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2011年10月23日 - 2011年10月29日

2011年10月27日 (木)

その後のザスパ草津U-23

ザスパ草津U-23がトップチーム昇格という目標と並んで掲げてきた「天皇杯出場」。しかし、8月28日に行われた天皇杯・群馬県予選(県協会長杯決勝戦)でJFLアルテ高崎の前に力の差を見せつけられて0-6と完敗。

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トップでプレーする機会を掴むということが大きな目標であるU-23だが、それぞれの個人目標以上に、チーム、そして仲間と共に勝ち取ろうと決意した天皇杯出場権を獲得できなかったことは精神的に大きなダメージとなっていた。そんな中で、9月に西野隆司と宮下薫の2名が退団という形となり、16人のメンバーで残された目標のために選手はトレーニングを続けている。

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そして昨日は、あの協会長杯決勝戦以来のゲームを見てきた。早いもので、あの試合からまもなく2ヶ月が経とうとするのだが、退団選手の穴、そしてケガ人も多く、メンバーのやりくりは相変わらず苦しいところでもある。9月18、25日に行われた県リーグでは、なんとかフィールドプレーヤーが10人揃っていたが、横山や森川まで欠場する事態となってしまい、10月に行われた2つの公式戦はフィールドプレーヤー8人で戦うこととなってしまう。まあ、それでもレベルの差もあり無敗はキープしているが、初失点を喫してしまったところは反省しないといけないだろう。

ということで、前置きが長くなってしまったが、昨日行われた尚美学園大学との練習試合を振り返りたい。

[U23メンバー]
ーーー歌丸ーー笠原ーーー
ー清水ーーーーーー吹田ー
ーーー市川ーー枝本ーーー
白井ー川瀬ーー成田ー横山
ーーーーー島並ーーーーー

安田、飯山、森川、藤崎の4名がケガなどで離脱中ということもあり、GKを除いたフィールドプレーヤーは9人しかおらず、練習試合ということもあり笠原がFWで登場。今日のユニは森川の「57番」を着用して登場。そして相手の尚美大だが、1、2年生中心の若手チームだ。(システムは4-4-2)

さて、この試合でまず目に付いたのがマイケル(歌丸)の動き。公式戦ではGK(笠原、島並、後藤)をフィールドプレーヤーに使うことをしていないため、少ない人数かつ、前線は自分一人という状態でプレーしているマイケルが、以前よりも数段「フォー・ザ・チーム」の動きが出来るようになってきた点だ。森川や藤崎に比べてしまえばまだまだ物足りないが、それでもボールを追う、プレスを掛けるという動作は出来るようになってきた。また、この日は2得点を挙げてチームの勝利に貢献したが、ゴール前でいい場所を取っていたところも成長の証か?

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また、チーム事情で慣れないSBに入っている白井も必死に今のポジションにトライしている。そしてもう一人、これまでのチームからガラっと変わってしまった中で、中盤のコンダクターとして難しい役割をこなしている枝本にも注目した。

木村コーチは「これまでの選手なら『こう動く』とわかってボールを動かせていたけど、今は随分変わってしまったからエダは結構難しいと思います。周囲のレベルもそうだし、選手の特徴、個性もこれまでとは違う。でもね、メンバーがこれしかいないからやらなければいけない。当然、エダやイチに周囲が合わせなければいけないけど、逆にエダも周囲を活かす工夫をしなければいけない。

メンバーが変わったから出来ませんではダメ。だから、今の状況は逆に枝本にとっていいと思いますよ。周囲にどんな選手がいようとそれを活かすのがいい(中盤の)選手なんだから、これも勉強の一つだし、いい経験(機会)だと思いますよ」
と試合後に語ってくれたが、確かにそのとおりであると感じた。

