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2011年7月10日 - 2011年7月16日

2011年7月16日 (土)

JFL後期第3節 町田 vs 金沢

取り急ぎ、本日16時から野津田で行われたJFL後期第3節、町田ゼルビアvsツエーゲン金沢の内容を簡単に振り返ります。なお、詳細版につきましては、明日以降ぐらいにはまとめたいと思っております。

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試合ですが、ディミッチ、小川、星の3人を出場停止で欠く町田は、ユン、大前、酒井を先発に起用。しかし、立ち上がりは固さも見られ、普段のような速いパス回しからの展開があまり生まれてこない。

しかし、15分を迎える辺りからパスが回り始めた町田がペースを握り始め、17、18、20分と立て続けにチャンスを作り、22分には左サイドの藤田から見事なサイドチェンジで右に展開。金沢ディフェンスはタッチに逃げるが、ここでスローインに逃げた事で守備陣に隙が生まれるのだった。

その隙を大前は逃さず、ユンから受けたボールを迷わず降り抜き、見事なミドルを金沢ゴールに叩き込み町田が先制。さらに攻勢を強める町田に対し、なかなか金沢守備陣が相手を捉えられず、29分にはマイケル・ジェームズがPAすぐそばでファールを犯してしまい、危険な位置でFKを与えてしまう。この場面、キッカーの鈴木は十分間合いを取ってから左足一閃。素晴らしい放物線を描いたFKはそのままゴールに吸い込まれて行き、あっさり町田は点差を広げることに成功。

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この後も、町田の高い位置からのプレスに金沢は全く前にボールを運べず、後半途中から町田の運動量が下がり出すと、今度はやや引き気味になり、金沢の攻撃にしっかり対応。

試合後の金沢・上野監督が会見で「いいサッカーをした相手におめでとうと言いたい」と語ったとおりの完敗となってしまったこの試合。しかし、町田・ポポヴィッチ監督は100%満足出来る試合後ではなかったと、完勝の中でも、まだまだ満足していない心情を明かした。

ポポヴィッチ監督としては、終盤に「受け身」になってしまったことが不満の要因であったが、それが出来ていれば、J2でも十分やれるレベルと言えよう。

しかし、そこまで高い位置(理想)を目指そうとする町田の姿勢は、本当に素晴らしいと言えるはず。そんな、理想を追いつつも、勝ちにもこだわる町田のサッカーは、JFLというリーグに新しい風を間違いなく吹き込んでくれるはずだ。

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2011JFL後期第3節 @町田
町田ゼルビア 2-0 ツエーゲン金沢
[得点者]
24分大前、31分鈴木(町田)
[警告]
34分大前、45+3分酒井(町田)
30分マイケル・ジェームズ(金沢)

[ゲームスタッツ]
シュート数:町田8、金沢8
ゴールキック:町田10、金沢8
コーナーキック:町田3、金沢7
直接FK:町田9、金沢8
オフサイド:町田1、金沢5
PK:町田0、金沢0

全国社会人大会・関東予選

1週間前の話になってしまいますが、流経大フットボールフィールドで行われた、全国社会人大会・関東予選の2試合を今更ながら振り返りたいと思います。

さて、この2試合だが、クラブドラゴンズ、流経大FCと、流経大の3軍、2軍が揃って全国切符に王手を賭けていたのだが、ドラゴンズはJリーグ入りを目指すSC相模原が相手であり、流経大FCは、かつてJFL昇格を争った相手であるルミノッソ狭山が相手と、興味深い2カードが並んだ。

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トップチーム、RKUFCの選手に「フットボールフィールド(ホーム)で絶対に負けんなよ!」という檄を受けてピッチに出たクラブドラゴンズ。6月19日に行われた関東リーグ(2部)公式戦では0-2と敗れていたこともあり、この試合でリベンジを果たしたかったドラゴンズは序盤からハイペースでとばし、相模原を自陣に釘付けにしていく。

