« 2011年10月9日 - 2011年10月15日 | トップページ | 2011年10月23日 - 2011年10月29日 »

2011年10月16日 - 2011年10月22日

2011年10月22日 (土)

予想外の全社と地域決勝組み合せ

今回、岐阜県で行なわれた第47回全国社会人サッカー選手権大会。所用により会場には行けませんでしたが、まさかまさかの展開が続いたようで、たぶん誰も予想しなかったであろう、東京都リーグ1部の東京23フットボールクラブ(以下東京23FC)が5試合を通じてすべて無失点という、鉄壁の守備を見せて初出場・初優勝という快挙を達成して今大会の巻が閉じた。

そして、優遇枠を除けば都道府県リーグ勢として、これも初となる地域リーグ決勝大会出場を実力で勝ち取り、この大会で2位以内に入れば、東京23FCはまさに「リアル飛び級」を実現することとなる。

ということで、まずは全社結果を一覧にしておきます。

10月15日(1回戦)
S.C.相模原 3-1 六花亭マルセイズ
三菱自動車水島 0-1 グルージャ盛岡
FC岐阜セカンド 6-3 松江City FC
ヴォルカ鹿児島 1-0 パイオニア川越
愛媛FCしまなみ 1-0 トヨタ蹴球団
バンディオンセ加古川 0-2 サウルコス福井
流通経済大学FC 1-2 FC KAGOSHIMA
マルヤス工業 0-4 アミティエ京都
デッツォーラ島根 2-2(PK4-2) ノルブリッツ北海道
藤枝MYFC 4(EX)2 アイン食品
テイヘンズFC 0-3 Y.S.C.C.
HOYO AC ELAN大分 3-1 TOJITSU滋賀FC
エリースFC東京 0(EX)2 三菱重工長崎
札大GP 3-0 三洋電機徳島
FCマキシマ 0-3 東京23FC
FC刈谷 4-1 福島ユナイテッド

10月16日(2回戦)
S.C.相模原 3-1 グルージャ盛岡
FC岐阜セカンド 1(EX)0 ヴォルカ鹿児島
愛媛FCしまなみ 1(EX)0 サウルコス福井
FC KAGOSHIMA 2-0 アミティエ京都
デッツォーラ島根 1-2 藤枝MYFC
Y.S.C.C. 4-2 HOYO AC ELAN大分
三菱重工長崎 1-1(PK10-9) 札大GP
東京23FC 2-0 FC刈谷

10月17日(準々決勝)
S.C.相模原 2-1 FC岐阜セカンド
愛媛FCしまなみ 3(EX)2 FC KAGOSHIMA
藤枝MYFC 1-0 Y.S.C.C.
三菱重工長崎 0-1 東京23FC

10月18日(準決勝)
S.C.相模原 3-0 愛媛FCしまなみ
藤枝MYFC  0-1 東京23FC

10月19日(最終日)
3位決定戦
愛媛FCしまなみ 1-2 藤枝MYFC

決勝戦
S.C.相模原 0-1 東京23FC

試合については見ておりませんので、詳しい内容については東京偉蹴さんのHPなどをみていただければと思います。

それにしても、いくらあの「キング・オブ・トーキョー」であるアマラオさんが監督を務めると言っても、いくら元Jリーガーを擁しているとしても現在の立ち位置は都道府県リーグ1部。上から数えれば(各地域の1部、2部も入れれば)「6部」に相当するのだが、この大会の参加チームの大半は各地域の1部、2部所属チームであり、ほとんどの試合が格上との対戦となる。さらには、すでに地域決勝大会出場権を勝ち取っているチーム、即ち、各地域の優勝チームを撃破しての優勝は素晴らしいの一言しかないだろう。

さらに注目したいところは、無失点で優勝を達成したところ。私の記憶が曖昧無いこと、さらには古い記録を全て調べる時間ないのでわからないが、少なくとも、ここ数年の全社において無失点で優勝したケースは出ていないはず。

5試合連続で戦う非常にハードな大会であり、どれも格上との対戦になりながらも、集中を切らさず守りきり、数少ないチャンスを活かした攻撃は今後の地域リーグ決勝大会でも楽しみな存在となって来るであろう。