いい選手がまわりにいれば、中盤の選手としてそれはそれでやりやすい。まあ、そんなことは当たり前のことなのだが、本当にいい中盤の選手とは、周囲のレベル、動きの特徴を把握しながら、ボールだけではなくゲームをうまく動かすことができるのが本当にいい選手。確かに枝本は巧い選手であると思うが、選手としてもう一回り成長するには、どんな状況でも人を活かし、そして自分も生きるプレーを出来るようにしてほしいところである。

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ゲームの話しに戻るが、内容的という年齢的に上であるU-23のペースで試合は進むが、やはり本職のFWではない笠原が入っていることもあり、前線で思うようにボールをキープできず、奪われて早いカウンターを喰らう場面もちらほとと…

そんな場面で、やはり本職ではないSBの白井、そしてCBの川瀬は守備の場面で「飛び込んでしまう」ことが時たま見られ、シュートまで持ち込まれてしまうシーンを作ってしまった。それぞれ、高校生時代は攻撃の選手であったため、守備的ポジションには不慣れであることは理解する。しかし、今は与えられた環境、ポジションでなんとか結果を出さなければいけないのだから「不慣れだから…」では済まされないのだ。

まあ、失点までに結びつかなかったのは不幸中の幸い。本来、もう少し高い位置で攻撃的なプレーをしたいのはわかるが、守備をやることもまた勉強だし、今はどんなポジションでも試合にでて経験を積むことが若い選手には必要なこと。ここで守備の「駆け引き」を学べば、攻撃的ポジションに戻っても必ず活かされる時が来るはずなので、ここは辛抱強く「ディフェンス」を学んで欲しい。

また話が試合の内容から逸れてしまいましたが、試合は上記にあるとおり、時折カウンターでピンチを迎える場面もあったがU-23のペースで進む。しかし、急造FW笠原も奮闘するも、なかなかシュートまで持ち込めずややもどかしい展開が続き、まもなく前半終了という43分、FKのチャンスを得ると成田が前線に上がっていく。

そしてこの場面で中に入ってきたボールがこぼれて成田の足下へ。おおっ!決定的場面!と思ったのだが、シュートはミートせず(もしかしてあれはパスだったのか?)またもボールが流れるが、これを詰めていたマイケルが蹴り込んで43分にU-23が先制。

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そして後半途中からFW笠原に代わって、藤崎先輩の「48番」のユニフォームを身にまとった後藤がFWとして登場。そしてちょっと以外だったが、足が速く結構チャンスに積極的に絡み、72分には枝本のパスからシュートを打つ場面も。実はフィールドプレーヤーでもイケルんじゃない? と少々思ってしまった(笑)

まあ、急造FWの話はさておき、ゲームの方は66分に清水が左サイドを突破すると、中へグラウンダーのボールを入れる。すると中で待っていたマイケルが落ち着いて蹴り込んでこの日2点目。また、先ほど守備面でまだまだ改善点があると書いた川瀬だが、終了間際の83分にはカウンターの場面で果敢に攻撃に参加し、惜しくもゴールとはならなかったが素晴らしいタイミングでシュートを放っていく。

という感じでゲーム自体は2-0でU-23が勝利。細かい部分(特に守備面)では修正すべき点もあるが、メンバーが少ない中では及第点といったところではないだろうか?

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今年の活動期間もまもなくあと1ヶ月となろうとしており、今年のメンバーでサッカーをやる時間もあと僅かとなってきている。そんな短い時間の中で、改めて副島監督や植木GMに自分の力をアピールするのは難しいかも知れない。しかし、16名のメンバーたちは、8月28日の時点よりも成長していなければいけないし、自分に足りないものを日々のトレーニングで克服して行く必要がある。

残されたメンバーたちは、もう間もなくすれば嫌でも「来季をどうするか?」という選択と向き合うこととなる。もしかすれば、来年前橋でプレーする選手がいるかも知れないし、来年もこのチームでプレーをする選手、そして別の環境を求める者と、それぞれがいろいろな選択をすることとなるだろう。