[クラドラスタメン]
ーーー新木ーー小山ーーー
ー島村ーーーーーー吉村ー
ーーー筒井ーー櫻井ーーー
河田ー大塚ーー小池ー馬場
ーーーーー鈴木ーーーーー

[SCSスタメン]
ーーー斎藤ーー森谷ーーー
ー古賀ーーーーーー富井ー
ーーー鈴木ーー坂井ーーー
中川ー八田ーー工藤ー金澤
ーーーーー佐藤ーーーーー

開始早々、吉村の縦パスが前線の小山に入り、いきなりチャンスを掴み、5分、7分といい形でシュートを放っていく。そして9分にも小池からのビルドアップがそのまま前に入りCKのチャンスまで持ち込む。前線からの速いプレスと、裏を狙う動きでチャンスを次々と作っていく。それに対して相模原は35度近い気温を考慮して、無理に仕掛けるのではなく序盤は裏だけを狙う「省エネサッカー」で対抗。しかし、ラインを高く設定するドラゴンズ最終ラインの前に、斎藤が何度もオフサイドの網にかかり、まったくゴール前に進入する機会を作れない。

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だが、序盤は体力を失わないというのがゲームプランだった相模原は、のらりくらりとドラゴンズの攻撃を受けきると、25分を過ぎた辺りから少しずつペースを奪い返していく。いや、奪い返していくというか、さすがに経験のある選手をそろえる相模原ディフェンスの前に、ドラゴンズは攻め手を無くしてしまったのだ。

ただ、相模原の攻撃もお世辞でもいいとは言えない。序盤、飛ばしすぎたドラゴンズのペースを落ち始めてきたのだが、そこを詰め行こうとする運動量が相模原からはほとんど見えてこない。鷲田コーチ(望月代表がライセンス講習会のため、この日は監督を代行)は「相手のペースを見て戦おう。そして体力のペース配分はしっかり考えよう」と言って選手を送り出したが、攻撃面に関しては体力を温存したというよりも、「動けなかった」と評する方が正しいと感じる前半戦でもあった。

さて後半戦だが、序盤のような攻勢に出れないドラゴンズを相手に、相模原は終始落ち着いた試合運びを見せていく。前半は裏を狙うだけという展開だったが、後半に入ると古賀、富井、坂井、鈴木が攻撃に絡み出し、単発だった攻撃が繋がりのある攻撃に変わっていく。そして61分、左サイドを斎藤が抜け出し中へクロス。ゴール前の混戦の中で古賀が蹴りこんで相模原がついに先制。

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リードされたドラゴンズは柳を投入し、筒井亮を投入してなんとか得点を狙いに行くが、相模原ディフェンスは最後まで慌てることなく対応。結果的に61分のゴールを守りきり、相模原が全国社会人大会の出場権を獲得。しかし、勝ったとは言え、暑すぎるコンディションの中での試合は、相手と戦うよりも、自分たちのコンディションをどう維持して戦うか? ということに苦しんでしまったと言えよう。

今年は関東2部リーグで戦っているため、悲願のJFL昇格を狙うには、今年で「最後」となってしまう「飛び級制度」を再び受けるか、全社枠を獲得するかのどちらかしかない相模原。ただ、現時点で関東リーグでは2位(勝ち点16)という状況であり、さらには首位のエリース東京が無敗で首位(勝ち点22)を走っている状況で「飛び級」を申請する、そして認めるというのはいかがなものか…という疑問が残るのもまた事実。だからこそ、昨年同様に全社で結果を出さなければいけない相模原。

全社出場権を獲得し、まずは一安心となった相模原だが、厳しい天候条件のもとでの試合では「強さ」という部分を見せつけるまでは至らなかった。しかし、彼らにとっては全社であり、地域決勝が本当の「勝負の場」であることは間違いなく、今はそこに向けて今は力を蓄えている段階でもあるのだが、昨年のような「足踏み」とならなければいいのだが、果たして今年はどうなっていくだろうか?

