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2011年11月13日 - 2011年11月19日

2011年11月19日 (土)

ラスト5試合、JFL優勝&昇格争い展望

今年のJFLもあと残すところ5試合となり、優勝争い、J2昇格争い、そしてJFL残留争いも佳境に突入している。

優勝争いに関しては、SAGAWA SHIGAが安定した力を見せ、首位をキープしているが、そのSAGAWA(58pt)に常にぴったり着いてきているのが今年からJFLで戦っている長野パルセイロ(54pt)。そして現在首位のSAGAWAが勝ち点58ということで、得失点の関係で逆転の可能性は残されてはいるものの、現実的に考えて7位のFC琉球以下のチームには優勝の望みは無くなった状況となっている。

となると、6位のツエーゲン金沢までが優勝対象チームとなるのだが、金沢が優勝するには残り5試合全勝が条件となるのでこちらも厳しいところ。また、5位に着けている松本山雅も残り5試合全部勝てば、勝ち点が15プラス…と行きたいところだが、最終戦のソニー仙台戦は災害復興試合となっているため、勝っても負けても山雅にはポイントが加算されないため、12月4日までの試合が順位対象の試合となってくる。

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そう考えた時に、山雅の最高勝ち点は59までしか到達しないため、こちらも優勝するにはやや厳しいと考えられる。ただし、山雅の目標は加藤監督も公言しているとおり、優勝よりも4位以内に入ることが絶対条件。2位長野とは7pt差を着けられていることから逆転は難しいところだが、3位町田、4位長崎との勝ち点差は僅か(町田は2、長崎は1)。当然ながら、上位2チームの結果も大いに左右されてくるが、4位以内に入ることは十分可能。しかし他力本願ではなく、ここは自力でまずは4連勝を飾って勝ち点を59まで伸ばし、その上で最終節は当該チームの結果を待ちたい。

ただし、残り試合で非常にやりにくい相手であるホンダロックとの連戦が組まれているところは少々きがかりなポイント。天皇杯では「控え組」中心で新潟に勝てたが、じゃあベストメンバーでホンダロックに簡単に勝てるのか? と言われればそれはNO。当然ながら、天皇杯とリーグ戦はまったくの別物。山雅昇格の行方の鍵を握るのは、名前の通りの「ロック」が最後の関門となるはず。

●松本山雅(5位:47pt、+15)
11/20 ソニー:ユアスタ(後期16節)
11/23 金沢:金沢(前期6節分)
11/27 ホンダロック:アルウィン(後期17節)
12/04 ホンダロック:小林(前期2節分)
12/11 ソニー:アルウィン(前期1節分※)

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さて、現在4位のV・ファーレン長崎だが、J準加盟クラブであるものの、今季のJ昇格はないため、4位以内に入っても来年度からのJ参入はない。しかし、佐野監督は当初から「3年やってJリーグで戦えるチームを作る」と語っており、今年は昨年以上の戦いが出来るチームになりつつある。しかし、3年でJを目指すチームにするとは言いつつも、目標は優勝に定めている佐野・長崎。

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こちらは残り試合でソニー仙台との試合がないため、5試合すべての結果が順位に関わってくることもあり、優勝はまだまだ可能(最大到達勝ち点は63)。また、残り試合がすべて下位チームということあり、来季への布石を残すためにもしっかり全勝で終わりたいところ。

●V・ファーレン長崎(4位:48pt、+19)
11/19 リザーブス:フクアリ(後期16節)
11/23 びわこ:佐世保(前期6節分)
11/27 ウーヴァ:佐世保(後期17節)
12/04 ウーヴァ:栃木市(前期2節分)
12/11 リザーブス:島原(前期1節分)

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そして現在は3位に着けている町田ゼルビア。現時点でスタジアムはJ基準ではないものの、改修にむけて自治体、Jリーグとも話しが進んでおり、4位以内に入れればJ2昇格(Jリーグ新加盟)も夢では無くなってきている。となれば、残されたミッションは今の順位をしっかりキープすること。

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5位松本山雅の最高到達勝ち点が59であることから、逆算すればあと11を上乗せすれば4位以内が確定する町田。5試合で11という数字のハードルは決して容易いことではないが、5試合中3試合は圧倒的な強さを誇るホーム開催ということもあり、11という数字も不可能ではない。また、山雅と町田の得失点差が10開いていることも大きなアドバンテージ。もし仮に、山雅が59でフィニッシュしたとしても、町田は3勝1分で勝ち点10を積み上げれば、よほどのことが無い限り、得失点差で逆転されることはないだろう。

悲願のJリーグ昇格のためにも、今週行われる讃岐戦が最大の山場となりそうだ。

●町田ゼルビア(3位:49pt、+25)
11/20 讃岐:丸亀(後期16節)
11/23 ホンダロック:相模原(前期6節分)
11/27 高崎:町田(後期17節)
12/04 高崎:浜川(前期2節分)
12/11 讃岐:町田(前期1節分)

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最後に優勝を争うSAGAWA SHIGAと長野パルセイロについてだが、皮肉というか、劇的すぎというか、この両者の対戦がラスト5試合の中で2度も組まれており、優勝争いは最終節までもつれ込む可能性がある。

そしてSAGAWAはソニー仙台との試合(災害復興試合)があるため、勝ち点を上乗せできる試合は山雅同様4試合のみとなってくる。となれば、両者の直接対決はまさに優勝を決定づける戦いとなってくる。

というところで、両者の残り試合の対戦カードを見てみよう。

●SAGAWA SHIGA(1位:58pt、+21)