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県協会長杯決勝から2ヶ月が経過したが、練習試合を見た感じでは「個」の部分で成長が見られる選手もいたのだが、それぞれがあと1ヶ月程度の中でどれだけ自分の力を高めることが出来るだろうか? 今一度、自分の目標、課題ともう一度見つめ合い、少しでも選手として高いレベルになれるよう努力してほしいところである。そしてシーズン終了前までに、今のケガ人がチームに戻り、現時点で考えられるベストな組み合わせで、ベストなゲームを見せて欲しい。

練習試合 10月26日 @尚美学園大グラウンド
尚美学園大 0-2 ザスパ草津U-23
[得点者]
43分、66分歌丸(U-23)

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で、夜のトップチームの試合ですが、クソ寒い平日ナイターに集まった観衆に、寒さを忘れさせるような試合を期待しましたが、連戦の疲れからか途中からかなり失速。主審の判定などに文句もいいたいところでしょうが、それ以前にせっかく連勝を果たしても、その勢いが長続きしないところが悪い癖なんだよなぁ…

2011年10月24日 (月)

町田、首位佐川を劇的に下す

毎回思うのだが、野津田の競技場まで歩いていくのはツライ…
バスを降りたら急勾配の坂が待っているし、暗くなればかなり不気味に感じる獣道を歩くこととなるし、おまけに今日は小さなヘビまでお迎えしてくれた。

アクセスに関しては「お世辞でも」どころか、まったく良くないスタジアムだが、試合は本当におもしろい。これでアクセスが改善(スタジアムまでの直行バスが復活すれば)されれば、もっと観客動員は増えるだろうに… と感じさせる試合をまたもやってくれた。

[町田スタメン]
ーーディミッチー勝又ーー
ー酒井ーーーーーー鈴木ー
ーーー柳崎ーー小川ーーー
津田ー太田ーー田代ー藤田
ーーーーー吉田ーーーーー

[SAGAWAスタメン]
ーーーーー高橋ーーーーー
鳥養ーーー清原ーー宇佐美
ーーー櫛引ーー中村ーーー
旗手ー冨山ー清水ー奈良輪
ーーーーー村山ーーーーー

アウェーで取りこぼしがやや目立つ反面、ホームでは圧倒的な強さを見せる町田。順位も徐々に上げ、4位という位置まで登り詰めてきた。そして、この日の相手は首位を走るSAGAWA SHIGA FCが相手と言うこともあり、勝って首位との差を縮めたいところだし、Honda FCと並ぶ「JFLの門番」に勝って実力があるところをアピールしたかった。

さて町田のスタメンだが、左MFの位置に酒井が入ったが、それ以外のポジションはよほど出場停止やケガがない限りはもう、完全にメンバーは固定された感もある。

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そして試合だが、いきなり動きを見せることとなる。町田のキックオフで始まった試合だが、ボールを右に展開するとこれに勝又が反応。すかさず中へクロスを入れるが、ここはディフェンスがクリア。しかし、このクリアボールを左サイドから上がってきた津田がカットして再び中へクロス。これも一旦はDFがクリアするが、クリアが小さく詰めていた酒井が蹴り込んであっと言う間に町田が先制点をゲットする。

手元の時計を見るとわずか39秒。電光石火のオープニングアタックにより、町田は先制点を奪い、SAGAWAとしてはいきなりのハンデを背負うこととなる。

幸先良い試合の入り方をした町田は、続く3分にも小川のミドルのこぼれ球に再び酒井が反応。これも決まったか! と思われたが、ここはバーに阻まれ追加点を奪えない。だが、首位を走るSAGAWAも黙ってはいない。先制点はいきなり奪われたものの、落ち着きを徐々に取り戻すと6分にチームの心臓である中村から縦にいいボールが入る。すると、うまく抜け出した清原が反応してゴールを狙っていく。そして、この一連の攻撃から立て続けにCKのチャンスを得て町田ゴールに接近。