全国社会人大会関東予選
7月10日 @流経大フットボールフィールド
クラブドラゴンズ 0-1 SC相模原
[得点者]
61分古賀(相模原)

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さて、もう一つの全社関東代表決定戦は流経大の二軍であり、関東リーグ1部で戦っている流通経済大学FCと、かつてはJFLにもっとも近いチームとも言われたホンダ・ルミノッソ狭山との一戦。

さてルミノッソ狭山だが、ここ数年は一気にチーム力が低下してしまい、かつては関東リーグの雄とまで言われたチームの姿は完全に失い、現在は埼玉県リーグ1部で戦っている。そしてこの両者なのだが、2004年に行われた第28回地域リーグ決勝大会・決勝リーグで戦った間柄でもあるのだ。

その時の対戦は2004年12月5日の決勝リーグ最終日に行われていた…

2試合を終わって流経大が1PK勝1敗で勝ち点2、ルミノッソは2PK負けで勝ち点2であり、この3試合目に勝った方がJFL昇格を決める大事な試合となったが、この試合では3-1と流経大が快勝してJFL参入決定を決めた。その後、流経大の3軍であるクラブドラゴンズが関東1部に昇格し、ルミノッソと対戦することはあったが、JFLチームの流れを組む流経大FCとは初対戦となったこの試合は、両者の「差」が痛いほど現れる試合となってしまう。

[流経大FCスタメン]
ーー早稲田ーー久保ーーー
ー福井ーーーーー鈴木玲ー
ーーー仲座ーー黒田ーーー
鈴木ー木下ーー高塚ー吉田
ーーーーー原田ーーーーー

[ルミノッソスタメン]
ーーー関根ーー黒須ーーー
ー斎藤ーーーーーー千葉ー
ーーー佐野ーー箕輪ーーー
池田ー福島ーー此本ー小林
ーーーーー菊池ーーーーー

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試合に関してだが、開始早々にルミノッソのCB福島が負傷してしまい、いきなり山内を投入する事態となってしまう。そんな相手に対し、流経大FCは早稲田、久保の2トップがやりたい放題に動き回り、相手を圧倒。しかし、序盤はなかなか相手DF陣の守備の前に、チャンスは作れどシュートまで持ち込めなかったが12分に鈴木玲央がファーストシュートを放つと、その後は流経大の一方的なペースとなってしまう。

そして15分、右サイドを駆け上がった久保から速いクロスが入ると、中で早稲田が見事に合わせて流経大FCが先制。さらに直後の18分にも黒田の縦パスから早稲田が繋ぎ、最後は久保が決めあっさり2-0とする。その後も一方的な試合は続き、38分にも早稲田が追加点を決め、前半は3-0で折り返す。

それにしても、よく前半は3点で済んだなあ…と思うぐらい一方的な展開が続いたのだが、ルミノッソもゲームを諦めず、後半開始早々からシステムを3-5-2に変更して一発逆転を狙っていく。そしてルミノッソはシステム変更が狙い通りに機能し、55分にはカウンターからチャンスを掴み、黒須がシュート! この試合、ルミノッソにとっての唯一の決定機であったが、ここはバーに嫌われ得点を奪えない。

すると、落ち着きを取り戻した流経大がおもしろいように裏のスペースを突きまくり、60分に途中交代で入った丸本の4点目を皮切りに、その後は圧巻のゴールラッシュで終わってみれば9-0の大勝で全国大会行きの切符を獲得。

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それにしても、あの地域決勝の対戦から6年半以上の時が流れたが、両者の間には残酷すぎる「力の差」が存在していた…

かつて、全国社会人大会にて2002から2004まで3連覇を果たし、地域リーグ決勝大会でJFL昇格まであと一歩というところまで行った4部リーグ界の強豪でもあったルミノッソ狭山。しかし、あの2004年12月5日を境に、流経大はJFLという成長の場を得たことで全盛期を迎え、敗者は徐々に衰退を迎えることとなってしまった。

当然ながら、2004年に流経大と戦ったときのメンバーは誰一人おらず、この日の相手に対しても、学生ではあるものの、カテゴリーが上の「格上」という意識しか無かったであろう。しかし、当時の試合を見ていた者とすれば、ズタズタにやられていく姿に、やはり時代の流れというか、悲しさ、無情さをどうしても感じてしまった…

かつては、応援するサポーターもいた狭山だが、この日は交通の便が良くないRKUフットボールフィールドということもあってか、応援する人の姿は誰もなく、その光景にも寂しさを感じてしまった…

現在は埼玉県リーグで戦うルミノッソ。しかし、ここでも将来的なJリーグ入りや、JFLで戦うことを目指したチームも存在しており、厳しい戦いが続いているのだが、なんとかこの苦しい時を乗り越えてもらいたいと願うばかりである。やはり、埼玉の社会人サッカーといえば、青のさいたまSC、そして赤の「ルミノッソ」なのだから…