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11/20 長野:南長野(後期16節)
11/23 ソニー:宮城(前期6節分※)
11/27 讃岐:守山(後期17節)
12/04 讃岐:丸亀(前期2節分)
12/11 長野:守山(前期1節分)
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●長野パルセイロ(2位:54pt、+15)

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11/20 SAGAWA:南長野(後期16節)
11/23 秋田:仁賀(前期6節分)
11/27 琉球:沖縄(後期17節)
12/04 琉球:南長野(前期2節分)
12/11 SAGAWA:守山(前期1節分)
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直接対決の他に、SAGAWAは曲者の讃岐、長野も難敵の琉球との連戦が残されており、直接対決に挟まれた試合でしっかり勝ち点を伸ばせるかが大きなポイントとなってくる。

ただ、長野は23日秋田、27日に沖縄と、日程間隔の短い期間に移動距離の長いアウェー連戦があるところも気がかりである。しかしだ、今年の長野はアウェーゲームでかなりの好成績を残しているところも見逃せない。ホームで7勝しかしていないのに対して、アウェーで9勝している長野。薩川監督はこれに対して面白いコメント残してくれている。

「なんでコイツら、アウェーで強いか知ってる?

アウェーはさ、基本バス移動で帰り時間が長いじゃない。となればさあ、オレとも長く一緒にいなきゃならないじゃない。で、そんな缶詰みたいな状況で、試合に負けたら長野に帰るまでにオレに怒られ続けるし、監督が怒っているからみんなシュンとしてなきゃならないのがたまんないんだよ(笑)

だから、アウェーで負けると帰り道が怖いから必死で戦うんだよ。そうすると、結構負けないんだよね」

このコメントが本音なのか、薩川監督のジョークなのかは非常に微妙なところだが、アウェーで強いのは確かである長野。このアウェー連戦を乗り切れれば、JFL新加入チームとして初の優勝も見えてくるかもしれない。

また、SAGAWAに関しては、さすがに長い期間をかけてチームを熟成してきたこともあり、飛び抜けた選手がいるわけではないが、非常に安定した力を発揮できるチームとなっている。若手の清原もすっかり主力として成長。今季、ジェフリザーブスから移籍してきた鳥養も完全にレギュラーに定着。そしてベテランの中村元も健在と、バランスの良さはやはりリーグ1と言えよう。前半悪くても、後半にはしっかり修正してくるところは流石である。

さて、リーグ新加入の長野がリーグの盟主・SAGAWAを相手にどこまでやれるか非常に楽しみなところである。

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そして、もう一つのJ準加盟クラブであるカマタマーレ讃岐についてだが、現在は勝ち点40で9位という順位であり、4位長崎との勝ち点差は8離されている状況であり、数字上では4位以内に入ることは可能だが、現実的に考えればやや難しい状況と言える。また、観客動員の面ではなんとか平均3000を超えたところであり、山雅、町田と比べてしまえば遅れを取っていることは否めない。今すぐにJリーグに上がるよりも、来年度に勝負できる体制(戦力面、財務面、そして観客動員)の下地を作るべきではないだろうか?

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ということで、ここまで優勝争いとJ昇格争いについて書いてきましたが、まとめてみると、優勝争いも、昇格争いも実は長野の2チームがやはり主役なんだなあ…と。良くも悪くも、この2チームがJFLに上がってきて、リーグは非常に活性化されたのではないだろうか? そんな中で、山雅にも町田にもJ2へ昇格してもらいたいという想いはある。が、その反面で永遠のライバルである、長野との信州ダービーは来年も見たい気持ちもある。

優勝争いに関しては、間違いなくSAGAWAと長野の一騎打ちとなってくるだろう。そして昇格争いに関しては、町田、山雅の結果もそうなのだが、今季の昇格はない長崎の「意地」がじつは大きな壁となってきそうでもある。ただ、町田、もしくは山雅のどちらかは必ず「卒業」することが予想される今季。はたして、卒業するチームが最終的に1なのか2なのか最後まで目が離せなくなりそうである。

なお、残留争い、入れ替え戦展望などは別の機会でやりたいと思います。

2011年11月18日 (金)

今日からスタート、第35回地域リーグ決勝大会

今日からJFL昇格を賭けた第35回地域リーグ決勝大会が福井、淡路島(五色)、高知(春野)の3会場でスタートしますが、簡単に展開予想、勝ち抜け予想なんかをしていきたいと思います。

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グループA(テクノポート福井)
JAPANサッカーカレッジ、Y.S.C.C.、バンディオンセ加古川、藤枝MYFC

11/18(金) 10:45 JAPANサッカーカレッジ vs Y.S.C.C.
11/18(金) 13:30 バンディオンセ加古川 vs 藤枝MYFC
11/19(土) 10:45 JAPANサッカーカレッジ vs バンディオンセ加古川
11/19(土) 13:30 Y.S.C.C. vs 藤枝MYFC
11/20(日) 10:45 JAPANサッカーカレッジ vs 藤枝MYFC
11/20(日) 13:30 Y.S.C.C. vs バンディオンセ加古川

毎年、どこかのグループが「死のグループ」となるが、今年はAグループがそれに相当というところであろうか。

まだ松本、金沢、長野と同カテゴリーだった時代から、リーグ優勝を争ってきた実績のあるJAPANサッカーカレッジ(以下JSC)。そして2年連続で地域決勝・決勝リーグで4位に終わり、あと一歩でJFL昇格を逃し続けているY.S.C.C.(以下YS)。地域決勝の常連だった静岡FCと合併(事実上の吸収)し、2度目の挑戦JFL挑戦となるshizuoka藤枝MYFC。そして全社で「2枠目」のチームが生まれなかったことにより、この大会に進むこととなった関西リーグ2位のバンディオンセ加古川という4チームが顔を揃えたこのグループ。

