« 2013年3月31日 - 2013年4月6日 | トップページ | 2013年4月14日 - 2013年4月20日 »

2013年4月7日 - 2013年4月13日

2013年4月 8日 (月)

長野、辛くも北信越対決を制す

かつて、北信越リーグで「4強時代」を作り、ライバルとして凌ぎを削ったパルセイロとツエーゲン。しかし、当時の対戦成績は6勝1分1敗(全社予選は除く)とパルセイロがツエーゲンを圧倒していたが、闘いの場所をJFLに移してからは1勝2分1敗と、五分の成績となっていた両者の対決。

そして今季ここまでの両者の成績だが、4連勝で首位に立つパルセイロに対してツエーゲンは勝ち点4で14位に低迷中であり、ライバルとの一戦で復調の兆しを掴みたいところだった。

美濃部体制になってからは不変の4-3-3システムのパルセイロに対して、メンバー表上は3-4-3であったが、右サイドハーフの阿渡が最終ラインに入って4バックの形を取り、パルセイロと同じシステムでマッチアップする形に変えてきたツエーゲン。

-----------------------------------------------

さて試合だが、4連勝して首位に立っているものの、昨シーズン最後に見られた「完成された連携」を覚えている者にとって、どうしても歯がゆいゲームが続いているパルセイロ。そしてこの日もなかなかいい形でゴール前に行くシーンが生まれてこない。それに対してツエーゲンは、全体的に高い位置からしっかりとしたプレスを掛け、相手の心臓部であるボランチの二人を守備に追いやることに成功。ゲームはややツエーゲンペースで進んでいく。

Img_0044

試合後の会見で美濃部監督は「相手のワイドの16番(山城・左サイドハーフ)の選手がいいポジショニングを取っていた事に対して、そこへのアプローチがうまく行かなかった。また、セカンドをうまく拾えなかったこともペースを乱してしまった要因でした。だからこそ、後半はシステムを4-4-2に変えることに至った」と語ってくれたとおり、山城や彼と連携を取る清原の動き、そしてダイレクトでパスを繋いで攻め込んでくるツエーゲンに劣勢を強いられる時間が続く。

Img_0142

だが、首位に立つチームというものは「ここ一番」で仕事が出来る選手が揃っているものだ…

Img_0154

39分、トップ下の畑田がいい形でボールを受けると、素速く縦に抜け出そうとしていた宇野沢に絶妙のスルーパスを送る。これをしっかり受けた宇野沢は相手GKをかわしてシュート! 最後はカバーに入った込山に倒されたがシュートはそのままゴールインで劣勢だったパルセイロが先制。

1点リードで前半を折り返したパルセイロ。後半に入ってリードを活かしながら自分たちのペースに持ち込めるかと思ったが、やはりなかなか上手く行かない…

Img_0269

後半もツエーゲンのペースで進み、ボール支配率でも6:4ぐらいでパルセイロは押し込まれる展開が続いていく。そんな中で上記にもあるとおり、61分に畑田を下げて藤井を投入。それと同時にシステムを4-4-2として、相手のサイドアタッカーのケアと、攻撃に関してはカウンター主体という流れに変えていく。

すると72分、狙い通りのカウンターからチャンスを作り出し、左から上がった高野のクロスにファーの松尾が上手く頭でに合わせて2点目をそつなくゲット。

この日の試合の流れ的に、このスコアのままゲームをクローズさせたいところであったが、不運なことに77分のツエーゲンのFKに松尾のクリアボールが直接ゴールインしてしまい(当初はオウンゴールであったが、後にFKを蹴った佐藤の得点に修正)2-1とされてしまう。

だが、ツエーゲンも75分以降は前半のような鋭い動き出しが影を潜めてしまい、結果的に同点ゴールを奪えないまま時間が進み、そのまま2-1でゲームは終了。

-----------------------------------------------

これでパルセイロは無傷の5連勝で、今節も首位をキープしたのだが、どうにも手放しで喜べる内容ではなかった。また、ゲームに感想について美濃部監督はこのように語ってくれている。

