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2011年8月14日 - 2011年8月20日

2011年8月20日 (土)

第91回天皇杯・各地区予選状況

9月3日から始まる第91回天皇杯・全日本サッカー選手権の予選が各地区で行われているが、今週末から来週の28日までにすべての代表が出揃うこととなる。ということで、各地の決勝戦カードならびに、予選状況を一覧にまとめておきます。

●出場決定チーム
[JFLシード]
FC琉球
ホンダロック

[大学シード]
大阪体育大学

[宮城県代表]
ソニー仙台
※6/26に行われた宮城県サッカー協会理事会にてソニー仙台の推薦出場が決定

●各地区予選状況
[北海道]
北海道:知事杯全道サッカー選手権大会
8/27 準決勝
北海道教育大学岩見沢校 vs 札大GP
ノルブリッツ北海道 vs 札幌大学
8/28 決勝 14:00@札幌SAP

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[東北地区]
青森県:NHK杯青森県サッカー選手権大会
8/27 準決勝
ヴァンラ—レ八戸 vs リベロ津軽
ラインメール青森 vs 八戸大学
8/28 決勝 13:00@五戸ひばり野

岩手県:岩手県サッカー選手権大会
8/28 決勝 13:05@盛岡南
グルージャ盛岡 vs アンソメット岩手八幡平

秋田県:秋田県総合サッカー選手権大会
8/28 決勝 13:00@八橋陸上競技場
ブラウブリッツ秋田 vs 秋田カンビアーレ

山形県:山形県サッカー総合選手権大会
8/28 決勝 13:03@山形市陸
山形大学 vs 山形大学医学部

福島県:福島民報杯・NHK杯福島県サッカー選手権大会
8/27 準決勝
福島ユナイテッドFC vs 福島大学
メリー vs JFAアカデミー福島
8/28 決勝 13:00@郡山西部

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[関東地区]
茨城県:茨城県サッカー選手権大会
8/25 準決勝
@RKUFF 15:00
流通経済大学 vs クラブ・ドラゴンズ
@ひたちなか 15:00
筑波大学 vs 流通経済大学FC
8/28 決勝 15:00@ひたちなか

栃木県:栃木トヨタカップ栃木県サッカー選手権大会
8/28 決勝 13:00@グリスタ
栃木ウーヴァFC vs ヴェルフェたかはら那須

群馬県:群馬県サッカー協会長杯サッカー大会
8/28 決勝 13:00@敷島サカラグ
アルテ高崎 vs ザスパ草津U-23

埼玉県:彩の国カップ埼玉県サッカー選手権大会
8/28 決勝 15:00@熊谷陸上
平成国際大 vs 尚美学園大

千葉県:千葉県サッカー選手権大会
8/28 決勝 15:00@中台
柏レイソルU-18 vs 浦安JSC

東京都:東京都サッカートーナメント
8/27 決勝 18:00@西が丘
町田ゼルビア vs 専修大学

神奈川県:神奈川県サッカー選手権大会
8/28 決勝 14:00@ニッパツ
Y.S.C.C vs 東海大学

山梨県:山梨県サッカー選手権大会
8/28 決勝 @山梨中銀スタジアム
帝京第三高校 vs 山梨学院大学付属高校

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[北信越地区]
長野県:長野県サッカー選手権大会
8/28 決勝 13:00@アルウィン
松本山雅FC vs AC長野パルセイロ

新潟県:新潟日報杯・NHK杯・共同通信杯新潟県サッカー選手権大会
8/28 決勝 13:08@新潟陸
JSC vs グランセナ新潟

富山県:富山県サッカー選手権大会
8/28 決勝 13:03@五福陸上競技場
ヴァリエンテ富山 vs 富山新庄クラブ

石川県:石川県サッカー選手権大会
8/28 決勝 13:00@西部緑地公園陸上競技場
ツエーゲン金沢 vs 金沢星稜大学

福井県:福井県サッカー選手権大会
8/28 決勝 13:00@テクノポート福井
サウルコス福井 vs 丸岡フェニックス

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[東海地区]
静岡県:スルガカップ争奪静岡県サッカー選手権大会
8/21 決勝 13:00草薙
shizuoka.藤枝MYFC vs 静岡産業大学

<静岡県代表決定戦>
8/27 14:00@藤枝総合
スルガカップ優勝チーム vs Honda FC

愛知県:愛知県サッカー選手権大会
8/27 決勝 15:00@名古屋市港サッカー場
トヨタ蹴球団 vs 中京大学

三重県:三重県サッカー選手権大会
8/21 準決勝 @鈴鹿SG第三グラウンド
四日市大学 vs 四日市中央工業
皇學館大学 vs 鈴鹿ランポーレ
8/28 決勝 13:05@鈴鹿SG

岐阜県:岐阜県サッカー選手権大会
8/21 準決勝 @長良川球技メドウ
NK可児 vs 岐阜経済大学
帝京可児 vs FC岐阜SECOND
8/28 決勝 15:08@長良川球技メドウ

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[関西地区]
滋賀県:滋賀県サッカー選手権大会
8/28 決勝 13:10皇子山陸
SAGAWA SHIGA FC vs MIOびわこ草津

京都府:京都FAカップ京都サッカー選手権決勝大会
8/21 社会人決定戦 13:00@太陽が丘
AS.ラランジャ京都 vs アミティエSC京都
8/25 準決勝 @西京極
佐川印刷 vs 社会人代表
福知山成美高校 vs 同志社大学
8/28 決勝 14:00@西京極

大阪府:大阪サッカー選手権大会
8/28 決勝 13:09@キンチョウスタジアム
阪南大 vs 桃山学院大

兵庫県:兵庫県サッカー選手権大会
8/28決勝 13:10@三木防災
三洋電機洲本 vs 関西学院大

奈良県:奈良県サッカー選手権大会代表
8/28 決勝 14:00@橿原公苑
奈良産業大学 vs 奈良クラブ

和歌山県:和歌山県サッカー選手権大会
8/28 決勝 14:00@紀の川桃源郷
海南FC vs アルテリーヴォ和歌山

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[中国地区]
鳥取県:鳥取県サッカー選手権
8/28 決勝 13:05@とりスタ
米子北高校 vs 元気SC