------------------------------------

ということで、最後にすでに日程が決定している第35回地域リーグ決勝大会の出場チームならびに日程も掲載しておきます。

北海道:ノルブリッツ北海道(12勝2分 +56)
東北:福島ユナイテッド(11勝1敗 +47)
関東:Y.S.C.C.(12勝1分1敗 +26)
北信越:JAPANサッカーカレッジ(12勝1分1敗 +36)
東海:藤枝MYFC(12勝2分 +33)
関西:奈良クラブ(11勝2分1敗 +29)
中国:デッツォーラ島根(16勝2敗 +41)
四国:黒潮FC(9勝3分2敗 +11)
九州:HOYO AC ELAN大分(15勝1敗/2PK勝ち +44)
JFA優遇枠:SC相模原(全社準優勝、関東2部/10勝1分3敗 +28)
全社枠:東京23FC(全社優勝、都1部/13勝1分 +52)
補充枠:バンディオンセ加古川(10勝2分2敗 +6)

9地区の中で、四国だけ優勝した愛媛FCしまなみはこの大会の組み合わせが決まる前から「出場を辞退する」という情報が流れていたが、正式に辞退が決定し、四国代表はリーグ2位の黒潮FCとなっている。なお、しまなみは大会にこそ出場辞退したが、チームがなくなるとかという訳ではありません。

やはり母体がJ2愛媛ということもあり、チームの経済状況を考えればJFLでやることは非常に厳しいところであり、昇格をかけたこの大会への出場は辞退ということになった。また、関東リーグ2部優勝の相模原SCは9月の時点ですでにJFA側から優遇枠を適用されているが、全社でも準優勝をはたしており、今年も実力がしっかり1部レベルであることを証明したと言えるだろう。

そして全社枠についてだが、ベスト4に残ったのが東京23FC、相模原SC、愛媛FCしまなみ、藤枝MYFCのであり、そのうち、相模原と藤枝はすでに権利持ち、そしてしまなみは出場辞退ということもあり、ベスト4進出したところで東京23FCの出場が決定したのと同時に、今大会は全社からの出場枠が「1」のみとなった。

本来、全社からの出場枠は最大で「2」であるが、出場権を持っていないチームがベスト4まで進出しなければその権利は別の枠(補充枠)に流れてしまうこともあり、今年は1チームのみ。そして補充枠に関しては、JFA側から社会人登録チーム数の多い地域順(関東→関西→関西→北信越…)に(2位チームに)出場権を巡回していくことがリリースされており、昨年は登録数1位の関東からさいたまSCが出場となったが、今年は登録数2位の関西からバンディオンセ加古川に出場権が回ってきた。

長々と出場チームの話しを書いてしまいましたが、組み合わせは下記の通りです。

グループA(テクノポート福井)
JAPANサッカーカレッジ、Y.S.C.C.、バンディオンセ加古川、藤枝MYFC

11/18(金) 10:45 JAPANサッカーカレッジ vs Y.S.C.C.
11/18(金) 13:30 バンディオンセ加古川 vs 藤枝MYFC
11/19(土) 10:45 JAPANサッカーカレッジ vs バンディオンセ加古川
11/19(土) 13:30 Y.S.C.C. vs 藤枝MYFC
11/20(日) 10:45 JAPANサッカーカレッジ vs 藤枝MYFC
11/20(日) 13:30 Y.S.C.C. vs バンディオンセ加古川
------------------------------------
グループB(アスパ五色)
ノルブリッツ北海道、奈良クラブ、福島ユナイテッド、SC相模原

11/18(金) 10:45 ノルブリッツ北海道 vs 奈良クラブ
11/18(金) 13:30 福島ユナイテッド vs SC相模原
11/19(土) 10:45 ノルブリッツ北海道 vs 福島ユナイテッド
11/19(土) 13:30 奈良クラブ vs SC相模原
11/20(日) 10:45 ノルブリッツ北海道 vs SC相模原
11/20(日) 13:30 奈良クラブ vs 福島ユナイテッド
------------------------------------
グループC(春野球技場)
デッツォーラ島根、HOYO AC ELAN大分、黒潮FC、東京23FC