全国社会人大会関東予選
7月10日 @流経大フットボールフィールド
流通経済大学FC 9-0 ホンダ・ルミノッソ狭山
[得点者]
15・38分早稲田、18分久保、60分丸本、66分鈴木玲、69分藤崎、77・80+1分長島、80+2分仲座(流経大)

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最後に、その他に行われた関東地区予選の結果を追記しておきます。

流通経済大学FC(KSL) 9−0 ホンダルミノッソ狭山(埼玉)
Y.S.C.C.(KSL) 2−1 坂戸シティ(埼玉)
SC相模原(KSL) 1−0 クラブ・ドラゴンズ(KSL)
FC KOREA(KSL) 1−2 東京23FC(東京)
パイオニア川越(埼玉) 2−0 日立ビルシステム(KSL)
さがみ大沢FC(神奈川) 0−3 エリースFC東京(KSL)

以上の結果により関東地区からは、流経大FC、YSCC、SC相模原、東京23FC、パイオニア川越、エリース東京の6チームが岐阜で行われる第47回全国社会人サッカー大会への出場権を獲得。

2011年7月13日 (水)

カマタマーレ、しぶとく勝ち抜く

昨年は全社、地域決勝で数試合見る機会のあったカマタマーレ讃岐。わずか数試合(というか6試合)しか見ることは出来なかったが、それらの試合で強く感じたことと言えば、とにかく「勝負強かった」ということ。全社で優勝したあとに「羽中田前監督時代とはかなり変わった印象を受けますが?」という質問をぶつけたが、それに対して「そういう(ポゼッション)サッカーも当然やれるけど、今(この大会で)やる必要はないと思ったし、大きな大会で違うやり方がどこまで通用するか試したかった」という、キッパリとした答えが返ってきた。

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チームを強くする方法論はいろいろあるだろうが、北野監督が力を入れたことはチーム全体の意識改革であり、「目の前の試合に勝たなければ自信なんて生まれない」ということを徹底的に叩き込んだのである。その結果として、2010年度の地域カテゴリーチャンピオンとなり、JFL昇格を決めたのだが、今年になってもその勢いは全く衰えてはいない。そして11試合を消化した時点で、6勝2分3敗(20pt、+3)の成績で5位という順位に着けているカマタマーレ讃岐。

なぜここまで勝っているのか? なぜカテゴリーが上がっても勝負強いのか? そしてまだ見ていない3-3-3-1システムとはどんな感じなのか? を見たくて武蔵野に足を運んだ。

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[武蔵野スタメン]
ーーー小林ーー関野ーーー
ー林ーーーーーーー都丸ー
ーーー岩田ーー平岩ーーー
勝野ー金守ーー瀬田ー鹿野
ーーーーー飯塚ーーーーー

[讃岐スタメン]
ーーー西野ーー岡本ーーー
ー石田ーーーーーー飯塚ー
ーーー網田ーー中島ーーー
天羽ー神崎ーー鈴木ー吉澤
ーーーーー瀬口ーーーーー

ここ最近、シーズン当初の3バックだけではなく、4バックシステムも併用している讃岐は、後者のシステムを選択して試合に挑んできた。

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さて試合だが、序盤の2分に讃岐がCKを獲得し、6分にはFKとじわりじわりと武蔵野ゴールに近づいて行くが、武蔵野もしっかり守備陣が対応して決定機を作り出すまでには至らない。武蔵野も12分にFKのチャンスを掴むと、続く14分には鹿野のサイドチェンジから相手陣内奥深くまで進入し、16分には勝野がいい突破を見せ、17分には小林がシュート。だが、こちらもおいての守備を完全に崩すまでに行かず、試合は一進一退の攻防へ。それにしてもこの日の気温は非常に高く、公式記録では33.6度となっているが、日の照り返しの厳しいピッチ場は気温以上の暑さを感じる厳しい状況であり、猛暑の中での「消耗戦」にどう打ち勝つか? ということもポイントとなっていく。

