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2013年4月24日 (水)

ダービーならぬ「夢のBruder対決」

浦和レッズと大宮アルディージャが激突した「さいたまダービー」が行われた4月20日に、群馬県前橋市で埼玉県のチーム同士の試合が行われていたことをご存じであっただろうか? 

その試合とは関東サッカーリーグ2部、第3節。ACアルマレッザ飯能 vs 大成シティFC坂戸のカードであり、ある意味で「もうひとつの埼玉ダービー」なのだが、この対決はダービーと呼ぶよりも「兄弟対決」であり、もっと違う言い方をすれば「夢の対決」でもあったのだ。

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なぜ、兄弟対決なのか?
なぜ、夢の対決なのか?

それは両チームが深い関係を持っているからだ…

この日のホーム主催者であるアルマレッザ(以下飯能)は、2009年から現在の名称に変更して関東リーグで戦っているが、それ以前は「飯能ブルーダー」という名前で戦っていた。そして、当時の中心選手の一人に熊谷哲平という選手がいたが、彼こそが現在のシティ(以下坂戸)の監督であるのだ。また、熊谷の他にもブルーダーでも活躍した中居剛士などは、坂戸を牽引する選手の一人として今なお現役。

飯能には、熊谷や中居、水沢を知るスタッフや選手が、今なお数多く在籍している。また、熊谷にとっても2008年の坂戸監督就任以来、飯能と同じカテゴリーに立つこと、そして公式戦で対戦することが目標の一つでもあった。さらにもうひとつ、両チームのサポーターは、かつて「ブルーダー」を応援していた仲間でもあったのだ。

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飯能ブルーダーの「Bruder」とは、ドイツ語で「兄弟」を指す言葉であり、この日の対決は2008年に熊谷が坂戸の監督になって以来、両チームに関係する人みんなが楽しみに待っていた「夢の兄弟対決」でもあったのだ。

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さて試合だが、両者とも中盤をボックス型にした4-4-2スタイルでスタートしていくが、立ち上がりからコンパクトなラインを形成し、素速く前線にボールを集めていく坂戸がペースを握り、FWに入った斎藤裕、鈴木竜基がうまくボールを受けてチャンスを立て続けに作っていく。

それに対して飯能は、やや相手のペースに押し込まれ、コンパクトなラインを保てず、全体的に間延びしたラインとなってしまい、空いたスペースを坂戸に狙われていく時間帯が続いていく。

立ち上がりは坂戸が優位にゲームを進めていくのだが、坂戸の攻撃以上に目に付いてしまったのが、主審とラインズマンのかなりあやふやなジャッジの数々だった。ゲーム立ち上がりから、主審の笛が鳴らない時間帯がかなり続いていく。ゲームをうまくコントロールして、多少のファールでもアドバンテージで流していたのなら問題なかったのだが、実際はそうではない。完全に「あれ、このプレーってファールにしていいの?」という事に迷ったあげく、多少の危ないチャージでも全部流してしまうという、かなり危ないジャッジが続く。また、ベンチ側のラインズマンも、かなりオフサイドを見逃すなど、「おい、大丈夫か?」と言いたくなってしまうほどの疑惑の判定が続出。

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そんな中で18分、バイタルエリアまでボールを運んだ坂戸に対して、飯能守備陣が対応したが、ハンドのように見える微妙なプレーが生まれる。しかし、主審の判定はノーファール。この判定に選手も多少イラッとしたようだったが、この後も坂戸がボールをキープしてPA内に突入すると、DFに倒されて今度こそファール判定となり、坂戸はPKのビッグチャンスをゲット。ここはキッカーの鈴木竜が落ち着いて決め、坂戸が今節も先制点を挙げる。

だが、先制点を奪われた事で飯能が目を覚まし、間延びしていたラインもコンパクトになり、ボランチの清水、中村が積極的にボールに絡むようになり、さらには左サイドの坂井、原田が上手く抜け出してチャンスを次々と生み出していく。

先制点を奪われた飯能だが、その後はペースを奪い返して反撃に出て、25分には原田のオーバーラップから決定機を迎え、さらに28分にも連携から坂戸守備陣を崩し、清水が落ち着いて縦にスルーパス。これに反応した佐々木がキレイに決めて、飯能がついに同点に追いつく。

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さらに勢いづいた飯能は直後の31分に、スローインから素速く繋いで坂井がシュートを放つなど、完全に序盤とは逆の展開となり、坂戸は攻め手を見いだせず厳しい時間帯を迎えてしまう。しかし、前節の反省(1-3 神奈川教員戦)を踏まえ、厳しい時間帯でも守備陣は粘り強く対応し、なんとか前半の残された時間を凌ぎきり1-1のタイで折り返す。

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前半の途中から完全に飯能ペースになった試合だが、エンドの変わった後半は再び積極性を取り戻し、坂戸が一気に息を吹き返す。さらには、前半以上に冴え渡る鮮やかな速攻を見せ、飯能ゴールに迫っていく。