11/18(金) 10:45 デッツォーラ島根 vs HOYO AC ELAN大分
11/18(金) 13:30 黒潮FC vs 東京23FC
11/19(土) 10:45 デッツォーラ島根 vs 黒潮FC
11/19(土) 13:30 HOYO AC ELAN大分 vs 東京23FC
11/20(日) 10:45 デッツォーラ島根 vs 東京23FC
11/20(日) 13:30 HOYO AC ELAN大分 vs 黒潮FC

決勝ラウンド(長居第二)
12/2(金) 10:45 A-1 vs B-1
12/2(金) 13:30 C-1 vs WC枠
12/3(土) 10:45 A-1 vs C-1
12/3(土) 13:30 B-1 vs WC枠
12/4(日) 10:45 A-1 vs WC枠
12/4(日) 13:30 B-1 vs C-1
※WC枠→ワイルドカード(各グループ2位の中で最高成績チーム)

以上のような組み合わせになっておりまして、今年の「死のグループ」に値するのはやはりグループAでしょうか?

2年連続で決勝リーグ4位と、あと一歩でチャンスを逃し続けているY.S.C.C.と、今年の昇格有力候補である藤枝MYFCが同組となり、その他には北信越で安定した力を見せ続けているJAPANサッカーカレッジも並び立つなど、勝ち抜くチームがどこになるか予想しづらいだろう。

また、グループBは初戦で福島ユナイテッド vs SC相模原というカードを決定しており、この初戦を勝った方が勝ち抜けしていく可能性が非常に高まるだろう。

そして最後にグループCには、注目の東京23FCが入ってきた。AのY.S.C.C.、藤枝MYFC、Bの福島ユナイテツド、SC相模原といった力の抜けた存在がいないCグループは混戦が予想されるが、混戦であるからこそ、東京23FCにはチャンスと言えるだろう。勝ちきる事より、負けないことが大事となる地域リーグ決勝大会。全社のような堅守を維持できれば、この大会でも「まさかまさか…」が続く可能性も大。有力チームがしのぎを削るA、Bグループも面白いが、高知ラウンドも地味に興味深い試合が続くこととなる。

地域リーグ決勝大会については、また大会直前なった時点で書いていきたいと思います。

2011年10月18日 (火)

Honda FC、久々に快勝

7月30日の佐川印刷戦以来、勝利から見放されてしまっているHonda FC。先週は天皇杯2回戦のスケジュールが組まれていたのだが、静岡県予選で敗退していたため試合間隔が空くこととなってしまったのだが、その期間をうまく利用して調整したことにより「Hondaらしさ」を取り戻して、久々の快勝を飾った。

[ウーヴァスタメン]
ーーー竹内ーー市川ーーー
ー石堂ーーーーーー高安ー
ーーー濱岡ーー上西ーーー
田村ー岡田ーー前田ー高木
ーーーーー原田ーーーーー

[Honda FCスタメン]
ーーーー伊賀ーーーーー
中村祐ーー香川ーー柴田
ーーー西ーー糸数ーーー
牧野ー川嶋ー中川ー平山
ーーーー清水谷ーーーー

ウーヴァのキックオフで始まった試合は、立ち上がりは両者ともいきなり仕掛けるのではなく、それぞれ「相手の出方を伺いながら」と言ったような静かな展開からスタート。さすがに先週の天皇杯で好調・柏と試合をした経験をふまえてか、しっかり構えて試合に入ったウーヴァがいいディフェンスを見せ、Hondaは特徴であるサイドからのボールを簡単に入れさせてもらえないために、なかなかいい流れを作り出せない。

それに対して、ウーヴァは守備は悪くないのだが攻撃がよくない。三輪、石川のコンディションが上がらなかったこともあり、市川をFWに起用したのだが、やはり2試合出場停止の若林の穴が埋まりきっていない印象を受けてしまう。

