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2012年1月 7日 (土)

改革が望まれる大学選手権

早いもので、新しい年となって今日で7日目。元旦に行われた女子選手権ではINACレオネッサ神戸が新潟レディースを破り連覇&年間2冠を達成。そしてそのあとに行われた「史上初」の2部勢同士の天皇杯決勝はFC東京の優勝で幕を閉じた。しかし、正月のサッカー界と言え高校サッカーを忘れることが出来ないだろう。そして大会だが、5日に準々決勝が行われ、大分、市立船橋、尚志、四日市中央工業がベスト4に進出。いよいよ、本日12:05から準決勝が始まる。

年末から年始にかけて、サッカー界では大会がいくつも続いていたのだが、その中で今回で60回目と伝統がありながらイマイチメジャーになれない全日本大学サッカー選手権の決勝戦が、高校サッカー準々決勝の同日(5日)に国立競技場で行われた。

決勝は奇しくも関東大学サッカーリーグの優勝(専修大学)、準優勝(明治大学)チームの対決となったが、今大会ベスト4の顔ぶれ(専大、明大、慶大で残る一校のみ東海の中京大)、そしてユニバーシアード代表選手に輩出した数(20人中19人)、さらには現時点でJリーグ入りが内定している大学生43名のうち、7割以上にあたる31名が関東大学リーグ所属校から出ているなど、今年は例年以上に関東の力が突出している年であったと言えるだろう。

決勝戦の内容については、やや時間が過ぎてしまったこともあり、あっさりとだけ紹介していきます。

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関東リーグ前期での対戦は0-4と明大に完敗を喫した専大だが、チーム力をアップさせた夏合宿、そして自信を深めることとなった夏の天皇杯予選を経て、チームは大きく化けることとなる。そして後期の対戦では、自慢の攻撃力が冴え渡り明大から大量5得点を奪い圧勝。前期の上位校だった早稲田、流経、筑波が勝ち点をなかなか伸ばせない中で、専大は最後まで勢いが衰えることなく、ついには優勝を勝ちとった。

その勢いをそのままに大学選手権に乗り込んできた専大は1回戦、準々決勝で自慢の攻撃力を爆発させ、準決勝の中京大戦でもスコアは2-0であったが、中京大に手も足も出させない完勝劇でついに決勝へコマを進めた。

それに対して、リーグ戦序盤は噛み合わないチーム状況に苦しんだ明大だが、中盤での守備が整備された総理大臣杯以降は安定した力を発揮し、最終的にリーグ戦は2位でフィニッシュ。専大ほどの勢いはないが、選手個々の確かな実力と安定した試合運びを武器に、2年ぶり3度目の大学王座を狙った。

ゲーム内容に移りますが、前半は明大の素速いプレスの前に専大攻撃陣が思うようにボールをキープすることが出来ない展開が続く。明大のプレスだが、ボランチの宮阪がキーマンとなるのではなく、実はFWの阪野なのである。素晴らしい運動量で相手がボールを持った瞬間にプレスを掛けに行くのだが、阪野が動けばその位置に近い選手もサンドしにいく。そしてプレスを掛けにいった2列目の穴を三田、宮阪が埋めるという実にスムーズな連動が明大サッカーを支えているのである。

この連動した動きに手を焼き、前半はあまりいいところを出せなかった専大だが、後半に入ると1トップ+2シャドーの3人、そしてゲームをコントロールする町田、庄司の動きが冴え渡りだしていく。まず試合を動かしたのは、専大躍進の立役者でもある2年生の長澤和輝である。ペナルティエリアやや外で町田からボールを受けると迷わず右足一閃。これが見事に決まると、その後は専大が目指す「速く、激しく、美しく」という攻撃サッカーが爆発。

正直に言えば、リーグ後半戦の戦いを見ていれば明大が勝つということはあまり予想出来なかった。いや、今の専大はどの大学にも負けないだけの強さが備わっていたと見るべきであろう。大学選手権史上で、これほど1回戦から決勝まで圧倒的な強さを見せつけて優勝したチームがあったであろうか…

2部から昇格し、当初は1部残留が目標であったチームが、いつしか優勝に変わり、そして最後には大学日本一の座まで獲得。さて、今年の専大のキーワードだが、「初志貫徹」といったとっころではないだろうか? なかなか勝ちきれなかった前半戦。元々攻撃力はあったのだが、守備面で不安のあった専大。そんな時にこそ、チームを立て直すためにも「守備的戦術」を取りたくなるものだが、源平監督は「関塚さんが作った攻撃的サッカーをここでもやり抜きたい」と、攻撃的姿勢を変えずにチーム力をアップさせてきたのであった。

