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2013年4月21日 - 2013年4月27日

2013年4月27日 (土)

第47回全国自衛隊サッカー大会

今週の月曜日から始まった第47回全国自衛隊サッカー大会。正直な話、大会の知名度はお世辞でも高くはなく、会場によっては一般の方が見ることが出来ないなど、今ひとつメジャーにならない要因はあるのだが、試合の方を見てみると以外にも面白い。

今回も24チームが出場したこの大会。3チーム×8ブロックのグループリーグに、各ブロックの1位チームのみが進む決勝トーナメントという形式で、準々決勝までが35分ハーフで、準決勝以降から45分ハーフの通常ルールが用いられており、出場チームの顔ぶれを見ると地域カテゴリーの関東リーグ2部に所属する海自厚木マーカスを筆頭に、その他のチームはおよそ県リーグの1部から2部相当の実力を持ったチームが揃っている。

ただ、やはり大会において上位を独占しているマーカスに、(海自)厚木なかよし、空自入間第3補給処(FC 3DFPC)、大村航空基地FC、海自那覇、さらには海自下総と言ったチームは、かなり練習を積んでしっかりとしたベースを持つチームに作り上げてきており、他の参加チームとの「差」をしっかりと見せつけてくれた。

そんな中で、昨日は駒沢オリンピック公園の補助グラウンド、第二球技場で準々決勝の4試合が行われたが、上記にあげたチーム同士の戦いは、最後まで拮抗した戦いとなり、そうでない試合はやや力の差を感じてしまう結果となった。

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さて、昨年は4回目の決勝進出であったが、またもマーカスの前に苦杯を喫してしまったFC 3DFPCは、準々決勝で同じく埼玉県の熊谷空自と対戦。FC 3DFPCといえば、プレイングマネージャーであり、今でも中心選手である7番の熊谷哲平の存在抜きには語れない。知っている方もいるだろうが、彼は関東リーグ2部に所属する「大成シティFC坂戸」の監督でもあり、かつてはザスパ草津の前身であるリエゾン草津でプレーしたのちに、シンガポールに渡ってプロ選手として活躍した経験も持っている。

シティの監督であると同時に、自衛隊員の顔も持ち、そしてこのチームの精神的支柱として、若い選手を引っ張る存在でもある熊谷。

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そして試合の方だが、大方の予想どおり、実力で勝るFC 3DFPCが、空自熊谷陣内に一方的に攻め込む形でゲームは進む。空自熊谷は、相手の速いパス回しについて行けず、守備ラインが完全に混乱。ここでFC 3DFPCが早い時間で先制点を奪えていれば試合の流れはその場で決まってしまったはずだったが、最後のフィニッシュが決まらず、少しイヤな雰囲気が漂い出す。

すると15分過ぎから、空自熊谷はボランチ1枚が最終ラインにまで戻って、5バックのような形をとり、さらに中盤のアタッカーもしっかりブロックに入るなど、守備面で落ち着きを取り戻していく。そうなると今度は、FC 3DFPCがパスの出しどころを失い、逆に奪われてカウンターでピンチを招くシーンも生まれてしまう。

序盤の優位な展開のイメージが強かったのか、短いパスを繋いで中からこじ開けようとし続けたFC 3DFPC。しかし、中の守りをガッチリ固めた相手の前では「効果的」とは思えない攻撃の連続で、自滅のような形で前半を無得点で終えてしまう。

空自熊谷としては理想的な展開だったかもしれない。しかし、FC 3DFPCにとってはなんとも言えない難しい試合になってしまった。だが、一瞬の連携ミスが試合の流れを一変させていく。

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後半10分(ぐらい)、空自熊谷のDFとGKが痛恨の連携ミス。ここをFWの真木(米子北高校で全国大会出場経験あり)が逃さず詰め、待望の先制点を奪う。ここまで、しっかり守りを固めて、少ないチャンスで活路を開いてきた空自熊谷だが、この失点で集中が切れてしまい、再びFC 3DFPCの攻撃に翻弄されてしまい、熊谷→真木の連携から立て続けにゴールを奪い、試合を3-0として勝利をほぼ手中にする。それにしても、ゴールを決めた真木の働きも良かったが、ベテランらしい正確なラストパスを入れた熊谷の働きは「さすが」の一言。