町田もSAGAWAもそれぞれのサッカーが完成されているため、なんとか自分たちのペースにしようとあの手この手を繰り出すのだが、流石に両者とも実力があり、さらに上位にいるチームだけあり、なかなかどちらかがペースを握るという展開までには至らない。

町田は攻撃力ばかり注目されるが、実際には前線4人の前からのプレスと、小川、柳崎のボランチの押し上げによる守備が非常に効果的にあることを見逃してはならない。18分以降、SAGAWAがボールをキープする時間が増え出し行くのだが、これはペースを握っているのではなく、前からのプレッシャーが厳しいため、一旦下げて後ろで回し、なんとか穴を探ろうとしたためにポゼッションする時間が増えただけのこと。

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本来なら、ボランチの中村の位置でボールを自由にキープして、そこからサイド、もしくは縦の空いたスペースにボールを出していくのだが、町田の速いプレス、そして穴のないデイフェンスにSAGAWAはかなり手を焼いてしまう。

しかし町田とて、幸先良く先制点は奪えたものの、そこから先はややもどかしい展開が続いてしまう。流石に相手は首位を走るチームだけあり、ゲームに慣れてくるとなかなか「ほころび」は見せてはくれず、裏への飛び出しを狙う勝又が、相手のうまいラインコントロールに引っかかってしまい、オフサイドとなる場面が続出。

町田は奇襲が成功し開始早々に先制点を挙げたが、それ以降は両者とも五分五分といったような展開となり、勝負は運動量が下がり出す後半終盤に持ち越された。

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さて、後半開始から動きを見せたのはSAGAWA。マッチアップする酒井の動きにやや押し込まれていた感もある宇佐美に代わって山根を投入。ただ、試合後の中口監督は「宇佐美の動きが悪かったというより、中村を一列前に上げていいパスを供給させたいという思いと、コンディションが完全ではない高橋に無理をさせないため」と語ったとおり、鳥養を1トップに移動し、トップ下を左から清原ー中村ー高橋、ボランチを櫛引ー山根という形に変えてきた。

しかし、後半立ち上がりも細かく繋ぐ町田のペースで進み、48分にはディミッチが外に展開して中に酒井が入りチャンスを広げる。続く50分のセットプレーでは太田が飛び込んでゴールを狙い、54分にはディミッチが積極的にシュートを放っていく。

中村がトップ下に入ったものの、なかなかいいボールを入れられなかったのだが、水曜日にU-22代表と練習試合を行っている町田は、60分過ぎから徐々に運動量が下がりだし、前からのプレスが弱り始める。61分にはGKのキックがそのまま縦に流れ、中村が上手く抜け出してチャンスを作るが、ここは太田が見事なカバーリングで対応。

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こうなると、SAGAWAは1トップを含めた4人が流動的に動いて、どんどん飛び出していくシーンが増えだしていき、流れがSAGAWAに向き出していく。SAGAWA中口監督はここを勝負所と読み、68分に高さのある竹谷をここで投入。ボールを持った2列目は、竹谷の姿が視界に入ればシンプルに縦に蹴り込み、竹谷が見えなければ外にはたいて展開するというプランでなんとか得点を狙いに行く。

運動量の下がってしまった町田だが、やらっれっぱなしではない。竹谷投入直後の68分、カウンターから藤田が右サイドを抜け出し中へ低いクロスを入れると、勝又がこれに見事に反応して決定機を迎えるが、GK村山の好セーブにより追加点を奪えない。それにしても、前からのプレスがゆるみ、徐々にペースが相手に傾きだしても無尽蔵のスタミナで前線をかき回す勝又は味方にとっては大きな存在であり、相手にとって危険な選手あることは間違いない。

さて、ゲームは終盤を迎えるところからさらにヒートアップしていく。シンプルに竹谷目がけて前線にボールを入れてくるSAGAWAが立て続けにチャンスを作り出し、「さすが首位の攻撃力」というところを見せつけていく。84分には右から切れ込んできた清原が素晴らしいミドルを放つがここはDFが懸命のカバーでなんとか得点を与えない。