加古川には誠に申し訳ないが、やはりグループリーグ突破はYS、藤枝、そしてJSCの3チームが軸になっていくことは否めないだろう。そしてグループ突破を予想する上で、大一番となるのが土曜日に行われるYS vs 藤枝のカード。この試合は今年の全社3回戦でも実現しており、この時は藤枝が1-0でYSを下している。また、この試合は両者とも地域決勝を睨んで、3連戦目でありながらも、ほぼベスト布陣で対戦している。

ただ、全社は40分ハーフの大会であり、試合時間はトータルで10分間少ないこともあり、決してこの結果を受けて「藤枝の方が強い」とも言い切れない。やはり、この大会においては圧倒的な攻撃力よりも、総合力というかチーム自体の「経験値」がもの言う大会。そう考えた場合、2年連続で決勝リーグを経験しているYSの方が経験値では圧倒的に上。さらには、地域決勝直前に行われたKSLカップでは、控え組も含めて多くの選手が実戦を経験する機会があり、コンディションは悪くない状態と言える。

全社終了後、やや公式戦から離れてしまった藤枝。絶妙の大会形式、タイミングでカップ戦があったYS。この両者の対戦がこのグループの大一番となるのだが、逆に考えるとこの両者にとって加古川、JSCとの対戦が絶対に落とせないものとなってくる。土曜日の決戦に向けて、初日の今日、藤枝、YSの両者はいいスタートを切れるだろうか?

そしてグループ突破の鍵を握る選手としてY.S.C.C.の吉田明生を推しておきたいと思います。エースの辻正男という存在もいますが、今年、アルテから移籍してきて攻撃を牽引する中心選手となった吉田。彼の2列目からの攻撃参加がYSのグループ突破の鍵を握るといえるはずだ。

Aグループ予想→1位:Y.S.C.C. 2位:shizuoka藤枝MYFC

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グループB(アスパ五色)
ノルブリッツ北海道、奈良クラブ、福島ユナイテッド、SC相模原

11/18(金) 10:45 ノルブリッツ北海道 vs 奈良クラブ
11/18(金) 13:30 福島ユナイテッド vs SC相模原
11/19(土) 10:45 ノルブリッツ北海道 vs 福島ユナイテッド
11/19(土) 13:30 奈良クラブ vs SC相模原
11/20(日) 10:45 ノルブリッツ北海道 vs SC相模原
11/20(日) 13:30 奈良クラブ vs 福島ユナイテッド

このグループも実力のあるチームが地味に揃い、Aグループ同様混戦が予想される。札大GPとのマッチレースを勝ち抜き、久しぶりに地域決勝に帰ってきたノルブリッツ。元アルテ高崎の矢部次郎が、地元に帰って一から作り上げてきた奈良クラブは、ついにこの舞台に登場。そして昨年に引き続き登場の福島ユナイテッドに最後のJFA優遇枠チームとなったSC相模原の4チーム。

名前だけで行けば、福島と相模原のマッチレースのような感もあるが、奈良クラブの実力も決して侮れない。昨年の地域決勝2日目で最大のライバルと目されていたY.S.C.C.に完勝し、これでグループ突破は間違いないと思われたが、最終戦でレノファ山口の粘りの前に屈した相模原。そんな苦い経験もあり、今年は盤石の体制で挑み、全社では決勝まで勝ち進む(準優勝)など、順調な調整が続いているかと思われたが、直前に行われたKSLカップではかなり「?」マークが付く試合をしてしまったのはやや気がかり。攻撃力がウリのチームだが、相手の粘り強い守りになかなか崩せず、前がかりになったところをカウンター…なんてシーンがなければいいのだが。

そして相模原に続いて有力候補に挙げられる福島だが、震災の影響もあり、チームを離れた選手も出てしまったことから選手層は決して厚いとまでは言えない。今年の全社は「仮想・地域決勝」を体感出来る余裕がなかったのか、1回戦であっさり大敗してしまったことはマイナスイメージになってしまった。

そんな中で、着実にチーム力をアップさせ、攻守にバランスが取れたチームを作り上げた奈良クラブの存在が非常に不気味である。

さて、このグループの注目として推したいのは、ベテランの域に突入している奈良クラブの三本菅崇。浦和、水戸、甲府、高崎、松本とJ1、J2、JFL、地域とあらゆるカテゴリーを知るベテランDF。ベテランらしい読み、そして強さで最終ラインからチームを盛り立てる彼。堅い守りを持続出来ればグループ突破も夢ではない。

Aグループ予想→1位:奈良クラブ 2位:SC相模原

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グループC(春野球技場)
デッツォーラ島根、HOYO AC ELAN大分、黒潮FC、東京23FC

11/18(金) 10:45 デッツォーラ島根 vs HOYO AC ELAN大分
11/18(金) 13:30 黒潮FC vs 東京23FC
11/19(土) 10:45 デッツォーラ島根 vs 黒潮FC
11/19(土) 13:30 HOYO AC ELAN大分 vs 東京23FC
11/20(日) 10:45 デッツォーラ島根 vs 東京23FC
11/20(日) 13:30 HOYO AC ELAN大分 vs 黒潮FC

全社であれよあれよという間に優勝をかっさらっていた東京23が注目を浴びるこのグループ。他のグループに比べ、やや小粒なチームが揃ったこともあり、カテゴリーでは下となる(都リーグ1部)東京23にも勝ち抜くチャンスはあると言えよう。