これで無失点で終わらせれば最高だったのだが、空自熊谷も最後に意地を見せて1ゴールを奪い、結局ゲームは3-1でFC 3DFPCが勝利。

ただ、内容的には点差以上の差があったこの試合。FC 3DFPCにとっては、若い選手が引いた相手に対して、もっと落ち着いて対応し、さらには攻撃の形をもっとワイドにしていれば、ここまで苦戦しなかったかな? と思えるこの試合。

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プレイングマネージャーの熊谷も「若さが出てしまいました。もっと落ち着いてやれば出来るはずなんですが…」と語ってくれていた。

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そしてこの試合の後に行われた海自下総と滝ヶ原の試合は、3-4-3(3-4-2-1)システムでゲームに挑む下総が力の違いを見せつけ8-1と滝ヶ原を一蹴。しっかり組織された3バックは、守備となった瞬間にサイドが下がって5バックになるなど、「優勝する」という意気込みが伝わる本気モードのチームであると感じさせてくれた。

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この2試合を見ていた関係で、第二球技場で行われていた別の準決勝2試合は見なかったが、こちらの会場は大会の上位常連チームが揃ったこともあり、かなり拮抗した試合となったようで、マーカスも楽勝とまでは行かなかったし、厚木なかよしも辛くもPK戦で準決勝進出を決めた。

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これにより、準決勝のカードは厚木マーカス vs 厚木なかよしという、「兄弟対決」が実現。また、悲願の初優勝を狙うFC 3DFPCは難敵、海自下総と激突。

本日の試合は一般観戦は出来ないが、明日、西が丘で行われる3位決定戦、そして決勝戦は見ることが出来るので、ぜひとも足を運んでみてはどうだろうか?

J1リーグや欧州のトップリーグと比べてしまうとレベルは一目瞭然だが、若い選手から、かなり年齢はいってますよね? と思う程のベテラン選手が、最後まで必死なプレーを見せるこの大会。プロとは違う「アマチュア」の白熱したゲームを見るのも意外に面白いものですよ。

2013年4月24日 (水)

ダービーならぬ「夢のBruder対決」

浦和レッズと大宮アルディージャが激突した「さいたまダービー」が行われた4月20日に、群馬県前橋市で埼玉県のチーム同士の試合が行われていたことをご存じであっただろうか? 

その試合とは関東サッカーリーグ2部、第3節。ACアルマレッザ飯能 vs 大成シティFC坂戸のカードであり、ある意味で「もうひとつの埼玉ダービー」なのだが、この対決はダービーと呼ぶよりも「兄弟対決」であり、もっと違う言い方をすれば「夢の対決」でもあったのだ。

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なぜ、兄弟対決なのか?
なぜ、夢の対決なのか?

それは両チームが深い関係を持っているからだ…

この日のホーム主催者であるアルマレッザ(以下飯能)は、2009年から現在の名称に変更して関東リーグで戦っているが、それ以前は「飯能ブルーダー」という名前で戦っていた。そして、当時の中心選手の一人に熊谷哲平という選手がいたが、彼こそが現在のシティ(以下坂戸)の監督であるのだ。また、熊谷の他にもブルーダーでも活躍した中居剛士などは、坂戸を牽引する選手の一人として今なお現役。

飯能には、熊谷や中居、水沢を知るスタッフや選手が、今なお数多く在籍している。また、熊谷にとっても2008年の坂戸監督就任以来、飯能と同じカテゴリーに立つこと、そして公式戦で対戦することが目標の一つでもあった。さらにもうひとつ、両チームのサポーターは、かつて「ブルーダー」を応援していた仲間でもあったのだ。

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飯能ブルーダーの「Bruder」とは、ドイツ語で「兄弟」を指す言葉であり、この日の対決は2008年に熊谷が坂戸の監督になって以来、両チームに関係する人みんなが楽しみに待っていた「夢の兄弟対決」でもあったのだ。