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なんとか体を張ってゴールを死守する町田守備陣だが、最後の最後の89分、左サイドから駆け上がってきた濱田から中村にボールが渡り、浮き球を中へ入れていくと、竹谷とGK吉田が反応。しかし、ボールにはいち早く竹谷が到達し、泥臭く頭で押し込んで土壇場でSAGAWAが同点に追いつく。

選手だけではなく、サポーターにも前期の3-0から追いつかれた悪夢の試合が脳裏によぎったであろう…

しかし、町田の選手たちはあの試合から3ヶ月がたち、屈辱的な同点劇から多くのことを学び、技術的にも精神的にも大きく成長し、そこで集中が途切れることはなかった。

AT1分には、途中交代の大前がミドルでゴールを狙い、勝負を諦めない姿勢を色濃く見せていく。そしてAT4分、SAGAWA鳥養が左サイドからボールを持ち込んでクロスを入れるがここはGK吉田が冷静にキャッチして前線にフィード。津田、太田と経由して前線の鈴木にボールが入ると、GK村山がやや前に出ていることを確認するとゴールまで40M以上ある地点から迷わずシュートを放っていく。これがなんとそのままゴールに吸い込まれていき、劇的すぎる2点目が終了間際に町田にもたらされる。

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しかし、ゲームはここで終わらない。あと数秒しか残っていないのだが、SAGAWAは最後まで諦めずゴールを狙い、左サイドの旗手がドリブル突破から絶妙のクロスを中へ入れていく。これに飛び込んだのは清原。頭で見事に合わせ、ラストワンプレーで奇跡の同点か? と思われたが、シュートはほんの僅かゴールの上。

ここでタイムアップ笛。

最初から最後まで、上位同士の対戦らしく実に見応えのあるゲームが展開された。そして何よりも、両者とも最後の1分1秒まで諦めない姿勢を見せたことはファン、サポーターのみならず、これからプロを目指そうとする子供たちに大きな印象を与えたことであろう。

両者のスタイルががっぷり組み合った好ゲームは、結果的に町田の劇的な勝利で終わり、これで町田は2位に浮上。目標であるJリーグという舞台もかなり明確に見えてきたであろう。そして何よりも、ポポヴィッチ監督の目指す「志の高いサッカー」は、この先にあるJリーグ(J2)という舞台で、早く見てみたいと強く感じさせるゲームでもあった。

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また、好ゲームを作り出すには、相手の力も必要なのであるが、流石にSAGAWAは首位チームらしく、粘り、そして強さを十分に見せてくれた。最後のシーンだが、同点に追いついた時点でドローでもいいという選択肢はあったはずだが、「ウチのチームにはドローはいらない。やるなら前に行って点を取ろう。ウチらしく攻撃の姿勢を貫いてそれで負けたら仕方がないのだから…」という積極的な姿勢があった故に、あの結末を迎えてしまったが、その采配に異を唱える物は誰もいないだろう。

最後の最後のまで諦めない姿勢、そして攻め抜く姿勢を見せたSAGAWAは、まさにグットルーザーでもあった。

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2011JFL後期第12節 @町田
町田ゼルビア 2-1 SAGAWA AHIGA FC
[得点者]
1分酒井、90+4分鈴木(町田)
89分竹谷(SAGAWA)
[警告]
45分ディミッチ、84分田代(町田)

[ゲームスタッツ]
シュート数:町田20、SAGAWA11
ゴールキック:町田8、SAGAWA9
コーナーキック:町田9、SAGAWA7
直接FK:町田12、SAGAWA10
オフサイド:町田8、SAGAWA4
PK:町田0、SAGAWA0

2011年10月23日 (日)