Img_0226

「守備に関してはしっかり出来ていたが、攻撃に関しては全然ダメ。内容的にはサポーターの方には申し訳ないと思っていますし、僕自身も悔しいところでもあります。

ただ、5連勝という結果を出してくれた選手は良くやってくれていると思います。ただ、言い続けていることですが、結果と並行して「内容」の方にもこだわりたい。でも一気に良くなるわけではないので、リーグ戦を戦う中でもっと良くしていきたいし、練習の中でも高い意志を持って取り組み、レベルアップしていかなければいけないと思いますし、僕も(選手が伸びるように)しっかり指導していきたい」

監督も試合を見た人同様に「良くない」とは感じている。ただ、このチームには何年も積み重ねてきたしっかりとした土台がすでにある。だからこそ、良くなくても「勝てる」下地があるのだ。攻撃はあまり良くなくとも、大橋の献身的な守備はピンチを救っているし、若い西口をサポートする大島もディフェンスリーダーとして成長している。また、3トップの一角である松尾は、高い位置から積極的に守備を仕掛けて「前から」というチーム戦術をしっかりこなしている。

Img_0331

内容は悪くとも、大崩する不安も少ない今のパルセイロ。あとは3トップ+中盤の連携が盤石となれば「薩川パルセイロ」から「成長したパルセイロ」に変われるのだが、あとどれぐらい時間がかかるのだろうか…

正直なところ、リーグの前半戦はやや不安定な試合が続いていくだろうが、なんとか辛抱して乗り切って欲しいところでもある。

-----------------------------------------------

さて、ライバルと一戦で敗れてしまったツエーゲンだが、決して悪い内容ではなかったと言えるだろう。5試合で勝ち点がいまだに「4」という現状に、歯がゆい思い、そして「このままでいいのか?」という思いを持つ人も少なくはないと思う。

しかし、これから先のJFLから分裂して生まれるプロリーグのJ3、そしてJ2やJ1で戦うという目標を持つのであれば、これまでの堅守をベースに戦うツエーゲンから、積極的に自分たちから仕掛けて戦うスタイルを構築させていくことは必要不可欠ではないだろうか?

Img_0478

言い方は悪いが、今シーズは勝ち星に恵まれなくとも降格はない。だからこそ、来季のプロリーグ(J3)に向けて、ツエーゲンとはこいう魅力的なサッカーをするんだ! という下地をここで作ってもいいのではないだろうか?

かつて、北信越4強時代を戦ったころの「熱さ」が、クラブからややトーンダウンしてしまった感もあるツエーゲン。ライバルだった松本山雅は育成に定評のある反町監督のもとでJ2でもしっかり戦えるチームに成長した。そしてパルセイロも2年連続でJFL準優勝という結果を残し、さらには行政の支援を取り付けて、J2、J1への道筋をつけることにも成功した。

だが、ツエーゲンはJFLに昇格して以降、長野県のライバル2チームに比べて大きな遅れを取ってしまったことは否めない。今季に入ってやっと準加盟申請が承認され、J3参加と将来への展望がやっと開けてきた。しかしそれとて、パルセイロと比べてしまえば、あくまでも「スタートラインに立てただけ」の話である。

当然ながら、チームが強くなることが、J2リーグへの道となるのだが、それと同時に「強いクラブ」にならなくてはいけないのだ。準加盟が承認された今、チームはあたらしいサッカーを模索し続けているが、それと同様に、ツエーゲン金沢フロントスタッフの「力」も試される時であると言えるはずだ。

-----------------------------------------------

2013JFL 第5節 @南長野
AC長野パルセイロ 2-1 ツエーゲン金沢
[得点者]
39分宇野沢、72分松尾(長野)
77分佐藤(金沢)

« 2013年3月31日 - 2013年4月6日 | トップページ | 2013年4月14日 - 2013年4月20日 »