島根県:島根県サッカー選手権大会
8/28 決勝 13:10@浜田陸
デッツオーラ島根 vs 松江City

岡山県:岡山県サッカー選手権大会
8/28 決勝 13:05@神崎山公園
ファジアーノ岡山ネクスト vs 環太平洋大学

広島県:全広島サッカー選手権大会
8/28 決勝 15:00@広島ビッグアーチ
広島修道大学 vs 広島経済大学

山口県:山口県サッカー選手権大会
8/28 決勝 13:05@維新公園ラグビーサッカー場
レノファ山口 vs 徳山大学

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[四国地区]
香川県:香川県サッカー選手権大会
8/21 準決勝 10:30@香川県営
高松大学 VS 四国学院大学
8/27 決勝 14:00@香川県営
カマタマーレ讃岐 vs 準決勝勝者

徳島県:徳島県サッカー選手権大会
8/21 決勝 13:00@鳴門大塚ポーツパーク球技場
三洋電機徳島 VS 徳島市立高校

愛媛県:愛媛県サッカー選手権大会
8/21 決勝 1500@ニンジニアスタジアム
愛媛FCしまなみ vs 久枝FC

高知県:高知県サッカー選手権大会
8/21 決勝 13:00@春野球技場
高知大学 vs 黒潮FC

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[九州・沖縄地区]
福岡県:福岡県サッカー選手権大会
8/21
1回戦-04 10:00 @FFC
日本経済大学 vs 九州三菱自動車
1回戦-03 14:00 @FFC
福岡教育大学 vs アビスパ福岡U-18
8/25 準決勝 @FFC
10:00/福岡大学 vs 九州共立大
14:00/03の勝者 vs 04の勝者
8/28 決勝 13:00@レベスタ

佐賀県:佐賀県サッカー選手権大会
8/28 決勝 13:00@佐賀県フットボールセンター
佐賀LIXIL FC vs 川副クラブ

長崎県:長崎県サッカー選手権大会
8/28 決勝 13:00@島原市営陸上競技場
V・ファーレン長崎 vs 三菱重工長崎

熊本県:NHK杯熊本県サッカー選手権大会
8/28 決勝 13:00@大津町運動公園球技場
熊本教員蹴友団 vs 大津高校

大分県:大分県サッカー選手権大会
8/28 決勝 13:10@だいぎんサカラグAコート
HOYO AC ELAN大分 vs 日本文理大学

宮崎県:宮日旗・NHK杯宮崎県サッカー選手権大会
8/27 準決勝 @宮崎市目の杜陸上競技場
11:00/九州保健福祉大学 vs 鵬翔高校
14:00/日章学園高校 vs 宮崎産業経営大学
8/28決勝 13:00@宮崎市目の杜陸上競技場

鹿児島県:鹿児島県サッカー選手権大会
8/28 決勝 13:00@鴨池陸上競技場
ヴォルカ鹿児島 vs FC KAGOSHIMA

沖縄県:タイムス杯争奪沖縄県サッカー選手権大会
8/28 決勝 13:05@沖縄西原
琉球大学 vs 海邦銀行SC

※各地区の情報を元に収集しましたが、変更などある場合もありますので、各都道府県協会の公式情報も合わせてご参照ください。

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今年のJFL前半戦は波乱というか、勝ち点差が僅差となり混戦となったのだが、その中でシードを獲得したのはFC琉球、ホンダロック。これにより、有力チームと目されていたHonda FCやSAGAWA SHIGAなども予選にまわることとなり、滋賀、長野ではJFL勢同士のダービー決戦が実現。

そんな決勝戦カードの中において、やはり一番の注目となるのが長野県決勝だろう。今年3度目の信州ダービーであり、松田直樹さんのいない山雅がライバルのパルセイロに対してどんな戦いを見せるかに注目だ。

ただ、今年は私情がかなり入ってしまいますが、群馬県予選にてザスパ草津U-23がついに決勝戦に進出したこともあり、こちらも大注目のカードでもあります。

ザスパ草津U-23とは、ザスパ草津がJリーグに加盟した2005年に設立された下部組織であり、当時はチャレンジャーズチームと言われたが、2007年から現在の名称に変更して活動を続けている。選手は全員アマチュア契約であり、現在も草津町の旅館や施設で働きながらこの天皇杯出場と、トップチーム昇格を目指してプレーを続けている。

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Jリーグに上がってからは「ザスパ前橋だろ?」とかと言われ続けたザスパ草津ですが、彼らこそリアル「温泉街からの挑戦」となりますので、なんとか勝ち抜いて全国への舞台を切り開いて貰いたいもの。カテゴリー的にも、今回の天皇杯予選で決勝に進んだチームの中で(1種チームの中で)、もっとも下となる県リーグ3部所属のザスパ草津U-23。しかし、そういうチームがJ1と対戦出来るかも知れない… という夢があるのが天皇杯のおもしろさ。

所属する選手も「ここ(決勝)で勝てば、絶対に自分たちのサッカー人生が変わる」と語っているのだが、自分たちで未来を変えるために、勝利を掴めるか? しかし、相手はJFL所属のアルテ高崎であり、厳しい相手であることは間違いない。果たして、アルテが4年連続10回目の出場となるのか、はたまたザスパ草津U-23が初出場を掴むのか?

この他では、上記のザスパ草津U-23以外にも、柏レイソルU-18、JAPANサッカーカレッジ(アルビレックス新潟)、FC岐阜SECOND、ファジアーノ岡山ネクスト、愛媛FCしまなみ、アビスパ福岡U-18といったJクラブ下部組織も勝ち残っており、これらのチームの動向にも期待したいところ。

また、異色の対決としては、山形県決勝の山形大学 vs 山形大学医学部、茨城県準決勝の流経大 vs クラブ・ドラゴンズといった「同校対決」も実現。さらには福島ではJFAアカデミーも勝ち残っており、決勝戦以外でも楽しみなカードが目白押しとなっている。

今週末、そして来週とそれぞれJリーグの試合が予定されていますが、予選はすべてデーゲームなのでぜひとも会場に足を運んで各地域の熱戦を観戦してほしいところです。

2011年8月19日 (金)

国民栄誉賞よりも大事なこと

サッカーを愛する人間として、なでしこジャパンのワールドカップ初優勝は本当に嬉しかったし、あの粘り強さ、メンタルの強さ、そして修正力の高さは本当に素晴らしいと感じました。

監督や選手たちがコメントで語っていた「元気を与えたい」という言葉には説得力があったし、選手たちの活躍は日本に活気を与えたと思います。しかし、サッカー界の人間としては、元気を与えた、莫大な経済効果をもたらしたということよりも、今、サッカーで世界を目指そうとしている子供たちに大きな夢を与えたことが一番の収穫だったと思っています。