AS狭山、今季初の連勝

今季というか、何年ぶりかに女子のトップリーグ(なでしこリーグ)の試合を見た。朝はあいにくの雨だったが、試合が始まる13時にはほとんど雨が止んだ熊谷陸上競技場。対戦カードはASエルフェン狭山 vs ジェフユナイテッド市原・千葉レディース(以下ジェフL)だ。

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世間はワールドカップ優勝の効果もあり「なでしこブーム到来!」という感じであり、代表選手を数多く擁するINACレオネッサの試合には、J2なんて目じゃないほどの観衆が押し寄せているが、天候の悪さや、そして代表組が誰もいない(ジェフには丸山佳里奈がいるが前十字靱帯損傷で欠場中)この試合には、Lリーグ当時とあまり変わりのない光景(まばらな観客数)がそこにあった。

[狭山スタメン]
ーーーーー村岡ーーーーー
ー齋藤ーーーーーーー薊ー
熊谷ー澤田ーー高橋ー田子
ーー山本ー笠嶋ー柴田ーー
ーーーーー有馬ーーーーー

[ジェフLスタメン]
ーーー深澤ーー筏井ーーー
ー安本ーーーーーー井上ー
ーーー山田ーー加賀ーーー
細川ー高橋ーー河村ー千野
ーーーーー有馬ーーーーー

ホームの狭山はこれまで2勝10敗で現在8位。対するジェフLは4勝1分8敗の勝ち点13で6位。前節の福岡Jアンクラス戦で今季2勝目を挙げた狭山は、調子は上向きで今季初の連勝を狙うために気合いは十分。それに対してジェフLは前半戦の第7節までが4勝2敗と悪くないスタートだったが、5月8日の伊賀FC戦(1-0)以降勝ち星に恵まれず順位をズルズルと下げてしまっている。

そんな両者の対戦だが、最初のチャンスを掴んだのはジェフL。2分にCKを奪い、その直後に深澤がファーストシュート。5分には筏井がゴールを狙うと、その一連の連続攻撃から今度は加賀もミドルを放っていく。メンバー表上のシステムは4-4-2だが、守備に回る時間以外は細川が一列高い2列目に入り、安本も前線に入って3-4-3的なポジションを取り、前線の3人が流動的な動きを見せて狭山の守備に的を絞らせない。

試合の入り方としては、完全のジェフLのペースだったが、6分にミスからあっけなく先制点が狭山に転がり込むこととなる。狭山FW村岡がボールを持つと、前線に走り込んだ薊にパスを送る。ペナルティエリアに入るかはいらないかの地点に飛んだボールに対して、DFとGKが対応に出る。しかし、ここで両者がそれぞれ判断ミスを犯してしまい、処理できずボールは後ろから入ってきた薊のもとへ。

GKはボールを処理しようと前に出てしまいゴールはガラ空き。そんな場面で、フリーでボールをかっさらった薊は、落ち着いてボールをゴールを流し込んで狭山が先制。

ここまで、ポジションを頻繁に入れ替えるジェフL攻撃陣にやられっぱなしだった狭山。しかし、先制点を奪ったことで落ち着きを取り戻し、狭山が盛り返しを見せていく。10分には、またも前に出すぎたGKの位置を確認して、薊がミドルレンジからゴールを狙うがここは惜しくも枠の外。11、12、14分と立て続けにいい形を狭山が作り出し、ジェフLゴールを脅かしていく。

先制点を奪われてから、ペースを相手に奪われてしまったジェフLだが、18分に細川の左からのクロスに中で待っていた安本がスルー。そして流れたボールに対して後ろから入ってきた井上が見事に合わせて同点。

同点となり、再び勢いを取り戻したジェフLの前に、またも防戦一方となってしまう狭山。全体の押し上げが上手く行かず、ラインが間延びしてしまい、なかなかボールが繋がらなくなってしまう。さらには、マイボールにしても散らす、揺さぶるといった攻撃がほとんど出来なくなってしまい、守備面でもジェフLの攻撃に対してバイタルエリアでのチェックが甘く、たびたびゴール前への進入を許してしまう。