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さて試合だが、両者とも中盤をボックス型にした4-4-2スタイルでスタートしていくが、立ち上がりからコンパクトなラインを形成し、素速く前線にボールを集めていく坂戸がペースを握り、FWに入った斎藤裕、鈴木竜基がうまくボールを受けてチャンスを立て続けに作っていく。

それに対して飯能は、やや相手のペースに押し込まれ、コンパクトなラインを保てず、全体的に間延びしたラインとなってしまい、空いたスペースを坂戸に狙われていく時間帯が続いていく。

立ち上がりは坂戸が優位にゲームを進めていくのだが、坂戸の攻撃以上に目に付いてしまったのが、主審とラインズマンのかなりあやふやなジャッジの数々だった。ゲーム立ち上がりから、主審の笛が鳴らない時間帯がかなり続いていく。ゲームをうまくコントロールして、多少のファールでもアドバンテージで流していたのなら問題なかったのだが、実際はそうではない。完全に「あれ、このプレーってファールにしていいの?」という事に迷ったあげく、多少の危ないチャージでも全部流してしまうという、かなり危ないジャッジが続く。また、ベンチ側のラインズマンも、かなりオフサイドを見逃すなど、「おい、大丈夫か?」と言いたくなってしまうほどの疑惑の判定が続出。

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そんな中で18分、バイタルエリアまでボールを運んだ坂戸に対して、飯能守備陣が対応したが、ハンドのように見える微妙なプレーが生まれる。しかし、主審の判定はノーファール。この判定に選手も多少イラッとしたようだったが、この後も坂戸がボールをキープしてPA内に突入すると、DFに倒されて今度こそファール判定となり、坂戸はPKのビッグチャンスをゲット。ここはキッカーの鈴木竜が落ち着いて決め、坂戸が今節も先制点を挙げる。

だが、先制点を奪われた事で飯能が目を覚まし、間延びしていたラインもコンパクトになり、ボランチの清水、中村が積極的にボールに絡むようになり、さらには左サイドの坂井、原田が上手く抜け出してチャンスを次々と生み出していく。

先制点を奪われた飯能だが、その後はペースを奪い返して反撃に出て、25分には原田のオーバーラップから決定機を迎え、さらに28分にも連携から坂戸守備陣を崩し、清水が落ち着いて縦にスルーパス。これに反応した佐々木がキレイに決めて、飯能がついに同点に追いつく。

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さらに勢いづいた飯能は直後の31分に、スローインから素速く繋いで坂井がシュートを放つなど、完全に序盤とは逆の展開となり、坂戸は攻め手を見いだせず厳しい時間帯を迎えてしまう。しかし、前節の反省(1-3 神奈川教員戦)を踏まえ、厳しい時間帯でも守備陣は粘り強く対応し、なんとか前半の残された時間を凌ぎきり1-1のタイで折り返す。

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前半の途中から完全に飯能ペースになった試合だが、エンドの変わった後半は再び積極性を取り戻し、坂戸が一気に息を吹き返す。さらには、前半以上に冴え渡る鮮やかな速攻を見せ、飯能ゴールに迫っていく。

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そして51分、斎藤が前で競ったボールのセカンドを拾った矢内が難しい体勢ながらも強引に左足を振り抜くと、ゴールへ一直線に飛んでいき坂戸が2点目を奪う。さらに4分後の55分には、左サイドの中居から素晴らしいボールが入ると、鈴木竜が頭で見事に合わせてリードを2点差とする。

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前半中盤以降は相手の勢いに押されて防戦となってしまった坂戸だが、後半からはキッチリとラインを修正し、立ち上がり同様に全体をコンパクトにして、速い攻撃を仕掛けてゴールに迫り、理想的な形から連続ゴールを挙げてゲームを優位に進めていく。

その後も運動量が衰えない坂戸は、相手にチャンスらしいチャンスを与えず自分たちのやりたいサッカーを終始展開。さらに76分には、山崎がこぼれてきたセカンドボールを豪快に蹴り込んで、試合を決定づける4点目を奪う。きれいに揃った3ラインは最後までコンパクトな形を保ち、前線、中盤、両サイドが実にいい連携を見せ、まさにチームが目標に掲げる「Enjyoy Football」最後まで展開した坂戸が、目標の相手との大切な一戦で、今季初勝利をもぎ取ったのであった。