そんな中で、どうもエンジンのかかりの悪いウーヴァに対して、徐々にHondaが押し込む時間帯が増えていく。そしてこの日は、西、糸数のボランチのコンビの動きがよく、彼らの鋭い出足によりウーヴァは中盤の自由を失いセカンドボールをほとんど支配出来なくなってしまう。こうなると、大半はHondaがボールを支配することとなり、序盤は両サイドの動きが相手守備陣に止められていたのだが、サイドバックも絡んで厚みのある攻撃を繰り出せるようになる。

Img_0072

迎えた18分、これまでのクロスとは違う、低いライナー製のボールを平山が蹴り込むと、これに柴田がワンタッチで合わせてHondaが先制。これまで、浮き球のクロスを入れてははじき返されていた平山だが、とっさの判断で低いボールを選択。これが好判断となり相手守備陣の反応を遅らせ先制ゴールを呼び込んだ。

試合は先制点を奪ったHondaが勢いを増し、その後も相手ゴールに猛攻を仕掛ける。序盤こそ、静かな立ち上がりとなったが、積極的な姿勢、そして何よりもみんなが必死に走る姿勢を見せ、これまでのような「迷い」が消えていたのであるが、Honda FCの大久保監督は試合後にこのように語ってくれている。

「よそは天皇杯を戦っているのに、うちは試合のスケジュールがない。僕がHondaに来て(現役選手として)から、そんなことが無かった(天皇杯に出場できない)し、こんなに苦しい期間を経験したことはありません。まあ、Jリーグのチームとやれなかったことはとっても寂しかったですね。ただ、その寂しいとは言っても、それが今のチーム状況なので仕方がないこと。まあ、ここで試合間隔が空いたことはチームや選手が現状を見つめ直すいい機会になったと思います。

そして、この試合に向けては、基本に返ろうということで、ほとんどボールを使わないで走り込みだけ続けて来ました。サッカーで勝利するには、技術や戦術も重要ですが、まずは相手に走り勝つことや精神的に負けないことが一番重要なはずだと思っています。ウチって、実は7月以来勝ってないじゃないですか? やっぱりね、そういう流れを断ち切るには、基本に返って、まずしっかり走り込みをしようとなったのです」

Img_0252

以前も書いたが、チームが過渡期であることは間違いない。さらには下部組織であるU-18が今の1年生が卒業する2年後に廃止となることが決定しているなど、「本田技研サッカー部」自体も大きく変わろうとしている時期でもある。折からの景気悪化の流れを受けて、これまでのような「手厚い支援」を受けられなくなってきているチーム。そして吉澤、石橋監督時代にピークを迎えたHonda FCだが、そのバトンを受けた大久保監督は運が悪いと言っていいかは微妙だが、近年の中で最も「難しい時期」に監督に就任してしまったと言えるだろう。

メンバー的にも、これまでの黄金期を支えたメンバーが引退したり、徐々に下降線を迎える時期にあたり、チームとして世代交代を進めなければいけない。しかし、Honda FCはプロクラブではなくあくまでも社員選手であり簡単に大量解雇、大量加入といった様な新陳代謝をすることは出来ない。時間を掛けながら、じっくりと選手を入れ替え行くしかやり方がないのである。そしてこの日のスタメンだが、ついに30歳以上の選手は誰もいなかった。スタメン11人の平均年齢は25.3歳。11人の中での最年長は29歳の柴田であり、新田、安部、桶田、吉村、中村元といったベテランはすべてベンチスタート。

ある意味で、このメンバー構成は大久保監督がやらなければいけない「世代交代」という役割を達成出来たのではないだろうか?

その中で、最後のセットプレーからの失点はいらない部分であったが、それ以外はほぼ完璧といっていい試合運びを見せ、久しぶりの快勝を見せてくれた。

そして、これまでチームを引っ張って来たエース新田に代わり、伊賀貴一がこの日は紛れもなくチームの攻撃を牽引していた。後半にいくつかのビッグチャンスで決めきれなかったが、前半はほぼパーフェクトと呼べる動きを見せ、自身も1得点を記録。また、香川も高知大時代のようなキレのある動きを見せ、後半には何度も相手GKを脅かすミドルを連発。年齢は香川の方が上だが、浦和の原口のようなドリブルで切れ込んで勝負するタイプの選手。現在はトップ下でプレーする選手だが、サイドアタッカーとしても見てみたい気もする。

