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2013年3月10日 - 2013年3月16日

2013年3月13日 (水)

美濃部パルセイロ、白星発進

薩川前監督のみならず、クラブの前身である長野エルザ時代からチーム作りに大きく貢献していた小湊隆延氏までクラブを去り、コーチングスタッフがごっそり「美濃部ファミリー」に替わった新生長野パルセイロ。エルザが北信越リーグ昇格したときから数えて、5代目の監督となった美濃部直彦氏にとって、自身の目指すサッカーを示す大事なファーストゲームの日がついに訪れた。

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上にも記したが、コーチングスタッフがごっそり入れ替わり、さらには長年チームを支え続けたモミ(籾谷→現育成スタッフ)や栗原が引退し、宇野沢と並ぶ攻撃の中心として素晴らしい活躍をした向慎一が町田へ移籍するなど、変化の年となった2013年。

その中で「美濃部サッカー」を知るベテランの平島崇と、京産大出身で自身の教え子であるルーキーの西口諒がスタメンに名を連ねた。また、システムもキャンプから取り組んできた大橋がアンカーを勤める4-3-3スタイルでゲームに挑んできた。

さてゲームの方なのだが、正直に言えばこの日のコンディションは両チームにとってあまりにも酷すぎるものであった… 試合前から霙交じりの冷たい雨が降り続け、北からは強風が吹き荒れるなんともつらいコンディション。そして前半のパルセイロは強風をモロに正面から受ける形となり、まったくと言っていいほどボールを繋げられない厳しい時間帯が続く。

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JFL初参戦となったSC相模原だが、風下の優位を活かしながら、素早くボールに体を寄せ、巧みにセカンドボールを奪うとサイドへ展開しチャンスを構築。曽我部、菅野の両サイドアタッカーに、右SBの天野が効果的な攻撃参加を繰り返し、相手ゴールに迫っていく。これに対してパルセイロだが、ゴールキックやパントキックがまともに飛ばないという状況で、思うようにボールが動かせない。また、アンカーの大橋は守備に奔走する時間ばかりとなり、なかなか前に出て行けない。

新生パルセイロにとって、苦しいスタートとなってしまったこの試合だが、最終ラインの集中は素晴らしく、ピンチの割にはほとんどシュートを打たせず完璧な守りを披露。この日がデビュー戦となった西口も落ち着いたプレーを見せ、最終ラインから攻撃のチャンスを伺っていく。そしてエンドの入れ替わった後半は、パルセイロらしい「繋ぐサッカー」が復活。その中で、チームの柱である宇野沢と同等の動きを見せたのが松尾昇悟だった。

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アルテ高崎から加入した昨年は、正直物足りないシーズンであった。アルテでは「自分がなんとかしなければ」という思いと、「結果を出してのし上がりたい」という強烈な意志がうまく噛み合い、結果を出し続けてこのチームにやってきたが、1年目は良くも悪くもアルテ時代の「ギラツキ感」が消えてしまい、ただの上手な選手になってしまったという印象だけが残ってしまった。

そんな中で2年目を迎え、攻撃の中心人物の一人だった向慎一が抜けた今、コーチングスタッフは彼の能力を高く評価してスタメンに起用。この日はゴールこそ生まれなかったが、諦めない姿勢、そして「なんとかしなきゃ」という思いが色濃く反映される彼らしいプレーが存分に発揮され、いい流れを次々と作り出すしていく。

しかし、相模原もJFL初ゲームとは思えない落ち着いた対応を見せていく。

「後半は押し込まれる展開になってしまったので、しっかり勝ち点1を取れるサッカーをしながら、カウンターでチャンスを作れれば思っていました。選手もその意図を汲んでくれボールを奪ってから、すぐに2,3人がサポートする動きが出来ていたと思います」

と試合後に木村監督が語ってくれたとおり、しっかりとブロックを作り上げてパルセイロの攻撃に対応。さらに試合が膠着してきた後半25分過ぎには狙い通りのカウンターからチャンスも作っていく。

なかなか崩しきれない現状に、パルセイロ・美濃部監督が動きを見せたのは80分。田中に替えて野澤を投入。畑田を一列前に上げて、運動量豊富な野澤を2列目に置く形にチェンジ。さらに終了間際には佐藤を準備。だが、セットプレーのチャンスが来たこともあり、交代はその後となり残された時間はほとんどないかと思われた。

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同じ、長野陸送で働く松尾と交代でピッチに入った佐藤。
正直なところ、ボールを触る機会もないかと思われたが、まさかの劇的な展開がラストシーンで生まれることとなる。

交代出場で入った野澤が右サイドに展開し中へクロス。これをDF3人に囲まれながらも宇野沢がキープして、さらに中でフリーになっていた佐藤へラストパス。これを落ち着いて佐藤が流し込み、苦しみながらも劇的に開幕戦を勝利で飾った。