さて、グループ展開を考えていくと島根、HOYOの力がやや抜けていると感じる。やはり、長年それぞれの地域リーグで上位にいることもあり、安定した力を持っていると言える。そこに全社王者の東京23が絡んでくる訳だが、正直言えば東京23のチーム状況は決していいものではない。この大会直前に行われた関東社会人大会ではベスト8で浦安JSCに敗れ、この大会での「関東リーグ昇格」は逃してしまっている。また、1回戦で3失点してしまったことも、今後に不安を残す材料となってしまった。

しかし、このグループではある意味、組み合わせにも救われたと言えるだろう。今日行われる初戦で島根 vs HOYOのカードが組まれており、東京はやや実力が劣ると思われる黒潮FCと対戦。ライバルの内容をしっかり確認することが出来、初日でしっかり勝利すればこの先の展開に明るいものが見えてくるかも知れない。

本来なら、このグループの本命を島根と推したいところなのだが、先日の天皇杯2回戦・千葉戦で得点源でもある空山が負傷してしまったが、果たして今日の試合に間に合うのだろうか? その点が非常に気がかりである。あと、HOYOは今年はまったく見ていないので未知数ですが、今年も堀健人は健在のようなので、それなりの働きはしてくれることでしょう。

うーん…、全然展開予想になっていない…

とりあえず、Cグループの鍵を握る選手としてはやはり堀健人。見ていないけど昨年見たチームは非常に粘りもあり面白いチームだった。そして直前に見た東京23の印象と比べてしまうと、やはりまだまだHOYOの方が上であることは否めないだろう。ということで、JFL/J2で経験豊富なアタッカーの力がしっかり発揮されることを期待したい。

Aグループ予想→1位:HOYO AC ELAN大分 2位:東京23FC

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ということで、私のグループ勝ち抜け予想はY.S.C.C.、奈良クラブ、HOYO AC ELAN大分という感じでして、2位枠(ワイルドカード)としてはSC相模原を予想。昨年もこの枠にはカマタマーレ讃岐と同組となった長野パルセイロが入っており、強豪対決はドロー、PK決着という形が予想されるため、意外と有力チームが揃ったところからWC枠が出ると予想。

ただ、個人的感想ですが、関東リーグ昇格に現時点で失敗してしまった東京23の逆襲にも期待したいところです。先日の関東社会人のあの試合を見ていた感想としては、東京23だけではなく、浦安JSCも十分、この大会を戦える力があると感じました。であるからこそ、この大会に出る権利を得た東京23は、浦安の分まで戦って欲しいかぎり。関東昇格は失敗しても、無欲で挑めば全社のように奇跡が起こる可能性もないとは言えない。

関東社会人では「全社王者」というプレッシャーに飲み込まれてしまったが、再び無欲の挑戦者となれば力を吹き返す可能性もある東京23。

リアル「飛び級」目指して頑張ってほしい。

2011年11月16日 (水)

明大・流経、それぞれの明暗

山村(鹿島)、比嘉(横浜Fマリノス)、増田(広島)、中里(横浜FC)と、すでに4人のJクラブ内定者を出している流経大。それ以外にも本日ファジアーノ岡山から入団決定が発表された関戸、上條、さらには当該クラブからまだ正式に発表はされてはいないが、乾もJリーガーとなることが決定(入団内定)している。

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さらには、ここに名前を挙げた選手以外にも、村瀬、征矢、保戸田と言った選手もJクラブのスカウティング陣から高い評価を受けており、プロの世界、またはなんらかの形でサッカーを続ける道に進む可能性は高い。このように、改めて「個」の部分では非凡な選手が多いことを感じさせる今年の4年生。

しかしだ、非凡な才能を持つ選手を多数擁するからと言って「最強のドリームチーム」となるかといえば、そうとは言い切れない。

以前のエントリーで「上り坂、下り坂、まさか」で流経大の流れを表したが、確かに今年の4年生は才能や高校時代の実績という部分では、難波や三門、千明の代に比べれば明らかに上。だが、今の4年生が歴代の先輩たちを超えるような成績を残しているかと言われればそれは誰がどう見ても「No」である。

昨年の失敗を繰り返さない
自分たちはやれる
違う次元のサッカーを見せたい

そう思ってシーズンに入ったのだが、一度歯車が狂いだしてしまうと、なかなか元には戻らない。「まさか」と思った瞬間には、すでに手遅れとなってしまっていたのかも…

そうとしか思えない試合運び、そしてチーム状況が、土曜日のゲームでも顔を出してしまった。

[明大スタメン]
ーーーーー阪野ーーーーー
矢田ーーー岩渕ーーー石原
ーーー三田ーー宮阪ーーー
小川ー丸山ーー吉田ー豊嶋
ーーーーー高木ーーーーー

[流経大スタメン]
ーーー征矢ー保戸田ーーー
ー中美ーーーーーー椎名ー
ーーー関戸ーー村瀬ーーー
川崎ー比嘉ーー乾ーー木下
ーーーーー増田ーーーーー

前節の慶大戦で、久々に比嘉をCBで使ってきた流経大。山村、中里不在の中でも、なんとか勝ち点を拾い、守備面では粘り強さが戻ってきた感もあった。だが、良くなったのはあくまでも守備だけであり、攻撃面では良さは戻ってきてはいない。いいとき時を100とすれば、この日の出来はたぶん30にも満たないような物。ボランチ、攻撃的MF、2トップがまったくと言っていいほど連動出来ない。いや、連動というか、全体の動き出しが悪く、明大の早いプレスの前に関戸、村瀬が思うようにボールをコントロール出来ずチームは後手を踏んでしまう。