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そして51分、斎藤が前で競ったボールのセカンドを拾った矢内が難しい体勢ながらも強引に左足を振り抜くと、ゴールへ一直線に飛んでいき坂戸が2点目を奪う。さらに4分後の55分には、左サイドの中居から素晴らしいボールが入ると、鈴木竜が頭で見事に合わせてリードを2点差とする。

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前半中盤以降は相手の勢いに押されて防戦となってしまった坂戸だが、後半からはキッチリとラインを修正し、立ち上がり同様に全体をコンパクトにして、速い攻撃を仕掛けてゴールに迫り、理想的な形から連続ゴールを挙げてゲームを優位に進めていく。

その後も運動量が衰えない坂戸は、相手にチャンスらしいチャンスを与えず自分たちのやりたいサッカーを終始展開。さらに76分には、山崎がこぼれてきたセカンドボールを豪快に蹴り込んで、試合を決定づける4点目を奪う。きれいに揃った3ラインは最後までコンパクトな形を保ち、前線、中盤、両サイドが実にいい連携を見せ、まさにチームが目標に掲げる「Enjyoy Football」最後まで展開した坂戸が、目標の相手との大切な一戦で、今季初勝利をもぎ取ったのであった。

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それにしても、この日の坂戸は終始、気持ちが入っていた。確かに、連敗を止めたいところだったし、相手は監督のルーツでもある飯能ということで、気合いも入っていたかも知れないが、それ以上に前節の反省点をしっかりカバーしていたことが勝利に繋がったと言えるだろう。

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全員がハードワークしなければ、やって楽しいサッカーにたどり着けるわけがないのだが、この日は見事にそれをやり切った。さらには、同点に追いつかれてからの闘い方に成長が見えたことが、得点以上に収穫であった。

初戦、2戦目と、失点してからズルズルといってしまうシーンが多かったが、この日は悪いなら悪いなりに「耐える」ということがしっかり出来たのである。もし、前半のうちにリードを許していたら、後半はまったく違う展開になっていたかも知れないが、その時間帯を耐えられたことが、後半の反撃に繋がっていったのである。

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これで坂戸は関東リーグ(2部)において、記念すべき初勝利を飾ったのだが、この大事な試合、そして記念すべき試合に坂戸の熊谷監督が諸事情により不在であったことはナイショである(笑)。  ぜひとも、次の坂戸ホームの時には熊谷監督も揃って、また「夢の兄弟対決の続き」、そして「夢のオールスターゲーム」を見せて欲しいところでもある。

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また、敗れて3連敗となってしまった飯能だが、繋いで崩していこうという方向性は悪くはない。だが、関東リーグは全部で18試合しかないため、これ以上の連敗は避けたいところだが、この日出来ていたものをさらに伸ばし、何とか今季も関東リーグに残って欲しいと願いたいところだ。

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そして最後にもう一つ。なぜ、埼玉勢同士の試合が群馬で行われたのか? ということだが、単純に言えばグラウンドを押さえることが出来なかったということなのだが、地域リーグレベルであれば「簡単に押さえられるであろう」と思うのは大間違いである、ということを知っておいてもらいたい。

特に関東地区を指す話になってしまうが、土日はサッカーだけではなく、いろいろなスポーツの日程が入っていることや、それぞれの県リーグレベルでも試合数は多いし、その他にもJFLや大学リーグ、なでしこリーグにチャレンジリーグ、ユース年代のプリンスリーグや県の大会など、数多くの試合が予定されており、普段の練習場が試合会場として使用できるチーム以外は、会場を押さえることは年々難しくなってきている。

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また、飯能市や近隣地域を拠点とするアルマレッザにとって、正直なところ本拠地周辺に試合を開催できる会場が少ないことも泣き所であり、試合会場を決めることは例年以上に厳しい状況にあった。そんな中で、決まっていない試合日に関しては、他の参加チームの協力を得て会場が決定したこともあり、ホームゲーム9試合のうち、半分以上の5試合(群馬3、東京2)が埼玉県外でやることとなっていた(今回の場合はtonan前橋さんの協力でグラウンドが決定)のである。

本来なら、普段お世話になっている地元の人にも気軽に見に来て欲しいと思うところだが、残念ながらそれが出来ない苦しい事情があった飯能。そう考えると、今季のホームゲーム全てを坂戸市民総合運動公園で行える坂戸はなんとも恵まれた環境にあると言えると同時に、自治体や地元との連携がしっかり取れていることが窺い知れる。

ただ、今回のようなことはあまり好ましいことでもないので、出来れば埼玉県協会や、KSLがもっとバックアップしてほしいとも感じるところであり、出来る限りホームゲームをチームが所属する県(都)でやれるように働きかけて欲しいところでもある。

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2013関東サッカーリーグ2部 第3節 
4月20日@大胡運動公園陸上競技・サッカー場
ACアルマレッザ飯能 1-4 大成シティFC坂戸
[得点者]
20分・55分鈴木竜、51分矢内、76分山崎(坂戸)
29分佐々木(飯能)

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