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そして得点を決めたシーンだが、もみくちゃにされながら、佐藤と最後に抱き合ったのが交代でアウトとなった松尾だった。同じ職場で働く仲間と代わって入るのだからこそ、結果を出したかった佐藤。そして悠希が代わりに入るからこそ、結果を出して欲しかった松尾。そんな二人の思いが詰まったシーンであった…

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結果的に、劇的な形で3年連続開幕戦白星となったパルセイロ。
だが、課題が多かったことも間違いない。

実戦の舞台ではじめて「アンカー大橋」というシステムを試す機会となったが、正直なところ中盤3人の連携が良かったとは言い難い内容でもあった。前から速めにプレスに行きたい畑田と有永だったが、相模原の佐野、鈴木の早い展開や、さらにはロングボールを併用する戦法もあり、なかなか前からのプレスがかからず、中盤の底をケアする大橋もセカンドボールにケアに追われ、チャンスに絡めない時間が増えてしまった。

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前3人の動きは決して悪くはなかったが、中盤3枚がどう動き、どう仲間をサポートしていくか? これが美濃部パルセイロの大きなポイントとなっていくはずである。

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2013 JFL第1節 @南長野
AC長野パルセイロ 1-0 SC相模原
得点者:90分+4分佐藤(長野)

AC長野パルセイロ、美濃部監督会見

3月10日 JFL開幕戦@南長野
AC長野パルセイロ 1-0 SC相模原

長野パルセイロ・美濃部監督の試合後会見全文です。

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Q:今日の試合の感想試合は?

まず、試合前から雨と風がすごい大変な状況の中で2300人という多くのサポーターが会場に駆けつけてくれたことを心から感謝いたします。

それと相模原は今年昇格してきたチームでしたが、非常にいいチームでした。粘り強く守られ、なかなかこじ開けられませんでしたが、なんとか最後のところでに1点取れて良かったと思っています。今日の勝利は選手たちにもサポーターの皆さんにも「おめでとうございます」と僕から言いたいと思います。

試合の方ですが、全般的に終始ゲームはコントロールできたかな? と思っています。何回かカウンターで危ない場面もありましたが、基本的にしっかり守れたし、前半特に風下の中でのセットプレーや背の高い選手に対してのケアも、なんとかやれたかなと思っています。

後はゴールが欲しかったのですが、決定的なチャンスっていうのは数えてかなりあったと思うのに決めきれなかったから、最後は厳しい展開になってしまいましたが、開幕戦ということで最後にああいう形で点を取った方が劇的で、みなさん大喜びで帰ってもらえるし、まあ結果的に勝ったんで良かったかなと思います。

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Q:野澤、佐藤投入の意図は?

何回かチャンスを作る中で、最後のところで決定的な部分がなかなか決めきれなかったことと、攻めている時間で単調になりすぎているのではと考えて、野澤を入れて畑田を前に出しました。最後は悠希(佐藤)を使ったんですが、悠希は昨日の練習が終わった後も(残って)シュート練習をかなりやっていたし、それと今日、なんか散髪してきたんですよね。めっちゃ短くしてきて。やはりそういう(やるぞという)気持ちみたいな部分を見たから、最後に彼に少しでも(出場する)時間を与えたいなあと思って出したけど、それで結果を出したわけでして、彼の素晴らしい活躍があって勝利できたと思います。

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Q:後半は風下という中で、相手は割り切ってブロックを作ってきたが、どう崩すかがポイントでしたが、キャンプからやってきた丁寧に繋ぐサッカーは終始出来ていたと思うが、その点の感想は?

こういう下のコンディションが悪いときだからこそ、長いボールで攻めるのも(策の)一つだとはと思いますが、やはり我々が取り組んでいるのはボールポゼッションであり、そこからなんとか崩しを入れていきたい。でも、相手のブロックの中を打ち破るだけの精度であったり、最後のシュートの場面でのアイディアやコンビネーションというものはまだまだ足りないのかな? と思いました。

まあ、ある程度の攻撃の場面ではそれなりにいいところもあったので、後はクオリティを上げていくだけかな? と思います。

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Q:初めての公式戦を終えたが、シーズンを戦う上での手応えはどうでしょうか?

勝利に関してはめっちゃうれしいです。
長野に来てから多くのサポーターや、スポンサーの皆さんとか多くの期待があったので、その人たちに一番最初の開幕戦で勝利をプレゼント出来たことを本当に嬉しく思っております。

JFLの開幕戦を迎える中で、(自分や選手を含めて)ナーバスになる部分や局面もありました。そういうゲームがあるんだな? ということをしっかりと噛みしめながら、それでも我々は立ち向かってしっかり勝ち抜いていかなければいけないんだなと感じました。Jとはまた違うった雰囲気のJFLでも、しっかりと自分の(目指す)サッカーをみんなに伝えていきたいと思います。

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Q:前半はリズムが悪かったが、後半に向けての指示はどうだったのか?