さて、対する明大だが、こちらも他校が羨むタレントが揃いながらも、決して満足出来るような戦いが出来てはいない。これも以前から指摘しているが、チャンスを作る回数が多いのに対して、決定力もそうだが、シュートの本数という部分でもこれまでの明大に比べれば物足りない形となっている。昨年は1試合平均2.09(総得点46)だったが、今年は1.72(総得点31)とやはり数字的にも昨年を下回ってしまっている。

いい攻撃がありながらも決めきれず、流れを逸してしまい失点を繰り返してしまう。やはり決めなければいけない場面で得点出来ないと、チームの流れも悪くなってしまうし、失点を喫することも多くなってしまう。そしてこちらも数字がハッキリ出ており、昨年は1試合平均の失点が0.81と1点以下だったのに、今年は1.61と倍増。

確かに、内容を昨年と今年で比較してしまうと、決して満足出来るものではない今の明大。しかし、このような数字がありながらも粘り強く戦い、なんとか順位も3位まで上げてきた。

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さて、不振の流経大を相手に戦う明大は、早い出足で相手の自由を奪い、ボランチの三田が何度もいい形でボールを配球してチャンスを築き上げ、立ち上がりから相手を圧倒。17分には三田が流経大DFの合間をスルスルっと抜け出してシュート! ここはU-22代表GK増田の懸命のセーブで阻まれるが、完全に明大ペースで進んでいく。

ハッキリ言って、何度も明大が得点か? というシーンが続いていくのだが、やはりどうしても決めきれない。今季得点王(現在12得点)の阪野には、乾、比嘉がしっかり着いており、なかなか自由がない。そうなると、2列目の決定力が期待されるところなのだが、ことごとく決めきれない。

そんな明大に対して、流経大はほとんど「流れ」となる攻撃は繰り出せない。しかし、単発ながらも何度か攻め込む形があった。だが単発なのだが、そこは個の力が高い流経大はその少ないチャンスが得点の臭いを感じさせる場面へと変えていく。

そんなシーンで保戸田、関戸のシュートはことごとく枠を捉えられない。39分には、川崎が持ち込んで中でクロス。椎名が中でどフリーで受けてあとは冷静に決めるだけ! という場面を迎えたのだが、なんとここでも痛恨のシュートミス…

これこそ今の流経大そのままだった。相手の出足に引いてしまう→前に出られない→積極性が消える→焦る→自信すら失ってしまう。

前半は明大の決定力不足もあり、スコアレスで折り返すことが出来たが、とてもではないが「勝てるな…」とは予想出来なかった。そして、そんな流れが悪いときにこそ、運もチームを見放ししまう。

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後半立ち上がりの48分、宮阪が中央でミドルを放っていく。当初の弾道はゴールから大きく外れているかと思われていた。しかし、これが比嘉に当たってしまい弾道は大きく変わり、なんとボールはゴールに吸い込まれていってしまった。

これには増田もどうしようもなかった…

アンラッキーな形で流経大は失点。明大にとっても「たなぼた」とも言えるゴールで待望の先制点を奪う。

これで明大の動きがよくなるかと思われた。そして予想したとおり、得点を奪った直後の49分にも岩渕から阪野にいいボールが入ったり、50分には縦1本から阪野が抜け出して決定機を迎えるなど、流れは前半以上に明大に傾きだしていた。だが、今年の明大は試合終盤になると足が止まってしまい、たびたびピンチを迎えてしまう試合が多かったが、この試合でもその面が顔を出してしまう。

あれほどいい出足を見せていた三田も、60分以降は疲れが見え始め運動量がダウン。これに呼応するかのように明大の動き出しだしが悪くなる。そして65分以降は、流経大の村瀬、関戸がボールを自由に持てる時間が増え出し流れは逆転。

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そして1点ビハインドを跳ね返すために流経大ベンチは78分に早稲田、中山を投入してシステムチェンジで勝負に出る。

ーーーーー河本ーーーーー
早稲田ーーーーーーー椎名
ーーー村瀬ーー中山ーーー
ーーーーー関戸ーーーーー
比嘉ー木下ーー乾ーー川崎
ーーーーー増田ーーーーー

このようなシステムに変更し、攻勢に出る流経大。さらにラスト5分を迎えた時点で中野総監督は、乾を最前線に置く形でパワープレーを指示。しかし、この場面でチームは乾を前に出したにも関わらず、それを活かすような攻撃を仕掛けられず、それぞれが勝手なプレーに走ってしまい選手交代やシステム変更の意図を掴みきれず、結局は1点が奪えず手痛い敗退を喫することに。

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内容はともかく、しぶとく戦い抜いて勝った明大は3位の座をキープ。神川監督も「確かに内容は物足りません。ただ、この時期までくれば内容よりもまずは勝利です。やっと、しぶとさが出てきたというか戦えるチームになってきました」と、内容のイマイチさは認めつつも、前半戦に比べて積極性も出てきたこと、そして守備面で辛抱できるようになってきたことに対しては成長を認めていた。

それに対して、敗れた流経大は8位とさらに順位を下げ、数字上はインカレ出場の可能性は残しているものの、3位明大、4位慶大(ともに勝ち点は32)との差が6となってしまい、ほぼインカレ出場は絶望的となってしまった。

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試合後、普段は陽気に振る舞う比嘉だが、高校時代から通じてあれほど落ち込む姿を初めて目にした…

そして試合後のミーティングでは、中野監督は厳しい口調でこの日の試合を振り返り「オレはこのチームがインカレに出ようが出まいがどうでもいいよ。でも、おまえたち、インカレに出たいんだろ? だったら残り試合全部勝つしかないだろ? この後の筑波の試合をよーく見てから帰れ。そして帰ったらそのまま練習だからな」と付け加えた。

何が悪かったのか?
なぜ、空回りしているのか?