Img_0217

本当に久しぶりの快勝となり、トンネルを抜けた感もあるHonda。しかし、真価を問われるの次のホームで行われる讃岐との試合であろう。大久保監督も次節に向けてこのように語ってくれている。

Img_0321

「讃岐ってチームはやりにくい相手なんですよね。北野監督は策士だからどう出てくるかわからないし…。システムも3バックや4バックをちょろちょろ変えてくるし、後半戦から新しい選手も入ってきて勢いがある。ただ、ウチは相手がどう変化してくるかではなく、今日のようにしっかり走って自分たちらしさが出し切れるかに掛かっていると思っています」

-----------------------------------

さて、いいところなく完敗を喫してしまった栃木ウーヴァ。10位と11位の対戦であったが、その内容には大きな差があったと言っても問題なかったことは否定出来ないだろう。

柏戦を経験した高木は「天皇杯が終わってから、なんとなくチームに集中力が抜けてしまった感がありました。今日の試合も全体がバラバラになってしまい、前半は本当に何も出来ませんでした。柏戦でやれたことで、なんとなく気持ちに隙ができてしまったのか知れません…」と語っていたが、この日のウーヴァは終始Hondaの攻撃の前に受け身となってしまい、何一ついいところを出し切れなかった。

若林が2試合出場停止のため、攻撃力が低下していたことは理解できる。それにしても、柏戦のような「チャレンジする姿勢」があまりにも少なかったことは残念でならない。

結局のところ、高安、濱岡がボールを持たないとチャンスを作れなかったウーヴァだが、次の山雅戦ではエースの若林が復帰することもあり、もっと積極性のあるところを見せて欲しいと願うところだ。

-----------------------------------

2011JFL後期第11節 @小山
栃木ウーヴァFC 1-3 Honda FC
[得点者]
18分柴田、31分伊賀、75分香川(Honda)
81分市川(栃木)
[警告]
26分高木、53分竹内、54分石堂、78分田村(栃木)
19分西、60分糸数(Honda)

[ゲームスタッツ]
シュート数:栃木6、Honda14
ゴールキック:栃木7、Honda7
コーナーキック:栃木4、Honda4
直接 FK:栃木13、Honda19
オフサイド:栃木3、Honda2
PK:栃木0、Honda0

-----------------------------------

最後に余談ですが、現在第47回全国社会人大会がおこなれていますが、東京都リーグ1部の東京23FCが全社でベスト4入りして、優遇枠以外のチームとしては初の都道府県リーグ勢からの地域リーグ決勝大会を決めました。これについては、また別の機会で取り上げたいと思います。

2011年10月16日 (日)

山雅、大苦戦の末、暫定4位へ

15日に西が丘で行われた横河武蔵野戦に勝利して、暫定ながらもついにJ昇格圏内となる4位以内に突入した松本山雅。しかし、勝って暫定4位としながらも、内容に関しては「……」であり、加藤監督も先制ゴールを挙げた船山も「修正して行かなければいけない」と、厳しいコメントを残してくれたとおりの試合でもあった。

[武蔵野スタメン]
ーーー関野ーー小林ーーー
ー高松ーーーーー林俊介ー
ーーー岩田ーー桜井ーーー
小山ー金守ー瀬田ー林真人
ーーーーー飯塚ーーーーー

[松本スタメン]
ーーー片山ーー船山ーーー
ー久富ーーーーーー大橋ー
ーーー北村ーー須藤ーーー
鐵戸ー飯尾ー飯田ー多々良
ーーーーー白井ーーーーー

先週、天皇杯において通算3度目のジャイアントキリングを達成した松本山雅。今回の東京遠征では、北村のコンディションが微妙であったこともあり、ベンチ入りできる17人だけではなく、もう一人加えた18人で敵地に乗り込んできていた。しかし、加藤監督は「北村が行けるのであればいじる必要もない」という意向から、結局は先週と同じメンバーで挑んできた山雅。そしてチームは先週の快勝の流れを持続して、開始早々の4分(公式記録上は5分)、小山(だったかな?)のパスミスを船山が逃さずインターセプトしてそのままゴール前に突進。GK飯塚と1対1の状況を冷静に蹴り込んで最初のチャンスを見事に活かして山雅が幸先良く先制する。