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前置きが長くなってしまいましたが、昨日、なでしこジャパンメンバーや監督スタッフを含めた選手団に国民栄誉賞が贈られました。

そのこと自体、「サッカー村」に属する私も嬉しいと思います。
しかし、単純に「なでしこ、おめでとう!」と思えない感情もあります。

ワールドカップで優勝するということは、サッカーを長年やって来た&見てきた人間からすれば本当に快挙だと思います。私事ですが、本気で現役をやっていた小学校〜高校時代(1979〜1989)からすれば、男子であろうと女子であろうと世界制覇するなんて夢のまた夢だったし、優勝なんてキャプテン翼だけの世界だと思っていました。

それを見事に成し遂げたなでしこジャパンの活躍に、おもわず涙してしまいましたが、いざ、国民栄誉賞が決まると、えっ? なんか違くない?? という感情も…

そういう賞のあげるタイミングというか、受賞を決める基準が適当かつ、あいまいであり、政治(政権、もしくは空きカン)の、人気取りのためのツールとしてに使われていることに納得がいかないのです。

なでしこが受賞することには否定はしません。
しかし、彼女たちが国民に感動と希望を与えたのであれば、北京オリンピックで金メダルを取った女子ソフトボールはどうなんでしょうか? あのチームだって十分国民栄誉賞に値するのではないでしょうか? もっと別の言い方をすれば、オリンピックで3連覇した柔道の野村忠宏さんはどうなんでしょうか?

ちなみに、一時は大ブレークした女子ソフトボールですが、日本代表のエースである上野選手が所属するルネサスエレクトロニクス高崎の試合にはそれなりに観衆が集まりますが、それ以外の試合ではほとんど観衆もまばらと言った状況で、ブームは一過性で終わってしまっています。

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では、今の女子サッカー人気、いや、なでしこ人気を一過性のブームで終わらせないため、さらには人気を支え続けるに何をすればいいか、そして何が出来るか? を考える必要があると思います。

単純にリーグを大きく成長させていくには、女子サッカーをサポートしてくれる企業、団体を増やすことが一番とですが、それはD通さんやサッカー協会、さらにはなでしこリーグ事務局がやること。ただ、チーム単体でもこれまで以上の営業活動をしていかなければなりません。協会や事務局は「なでしこ」のブランド力が一気に上がったこともあり、新規スポンサー(パートナー)獲得は以前より楽になっていくでしょうが、クラブ単体の方は非常に難しいと感じます。

INACのように、代表選手を多数抱えるクラブであればいいのですが、代表選手のいない伊賀FC、エルフェン狭山や福岡Jアンクラス、さらには2部カテゴリーにあたるチャレンジEAST、WESTに所属するクラブは非常に厳しい状況であることは変わりはないし、月額の活動費を払いながらプレーしているトップ選手も少なくはない。(トップリーグ下位チームの年間総予算は1500万〜3000万程度と言われている)

代表一人勝ち、さらにはスター軍団の一人勝ちでは、そのリーグというか、女子サッカー全体の発展には結びついては行かない。今、なでしこブームでにぎわう女子サッカー界において、いかにこれまで以上のお金を集め、それをうまく分配できるかが大きなポイントであると考える。

そしてファン、サポーターの側も、ブームを一過性で終わらせないためにも、ぜひとも会場に足を運んで欲しいのだ。人が集まる事により、そのスポーツの注目度は高まり、そして集客性が見直されていく。そうなれば、投資する側はメリットを見いだすもの。観衆のいないリーグには、さすがに協賛してくれる企業や団体は出てこないですから…

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無料試合であろうと、有料試合であろうと、さらにはカテゴリーに関係なく、そこにあるサッカーを自分の目で確かめる、そしてそこにあるサッカーを楽しむことこそが、ファン、サポーターに課せられる指命ではないだろうか?

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無駄に話が長くなってしまいましたが、国民栄誉賞なんて贈るよりも、文科省がサポート体制を強化してくれたり(実際にこの話は浮上しておりますが…)、メディアがリーグの試合結果を毎節報道するだけでもリーグの価値というか知名度は徐々にでも浸透していくと思うのですよ。

まあ、すでに受賞式も終わってしまったので、あーだこーだ言っても何も始まりませんが、この受賞が、この先から始まるオリンピック予選、そして本大会で変なプレッシャーにならないことを願いたいと思います。

2011年8月18日 (木)

ウーヴァ、灼熱の消耗戦を制す

気温36.7度という平日の真っ昼間。そして土曜日の試合から中3日で栃木ウーヴァ戦を迎えることとなった町田ゼルビア。非常に厳しいコンディションの中で始まったこの試合だが、またもアウェーで苦杯を喫することとなる。

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[ウーヴァスタメン]
ーーー若林ー竹内ーーー
ー武藤ーーーーー高安ー
ーーー濱岡ー岸田ーーー
田村ー岡田ー前田ーー林
ーーーー原田ーーーーー

[町田スタメン]
ーディミッチー勝又ーー
ー北井ーーーーー鈴木ー
ーーー小川ー大前ーーー
津田ー太田ー田代ー藤田
ーーーー修行ーーーーー

中3日でこの試合を迎えた町田。それに対して、中10日と休養十分のウーヴァはコンディションの違いを開始直後から一気に見せつけていく。いや、コンディションの違いであることも確かなのだが、それ以上に町田というチームをしっかり研究してきたことが窺える序盤戦となる。

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ウーヴァのキックオフで始まった試合は、いきなり右SBの林がドリブルで駆け上がり、中へクロス。すると中央で若林が体を張ってボールを落とすと、後ろから入ってきた武藤がゴールをいきなり狙っていく(この日の公式記録員、やや厳しい判定で、これはシュートにカウントされていない)。そして直後にFKのチャンスを得ると、今度はファーで若林が競り勝って、落としたボールに竹内が反応。しかしシュートは枠の外。

畳み掛けるウーヴァは2分に再び竹内がシュートを放ちCK。この場面はクリアされたが、再び4分にCKを迎えると、今度は中で若林が田代に競り勝って頭で叩き込んでウーヴァが先制。それにしてもここ最近の若林は乗りにのっている。これで5戦連続のゴール達成だ。

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立ち上がりの5分間、ウーヴァは攻撃の手を緩めず、町田を自陣に完全に釘付けにしたまま、あっさり先制点を奪ったのだが、ウーヴァ・横浜監督の「相手は中3日だから、立ち上がりが鈍いかも知れない。そこを狙いつつ、高さが大きな武器になるのでとにかく若林にボールを集めよう」と試合前に指示をしていたのだが、ものの見事に的中して町田から先制点を奪い、その後の試合を優位に進めていく。