一度失ってしまった自信、そして自分たちらしさというものは、そう簡単に取り戻せるものではない。シーズン当初は「最強世代」と言われた(自分もそう言った一人であるが…)流経大だが、らしさを取り戻せないまま「もったいないチーム」で終わってしまうのだろうか?

インカレに出るにはすでに「他力本願」しかない流経大。あと3試合でシーズンが終わるのか、はたまた4年生が「現役」のままで年を越せるのか?

しかし、今の流経大はインカレに出ることよりも、このメンバーだからこそ出来る「素晴らしいサッカー」を残り3試合で披露すべきではないだろうか? 強い、最強メンバーと言われながらも、満足のいくようなゲームが出来たのは前半戦のわずかな試合のみで、後半戦に至っては実力を出すどころか11人の集合体のはずなのに、11人以下の力しか出ていないようなチームとなってしまっている。

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今、やらなければいけないことは、インカレ出場権を得るよりも、「このメンバーだからこそ出来るサッカー」を見せつけることのはず。のこされた時間(試合数)がわすかとなった今年のチーム。ラスト3試合は、悔いの無いようなゲームをして欲しい限りである。

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2011関東大学サッカーリーグ 
第19節 @夢の島
流通経済大学 0-1 明治大学
[得点者]
48分宮阪(明大)
[警告]
15分中美(流経大)

[ゲームスタッツ]
シュート数:流経大6、明大10
ゴールキック:流経大11、明大13
コーナーキック:流経大5、明大9
直接FK:流経大20、明大4
オフサイド:流経大2、明大4
PK:流経大0、明大0

2011年11月14日 (月)

浦安JSC、東京23を下してベスト4

13日(日)が大会2日目となる第45回関東社会人サッカー大会。この大会は、各都道府県優勝チームと、上位チームの16チームで優勝を争い、基本的に優勝、準優勝のチームが関東リーグ(2部)の座(または権利)を手にする大会であるが、今年は例年になく「チャンスの枠」が広がっている。

今季は1部・2部がそれぞれ8チーム制の関東リーグだが、来季からは10チーム制となるため、今年の大会でベスト4に残れれば基本的に関東リーグ昇格が決まることとなるのだ。ただし、現在JFLで15位の横河武蔵野、16位のアルテ高崎のどちらかが関東リーグに降格するようなこととなった場合のみ、4位チームは権利が無くなることとなる。しかし、関東リーグへの降格チームがなければ、そのままベスト4が関東リーグに進む事になるし、さらにはY.S.C.C、SC相模原のどちらかがJFL昇格すれば、ベスト8で敗退した4チームにも関東リーグ昇格の道が残されることにもなる(1チーム昇格の場合は順位決定戦を経て5位のみ昇格。2チーム昇格した場合は5位、6位チームが対象。なお、ベスト8で敗れた東京23FCが地域リーグ決勝大会を経てJFL昇格を決めた場合には、ルミノッソ狭山、茨城教員、tonan前橋サテライトの3チームで決定戦が行われるとのこと)

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さて、2日目にして、今年の関東社会人で一番の注目カードが実現。近年、千葉県からJリーグ入りを目指すことを目標に掲げ、トップチームの強化を進めるだけではなく、ユース、ジュニアユースなどしっかりとした育成組織を作り上げ、地域に密着したクラブを作り上げている浦安JSC。ここ最近では、アルテ高崎を経て、東京ヴェルディに入団した秋葉勇志選手というJリーガーも輩出している。

そしてこの浦安JSCと相対するのが、今年の全国社会人サッカー大会王者であり、優遇枠活用以外で都道府県リーグ所属チームとして初の地域リーグ決勝大会進出を決めている東京都1部優勝チームの東京23FCだ。

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東京23区にJクラブを! を旗印に立ち上がったチームだが、今年から「キング・オブ・トーキョー」であるアマラオが監督に就任し、最終ラインの整備、そしてチームとしての約束事を徹底させ、戦う集団に生まれ変わった。そんな中で都リーグ1部を制し、自分たちの力を試す絶好の機会となった全社では、なんと5試合すべてを無失点で乗り切りまさかの優勝を果たし、一気に「時のチーム」となっていく。そんなこともあり、東京23FCが入った地域決勝Cグループのダークホースと推す声まで出ているが、その前にチームとしては、まずはしっかりと関東リーグ昇格という「結果」が欲しかった。

そんな両者の対戦は、今大会における、事実上の決勝戦と言い切ってしまってもおかしくないこのカードであり、この対戦がベスト8で実現してしまうのはもったいないところでもあった。

今年はベスト4に入れれば、関東リーグの座を手にすることが出来る。だからこそ、両チームにとって決勝戦以上にこの試合は重みがあった。さらには、両チームのサポーターもその「重み」を理解していたこともあり、それぞれ都道府県リーグのチームながらも多数のサポーターがチームの応援にはせ参じた。

[浦安スタメン]
ーー大久保ーー長谷川ーー
ー清水ーーーーーー富塚ー
ーーー市原ーー都並ーーー
正木ー佐藤ーー水口ー豊田
ーーーーー永井ーーーーー

[東京スタメン]
ーー山本孝ーー山本恭ーー
ー山下ーーーーーー田村ー
ーーー安東ーー猪股ーーー
山村ー伊藤ーー中山ー天野
ーーーーー斯波ーーーーー

1回戦は圧倒的に攻め込みながらも2得点だけに終わった浦安。それに対して、得点は取れたものの、全社でのような集中力を持続した守備が出来ず、3失点を喫してやや不安な滑り出しとなった東京23。しかし、この日は「決戦」ということで意気込みが違っていた…はずだったのだが、10分に起こったプレーのジャッジが東京23のペースを狂わしてしまう。