まずは慌てないこと。
前半の方が(風で)危ないっていうイメージがあったんでね。
逆に後半は相手が(風で)前に進まない状況だから、自分たちがゲームをコントロール出来るというイメージがあったので、あわてないでしっかりボールをつなぎながら、最後は相手がストレスを感じるような場所にボールを入れていこうと。それはクロスあったり、バイタルエリアにボールを入れて、そこからサイドから(に一度回してから?)クロスとかで、そのあたりの部分で相手にストレスを与えようとうことを強調してやらせました。あとはカウンターだけは注意しようと伝えました。

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Q:後半は監督が目指すスタイルは出来ていたのではないでしょうか?

コンビネーションという部分であったり、慌てないでボールをしっかり繋げられるはずのシーンでミスが多かったので、自分が目指すポゼッションからの攻撃ということに関してはまだまだ完成度は低いかなと思います。ただ、ゲームをしながらこ、しっかりコントロールして完成に近づけていきたいと思います。まだまだ課題は多いのでも練習の中でどんどん修正していきたいです。

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Q:勝利とチーム作り、どちらを優先されますか?

それは今年のテーマであり、JFL優勝を目指してやっています。それから、もう一つはチームの成長、土台作りというのも並行にやっています。

今日のゲームで言えば、開幕戦ということで非常に勝ちたい、皆さんに勝利の瞬間を味わって貰いたいという強い気持ちがありました。しかし負ける(負けたくない?)ことであったり、勝つためだけのサッカーでは成長はないので、そこを並行していくためには恐れない(プレーをしていく)ことが必要。今日も繋いでいって(相手に)引っかけられる場面もありましたが、それでも恐れないで繋いで行って欲しい。ある程度、(選手の)判断が必要ですが、その両方をやっていかないと、このチームの未来はないとも思っています。

我々が目指しているのはJで戦うことですが、来年のJ3ではなく、その先を今から見据えて今から準備しないといけない。それを考えるとチームの戦えるスタイルを確立していかないといけないと思いますから、今日みたいにコンディションの悪い中で、単純なサッカーで押し切って勝った、セットプレー1本で勝ったとか、そうい戦い方もありますし、それも大事だと思いますが、それだけにのこだわっていたら(チームとして)積み上げられないと考えています。

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Q:南長野で初めて指揮する試合でしたが

緊張するかと思いましたがリラックスして入れました。雨が降って風も強かったですが、サポーターの人が試合前から盛り上げてくれましたので、彼らに勝利をプレゼントしたいという思いだけで試合に挑みました。

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Q:オレンジに染まったスタジアムを見てどう感じましたか?

本当にこの地域に来てよかったなあと思いました。Jを含めていろいろチームがありますが、JFLのカテゴリーでこれだけの人が応援しにきてくれることは本当に素晴らしいことでありますし、心から素晴らしいと思います。

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Q:試合中、ラインぎりぎりまで出て声を掛けていましたが?

僕はあれがスタイルなので(笑)
まあ、選手とともに戦える感じでやりたいなあと思っています。

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Q:監督が目指すサッカーを今日の試合で選手はどれくらい体現してくれましたか?

出来ている部分もありましたが、まだまだ完成には遠いかなあと感じますので、もっとアイディアを出して欲しいし、クオリティの高いサッカーをして欲しいので、そういう意味では半分ぐらいなのかなあという感じです。ただ並行に、勝利するということでは満足していますので、選手たちには感謝したいなあと思います。

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Q:スタメンの中に2人の美濃部チルドレン(平島と西口)がいましたが、彼らの動きについてどうでしたか?

チルドレンというほどではないですが、それなりにやってくれたと思いますよ(笑)
西口に関しては大卒で入ってきた選手で、守備のところでは多少問題はあるかもしれませんが、ポゼッション能力も高く、ボールをしっかり動かせるところを評価しています。(私は)今のサッカーの中でCBのポゼッション能力が低いと、なかなかチームとしていい攻撃に繋げられないと思っているので、その点では彼は今日も安定してポゼッションしていたと思います

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Q:JFL初参戦の相模原が相手でしたが、準優勝チームとしての意地を見せられたのでは?

自分たちは偉そうにするチームではないです。
相手がどこであれ、自分たちのサッカーを続けることであり、常に普段かた謙虚に努力することがこのチームの発展に繋がると思っています。(2年連続で)2位だったからと言って偉そうな顔をしてサッカーをするつもりはないですし、これからもしっかりそういうことを肝に銘じてやっていきたいと思っています。

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