それに対して町田だが、この日のメンバーは土曜日の明大戦から4人が入れ替わったのだが、当初から数人のメンバー入れ替えを予定していたポポヴィッチ監督だが、柳崎の欠場は予想外であった。試合当日の発熱により欠場が決まり、急遽大前がメンバー入りしたこともあり、開始直後から全体的に浮き足立つというか、地に着いていないような状況だった。さらには、中3日での試合ということもあり疲れは完全に取れてはおらず、そして36度を超える猛暑の中で試合ということでさらに出足は鈍り、普段ホームで見せるような「流れるような展開」が生まれてこない。

1点を奪い、いいペースでゲームを進めていたウーヴァだが、15分を過ぎるころから徐々に相手に押し込まれる時間が目立ちはじめ、序盤のような後ろから展開(ロングボール)→若林→セカンドを拾うという思い通りの流れが分断されだすと、試合の流れは町田に傾いていく。

そして18分、右からいいボールが入り、中で待っていた北井がフリーでボールを受けるがここはシュートがミートせず決定機を逃してしまう。さらに続く20分、勝又、藤田が果敢なアタックを見せCKを奪い、24分にも勝又が相手のミスを奪ってディミッチに繋いで最後は北井。しかし、ここも決めきれない。

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このように、15分以降は町田が(ポポヴィッチ監督曰く、最初の5分以外の85分は攻めていたと語っているが、印象的には15分以降にペースを握ったと見るのが正しいだろう)優位に試合を進めていくのだが、この日の攻撃には普段のような「厚み」が見られないのだ。では、その厚みとはなんなのか? と言われれば、ボランチの攻撃参加や、彼らからの組み立てというところが当てはまるのだが、この日はボランチが高い位置に顔を出す場面や、攻撃を組み立てる場面がホームゲームに比べるとかなり回数が少なく、最終ラインから直接サイドに展開、もしくは2トップへという流れが多く、全体の攻撃は多いのだが、分厚い攻撃とまでにはなっていかない。

じゃあ、なぜそうなったのかと言えば、これは若林というターゲットマンがいたからに他ならない。中盤で細かく繋いでゲームを作ると言うよりは、とにかくターゲット目がけて蹴っていき、そこでこぼれたセカンドを狙っていたのがウーヴァの戦略。そんな状況であったがため、さらには中3日ということもあり、体が重く、ピンチになった際の戻りが遅いこともあり、なかなかボランチが前に出られないのだ。

ペースを握っているようで、実はウーヴァが最初に予想していた展開通りに試合が進んでいたのである。町田のボランチを前に行かさないことに成功し、武藤、高安が相手の鈴木、北井に積極的にプレスを掛け続けることで、決定的な形を作らさせない。

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そして前半は1-0のまま折り返し、後半戦に突入するが、前半以上に攻める町田、守るウーヴァという構図がさらに強くなっていく。

47分、左サイドを駆け上がった津田がゴール前まで持ち込み、49分には鈴木がシュート。51分には立て続けに勝又がシュートを狙っていくがゴール前をしっかり固めるウーヴァ守備陣をなかなか崩せない。完全に守勢に回ってしまったウーヴァだが、63分、後方からのロングボール1本に若林がうまく抜けだし、GKと1対1の場面を作り出し、うまくGKの頭を越えるループ気味のシュートを放つのだが、ここはバーに嫌われ追加点を挙げられない。

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このピンチは運というか、クロスバーに助けられた町田。ここで失点しなかったことで「行けるぞ」という雰囲気がさらに高まりだし、67分についに町田ベンチが動きを見せる。酒井良を投入して攻撃のテコ入れを図るのだが、交代選手のチョイスが驚きであり、なんと藤田泰成であった。

ーディミッチー勝又ーー
ー酒井ーーーーー北井ー
ーーー鈴木ー大前ーーー
津田ー太田ー田代ー小川
ーーーー修行ーーーーー

というポジションに代えてウーヴァの守備網に挑んでいく町田だが、前半に比べるとかなりスムーズな展開、速い攻撃が繰り出されるようになったのだが、どうしてもフィニッシュの部分で精度を欠いてしまう。試合後のウーヴァ横浜監督は「今、JFLの中で町田さんの2トップは最高のコンビだと思います。ただ、今日は2人とも調子が悪かったですね」と語ったとおり、連戦の疲れも影響し、普段のようなキレがない。そんな状態を考慮してか76分にディミッチに代わって山腰を投入。さらに、あと残り4分という段階で今度は星を投入。

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そして星は誰と代えるのか? と注目していたのだが、なんと交代は津田。これで両SBを揃って交代させたのだが、ラストのシステムもかなり驚きであった。

ーーー山腰ーー勝又ーーー
酒井ーーー北井ーーーー星
ーーーーー鈴木ーーーーー
小川ー太田ーー田代ー大前
ーーーーー修行ーーーーー

大前、小川がSBに入り、鈴木のワンボランチ。なりふり構わない攻撃的布陣に出た町田だが、最後まで集中を崩さないウーヴァ守備陣の前に完封負けを喫してしまった…

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厳しいコンディションの中、接戦をモノにしたウーヴァ・横浜監督はこのように語ってくれた。

「あの1点で非常に楽になりましたね。

あの1点があったからこそ、DFも頑張れたんだと思っています。それにしても若林は乗ってますね。これで5試合連続ですか… あの高さはウチにとって大きな武器になっています。

守備に関しては本当に最後まで良くやってくれました。誰が良かったとかではなく、みんなでしっかり耐えた末の勝利だと思っています。ただ、苦しいなかでもカウンターでいい攻撃を出せたことも良かったです。本当なら(本音を言えば?)あんな状況の中ででも、もう少し自分たちがボールを持つ時間を増やさないとまだまだ厳しいかなあ…とも感じています。

今日の試合に関しては攻め込まれることは予想していたので、試合前から集中して守備から入ってリズムを作ろうと言ってきましたが、今日みたいな接戦をこれまでも繰り返し、それをモノに出来たからこそ、今日は勝てたのかなあ…と思います。今年は昨年と違って、上位にもいい試合が出来るようになり、勝ち点をしっかり積み重ねることが出来ています。やっぱり、先制点を取るか取られるかでは大きな違いになりますからね。

これからも先制点を奪って自分たちのペースで試合を運べるようにやっていきたいです」

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こんな感想を語ってくれた横浜監督に対して、敗れたポポヴィッチ監督はいつも外国人らしいジョークを交えながらこのように語ってくれた。