左サイドでボールを受けた浦安10番清水康也(元仙台→鳥栖→東京V)が強引にPA内に突進。そこでボールを取りに行ったDF中山ともつれながら倒れると、主審は躊躇なくPKスポットを指さす。この場面、笛が鳴った時には清水のシミュレーションかと思われたが判定はPK。浦安サポーターには申し訳ないが、経験の浅い主審に助けられた感もあるプレーだった。

しかし、一度下してしまった判定は覆らず、中山にはイエローが提示され、このPKを獲得した清水がキッチリ決めて浦安が先制。

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どういう形であれ、先制点を奪うことに成功した浦安は、その後は「負ければ終わり」という一発勝負のトーナメント戦らしい戦い方を徹底してくる。攻撃は柏をはじめ、多くのJクラブでの経験を持つ長谷川太郎と若い大久保の2トップ+前記の清水の3人で形を作り、あとはガッチリ守備を固めてくる。ポゼッションでは東京が優勢だが、徹底したマークとしっかりとしたブロックを形成し相手の思うようなサッカーをやらせない。

浦安としてはしてやったりの前半戦であり、東京とすれば相手の術中にはまってしまったところであった。そして東京23を率いるアマラオ監督はハーフタイムでこのような指示を送った。

「点を取られたが、失点シーン以外は特にやられてはいない。ゲームはウチがコントロールしているのだから焦る必要はまったくない。ただ、前の選手はもっとボールに体を寄せて欲しい。そしてもっとパスコースを作れるように動いてほしいし、もっと顔を出して欲しい。

みんなね、失点したことで焦りが出過ぎて回りがよく見えてない。スペースをしっかり探すことを考えてもっと周りをよく見よう。焦る必要はないが、負けているということを忘れちゃダメ。しっかり考えてプレーしよう。そしてどんどん攻めてゴールを目指そう」

そして後半。

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前半のような(動きが)堅いサッカーから、両サイドバックも攻撃にどんどん絡んでくるサッカーがやれるようになりだした東京。これに対して浦安は、組織的守備でうまく東京の攻撃陣をいなすというよりは、もう必死に守るだけとなってしまう。ボランチの市原充喜(元ジェフ)が、ボールを前に蹴り出すたびに「ラインを上げろ」と声を振り絞っても、押し込まれている状況の中で、そう簡単に最終ラインを上げる事が出来ない。その結果、ズルズルとラインを下げ、次々とバイタルエリアに東京の選手が進入し、ピンチとなる時間帯がどんどん増えていく。

しかし、それでも体を張った守備で必死に1点を守る浦安。そこには戦術もセオリーも何も無かった。もう「気持ち」「気合い」だけ。Jリーグの舞台を経験する清水、長谷川、市原が他の選手を鼓舞して「ここだよ、ココ!」と声を出していく。

必死に耐える浦安、それに対して厚い青の壁をなんと崩そうと、猛攻を続ける東京。やっている戦術にスマートさはないが、どちらからも「必死さ」が感じ取られ、非常に見ている側も力が入る展開が続く好ゲームとなっていくが、70分にFKを得た東京が、ここから怒濤の攻撃を見せていく。

この場面は浦安DFが頭で跳ね返したが、セカンドを東京が拾って再び左サイドへ展開。そして後半に入ってからSBというよりウイングとして常に高い位置を取ってきた天野が中へクロス。しかしここもDFが跳ね返すと再びこぼれ球は東京が支配。この流れが断続的に続き、72分に山本孝平が持ち込んだボールを山本恭平が見事に合わしてついに東京が同点に追いつく。

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浦安の「魂の守備」の前に、山のようにチャンスを築きながらも、シュートだけは打たせてもらえなかった東京だが、こちらも「絶対に負けられない」という強い意志、そして執念が同点ゴールを生み出した。

これで同点となり、さらに勢いが加速する東京は直後の74分にも山下の縦パスに、途中から入った」池田が絶妙の抜け出しからシュートを放っていく。決定的場面となったが、集中していたDFが必死のカットでここは逃れる。そしてこの流れから奪ったCKでは、ゴール前で競り合った伊藤の足下にボールがこぼれ、またも決定機が訪れるがシュートを打ちきれない。

こここまでの30分間、浦安は防戦一方であったが、このピンチの後の75分、やっとキャプテン都並が後半最初のシュートを放って、なんとかチームに落ち着きを取り戻していく。すると若干だが流れを取り戻した浦安が、一瞬のスキをついて東京に手痛い一撃を喰らわしていく。

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79分、カウンターから右サイドを駆け上がった豊田(元ツエーゲン金沢)が、速いタイミングで中へクロス。そしてこのボールに飛び込んでいった清水が頭で押し込み、値千金となるこの日2点目を東京ゴールに叩き込む。実は浦安の後半のシュートは2本しかなかったのだが、前半といい、後半といい、実に清水が素晴らしい仕事をやってのけ、全社チャンピオンである東京23を窮地に追い込んでいく。

後が無くなった東京は、CBの3番中山を最前線に上げるパワープレーを仕掛けて勝負に出る。87分には、こちらも途中から入った小野がボールを持ってPA内に進入。そこで相手DFに倒されるが、ここはPK判定はなし。しかし、東京に抗議している時間は無い。すぐさま、気持ちを切り替えて再び浦安ゴールに迫り、なんとか同点に追いつこうと必死のプレーを続ける。