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それにしても、この日の坂戸は終始、気持ちが入っていた。確かに、連敗を止めたいところだったし、相手は監督のルーツでもある飯能ということで、気合いも入っていたかも知れないが、それ以上に前節の反省点をしっかりカバーしていたことが勝利に繋がったと言えるだろう。

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全員がハードワークしなければ、やって楽しいサッカーにたどり着けるわけがないのだが、この日は見事にそれをやり切った。さらには、同点に追いつかれてからの闘い方に成長が見えたことが、得点以上に収穫であった。

初戦、2戦目と、失点してからズルズルといってしまうシーンが多かったが、この日は悪いなら悪いなりに「耐える」ということがしっかり出来たのである。もし、前半のうちにリードを許していたら、後半はまったく違う展開になっていたかも知れないが、その時間帯を耐えられたことが、後半の反撃に繋がっていったのである。

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これで坂戸は関東リーグ(2部)において、記念すべき初勝利を飾ったのだが、この大事な試合、そして記念すべき試合に坂戸の熊谷監督が諸事情により不在であったことはナイショである(笑)。  ぜひとも、次の坂戸ホームの時には熊谷監督も揃って、また「夢の兄弟対決の続き」、そして「夢のオールスターゲーム」を見せて欲しいところでもある。

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また、敗れて3連敗となってしまった飯能だが、繋いで崩していこうという方向性は悪くはない。だが、関東リーグは全部で18試合しかないため、これ以上の連敗は避けたいところだが、この日出来ていたものをさらに伸ばし、何とか今季も関東リーグに残って欲しいと願いたいところだ。

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そして最後にもう一つ。なぜ、埼玉勢同士の試合が群馬で行われたのか? ということだが、単純に言えばグラウンドを押さえることが出来なかったということなのだが、地域リーグレベルであれば「簡単に押さえられるであろう」と思うのは大間違いである、ということを知っておいてもらいたい。

特に関東地区を指す話になってしまうが、土日はサッカーだけではなく、いろいろなスポーツの日程が入っていることや、それぞれの県リーグレベルでも試合数は多いし、その他にもJFLや大学リーグ、なでしこリーグにチャレンジリーグ、ユース年代のプリンスリーグや県の大会など、数多くの試合が予定されており、普段の練習場が試合会場として使用できるチーム以外は、会場を押さえることは年々難しくなってきている。

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また、飯能市や近隣地域を拠点とするアルマレッザにとって、正直なところ本拠地周辺に試合を開催できる会場が少ないことも泣き所であり、試合会場を決めることは例年以上に厳しい状況にあった。そんな中で、決まっていない試合日に関しては、他の参加チームの協力を得て会場が決定したこともあり、ホームゲーム9試合のうち、半分以上の5試合(群馬3、東京2)が埼玉県外でやることとなっていた(今回の場合はtonan前橋さんの協力でグラウンドが決定)のである。

本来なら、普段お世話になっている地元の人にも気軽に見に来て欲しいと思うところだが、残念ながらそれが出来ない苦しい事情があった飯能。そう考えると、今季のホームゲーム全てを坂戸市民総合運動公園で行える坂戸はなんとも恵まれた環境にあると言えると同時に、自治体や地元との連携がしっかり取れていることが窺い知れる。

ただ、今回のようなことはあまり好ましいことでもないので、出来れば埼玉県協会や、KSLがもっとバックアップしてほしいとも感じるところであり、出来る限りホームゲームをチームが所属する県(都)でやれるように働きかけて欲しいところでもある。

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2013関東サッカーリーグ2部 第3節 
4月20日@大胡運動公園陸上競技・サッカー場
ACアルマレッザ飯能 1-4 大成シティFC坂戸
[得点者]
20分・55分鈴木竜、51分矢内、76分山崎(坂戸)
29分佐々木(飯能)

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