「試合が始まっているにもかかわらず、選手たちはまだバスに乗っているような感じのままでしたね。相手は始まってすぐに地に足を着けてしっかり戦ってきたけれど、ウチはそうではなかった。

相手は最初の5分間、前の選手にボールを蹴ってきて得点を決めましたが、ウチは残りの85分間で自分たちらしいサッカーをやりましたが、残念ながら結果が付いて来ませんでした。

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相手のやり方はわかっていたし、トップの高い選手(若林)に当ててセカンドボールという流れでしたが、そのとおりに攻め込まれてセットプレーでやられてしまった。試合前にロッカールームでもそのことは話していたのですが、それに見事にやられてしまったところは反省点だと思います。

気を抜いていた選手もいたし、鼻が高くなっていた選手がいたかもしれません。しかし、失点後には気持ちを切り替えてしっかりやってくれたし、ボールを繋いでウチらしいサッカーが出来たと思っています。そんな形になってからは相手はひたすら守るだけでした。私たちのやるべきこと、目指すサッカーに対して選手たちは厳しい条件の中でしっかりチャレンジしてくれました。

まあ、こういう試合も苦しい試合も必ずやってきます。これがサッカーだと思いますね。結果というものは、いつも紙一重だと思います…

試合の入り方については、どんな試合でも大事だと言ってきたはずなのに、今日に関しては、選手たちがそれに気づいたのは試合後だったということです(笑) 朝6時に町田を出て、ここまでやって来ましたが選手にはバスに乗った時点から「そこから試合である」と感じて欲しいです。

あと、後半の選手交代に関してですが、鈴木をボランチに置くオプションは最初から持っていました。私は以前からどんなポジションでも出来るようにと選手に伝えてあります。今日はSBの2人を代えたことは、より攻撃的に行きたいという思いから、攻撃の選手を投入し、その結果として小川や大前がサイドに入りました。

でも、あの2人が最終ラインに入ってから決定機を作られましたか? 作られてはいませんよね? ただ、FWの選手を全員使って点を取れないのであれば、あまり(交代策をチャレンジした)意味はありませんが…」

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この他にもポポヴィッチ監督との会話の中で「36度以上ある昼間の中で試合をやることの是非」を語っていたのだが、さすがにこのコンディションで、さらに中3日という状況でベストなパフォーマンスを求めるのは酷なこととやや感じてしまう気もする。

ただ、JFLはJリーグのように「夏場はナイターで」ということを、徹底出来ない懐事情とスタジアム設備問題も存在する。当然、ナイターで試合を開催出来るチームもあるが、どうしても出来ないチームもあるのだから、それも致し方がないということは理解できる。しかしだ、ポポヴィッチ監督だけではなく、これまでJFLに所属してきた何人かの外国人監督が口を揃えて「クレージーだ」と言った真夏の昼間開催。これに関しては、どうにか改善してもらいたいものなのだが…

さて、それはさておき、この日の試合だが、結果的に町田はウーヴァの術中に見事にはまってしまったと言えよう。ただ、監督のコメントにあったとおり、後半の動きなどは決して悪いものでも無かったし、もし町田が追いついていればもっと違った結果になったかも知れない。

だが、この試合に関しては、最後まで集中を切らさずに「逃げ切った」ウーヴァを褒めるべきであろう。それにしても今年のウーヴァ、なかなか手強いチームになりつつあるし、地味ながらもいい選手が揃っており、この粘り強い戦い方を持続できれば、上位フィニッシュも夢ではないと感じた。

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2011JFL 前期第4節 @栃木市陸上競技場
栃木ウーヴァ 1-0 町田ゼルビア
[得点者]
5分若林(栃木)
[警告]
45+1分林、65分高安(栃木)
61分大前(町田)

[ゲームスタッツ]
シュート数:栃木7、町田12
ゴールキック:栃木11、町田8
コーナーキック:栃木6、町田10
直接FK:栃木16、町田8
オフサイド:栃木2、町田2
PK:栃木0、町田0

2011年8月16日 (火)

天皇杯・東京都予選準決勝

学生の部は例年通りの手順で代表が決まったが、社会人の部は震災の影響もあり2次予選などの開催も取りやめ、最終的にJFL2チームを代表に選出して学生代表との準決勝を迎えた東京都サッカートーナメント。

ということで、まずは準決勝第1試合から振り返りたいと思います。

[町田スタメン]
ーーディミッチー勝又ーー
ーー星ーーーーーー鈴木ー
ーーー柳崎ーー小川ーーー
津田ー太田ーー田代ー三鬼
ーーーーー修行ーーーーー

[明大スタメン]
ーーーーー阪野ーーーーー
矢田ーーー岩渕ーー田中恵
ーー田中翔ーー三田ーーー
奥田ー楠木ーー吉田ー豊嶋
ーーーーー大滝ーーーーー

町田のスタメンには、今季初出場となる三鬼海の名前があり、びっくりした反面、どんなプレーをするか期待も高かった。そして明大だが、GK高木、DF丸山、MF宮阪の3人が中国で行われるユニバーシアード参加中ということもあり不在。さらには、コンディション不良でベンチに入っていない選手も多数いる中で迎えたのだが、試合前の神川監督は「このメンバーでもしっかり明治のサッカーをやりきって勝ちますよ」と力強く語ってくれたのだが…

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町田のキックオフで始まった試合は、序盤から好調を維持する町田が明大を圧倒。4分にはディミッチが相手からボールを奪うと、前を走る勝又にパスを送る。するといきなりGKと1対1の場面を迎えるのだが、ここは明大GKの大滝がストップ。11分にはディミッチ→小川ときれいなパス交換が続き、最後は鈴木がシュート。JFL、大学とそれぞれカテゴリーの違いはあれど、互いに攻撃力が自慢のチーム同士の対戦であったが、流れは完全に町田が掴み、明大はまったくといっていいほど力を出し切れない時間が続く。

しかし、丸山不在だから明治ディフェンスがダメだった… とは言わせたくないという思いがチーム全体の奮起に繋がり、特に吉田、楠木のCBコンビが体をしっかり張り、町田の攻撃に対応。ポゼッションでは圧倒され、ボールを左右に回されて何度もピンチを招いた明大だが、前半終盤までなんとか堪えてスコアレス状態が続いた。