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試合時間が90分を経過し、残された時間はロスタイムの3分だけとなったが、ここでも浦安は自陣ゴール前に釘付けとされてしまう。さらには、90分のFK、92分のCKでは非常に危ない場面を迎えてしまうが、東京の選手の「あと一歩」が届かず、ついにタイムアップを迎え浦安JSCがベスト4進出を決め、これでほぼ「関東リーグ昇格」を手にすることとなった。

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上記にも書いたが、戦術もセオリーもあまり関係ない試合であった。海外サッカーのファンが見れば「つまんねー試合」と言うかも知れない。確かに、未成熟な戦術や技術的に劣る部分は認める。だが、このカテゴリーとしては、非常に力の入った試合であり、両者の意地と意地、そして「絶対に負けない」という気迫がぶつかり合い、見ている側にもその「気持ち」が伝わる好ゲームであった。

1点を守りきった浦安の気迫、追いつくために最後まで諦めなかった東京。都道府県リーグ勢の試合としては異例の、熱く盛り上がった極上の一戦だったのではないだろうか?

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JFL下位の残留争い、そしてJFL入れ替え戦の結果が出るのが12月中旬となるため、実際にはベスト4に入ったからと言って、即関東リーグ昇格が決まった訳ではないが、限りなく2部昇格が現実となった浦安。この日の気持ちの入った戦いを続けられれば、十分に関東リーグでもやれることを証明した試合を見せてくれた。

さて、地域リーグ決勝大会出場を前にして、まさかの敗戦となってしまった東京23FCの選手はなんとも言えない雰囲気になってしまっていた。全社で優勝したことが、大会前にプレッシャーになっていたことは否定しない。だが、チームにとって地域決勝で勝ち抜く以上に、この大会を勝つことの方が大事でもあったのだ。

地域決勝は確かに実力で勝ち取ったものだが、ある意味で「ご褒美的」なものである。正直なところ、JFLに行けたら凄いね、というレベル。しかし、関東リーグに昇格することは、チームとして絶対条件であった。だからこそ、この関東社会人の1、2回戦でしっかり勝って、ベスト4入りを決め、関東昇格を事実上決めた上で、いい流れを持続して地域決勝に挑みたかった。

だが、結果は最悪となってしまい、2回戦(ベスト8)敗退となり、関東リーグ昇格となるためにはY.S.C.C、SC相模原の両方、もしくはどちらかが昇格しなければその道が絶たれてしまうことに。まあ、地域決勝で3位以内に入ればJFL昇格の道は残されているが、地域決勝は全社で勝つよりも数段難しい。また、かろうじて3位に入ったとしても入れ替え戦で対戦するであろう、アルテ高崎、横河武蔵野の両チームと比べてしまえば、チーム力の差は歴然である。

残された道は限りなく厳しいと言える東京23。

後が無くなってしまった今、チームは何をすべきなのであろうか? それはもう一度、全社前のチーム状況に戻ることではないだろうか? 全社で優勝したことは間違いなく自信になった。しかし、自信になったことと同時に、自分たちは全社チャンピオンになったというプライドを持ち、さらにはそのプライドがプレッシャーに変わり、あの大会で見せたような集中力を関東社会人では出し切れなかった。

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もう、残された時間は今日を入れて4日しかない。あとは、いかに全社前の「自分たちは挑戦者」という気持ちを取り戻せるかであろう。

キングと言われたアマラオが、短期間でチームをどこまで立て直せるかに注目していきたい。

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なお、その他に行われた試合の結果だが、
三菱養和(東京)8-2 ルミノッソ狭山(埼玉)
パイオニア川越(埼玉)2-0 tonan前橋サテライト(群馬)
日本工学院Fマリノス(神奈川)1-1/PK7-6 茨城教員葵FC(茨城)

となっており、浦安JSCともども勝った4チームが来季からの関東リーグ2部昇格を(ほぼ)決めた。
あと、余談になりますが、この試合のPK判定の場面以外にも多々判定基準があいまいな部分があったし、隣のグラウンドで行われていた養和 vs 狭山の試合でたまたま退場となったシーンを見ていたのだが、どう見てもファールではないプレーであったし、どの試合でも倒れれば笛を吹いてしまうという場面が数多く見られた。

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選手レベルの進化は地域リーグレベルだけではなく、都道府県リーグレベルでも高くなってきているが、審判団のレベルが選手の進化に追いつけていない現実があることを見逃してはならない。下のカテゴリーだから、主審のレベルが低くても仕方がないだろうでは絶対にダメ。下のカテゴリーであればあるほど、昇格の懸かった試合の重要性は高いのだから、リーグ戦はともかく、昇格の懸かるような大会では、それ相当のジャッジが出来るレフリーに笛を吹いて貰いたいし、審判団の進化も選手の進化同様、もっと早いレベルで成長していってもらうことを節に願いたいところである。

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第45回関東社会人サッカー大会
準々決勝 @栃木県総合運動公園サッカー場
浦安JSC 2-1 東京23FC
[得点者]
12・79分清水(浦安)
72分山本恭(東京)
[警告]
21分市原(浦安)
12分中山、58分山村(東京)

[ゲームスタッツ]
シュート数:浦安4、東京5
ゴールキック:浦安10、東京9
コーナーキック:浦安4、東京7
直接FK:浦安12、東京20
オフサイド:浦安2、東京1
PK:浦安1、東京0

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