« 2つの退任に思うこと | トップページ | 佐野達、全権監督でサウルコス福井へ »

2012年12月13日 (木)

痺れる試合となったJFL入替戦1stレグ

正直、この逆転勝利は今年見た試合の中で一番のインパクトだった…

Img_0311

1977年にスタートした地域リーグ決勝大会だが、36回目にして北海道リーグ所属クラブが初めて3位に入り、悲願のJFL入りにあと一歩に迫ったノルブリッツ北海道(※コンサドーレ札幌は北海道のクラブだが、旧JFLにすでに所属していた川崎市の東芝堀川サッカー部が前身であるためここにカウントされない)

さて、今年のJFLだが、アルテ高崎のリーグ脱退により、17チームに開催されたことにより、当初から17位(最下位)が自動降格、16位が地域3位と入替戦という形であったが、リーグ終盤にきてHonda FCと並ぶJFLの雄、そして企業サッカー部の頂点に立っていたSAGAWA SHIGA FCがリーグ退会を表明しこれにより、来季に向けて2チームの「空き枠」が発生したことにより、JFL側は最下位(今季は栃木ウーヴァ)でも入替戦に勝てば自力残留できる目が生まれていた。

そして2010年のアルテ高崎 vs 三洋電機洲本以来の入替戦が実現したが、今年はノルブリッツ北海道側が雪のためホーム開催が厳しいという事情もあり、異例の2戦とも栃木市陸開催という形になって初戦を迎えた。

Img_0011

試合前の両者の力や、ここ最近の試合から戦いを分析すれば、正直なところ栃木ウーヴァ絶対有利は動かないと思われた。9月に入り、成績不振により横濱監督を解任し、井出コーチの監督昇格と、かつて栃木SC監督として長らく采配をふるった高橋高氏をテクニカルアドバイザーに迎え、テコ入れを図った。するとリーグ終盤は3勝3分3敗と決していい成績ではないものの、攻撃面に関しては大きく向上しJFL残留に向けて悪くはない流れを作り出した。

それに対してノルブリッツ北海道はSC相模原(関東)、福島ユナイテッド(東北)、ファジアーノ岡山ネクスト(中国)と地域リーグ決勝大会・決勝リーグで対戦。結果的には1敗2PK負の勝ち点2で終わったが、得失点差で岡山を上回り3位に滑り込み入替戦進出を決めていた。

さて試合内容というか、この大会(決勝リーグ)で3位に入ったチームとして、もっとも得点が少ない得点1という内容で、守備面では上々の出来を見せたが攻撃面では「大丈夫か?」という印象を残していた。

さらには試合どころから、通常の練習ですらグラウンドではなく、体育館でしか出来ない現状に、試合前日に見舞われた大雪のため、飛行機は飛ばず前日での関東入りが出来ず、調整もままならない形で予定よりも1時間遅れてで試合会場入りしたノルブリッツ。

誰がどうみてもウーヴァ有利の中で迎えたJFL入替戦。

そしてゲームだが、前半4分、右サイドバックの川里から上がったクロスに、エース若林が頭で合わせ、いとも簡単に先制ゴールをウーヴァが奪う。これは2年前のアルテ同様に、初戦で一気に残留への流れをつくるかと思われた。事実、ゲームも完全に風上のウーヴァが支配し、ノルブリッツはパスを回すことも出来ないまま、ただ前に蹴り込むだけの展開に終始してしまう。だが、ノルブリッツの「蹴り込む」は無策ゆえのことでは無かったのである。

長距離移動での疲れ、フィジカルの差、選手個々の技術の差、そして練習環境の違い。どれをとってもノルブリッツにとっても優るものはない。雪のため広い野外での練習が出来ないため、ノルブリッツの取った策はただ一つ「粘る強く守り、奪ったら前へ素速く入れて一撃必殺を狙う」というシンプルなパターンに掛けるしかなかった。そしてただ一つ相手に負けないものを全面に出す。そう、「絶対に負けない」という強い気持ちを押し出すことだ。

Img_0165

その強い気持ちと団結力があったからこそ、ウーヴァに再三ゴール前を脅かされるが決定的となる2点目を与えなかった。そして粘り強くゲームを進めた結果、前半終了間際の44分、1.5列目に入っていた石本から縦1本が前線に入り、見事に山田が抜け出して値千金の同点ゴールを叩き込む!

これで「やれる」という流れになったノルブリッツは、風上になった後半から一気にエンジンがかかってくる。さらにノルブリッツに追い風となる要因が後半から生まれていた。それは最も警戒しなければならないウーヴァのエース、若林学が前半の接触プレーで頭を打ったことで大事を取り、ベンチに下がったことだった。

案の定、前線の核を失ったウーヴァはボールを前に収められず、さらには両サイドの高安、岩城がボールに絡めない時間が続く。それに対してノルブリッツは山田を中心に素速い仕掛けを見せ、ウーヴァゴールに迫っていき、後半13分にゴール前でFKのチャンスを迎える。

ここで10番土田の蹴った浮き球に対し、うまく入ってきた山田がバックヘッドで流し込み、ついにノルブリッツが逆転!!

Img_0273

この後は、前線に再びターゲットとなる安間を投入し、ウーヴァが反撃に出るのだが、地域決勝同様に集中を切らさず、全員が体を張り続けゴールを死守。

--------------------------------------------------------------

チャンピオンズリーグのようなスペクタクルな展開はこの試合にはまったく無かった。ただひたすらに泥臭く、やれることを必死にやるだけの試合だったが、どんな試合よりも緊張感をビンビン感じさせる痺れる試合であった…

試合前、正直なところノルブリッツがこんな展開で勝利(2-1)するなんて思った人が、どれだけいたであろうか?

これでノルブリッツは次戦、引き分けでもJFL昇格が決まる。そしてウーヴァは2点差以上の勝利が必要となった。

天国と地獄が明確に分かれる入替戦2ndレグは19日、再び栃木市陸で行われる。
この試合、サッカーファンとして見ておいても絶対に損のない試合。さらには、無料でみられることもあるので、ぜひとも足を運んで「歴史の証人」になってほしいものである。

« 2つの退任に思うこと | トップページ | 佐野達、全権監督でサウルコス福井へ »

JFL」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/176307/56312380

この記事へのトラックバック一覧です: 痺れる試合となったJFL入替戦1stレグ:

« 2つの退任に思うこと | トップページ | 佐野達、全権監督でサウルコス福井へ »