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流れの中からの失点はなんとか防いできた明大だが、40分、ゴール前正面で町田にFKを与えてしまうと、ここ最近、直接FKが当たっている鈴木に決められてついに得点を許してしまう。神川監督は試合後「(壁に当たったボールが)GKの正面に流れてきたんだから止めて欲しかったですね…」と語ったのだが、やはり監督としては苦しい流れであるけれど、なんとか前半はスコアレスで終え、後半に気持ちを切り替えて勝負をしたかった。

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だが、そうさせなかった町田の実力も素晴らしいところであり、さらには後半15分、三鬼から出たロングボールに途中交代で入った直後の北井がうまく抜け出して勝利をさらにたぐり寄せる2点目を奪う。後半に入ってからは、前半のような「圧倒する時間」こそ減った町田だが、要所要所ではしっかり締め、明大に高い位置からのプレスを許さず、主導権を相手に与えず、そのまま2点目を奪ったところはさすがと言えよう。

しかし、2-0となってからは、やや町田もトーンダウン。町田・ポポヴィッチ監督も「ある時間帯(2-0としてからを指していると思われる)は、もっとインテリジェンスなプレーをして欲しかったですね。もしかしたら、すぐに水曜日にリーグ戦が控えていることが頭をよぎってしまい、それにより力をセーブしてしまったのかも知れません」と語ったとおり、無難なプレーに終始し出すと、明大がここから反撃。

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74分、CKのチャンスを奪い、その展開から矢島が前線に見事なスルーパスを送ると石原がシュート。これはDFにブロックされたが上がっていた吉田が蹴り込んで1点差に詰め寄る。そして波に乗った明大は、田中恵太が獅子奮迅の動きを見せ、31分、35分と連続してシュートを放ち、町田ゴールを脅かしていく。

しかし、ここは修行がしっかりストップして明大に同点弾を与えないと、すかさずピンチをチャンスに繋げるところは、したたかというかまさに試合巧者。38分、相手のミスを柳崎が拾いチャンスを広げると、鈴木→柳崎と渡り、最後はキレイに勝又とスイッチして3点目を奪って勝負あり。

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明大・神川監督は試合後「これでゼルビアさんとは3回目の対戦(2007、2008、2011)となりますが、今年は本当に強いなあ…と感じました。やはり、プロ集団に勝つのは難しいですね。ユニバ、ケガ人とメンバーが揃わない状況もあり、やりくりも大変でした。今日は完敗です」と素直に語ってくれた。

ただ、ここ最近の町田のパフォーマンスを見る限り、明大がベストな布陣であっても難しい試合であったような気もするゲームであったこともまた事実だ。

そして今季初出場となった三鬼海についてだが、この日のプレーはまずは守備をしっかりやってペースを乱さないということを念頭に置いていたそうで、TMで見せるような積極果敢なドリブル突破などはあまり見られなかった。

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しかし、スペースをしっかり埋める守備、2点目に結びついたパスなどはセンスの片鱗を十分に見せてくれた。現時点では藤田泰成、斎藤広野に続く「3番手」という位置づけであり、まだリーグ戦での出番はない。しかし、この日は2番手の斎藤を押しのけ、三鬼をあえて出場させたことはポポヴィッチ監督の期待の表れであり、そしてトップチームに混じってどこまで出来るのか? というテストでもあった。そんな中でのこの日のプレーは近い将来、町田のサイドを担っていく存在として成長していくだろうと感じさせるものであったことを付け加えておこう。

第16回東京都サッカートーナメント
準決勝 @西が丘サッカー場
町田ゼルビア 3-1 明治大学
[得点者]
41分鈴木、60分北井、84分勝又(町田)
75分吉田(明大)

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さて、同日に行われた準決勝第二試合だが、専大が良かったことは確かなのだが、あまりにも武蔵野の覇気がなかったことが気になってしまった。

ゲームに関しては、カウンターで失点…という形ではなく、終始専大がペースを握ったまま前半で2得点を奪い、後半に3点目を奪うとその時点で武蔵野の選手からは「勝とう、戦おう」という意識が消えてしまった…

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今年の東京都サッカートーナメントだが、震災の影響もあり1次予選トーナメント途中で開催を見合わせ、2次予選も取りやめたことにより、JFL所属の町田ゼルビア、横河武蔵野を「社会人系の部代表」と代表に選出しているのだから、もう少し気概のある試合を見せて欲しかった。

会場には、予選トーナメントに出場することが出来なかったエリースFC東京の選手たちも試合を見に来ていたのだから… 

第16回東京都サッカートーナメント
準決勝 @西が丘サッカー場
横河武蔵野 0-6 専修大学
[得点者]
22・40分長澤、57分稲葉、71分町田、82分仲川、85分鈴木(専大)

ということで、東京都予選の決勝は8月27日、18時から西が丘サッカー場にて町田ゼルビア vs 専修大学の間で行われる。

2011年8月15日 (月)

天皇杯・群馬県予選準決勝

3月27日から始まった天皇杯群馬県予選(群馬県サッカー協会長杯)も、ついに準決勝。群馬県は関東リーグ1部所属のtonan前橋、そしてJFLのアルテ高崎がそれぞれシードされており、準決勝・決勝からの出場となっているのだが、ここ4年間の決勝はアルテ vs tonanというカードが続いていたのだが、今年はその「2強対決」がついに崩れることとなった…

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さて準決勝のカードだが、3月末から始まった予選トーナメントを勝ち抜き、そして決勝トーナメントでも県協会所属社会人チーム、そして高体連チームをことごとく下してシードチームとの対戦にこぎ着けたのはザスパ草津U-23。昨年から県協会所属の社会人チーム(昨年は4部で今年は3部)として参加しているが、昨年の「無念」があるからこそ、この大会で勝ち抜くために早い段階から準備してきた経緯がある。

そんな中での準決勝だが、キーマンの一人であるFWのタケマ(藤崎)は負傷からの回復具合が完全ではないため、この日もメンバーから外れてしまう。また、タクジ(白井)もコンディションが完全ではないため、こちらもベンチから外れたこともあり、フィールドプレーヤーの交代は最初からナリ(成田)、フッキ(吹田)、マイケル(歌丸)の3人しかいない状況で決戦を迎えた。

[U-23スタメン]
ーーー宮下ーー森川ーーー
ー清水ーーーーーー横山ー
ーーー枝本ーー市川ーーー
川瀬ー安田ーー飯山ー西野
ーーーーー後藤ーーーーー

[tonanスタメン]
ーーー丸山ーー小川ーーー
ー東田ーーーーーー根本ー
ーーー宮崎ーー山田ーーー
井上ー氏家ー大河原ー長沼
ーーーーー中村ーーーーー

水曜日に小雨グラウンドで行われたU-18との練習試合とまったく同じスタメンとなったU-23に対して、直近の公式戦(7/31 vsさいたまSC戦)のスタメンから3人入れ替わった(鏑木→中村、大朏→東田、鈴木→丸山)tonan。

