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2011年7月3日 - 2011年7月9日

2011年7月 9日 (土)

総理大臣杯決勝は中大vs大体大

本日14時から大阪・長居のキンチョウスタジアムで「大学界・夏の王者」を決める、第35回総理大臣杯/大学サッカートーナメント決勝戦が行われるが、今回は1回戦から波乱が続き、大会前はきっと誰も予想しなかったであろう「中央大学 vs 大阪体育大学」という決勝戦が実現。

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そんなことで、1回戦から簡単に大会を振り返りたい。

今大会はU22代表の3人をはじめ、豊富なタレントを揃える流経大、昨年からのメンバーも多い東海1位の中京大、関東大学リーグで中盤戦以降に調子を上げてきた明大、関西前期で2位の桃山学院大、四国の雄・高知大、関東前期で首位に立つ早大が優勝候補と目されてきたが、明大以外は1回戦から厳しい戦いとなってしまう。

流経大は比嘉をケガで欠いたものの、山村、中里を今季初めてボランチで併用する形を採用し、ゲーム序盤から支配して25分に関戸が先制点を奪う。しかし後半33分、相手ミドルシュートが人に当たってコースが変わるという不運もあり、同点とされてしまう。同点となったあとは、仙台大の徹底した守備の前に手を焼き続けた流経大は最後まで決定打を打てず、からくもPK戦で2回戦にコマを進めた。

また、1回戦の注目カードであった中京大 vs 桃山学院大の試合は、序盤は一進一退の攻防が続いたが、27分にCKからこぼれ球を道上が押し込み桃山学院大が先制。しかし中京といえば、終盤からの追い上げ! というイメージがあったのだが、今大会ではその粘りが見えず、後半は相手に完全に押し込まれ本領を発揮できないまま1回戦で姿を消してしまった。

昨年度のインカレでベスト4まで進出し、今年も期待されていた高知大は終始相手を圧倒しながらも「1点」が奪えず、最後の最後で再びカウンターから2点目を奪われて痛い敗戦。早大も退場者を出しながらも、2度のリードを追いつく粘りを見せたがPK戦で力尽き、こちらも1回戦で敗退。

そして2回戦(準々決勝)だが、関東大学リーグの筑波大戦で0-5と大敗を喫した中央大は、あの試合以降から、仕掛けていくサッカー一辺倒ではなく「裏を狙われない」守備的戦術を導入し、それが見事にはまって流経大の良さを消し去ることに成功。そして明大は丸山祐市を中心とした粘りのディフェンスで桃山学院大の攻撃をシャットアウトして、1-0で逃げ切り2年連続で準決勝進出。(その他の試合結果は浜松大3-2国士舘、北教大岩見沢0-1大体大)

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さて、準決勝2試合についてだが、第一試合の大体大 vs 明大の試合はそれぞれのカラーがしっかり出た面白いゲームとなっていく。

明大は丸山が累積警告のため試合には出られず、CBには松岡が起用されるかと思われたが松藤を起用。そして関東大学リーグ戦ではサブ起用の多かった岩渕が今大会は大きく躍進し、この試合でもスタメン出場を勝ち取った。それに対して、チームの絶対的支柱である宮阪はコンディション不良のため、ベンチを暖める機会が多く、丸山、宮阪不在がチームにどう影響を及ぼしていくが気になるところでもあった。

大体大は4-4-2、明大は4-2-3-1で始まった試合は、ゲーム序盤から2トップの1角である渡邉目がけてロングボールを蹴り込み、そのこぼれ球にもう一人のFW山本、そして2列目の田上、松澤が絡んでいくという、非常にシンプルな攻めを仕掛ける大体大がペースを握っていく。7分、8分13分と同じような形からチャンスを作り、19分には明大守備陣の判断ミスから松澤が中盤でボールを奪うと、そのままドリブルで突進。

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ここで明大守備陣は完全に棒立ちとなってしまい、誰も松澤にプレスを掛けに行かない。そんなフリーの状況で松澤は躊躇なく右足を振り抜くと、シュートは一直線でゴールマウスに吸い込まれていき大体大が先制。続く20分から22分に掛けても、左サイドを攻略して分厚い攻撃を見せていく。

先制点を奪われ、浮き足立つ明大守備陣。丸山不在、宮阪不在ということもあり、チームを強烈に牽引していく選手がいないため、押し込まれた状況でなかなか大開することが出来ない。また、丸山と並んで明大の守備を統率する「はず」の松岡は、リーグ戦終盤での不用意なプレーからスタメンの座を離れており、ピッチ上で声を出す選手もいない…

そんな状況を見かね、31分についに宮阪を投入。そして相手に狙われ続けた左サイドにはボランチの豊嶋をスライド。すると、すぐさま交代効果が形に現れ始め、あれほど奪えなかったセカンドボールをマイボールにすることが出来はじめ、いいように相手2列目にやられた結果として、下げられ続けてきたラインが徐々に高い位置を取り戻せるようになる。

また、相手の足が止まり始めてきた40分以降は矢田、岩渕、阪野が立て続けにゴールを狙うなど、流れを自分たちに引き寄せることにも成功。結局、前半は1点ビハインドのままであったが、後半戦に期待を抱かせる内容を見せて前半を折り返す。

さて後半だが、やはり明大のペースでゲームが進んで行くが、大体大のディフェンスも集中しておりピンチは招くものの、しっかり体を寄せることで簡単にはシュートを打たせない。