Img_0187

誰もが、先週の勝利の勢いを持続して、このまま行ってしまうのでは? と思った。直後の5分には多々良のクロスを中で待っていた片山がシュートを放ち、7分にはシュートまでは持ち込めなかったものの、右の多々良から中の片山→落として北村→そして右サイドの深い位置に走り込んだ多々良に展開と、実にスムーズなパス交換が生まれるなど、完全に山雅ペースで試合は進む。

先制点を奪った事もあり、出足が鋭い山雅。そして何よりも北村が好守に渡って存在感を発揮し、全体のプッシュアップにメリハリをつけていい流れをたぐり寄せている。そんな流れの中で12分、またも多々良→片山のラインからビッグチャンスを迎えるが、ここはなんとか金守が体を寄せてガチャにいい体勢からのシュートを打たせない。

Img_0169

ここまで、山雅の一方的なゲームであり、やはり天皇杯で勝った結果がまとまりのあるチームに変えたのかと思ったのだが、良かったのは正直、ここまでであった…

Img_0045

前半15分まで、2トップをはじめとした前線の選手が速いプレスを掛け、北村が全体のラインをうまく上げることで武蔵野はまったくと言っていいほど前に出られなかった。ルーズボールを拾っても、速いプレスに遇ってしまい後ろに下げる。そして武蔵野らしく短く繋いでいこうとすれば、すでにブロックを形成されており、ボールを出すスペースが消されてしまっている。そんな状況が続き、ほとんど「らしさ」を出せなかった武蔵野だが、16分に小林が相手のパスミスをカットしてビッグチャンスを掴んでからは流れが一変。

この場面はGK白井の好セーブもあり、なんとかピンチは防いだが、こぼれ球も拾われて連続してピンチを迎えてしまう。そしてここからは関野がミドルでシュートを狙ったり、いいタイミングで左サイドを抜け出した小林が素晴らしいクロスを上げ、あとは中の選手、よろしく! 
といった場面を作るのだが、待っていた林は残念ながら合わしきれず。

あれだけ流れが悪かった武蔵野だが、16分のたった一つの相手ミスを境にペースを取り戻し、あれほど押し込まれていた中盤もかなり挽回して、岩田がかなり前に出る場面が増えだしていくと、それに呼応して攻撃の起点となる高松の動きも冴えだしてくる。

完全に試合の流れが序盤と逆転してしまい、山雅は守る時間が増えてしまっただけではなく、攻撃の流れも一気に悪化しだしてしまう。これまで中盤を経由してサイドに展開してクロスという流れが多かったが、単純に最終ラインから前に蹴り込むだけの展開に変化していく。まあ、そのやり方を否定する訳ではないし、前線にボールを入れて2トップが競り勝つ、またはボールを収めることが出来ればいいのだが、この日はほとんどの競り合いにおいて武蔵野の瀬田が圧勝。片山も船山も瀬田、金守のCBコンビに競り負けてしまいほとんどのボールを主導権を失ってしまい、セカンドを拾えないという悪循環が続いてしまう。

Img_0156

しかし、個の能力で上回る山雅は、2トップにボールが入ればチャンスを作っていく。37分、久々に船山にボールが収まると、前に入ってきた片山にパス。決定機を迎えたが片山のシュートは飯塚のファインセーブもあり追加点を奪えない。対する武蔵野も、時たまこのようなピンチを迎えることがあったが、ゲームの主導権を相手に渡すことなく攻め続け、38分に瀬田、39分には林真人の粘りからFKのチャンスを掴み、金守が直接狙い、終了間際には上がっていった小山がシュートを狙うなど、武蔵野は積極的な姿勢を随所に見せていく。