試合の流れとしては、格上のtonanに対してU-23が運動量で勝れるか? というところがポイントだったのだが、試合は全ての面において予想を遙かに超えた展開となっていく。

U-23のキックオフで始まった試合だが、開始直後にボールを奪ったtonanがゴール前に攻め込み、最初のシュートを放つとこれは飯山がクリアしてコーナーに逃れる。続くCKの場面では、こぼれ球を山田に狙われて危ないシーンが2つ続いたが、これを乗り切るとあとは完全なU-23ペースで試合は進んでいく。

5分に宮下がシュートを放つと、堅さの取れたU-23は豊富な運動量と鋭いパス交換で相手を圧倒。7分には細かく繋いでゴール前に攻め込み、10分にも宮下が持ち込んでシュート。さらに15分には横山が右サイドを攻め上がり、中へパスを通すと清水がシュート。これは中村の好セーブに阻まれてしまうも、流れ、フィニッシュの形と、どれも文句の着けようのない攻撃を連発していく。

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細かくパスを繋いで崩していくだけではなく、16分には森川がミドルレンジからゴールを狙い、そうかと思えば17分には西野→森川と繋いで、前に走る宮下に浮き球のパスを送ってゴールを狙うなど、あの手この手にtonanゴールを脅かすU-23。

そんな相手に対して、まったく攻撃の形を作れないtonan。実はこんな形は以前見た関東リーグの試合でも同じであった… 相手に押し込まれてしまうと、中盤も下がってしまい2トップが孤立。中盤でボールを繋いで展開という流れがほとんど作れず、結局のところは最終ラインに鎮座する氏家からのロングボールの精度に頼るしかないのである。

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じゃあ、氏家を活かすために中盤で起用すればいいだろう…と思う人もいるだろう。それは確かに正解でもあり、シーズン当初は彼と山田のコンビでボランチを組む機会が多く、攻撃面ではかなり機能していたのだが、その反面、守備に関しては常に不安定な状態が続いていた。そしてFC KOREA戦で4失点を喫して惨敗したことにより、チームは氏家の統率力に期待して最終ラインに入れたのであった。そしてその起用策はそれなりの効果を見せ、守備は安定したものの、その反面で攻撃の組み立ては空回りする場面が数多く見られるようになってしまったのである。

開始早々にチャンスを掴んで以来、完全に自陣に押し込まれたまま手も足も出せない時間が続いたtonanだが、やはり氏家からいいボールが入るとチャンスが広がっていく。29分には左サイドに長いボールが入り、東田がクロスを上げるとフリーで待っていた山田がキレイに合わせてシュート。決定的場面を迎えたのだが、U-23GKの後藤がしっかり読み切ってファインセーブで対応。

ヒヤっとする場面を迎えたU-23だが、すぐに反撃に転じて相手ゴールに攻め込むと、32分に森川が放ったシュートのこぼれ球を宮下が押し込んでU-23が先制か? と思われたがここはオフサイド。ピンチはあったものの、すぐに切り替えて再び流れを取り戻して「行けるぞ」と思った矢先に思わぬアクシデントがU-23を襲う。

36分、ロングボールの競り合いの中で相手を倒してしまった安田がイエローを受けるのだが、実はその前の段階から熱中症気味の状態でプレーしており、さらにはその競り合いの中で相手の肘も後頭部に入ったことにより完全にダウン。

しばらくは安田の回復を待ったのだが、数的不利の状況の中で38分、カウンターからピンチを迎えてしまい丸山にシュートを浴びてしまうが、ここも後藤の好セーブがチームを救う。そして40分、安田を諦めてここで成田投入。ここ最近、スタメンを外れていたナリだが、大一番で回ってきた出番と言うこと気合いも十分でピッチに入ると、必死に体を投げ出して守備に奮闘。

結局、前半で得点を奪うことは出来なかったが、守備面ではしっかり守りきり、まずは上出来のスコアレスで後半戦に繋げる。

そしてハーフタイム、木村コーチは選手に向かって「オマエたち、1対1では全然負けてない。どんどん仕掛けていけ」と檄を飛ばすと、その言葉に呼応するかのように47分に森川が積極的に仕掛けてシュートを狙うと、50分には右サイドを攻め上がった西野が相手GKとDFのギャップを狙う速いクロスを蹴り込む。すると、ここで対応に焦った大河原が無理な体勢から足を出してしまい、なんとオウンゴールを誘発。

予想もしなかった形でU-23がついに先制。

その後、横山に代わってフッキを投入し、FWに入っていた宮下を右MFにスライド。森川ー吹田の2トップに代わったU-23がさらに攻勢に出るのだが、そんな時こそ氏家からの展開と、ミドルレンジからのシュートに気をつけて欲しいのだが…と思っていた矢先に、60分、山田智也にズドン!と決められて同点。

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ここで少し消極的になったのか、ややtonanの攻撃を浴びるようになってしまったU-23。さらに続く64分には東田がフリーでゴール前に入ってきてシュート! かなり決定的な形であり、これは逆転か? と思われたのだが、またも後藤のファインセーブが飛び出して得点を許さない。

決して上背は高くはなく、GKとして恵まれた体型ではない後藤。2年目の今年、GKはVファーレン長崎からやってきた島並も加入し、笠原と合わせて1つのポジションを3人で争う厳しい状況となったが、そんな中で成長した姿を見せている後藤は木村コーチからの信頼もガッチリ獲得したのである。

さて試合に戻るが、後藤のファインセーブがこの場面はチームを救ったのだが、シュートを打たれる前のシーンで体を擲った西野が足をつってしまい、ここで無念の交代。前半のうちにナリが入り、53分にフッキが入っているため、残りのフィールドプレーヤーはマイケルしかいない… そして68分、ついにマイケルが投入されると、宮下が今度は右サイドバックにポジションを代え、フッキが右MFへ。そして投入されたマイケルがFWに入った。

正直、今日の試合の相手はこれまでの相手とは違うため、よほどのことがない限り、マイケルの登場はないだろうと思われた。また、試合直前に行われたU-18との試合でも相変わらずの動きを見せており、木村コーチだけではなく、仲間からも「動けよ!」と厳しい声を掛けられていた。事実、2月に彼を初めてみた時は悪い意味で「衝撃(笑劇)」でもあった。だが、今は半年前に比べれば、格段に良くなかったマイケル。しかしだ、たぶん一戦一戦が勝負の地域カテゴリーのチームであれば、まだ使ってもらえるレベルには到達してはいない。

木村コーチも「練習では本当にダメなのに、なぜか試合では決めちゃうんですよね。まあ、秘めたるものは持っていると思うのですが、まだ子供なのでサッカーっていうものをしっかり理解するところからですね」と評しているのだが、そのマイケルがまたも不思議な力を発揮することに…

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マイケルのことはさておき、73分、右MFに回ったフッキが素晴らしいドリブル突破を見せ1人、2人とDFをかわしていく。中ではフリーで待っていた森川がパスを要求したが、フッキは強引な突破を試み、ついには氏家まで抜いてシュート! ここはブロックされたが、こぼれ球を拾った清水が難しい体勢ながらも押し込んでついに勝ち越し!