このままでは逆転されるのも時間の問題かと思われたが、38分、薊が右からクロスに対して、ジェフL河村のヘディングがクリアミスとなってしまい、そのままゴールに吸い込まれていき痛恨のオウンゴール献上となってしまう。

先制点はDFとGKの連携ミス、そして2点目もクリアミスと、両方ともやらなくてもいい失点を与えてしまったジェフL。

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前半はこのまま2-1と狭山のリードで折り返したが、後半の立ち上がりは前半とは打って変わって狭山が押し込む形でスタートしていく。

2分にFK、CKのセットプレーからチャンスを掴み、3分にもDF笠嶋が前線に上がってチャンスを広げると、またもCKを獲得。前半は相手の出方を見過ぎてしまい、ペースを奪われてしまった狭山だが、後半の入り方は積極性を出そう、そして早い時間で3点目を奪って楽に試合を進めようという意図のもと、ラッシュを仕掛けていく。

そして8分、攻め込んでくる狭山に対して、またもジェフL守備陣がミスを犯してしまう。バックパスでの連携が乱れた直後のプレーで、GKがまだ戻り切っていない姿が目に入った薊は、競り合いから流れてきたボールを迷わずループ気味のシュートで狙っていく。そして、これが決まって狭山はリードを2点差に広げることに成功。

なでしこジャパンやリーグで首位を走るINACはいいとしても、なでしこ中位〜下位レベルになると、守備においての不安定さはちょっと目に付くところがある。この日のジェフLの3失点はすべてミスからであり、しっかりクリア出来ていれば失点しなかったであろうし、両者に言えることとしてバイタル部分をもっとしっかりケアしていれば、それぞれ楽な試合運びが出来るはずなのに、それが出来ていない現状がそこにあった。

試合の結果は、終盤のジェフLの猛攻を凌ぎきり3-1で狭山が勝利したが、内容自体はまだまだ改善すべき点も多く、手放しで喜べるものではなかった。この日は、攻撃の核となる丸山、清水といった中心選手を欠いたジェフLであったからこそ凌ぎ切れた感もあるのだ。現に、タレントが揃っているINAC(0-8)や日テレ(0-6)には完敗を喫してしまっているのだが、この日の試合で感じた全体のラインをコンパクトに出来ない点、バイタルエリアのケア、クリアの確実性が上がっていかない限り、やはり上位と戦って勝つにはまだまだ難しいといえるだろう。また、これも両チームに揃って言えることなのだが、ゴールキックが悲しいほど飛ばないのである…

トップレベルのチームであれば、それなりのキックが出来るのだが、この日はセンターラインを超えるようなあまりなく、ボールはほとんどがペナルティエリアを出て10〜15Mぐらいの位置でカットされてしまい、またピンチを招いてしまうという悪循環を繰り返していた。

さらには、GKのレベルがフィールドプレーヤーの成長の速さに追いつけていない現状も気になってしまった。飛び出すタイミングの判断、スローイング、パントキックの距離、正確性など、まだまだ修正していくことは山ほどあると感じた。GKというポジションは「やりたい」という選手が決して多くはないため、いい人材が生まれにくいこともあるのだが、それぞれのチームだけではなく、JFAや各都道府県協会と連携して「女子GK育成プラン」をこれまで以上に取り組んでもらいたいと感じた。

なんかここまで、文句ばっかり書いてしまったが、Lリーグと呼ばれた当時から比べて、今のリーグは下位チームでも確実にレベルアップしていることだけは間違いない。後半途中からの出場となった、狭山の渡辺彩香はゲームの流れを変える役目を果たし、やや単調な攻撃が続いていたチームにアクセントを見事につけてくれた。まだ22歳と若い選手であり、今後の成長が楽しみな選手となりそうだ。また、後半戦から加入してきた山本りさも、すでにディフェンスラインの要になってチームの連勝に貢献。