------------------------------------

だが、決定力のなさは残念ながら相変わらずの武蔵野。チャンスの数では圧倒的に山雅を上回りながらも得点を奪えず前半は山雅1点リードの状況で折り返す。そうは言っても、武蔵野の盛り返しと山雅の消極的な姿勢もあり、後半の勝負の行方はわからなくなるかも…と思われた。

Img_0211

そして後半も前半同様で武蔵野ペースで進むことになる。1分にいきなり高松がフリーで抜け出しシュート! しかし、ここは痛恨のシュートミスで絶好の同点機を逸してしまう。続く2分にはFK、7分にはCKと立て続けに山雅ゴールを攻め立てる。こうなると、完全に防戦一方になる山雅。序盤のような押し上げは完全に消えてしまい、攻撃は2トップの個人能力頼みになってしまう。しかし、肝心の2トップはボールを収めきれずチャンスの形すら作ることが出来ない。

流れの悪すぎる山雅だが、加藤監督には一つの信念があった。

「うまくいっていないことは誰が見てもわかるでしょう。しかし、だからと言って今の形(中盤、最終ライン)を変えてしまって、バランスを崩してしまうことだけは避けたかった。だから、悪くても失点しなければそれでいい。悪くても耐えていれば今はそれでやるしかないと思って、後ろは一切手をつけませんでした」

このように試合後に語ってくれた加藤監督は、この言葉のとおり後ろには一切手を加えず、交代のカードはまずは木島兄弟だけで済まし、兄弟の突破力に勝負を託したのであった。

そして試合が膠着し始めていた後半30分、木島兄が見事なパスカットから後半最初のチャンスを掴み、前線を駆け上がる弟へパス。このシュートは、飯塚のファインセーブの前に決めきれなかったが、この兄弟、いろいろな意味を含めて「危険な存在」であることは、このワンプレーで証明したであろう。さらに37分、CKのチャンスを掴んだ山雅は、一旦DFのクリアにあったものの、鐵戸が拾って絶妙のクロスを上げると、これを上がっていた飯田が頭で押し込んで試合を決定づける2点をついに奪うことに成功。

Img_0339

2点目を奪ってやっと落ち着きを取り戻した山雅は、終盤になって「らしい」カウンターが炸裂し、41分に久富が抜け出してシュートを狙うがここはポストに阻まれ得失点差を広げる貴重な「3点目」は奪えない。

試合は結局2-0で山雅が勝利し、勝ち点を39として暫定ながらも順位を4位とした。

------------------------------------

試合内容に関しては、得点シーン以外、厳しい言い方をすれば「見るもの」が無かったこの試合(山雅側から見て)。冒頭にあるように、加藤監督は内容の酷さに関しては素直に認める発言を会見でしてくれている。そして先制点を奪った船山も「今は内容より結果が出すことが重要なのはわかっています。ただ、それを含めても今日の試合はやっていて楽しくなかったですね(笑)」とコメントを残してくれている。

先週の天皇杯であれだけいい試合が出来て、なぜ横河武蔵野を相手にあのような試合が出来ないのであろうか?

それについて監督は「精神的なこと」と答えてくれた。

「やはりね、一発勝負であり、格上と戦う天皇杯はプレッシャーがないし、『喰ってやろう』という気持ちが選手にあった。だからこそ、のびのびとしたプレーが出来ていたけれど、リーグ戦はまったく違う。

天皇杯は負けても仕方がないということもあり思いっきりやれるが、リーグ戦はそうは行かない。ウチのチームには、昇格しなければいけない、勝たなければいけない、負けてはいけないというプレッシャーが選手に重くのしかかってくる。そんなプレッシャーがあるからこそ、選手の動きにすぐに出てしまうのでしょうね…

こんな試合でいい訳がないことはわかっていますし、残り試合でこんな試合をして勝てるとは思っていませんので、メンタルを含めてしっかりとした準備をしていくつもりです」

当然といってしまえば当然のコメントであり、武蔵野ファンには失礼を承知で書いてしまうが「相手が武蔵野だったから」勝てたという印象が強かったこの試合。決定力のあるFWを擁しているチームであれば、山雅は敗戦すら覚悟しなければいけなかった試合であったことは間違いない。先制点を早々と奪ったまでは良かった。しかし、飯田が試合後に語ってくれたとおり、「全体がフワっとしてしまった」とあるとおり、どこか締まりのない試合をしてしまい、簡単に相手にペースを奪われるとズルズルとその流れに飲み込まれて行ってしまう。