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さらに畳み掛けるU-23は、75分には森川が抜け出してGKと1対1となり、76分には再びフッキがシュート。79分にはまたもフッキが上手く持ち込んで、前を走るマイケルに絶妙のスルーパス。あとは流し込むだけ… というところで外してしまうのが、なんともマイケルらしい(笑)

しかし、決められる場面、とどめを刺せる場面で点を決めないとピンチを迎えてしまうもので、83分、カウンターから小川がミドルを放つと、これはポスト直撃。またもヒヤっとした場面でもあったが、運にも助けられたU-23。そしてラストは清水からのパスを受けたマイケルが、なんと氏家との競り合いに勝って、見事に3点目を叩き出して勝負あり。

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なんで79分のドフリーが決まらなくて、ラストの氏家との競り合いの場面で決めるんだ…(笑) まあ、簡単なものをいとも簡単に外し、周囲を落胆させながらも、難しい場面ではあっさり決めるのがマイケル。また、この日は得点だけではなく、普段は非常に微妙な「前線からの守備」をしっかり対応して勝利に貢献。やれば出来る子じゃないか、マイケル!!

※歌丸くんが「マイケル」と、なぜ呼ばれているのか知らない方もいるようですので簡単に説明しますと、彼のロシア名の「名前部分」がマイケルだからそう呼ばれています

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ということで、終わってみれば3-1でザスパ草津U-23の完勝で終わったこの試合だが、もう一度内容を振り返ってみると、結果的にtonanは関東リーグでの不調を修正できないままこの試合に挑んでしまったことが浮き彫りとなる結果であった。

また、試合中での氏家や山田のコーチングからして、自分たちで主導権を握ってゲームを進めようというのではなく、まずはしっかりとした守備を徹底しようというところに主点を置いていたのだが、果たしてそれで勝てると思ったのだろうか?

また、全体の動きやシステムに関して、短期間での修正は難しいかも知れないが、運動量を増やそう、相手に負けないように走ろうという事に関しては、どんな選手でも気持ちややる気でカバー出来るはず。しかし、その部分でもU-23に負けていれば勝つ見込みは限りなく少なくなってしまう。序盤から工夫、そして気持ちで負けていたtonanにとって、厳しい言い方となってしまうが、勝負は最初から決まっていたのかも知れない…

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さて、これで決勝戦はアルテ高崎 vs ザスパ草津U-23となったのですが、公式戦での対戦は当然ながら初対決。しかし、練習試合では頻繁に対戦している両者であり、今季はすでに3度対戦しており、成績はU-23の2勝1分で負けナシなのである。ただし、あくまでもこれらの試合は前後半で相手はメンバーを総入れ替えをしていることを付け加えておこう。ただ、ベストメンバーのときはどうなのか?を考えると、それでも1勝2分(これはあくまでも45分間のもの)。こっちでも勝っているじゃないか…と思われるでしょうが、内容はさすがに押されっぱなしで、必死で守ってカウンターから得点、というパターンのみ。

さらには、相手はあくまでも「調整」という意識のため、対戦成績が悪いから苦手意識があるという訳でもない。

この日のtonanは縦に長いボールを蹴ってくるだけで、守備陣としては特に怖さもなく、氏家の正確なボールとカウンターだけケアすれば問題なかったが、アルテはJFLでは結果こそ出てはいないものの、繋いでサイドに展開してゲームをしっかり組み立ててくる。さらには、高さの土井とエースに成長した松尾という攻撃の核が存在する。この2人のスキルは、県リーグや地域レベルとは大きく違うし、集中して組織で守らなければ簡単にやられてしまうだろう。

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そして少し昔のことを思い出して欲しい。
まだザスパ草津が県1部、関東2部、JFLだったときに、その前に立ちはだかった赤いチームことである。

当時はまだFCホリコシと名乗っていたが、2002年の県協会杯決勝で対戦して以来、両者の対戦成績は2勝1分2敗の五分(まあ、1勝のうち、地域決勝の勝利はPK勝ちですが…)の成績が残されている。そしてザスパは2005年から戦いの場をJ2リーグに移したことで、公式戦で対戦することは事実上なくなってしまった。

あれから7年が過ぎ、FCホリコシは名前をアルテ高崎と変え、現在もJFLで戦っているのだが、今度はそのライバルに対して「弟分」であるザスパ草津U-23が挑戦する。

2011年8月28日 敷島サッカーラグビー場にて行われる天皇杯予選(県協会長杯)決勝は歴史的にもみても、今のそれぞれのチームが持つ実力、そしてチームが目指すスタイルを考えても、非常におもしろい試合となることは間違いない。準決勝で森川が累積2枚目のイエローを貰ってしまったが、カードに関してはすべて準決勝が終わった時点ですべてリセットされ、さらにはインターバルも2週間となる。

累積での出場停止もなく、メンバー的にもベストの構成で挑めそうなこの試合は、「これぞ群馬ダービー」と呼べるような、緊張感のある好ゲームを期待したいところである。

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第16回群馬県サッカー協会長杯
準決勝 @前橋育英高校グラウンド
ザスパ草津U-23 3-1 tonan前橋
[得点者]
51分オウンゴール、73分清水、87分歌丸(草津)
60分山田(tonan)
[警告]
36分安田、82分森川、88分歌丸、90分川瀬(草津)

[ゲームスタッツ]
シュート数:草津20、tonan12
ゴールキック:草津6、tonan10
コーナーキック:草津6、tonan2
直接FK:草津9、tonan23
オフサイド:草津0、tonan4
PK:草津0、tonan0

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