なかなかチャンスらしいチャンスを作りきれない両者。しかし30分以降は徐々に讃岐が押し始め、31分にオフサイドとなったが飯塚(亮)が裏を狙い、34分には綱田が縦に楔のパスを出すと、前線の石田をしっかりキープ。ここで武蔵野DFが倒してしまいFKを獲得。さらに35分には西野がシュートを狙い、38分には飯塚の速い崩しから中へのクロスでチャンスを広げ、41分にGK瀬口のゴールキックからチャンスが生まれ、最後は石田がシュート。

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度重なるチャンスを作った讃岐だが、集中した守備を見せる武蔵野守備陣の前に、いい形でシュートを打たせてもらえない。それに対して武蔵野も粘り強く戦う中で43分にビッグチャンスを迎える。関野がハーフライン上でボールを受けるとそのままドリブルで突進。関野が上がると同時に、後ろからいい金守もいいタイミングでゴール前に入っていき、パスを受けた金守がシュート! ここはGK瀬口のセーブでなんとか防いだが、こぼれ球に小林が反応。武蔵野としては最大の決定機であったが、DFのカバーもあり決定機を活かすことが出来ない。

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後半に入ると「受け身になってはいけない。コンディション的に厳しいだろうが、自分たちで動いて積極的に仕掛けよう」と、武蔵野・依田監督は選手に檄を飛ばしてピッチに送り出す。それに対して讃岐は、岡本、石田、飯塚のポジションを入れ替え、西野ー石田の2トップに飯塚を左MF、岡本を右MFに配置転換して後半戦に挑んでいく。

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そして讃岐のキックオフで始まった後半は、いきなり飯塚が持ち込んで決定機を作り出すがシュートは枠の外で決めきれない。続く2分にも飯塚→天羽と渡り、中へのクロスに石田が合わせていくのだが、後半の讃岐は飯塚が左サイドに回ったことにより、左SB天羽の動きも良くなり相手陣内の深い位置までえぐる場面が増えだしていく。しかしその反面で、ボランチを含めた武蔵野の守備が積極性を増したことで、中でのチャンス(スペース)が少なくなり、その結果としてチャンスは数多く作るのだがシュートが打てない時間帯が続いていくことに。

武蔵野も上記にあるとおり「積極的に行こう」という指示のもと、後半は武蔵野らしいワイドに展開するサッカーでチャンスシーンを増やしていくのだが、讃岐以上に深刻な決定力不足をここでも露呈してしまう。依田監督は試合終盤に永露、山下、加藤という攻撃の選手を投入して勝負に出るのだが、どうしても得点を奪うことは出来ない。後半のシュート数は相手を5本上回る8本を放ったものの、すべて空砲となりチャンスを最後まで活かしきれなかった。

そんな相手に対して讃岐は、ポゼッション率でこそ6:4ぐらいで上回ったものの、体を張った守備に手を焼き、後半開始早々の飯塚、68分の西野ヘッド(バーに阻まれた決定的場面)以外、シュートを打つ場面が生まれない。北野監督は堅い守備を見せる相手に対し、終盤に入って高さのあるFW新保を投入し打開を図る。監督のプランとしては、西野、新保という2つの「高さ」から勝ち点3を狙いに行ったのだが、勝負は監督が予想した形とは違う「頭」が決めることとなる。

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武蔵野は残り10分を切ったところで一気に3人を投入し、勝負に出た結果として85分、89分に立て続けにビッグチャンスを迎えるのだがフィニッシュの正確性に欠き、スコアレスのままついに90分を迎えてしまう。あとはロスタイムの3分間に勝負はゆだねられたのだが、タイムアップ直前という時間に、ヒョンジンからのパスを受けた西野が攻め込むが、武蔵野GK飯塚が前に出てクリア。しかし、クリアボールが左に流れてしまい、天羽が拾うとまたも絶妙のクロスボールを中へ放り込む。そしてこのボールに飛び込んだのが、高さではなく「速さ」を期待されて投入されたヒョンジンであった…

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結果的には劇的な幕切れで終わったゲームだが、猛暑の中での「消耗戦」という表現がピッタリと合うようなコンディションでは、さすがに両監督が思い描くような試合は出来るはずものなく、勝った北野監督も「今日は結果的に体力勝負となったね」とコメントしてくれたことが「すべて」だったようなこの試合。しかし、そうは言ってもこの試合でも北野監督の采配がズバリ的中し、2つの交代がしっかり勝利に繋がっていたことを見逃してはならないだろう。