松田直樹の死、そして昇格へのプレッシャーと、選手たちに重くのしかかるプレッシャーが予想以上に重いことは理解出来る。しかし、この日のサッカーでJリーグ(J2)に行けるほど、JFLは甘くはない。この日の山雅は勝負には勝った。しかし、内容では敵に敗れる前に、己に敗れてしまった感もある。次の相手はこちらもしっかりとした守備をベースに戦う栃木ウーヴァだが、こちらは「若林」といった強力な得点源を擁しており、侮れない相手と言えるだろう。

この日は結果的に「勝てただけ」であったが、次のホームゲームは誰も納得する内容で「昇格するにふさわしいチーム」ということを証明してほしいところである。

------------------------------------

さて、敗れてしまった横河武蔵野だが、試合内容に関しては前節の長崎戦よりいいものであったことは間違いない。4失点を喫してしまった最終ラインはしっかり修正され、瀬田、金守のCBコンビはほとんどの時間帯で相手FWに仕事をさせなかった。そしてチームの狙いであるサイド攻撃もある程度はしっかりできた。

しかし、サッカーとは攻撃の形を作っても、得点を取らなければどうにもならない。試合後、依田監督は「サイドサイドという気持ちばかり強くて、ゴール前に迫る迫力が乏しすぎた」と語ってくれたとおり、あまりにも形にこだわりすぎたチームに不満の表情も覗かせた。確かに、サイド、サイドにこだわるより、速く縦や前線に入れると言ったバリエーションをかまさなければ、対戦相手としてみれば守りやすいし、対応しやすいことは間違いない。

そしてもう一つ、これはシーズン前から言ってきたことだが、攻撃の交代要員で「切り札」となる選手が不在であることだ。この日も小林や高松が退いてからの攻撃は、それまでの時間帯よりも単調となってしまい、山雅としては跳ね返すことは容易であった。交代要員に怖さを感じさせる選手が不在なことは、チームにとっても痛いところ。結果的に、シーズンはまもなく終盤を迎えるのだが、関野、小林、高松に迫るアタッカーが育っていないところが、チームの不調に繋がっていることは否定出来ないだろう。

_1053480

だが、この日も先発出場となったSBの林真人は守備面で堅実な動きを見せ、「その先」が楽しみであることを感じさせた。4年前の高校サッカーでベスト8入りした三鷹高校のレギュラーであり、その後は関東リーグ所属のTFSCに所属しながらサッカーを続けてきたが、より高いレベルでプレーしたいという想いから、活躍の場所はJFLに求めた。

Img_0235

当初はJFLの動きについて行けないこともあったが、後半戦に入ると鹿野の出場停止やコンディション不良もあり、出番を得るとそこで活躍を見せて、レギュラーを奪うぐらいまでの選手に成長。三鷹高校時代の同期である白井豪も紆余曲折を経て、早稲田大学(現在は3年生)でレギュラーを掴み、関東大学サッカーリーグで現役を続けている。同期の仲間が先に結果を出す中で、林もしっかり成長を続け、大学とJFLとカテゴリーは違うがそれぞれ主力としてのポジションを奪いつつある。

今季、苦戦が続く武蔵野の中において、鹿野同様、「この先」が期待される林真人には、さらなる成長を期待したいところだ。

------------------------------------

2011JFL後期第11節 @西が丘
横河武蔵野FC 0-2 松本山雅FC
[得点者]
5分船山、84分飯田(松本)
[警告]
40分船山、90分久富(松本)

[ゲームスタッツ]
シュート数:武蔵野11、松本7
ゴールキック:武蔵野5、松本17
コーナーキック:武蔵野9、松本3
直接FK:武蔵野20、松本7
オフサイド:武蔵野4、松本5
PK:武蔵野0、松本0

« 2011年10月9日 - 2011年10月15日 | トップページ | 2011年10月23日 - 2011年10月29日 »