が遅れちゃうんだよ。だから早めに交代させたんだよ。わかったらさっさと着替えなさい!」

良くも悪くも彼の性格を見抜いていた名将の一言であったが、古沼さんのような「指導者でありながらもお父さん」のような存在が、プロになっても近くにいれば、また違った人生を歩んだのだろうが、そうは行かなかった。

実力はあるものの、気性の荒さから兄弟揃って「警告・退場王」「カードコレクター」と揶揄されたり、素行面を指摘されチームとうまく行かなくなることも少なくはなかった。また、ケガも多かったこともあり、なかなか自分が思うようなプレーできない時期もあった。

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そして昨年、松本山雅の反町監督との軋轢から、活躍の場を三たび東京ヴェルディに移すこととなったが、ここでも満足な活躍はできずにシーズン終了とともに契約満了となり、再び所属チームがないという状況になってしまった。

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実は山雅を出るときに、木島は熊本時代の恩師である、カマタマーレ讃岐の監督・北野誠に「入りたいのだが…」とコンタクトを取っていた。しかし、そのときは「今、選手を取る予算がクラブにはないから」と、木島の依頼に対して答えを保留していた。(その後にヴェルディと契約)

だが、半年という時間が過ぎて、またも恩師にコンタクトを取った木島。まだまだ現役としてやりたい! という強い意志を必死に見せたのだが、当初は「予算はないから」と難色を示していた北野監督。だが、熱意に押されて結果的に彼の獲得を決めたのであった。

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さて、今日のアウェー・横河武蔵野戦だが、前半の木島は正直、いつもの木島だったように感じられた。ボールを持てば、やはり一番怖い選手であり、2点目に結びつく右サイドの突破は圧巻だった。しかし、前半の早い時間ではノーファールの判定に対して主審に異議を唱え、27分には繰り返し違反でイエローをもらうなど「やつぱり?」と一瞬は思った。

しかし、前半を終えてベンチに戻った木島は「変わった木島」だった。

ロッカールームに戻るなり、リードした状況でありながらも自分から「いや、イエローをもらってしまい、本当に申し訳なかった」と仲間に謝罪したのであった。また、1枚イエローを受けている後半は、プレーは熱く、頭はクールにということを言い聞かせて、ベテランらしいメリハリのあるプレーでチームを牽引。

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さらには試合後、試合に出た選手がクールダウンしている中で、木島この日の審判団を見つけて、自分から握手を求めて挨拶に行ったのであった。

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あきらかに、讃岐に来てから変わった木島。
そんな彼に対して、獲得を決めた北野監督はこのように語ってくれている。

「彼はね、全然問題なくやってくれていますよ。

ホントね、変わったところを見せているし、これまでのイメージの木島とは違うと思いますよ。彼もね、サッカー選手としての人生は、あともう少しなんで(俺のところで)きれいに終わらせてあげたいと思っているんですよ…

まあね、彼にはお客さんがワクワクするようなプレーを見せてほしいんだよね。あと、彼が活躍すると、チームが盛り上がるんだよ」

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北野監督は、木島に対して「今季限りだよ」という訳で、あのような言葉を発したのではない。来月迎える誕生日で34歳となる木島。現役選手としては、あと何年できるかわからない。さらには、ケガも多かったことからあと5年はやり続けられるという保証はどこにもない。

だからこそ、「あと少し」という言葉が出てきたし、彼を理解し、優しく見守っているからこそ「きれい終わらせてあげたい」という言葉が出たのである。

また、木島自身も救いの手を差し伸べてくれた北野監督、そして迎え入れてくれた仲間のためにも、しっかりやりつくしたいという思いが強いのだ。

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確かに、この日もイエローをもらうなど、完全な優等生に変身したわけではない。だが、彼の魅力は良くも悪くも「やんちゃ」なところなのではないだろうか? その個性まで消えてしまったら、木島良輔というプレーヤーの面白さは消えてしまうような気もするからだ。

ワルでもやんちゃでもかまわない。ただ、ちゃんと自分自身で感情をコントロールし、状況を正しく理解した判断ができればそれでいいのだ。また、古沼監督に替わる「お父さん役」には、帝京高校の大先輩でもある北野誠という、頼もしき存在もいる。

今度こそ、このクラブが木島良輔の「安住の地」になることを期待したいところでもある。

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