ということで、試合後の北野監督のコメントをどうぞ…

「今日の試合を振り返ればね、とにかく暑い試合で最後は体力勝負になっちゃったね。まあ、最後はしっかり走り勝ったから良かった。ここ2試合で勝ちが無く、リーグをさらに混戦にしてしまったこともあり、今日の試合は「我慢のしどころ」と選手に伝えて挑みましたが、どういう形でも『3』が取れて良かった。ただ、もうしばらくは真夏の一番暑い時期を戦わなければいけないので、なんとか耐えながらやっていきたい。

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これまで、ずっーと使い続けてきた中島、綱田という選手の動きが今日は決して良くなかったよね? 暑さもあるだろうけど、やっぱりね、彼らが普段の50%ぐらいしか力を発揮できないとゲームが難しいものになってしまう。そんな中でも、ゼロ(無失点)に押さえられたことは評価してあげたいし、選手たちから『負けたくない』という意識がよく見えた試合でもあった。最後の場面では、チームとして取り組んできた『バランス』を崩してでも点を取りに行った。もう、0で終わるか3を勝ち取れるか?という感じでしたが、最後に決めてくれて本当に良かった。

飯塚の起用に関しては、まあ、なんとなく今日は福島ではなく、飯塚だったんだよね(笑) 相手がワイドに展開してくるチームということもあり、飯塚を使うことでこっちもサイドを有効に使いたかった。

交代に関してはね、岡本のスピードが落ちてきていたことと、早くヒョンジンを使ってみたかったこともあるんですよ。ドリブルとかが独特のステップだし、間合いの取り方もいい。それにね、右にヒョンジンを配置すれば、彼の動きにより、相手DFは必ず釣られるだろうから、そうすれば左の天羽も必ず活きてくると思った。また新保の投入に関しては、やはり前で高さを活かして欲しかったこともある。2枚高いのを置くことで、相手DFをなんとか引きつけたかった。でもね、最後に高さで全く期待していなかったヒョンジンが頭で決めたのにはビックリだったけどね(笑)

あと、3バックと4バックについてなんだけど、今日の試合を見る限りでは選手は4枚の方が守りやすいのかな? という感じもしたんだけど、僕としてはね、4枚でも3枚でもあまり変わりはないと思っている。今日の試合でも、サイドバックのどちらかが必ず高い位置を取っていたので、後ろは結果的に3枚になっている時間帯も多かったしね。システムに関してはね、みなさんが言うほど、僕たちはそれほど気にしていませんよ。

それにしても、吉澤は本当にいろんなポジションが出来る選手だよね。本当は一列前で使うことを前提で考えていたんだけれども、怪我で選手がいなくなってしまい、結果的に吉澤をあのポジションにはめてみたんだけれども、使ってみたら良かった。あそこ(サイドバック)でポイントになれるところもいいしね。

まあ、本当に「ケガの功名」だと思っていますが、今年は本当にツイているっていう感じです。誰かがケガで離脱すれば、また違う誰かが伸びてくる。代役が伸びてくるうちに、本来はレギュラーで考えていた選手も帰ってくるので、さらにチーム力が高まっていく。あともう少しで下松も野口も帰ってくるので、これから先のチームには非常に楽しみです。まあ、このツキが12月まで続けばいいと思っています。

今の順位というか、成績に関してはある意味で「想定内」だと思っていたし、それぐらいはやれると思っていた。ただね、上位が混戦となっているので、今の順位にいることは少し驚きであるが、まあ、他が負けているからこの順位にいるだけだとも思っている。あとね、ウチのチームが『JFL1年目』というけれど、選手それぞれはみんな十分な経験を持っているんだよね。正直、経験がないのはクラブだけ(笑)

そうは言っても他の大型補強をしているチームに比べたら、まだまだ選手層が厚いとは思っていないので、夏の移籍シーズンには補強も考えています。ただ、そこで求める選手には『感動を共有できる選手で、チームのために献身的な動きができるプレーヤー』が欲しいです。

まあ、今日はそれほどいい試合を見せられませんでしたが、次のホームで必ず勝利するためにいい準備をしたいので、まずは疲れを取り、コンディションを高めたい。そしていい試合をして、(ホームに)5000人を超える観衆が集まるような試合をしたい。そのためにも、準備の中で暑さを意識した戦い方も考えなければいけないな…とも思っています」