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ということで、簡単に決勝戦などを振り返りましたが、内容的にはおもしろい決勝戦であったのですが、観客動員という点では非常に不満の残る結果でもあり、これこそが大学サッカー界で改善して行かなければいけない点でもあると感じた。

決勝戦の観衆は14,134人と大学選手権の決勝としては過去最高の動員となった今大会。しかし、当初は「3万人動員」を目指し、学連スタッフもあの手この手を考えてこの大会をアピールしてきた。これまで、1万人すら夢であった決勝戦だが、今回はあともう少しで15,000人というところまで来たことは、素晴らしいと思うし、スタッフの努力の結晶であることも認める。

しかし、同じ正月に行われている大学ラグビーや箱根駅伝に比べて極めて注目度が低いことはどうしても気になるところ。また、同日に行われた高校サッカーは翌日の新聞紙上でも大きく取り扱われていたのに対して、大学の決勝は本当に小さなスペースのみだった。

そんな現状を打破するために、学連スタッフはいろいろな形で招待券を配布したり、JUFA GIRL企画などを打ち立てて大会を盛り上げようと頑張ってきた。しかし、今のやり方だけでは、あくまでもサッカー界や学生界の「内側」だけでの活動に過ぎない。インカレという大会を盛り上げ、そしてメジャーな「ソフト」としていくためには、もっとメディアを活用したり企業などとタイアップして露出を増やしていく必要性があるだろう。

高校サッカーや箱根駅伝は日テレが長い年数を掛けてブランド力のあるソフトに育ててきた。また大学ラグビーは大きなバックがある訳ではないが、伝統的に根強い人気を保っている。それに対して、サッカー大学選手権(インカレ)は目立ったメディアのサポートはない(※一応、テレ朝系列で1/8の24:45に放送される「Get Sport」内で放送されるが、決勝や大会単体での生中継はない)。媒体での紹介や取り扱いも少ない、さらには正月の大きなスポーツ大会に挟まれて注目度が低くなっている現実もある。

また、ラグビー側は一大ブランドである「早慶明」が揃って準決勝を前に敗退してしまったが、それでも準決勝は16,377人の動員を記録。スタッフの努力は認めるが、集客が見込める早慶明不在のラグビー準決勝の動員に届かなかった事実をしっかりと受け止める必要があるはずだ。→1月7日19時追記:本日行われた高校サッカー準決勝の観客動員は22,201人(第二試合)でした。

ここ数年、1月5日、国立決勝が定着化している大学選手権決勝だが、5日とは一般の方でいえばすでに仕事が始まっている日であり、なかなか観戦しにくいところでもある。正月の国立競技場のスケジュールから考えて5日ということなのであろうが、やはり平日の昼間開催というものはどうしても集客に苦戦するものである。そして大学選手権のスケジュール的なものだが、毎年準決勝から決勝までが10日以上空くのである。もし、大学選手権をもっと集客を伸ばしたいのであれば、平日の昼間開催は改めるべきであり、日程的なものも改める必要性があるだろう。やはり、日程が空いてしまうと選手の調整も難しくなるし、さらには観客側の関心度も薄まってしまうもの。

例えば、今年の準決勝が25日であったこと、そして国立競技場のスケジュールから考えて、31日決勝というプランで開催されていればもっと集客できたと考える。年末の国立だが、女子選手権準決勝、天皇杯準決勝、高校サッカー開幕戦などが続き、年明けは天皇杯決勝、大学ラグビー準決勝・決勝、高校サッカー準決勝・決勝が続き、土日にサッカーの大学選手権が入り込むスキがなかなかない。であるならば、大晦日である12月31日開催はどうだろうか?

これであれば、準決勝から中5日と短すぎず、空きすぎずで程よい日程。さらには、正月から始まる各種スポーツの大きな大会の中で埋没することもない。もし、12月31日開催にして、困るのは天皇杯決勝の設営準備をする某S社ぐらいなものではないだろうか?(笑)

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今年も多くのJリーガーを輩出し、日本独自の育成機関として重要性を高めている大学サッカー界。もっと日本サッカー協会やメディアが主導して、この大会の知名度を上げていかなければならないと感じるのだが、果たして来年度の大会がどうなるのか…

5日開催にこだわるならそれはそれでいいのだが、それであればあくまでも、まだ冬休みの「学生のためのイベント」から抜け出すことは難しいと考える。日程改革を含めて、大学選手権が今後、どう変わっていくか見守っていきたい。そして自分自身も大学サッカーが注目を浴びるように微力ながら協力していきたい。

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