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2013年3月13日 (水)

美濃部パルセイロ、白星発進

薩川前監督のみならず、クラブの前身である長野エルザ時代からチーム作りに大きく貢献していた小湊隆延氏までクラブを去り、コーチングスタッフがごっそり「美濃部ファミリー」に替わった新生長野パルセイロ。エルザが北信越リーグ昇格したときから数えて、5代目の監督となった美濃部直彦氏にとって、自身の目指すサッカーを示す大事なファーストゲームの日がついに訪れた。

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上にも記したが、コーチングスタッフがごっそり入れ替わり、さらには長年チームを支え続けたモミ(籾谷→現育成スタッフ)や栗原が引退し、宇野沢と並ぶ攻撃の中心として素晴らしい活躍をした向慎一が町田へ移籍するなど、変化の年となった2013年。

その中で「美濃部サッカー」を知るベテランの平島崇と、京産大出身で自身の教え子であるルーキーの西口諒がスタメンに名を連ねた。また、システムもキャンプから取り組んできた大橋がアンカーを勤める4-3-3スタイルでゲームに挑んできた。

さてゲームの方なのだが、正直に言えばこの日のコンディションは両チームにとってあまりにも酷すぎるものであった… 試合前から霙交じりの冷たい雨が降り続け、北からは強風が吹き荒れるなんともつらいコンディション。そして前半のパルセイロは強風をモロに正面から受ける形となり、まったくと言っていいほどボールを繋げられない厳しい時間帯が続く。

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JFL初参戦となったSC相模原だが、風下の優位を活かしながら、素早くボールに体を寄せ、巧みにセカンドボールを奪うとサイドへ展開しチャンスを構築。曽我部、菅野の両サイドアタッカーに、右SBの天野が効果的な攻撃参加を繰り返し、相手ゴールに迫っていく。これに対してパルセイロだが、ゴールキックやパントキックがまともに飛ばないという状況で、思うようにボールが動かせない。また、アンカーの大橋は守備に奔走する時間ばかりとなり、なかなか前に出て行けない。

新生パルセイロにとって、苦しいスタートとなってしまったこの試合だが、最終ラインの集中は素晴らしく、ピンチの割にはほとんどシュートを打たせず完璧な守りを披露。この日がデビュー戦となった西口も落ち着いたプレーを見せ、最終ラインから攻撃のチャンスを伺っていく。そしてエンドの入れ替わった後半は、パルセイロらしい「繋ぐサッカー」が復活。その中で、チームの柱である宇野沢と同等の動きを見せたのが松尾昇悟だった。

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アルテ高崎から加入した昨年は、正直物足りないシーズンであった。アルテでは「自分がなんとかしなければ」という思いと、「結果を出してのし上がりたい」という強烈な意志がうまく噛み合い、結果を出し続けてこのチームにやってきたが、1年目は良くも悪くもアルテ時代の「ギラツキ感」が消えてしまい、ただの上手な選手になってしまったという印象だけが残ってしまった。

そんな中で2年目を迎え、攻撃の中心人物の一人だった向慎一が抜けた今、コーチングスタッフは彼の能力を高く評価してスタメンに起用。この日はゴールこそ生まれなかったが、諦めない姿勢、そして「なんとかしなきゃ」という思いが色濃く反映される彼らしいプレーが存分に発揮され、いい流れを次々と作り出すしていく。

しかし、相模原もJFL初ゲームとは思えない落ち着いた対応を見せていく。

「後半は押し込まれる展開になってしまったので、しっかり勝ち点1を取れるサッカーをしながら、カウンターでチャンスを作れれば思っていました。選手もその意図を汲んでくれボールを奪ってから、すぐに2,3人がサポートする動きが出来ていたと思います」

と試合後に木村監督が語ってくれたとおり、しっかりとブロックを作り上げてパルセイロの攻撃に対応。さらに試合が膠着してきた後半25分過ぎには狙い通りのカウンターからチャンスも作っていく。

なかなか崩しきれない現状に、パルセイロ・美濃部監督が動きを見せたのは80分。田中に替えて野澤を投入。畑田を一列前に上げて、運動量豊富な野澤を2列目に置く形にチェンジ。さらに終了間際には佐藤を準備。だが、セットプレーのチャンスが来たこともあり、交代はその後となり残された時間はほとんどないかと思われた。

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同じ、長野陸送で働く松尾と交代でピッチに入った佐藤。
正直なところ、ボールを触る機会もないかと思われたが、まさかの劇的な展開がラストシーンで生まれることとなる。

交代出場で入った野澤が右サイドに展開し中へクロス。これをDF3人に囲まれながらも宇野沢がキープして、さらに中でフリーになっていた佐藤へラストパス。これを落ち着いて佐藤が流し込み、苦しみながらも劇的に開幕戦を勝利で飾った。

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そして得点を決めたシーンだが、もみくちゃにされながら、佐藤と最後に抱き合ったのが交代でアウトとなった松尾だった。同じ職場で働く仲間と代わって入るのだからこそ、結果を出したかった佐藤。そして悠希が代わりに入るからこそ、結果を出して欲しかった松尾。そんな二人の思いが詰まったシーンであった…

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結果的に、劇的な形で3年連続開幕戦白星となったパルセイロ。
だが、課題が多かったことも間違いない。

実戦の舞台ではじめて「アンカー大橋」というシステムを試す機会となったが、正直なところ中盤3人の連携が良かったとは言い難い内容でもあった。前から速めにプレスに行きたい畑田と有永だったが、相模原の佐野、鈴木の早い展開や、さらにはロングボールを併用する戦法もあり、なかなか前からのプレスがかからず、中盤の底をケアする大橋もセカンドボールにケアに追われ、チャンスに絡めない時間が増えてしまった。

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前3人の動きは決して悪くはなかったが、中盤3枚がどう動き、どう仲間をサポートしていくか? これが美濃部パルセイロの大きなポイントとなっていくはずである。

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2013 JFL第1節 @南長野
AC長野パルセイロ 1-0 SC相模原
得点者:90分+4分佐藤(長野)

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