試合内容的には、上記にあるとおりコンディションの問題もあり、決してベストとは言えなかった讃岐。しかし、そんな中でもやはり「しぶとく」勝ち抜いていくところはさすがであり、悪くても耐えられるところは昨年から植え付けてきた意識改革がもたらした結果である。また、今の成績についても「想定内」と言い切るところも北野監督らしいところ。

正直、他のチームが名のある選手を獲得していく中で、讃岐の補強はお世辞でも「大型」とは呼べず、誰もが知るようなビッグネームの補強はなく、J準会員でありながらも序盤戦は苦しむのでは? と予想したのだが、あれよあれよと勝ち星を重ね、4位以内が十分に可能な順位につけている。

この日は評価の高い「チーム力」のすべてをみることは出来なかったが、これから先の「秋以降」に照準を合わせ、北野監督はさらにチーム力を高めていくことは間違いないだろう。だからこそ、次に見るときにはもっと完成されたカマタマーレの姿を見せてもらいたいし、今度こそ3-3-3-1で戦うところを見てみたいもの。ビッグネームに名のある選手に頼らなくても、監督のしっかりとした指導と確固たる方向性があればいいチームができることを示したカマタマーレの快進撃はまだまだ続きそうだ。

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さて、最後の最後で敗れてしまった武蔵野だが、「どう戦うのか?」という方向性が定まらなかったシーズン当初に比べ、かなり一体感が出てきたし、粘りも出てくるようになった。しかしそれでも、クラブを取り巻く環境は古矢武士GMがいた時代から比べ、大きく後退してしまっているのもまた事実。練習場の件にしても、今年は節電対策の一環として夜間の練習が出来ない状況が続いており、チームとしての練習は朝の短い時間だけとなってしまっており、そのことが今の低迷した順位に直結してしまっている。

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それでも「なんとかしよう」とチームは努力を続け、社業がありながらも限られた時間でチーム強化をどうするか模索し続ける依田監督。厳しい条件が重なっている中でこのように語ってくれた。

「今日はできれば0-0で終わって欲しかった試合ですね…

前半はあまりうまくチームが回っていませんでしたが、後半はボールを奪う姿勢や、暑い中でもしっかりボールを追い続けてくれた。受け身となってしまうようなサッカーではなく、自分たちで動いて積極的に仕掛けるサッカーを練習してきたんだから、それをチャレンジしていこうとハーフタイムで指示しましたが、最後にやられてしまいましたね… ただ、勝てませんでしたが、自分たちのカラーは出せたと思います。夏だから、暑いからと言って、違うやり方を選ぶのは良くないと考えましたし。まあ、選手は大変だろうと思いますが、このサッカーを続けていき、なんとかチームを上向きにしていきたいですね。

それにしても、今日は最後に痛い仕打ちを受けてしまいましたね。まだまだってことですよ…」

2009年にリーグ2位と大躍進を果たした後は、年を追うごとにトーンダウンしてしまっている武蔵野。上記にも書いたとおり、昨今の経済不況と節電事情が重なり、今年は例年以上に厳しい年となっており、現実的な目標として残留を勝ち取ることが一番の目標となっているのだが、なんとか踏ん張れるのだろうか? まだまだしばらく続く真夏の厳しい戦いだが、そこで少しでも勝ち点を積み重ねられないと秋以降の戦いが厳しくなることは必定。

守備面ではかなり踏ん張りが効くようになってきたのだからこそ、攻撃陣の奮起を期待したい武蔵野にとって、勝負の「夏」が始まる。

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2011JFL 後期第2節 @武蔵野陸上競技場
横河武蔵野FC 0-1 カマタマーレ讃岐
[得点者]
90+3分イ・ヒョンジン(讃岐)
[警告]
34分平岩、47分都丸、54分金守、76分勝野(武蔵野)
86分神崎(讃岐)

[ゲームスタッツ]
シュート数:武蔵野13、讃岐8
ゴールキック:武蔵野9、讃岐10
コーナーキック:武蔵野4、讃岐6
直接FK:武蔵野13、讃岐9
オフサイド:武蔵野2、讃岐1
PK:武蔵野0、讃岐0

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