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ここまで、勝ち星に恵まれなかった狭山だが、前節の勝利で意気が上がっていることもあり、個々の能力では上と思われていたジェフLの選手にも、必死に立ち向かい、終盤の猛攻を凌ぎきって勝ち点3を奪ったこと、そして今季初の連勝(順位も7位に浮上)を飾れたことは、チームにとって大きな力となるだろうし、経験となっていくはず。

一気にブームとなった感もあるなでしこリーグだが、実際のところはINAC一人勝ちといった感もなきにしもあらずである。リーグにスター軍団があることはかまわないが、実力も人気も一極集中になってしまっては、そのリーグの発展や進化の妨げになってしまう可能性もある。

資金力があって、いい選手を集めることは決して悪いことではない。しかし、リーグ全体の発展のためには、そんなスター軍団に対して、資金力の乏しいチーム、戦力的に劣るチームは、今以上に努力を重ね、そのスター軍団に一歩でも近づけるようにならなければならないし、独走にストップをかけなければリーグ戦のおもしろみが色あせて行ってしまう。

だからこそ、リーグ発展のためには言い方は悪いが、INACが独走するよりも、この日、連勝を飾った狭山や福岡が上位チームを脅かす存在に成長することが一番だと思うのだ。

また、女子サッカーは高校、大学(短大)を卒業してしまうと、なかなか活躍する場がないことは否定出来ない事実でもある。そんな現実があるからこそ、なでしこリーグで活躍するクラブや、次にトップリーグ入りを狙うチャレンジリーグのチームが、もっともっと成長してやる気のある若い選手たちにとって、魅力ある「受け皿(クラブ)」となって欲しいのだ。

世界チャンピオンとなった日本の女子サッカー界だが、その強さを支えるのは一握りのトップ選手だけではない。彼女たちがレベルアップし続ければいいという問題でもないし、リーグを支える多くの「非代表選手」たちが、それぞれ「なでしこリーグは世界チャンピオンのリーグなのである」という自覚と、自分も「代表候補の一人である」と思ってプレーし続けることこそが、リーグや代表の発展を推し進める原動力となるのだ。

日本が世界王座を防衛していくには、トップ選手を脅かす存在を作り出す(生み出す)ことであり、さらには上位チームと下位チームの差を縮めていくこと、そしてトップの下であるチャレンジリーグのレベルを上げていき、女子サッカー界の底上げをしていくことが重要なのである。そのためにも、狭山や福岡、そして多くのチャレンジリーグのチームたちが、もっともっと頑張って欲しいのである。

経済的に厳しい中でやりくりしているのはよくわかる。この日の試合会場運営も、ベンチ入りしていない選手たちが会場のあちこちを走り回り、ボールパーソンや、担架要員も下部組織の選手たちが務めていた。そして、会場案内やチラシ配布も選手やチームを支えるボランティアの手により、お金をかけずに自前でやりくりしている。

大きな資金力と、人気選手を擁しているチームよりも、なんとなく応援したくなるじゃないですか…

この日は、あいにくの天候ということで会場には220人しか集まらなかったが、チームというか、クラブのやる気は会場に集まった人たちには必ず届いたはずである。大きなことはいきなり出来ないが、小さなことからコツコツと…

どこぞの政治家の言った言葉ですが、その言葉同様に、ASエルフェン狭山も小さな事を積み重ねて大きな存在になって貰いたいと感じたのである。

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プレナスなでしこリーグ2011第14節 @熊谷
ASエルフェン狭山 3-1 ジェフ千葉レディース
[得点者]
6・53分薊、38分オウンゴール(狭山)
18分井上(ジェフL)

[ゲームスタッツ]
シュート数:狭山11、ジェフL13
ゴールキック:狭山12、ジェフL9
コーナーキック:狭山6、ジェフL7
直接FK:狭山10、ジェフL8
オフサイド:狭山3、ジェフL1
PK:狭山0、ジェフL0

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