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攻めても攻めても、粘り強く対応する大体大守備陣をどう攻略するか? 神川監督は65分、梅内に替え三橋を投入して、阪野ー三橋ー矢田という3トップ(4-2-1-3)にシステムを変更して勝負に出る。すると1列高い位置に出た矢田、そして今大会成長を見せている岩渕が結果を出すことに…

72分、右サイドで矢田がボールを持つと、縦にドリブルで抜けていく。途中、相手DFが守りにはいるがそれをゴールラインギリギリで交わすと中へクロス。これを走り込んできた岩渕が頭で合わせて明大がついに同点に追いつく。

ここで一気に逆転!を狙いたかった明大だが、不運に見舞われてしまう。75分、足を痛めてしまった松藤に替わって松岡を投入し、最後の交代カードを使い切ってしまう。本来なら、攻撃の選手を出したかったところなのだが、それが出来ず終いで終わってしまったことは神川監督としても非常に痛いところでもあった。

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そしてゲームは互いに3枚の交代を使い切った状況で延長戦に突入。しかし、前後半合計の20分では決着は付かず、決勝進出はPK戦に委ねられることとなるが、ここで大体大GK姫野は1回戦の早大戦に引き続き、スーパーセーブを連発。宮阪、阪野のシュートを見事に読み切ってPKをストップし、3年ぶり5度目の決勝進出を決めた。

準決勝第一試合
明治大学 1-1(PK3-4) 大阪体育大学
[得点者]
19分松澤(大体大)、72分岩渕(明大)

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また、準決勝第二試合の浜松大学 vs 中央大学の試合だが、結果的には中央大学が2-1で逃げ切って30年ぶりに決勝戦にコマを進めたが、非常に後味の悪いゲームであったことは否めない。

で、何が原因で後味が悪くなってしまったかといえば、それは主審のジャッジ以外の何物でもない。そして勝った中央大学の佐藤監督ですら「あれはおかしいよ…」と言うぐらいだったのだから…

さて試合だが、互いに4-4-2の形でスタートするが、互いに手数をあまり掛けない早い展開でチャンスを作り合っていく。そんな中で17分、小さな2トップの連携が中大ディフェンスを打ち破る。村松からのリターンを受けた神谷が抜け出して、浜松大が先制!

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しかし、ここから「岡劇場(主審の岡宏道さん)」が良くも悪くもスタートしていく。

先制点が決まった直後の18分、中大が浜松大ゴール前まで攻め込むが、そこで浜松大DFは誰も手も足も出していないのに、謎のPK判定を下す。試合後PKを決めた林に聞くと「なんだかよくわからないですけど貰っちゃいました」と語ってくれたのだが、中大として「?」なPKであったのだ。

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試合後の浜松大・長澤監督も「タイトルの掛かった大会の準決勝であのジャッジはないだろうよ… 彼らはさあ、プロではなく学生なんだよ。まだ成長段階の選手たちをリラックスさせてゲームをさせるのが主審の役目なのだろうに、逆に怖がらさせて緊張させてどうするんだよ? って感じですよ」と試合後に語ったように、PK判定だけではなく、ファールの判定基準も曖昧で、ゲームが荒れていく基を作り出してしまう。さらには、まったくといっていいほどゲームをコントロール出来ず、逆に不要なイエローを連発させ選手側に緊張感とイライラだけを増やしていくこととに。

そんな中でゲームは進み、27分にもサイドバックと2トップが絡んだ鋭い攻撃を見せた、最後は奥山が叩き込んで中大が2-1とゲームをひっくり返すことに成功。しかし、後半は完全に浜松大にペースを握られたまま時間が進み、全くと言っていいほど良さは出さなかったものの、田仲(68分で負傷交代→細見)、渡部のボランチコンビが奮闘し、最後まで守備のバランスを崩さなかったことで逃げ切りに成功。

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試合後の佐藤監督だが「筑波の赤崎くんにやられてからね(0-5)、これじゃマズイってことで、まずは裏を取られないようにするにはどうするかをみんなで考えた。中盤は引き気味にて、裏を狙われないようにすることをまず徹底させた。あとは前半の動けるうちでなんとか点を取って、後半は今日のよういに粘り強く行ければ… なんですが、流経戦といい、今日の試合といい、結構」目指す形は出来てきたと思います」と語ってくれた。

しかし、この日警告2枚で退場となってしまった林容平が決勝に出られないことは非常に痛い。あとは途中交代で出場した皆川に期待したいところだが、どこまでやれるかにも注目が集まる。

それにしても、両チーム合わせてイエロー10枚、そしてレッド1枚と荒れに荒れた試合。さらには75分に浜松大の長澤監督も退席処分になってしまったが、その理由が「異議」なのだが、遅延行為に対して第4審判に「どういうことなの?」と聞いただけで4審→副審→主審と行き渡る中でいきなりの退席処分。主審を含めた審判団はゲームを円滑に進めるために存在しているのに、まるで「オレがルールブックなのだ」と言わんばかりのジャッジで、どう見ても円滑に進めているのではなく、ゲームを停滞させてしまった張本人と言わざるを得ないこの日の主審。

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長澤監督の言葉にもあったように「タイトルの掛かった重要な試合」なのだから、もう少し冷静な判断でゲームの流れを読み、そしてジャッジしてほしかったところである。

準決勝第二試合
中央大学 2-1 浜松大学
[得点者]
17分神谷(浜松大)、20分林、27分奥山(中大)

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さて、決勝までもうまもなくとなってしまったが、当初は繋いで繋いで!のサッカーだったが、今大会では「堅守速攻、先攻逃げ切り」とカラーを一気に変えてきた中大と、3年ぶり3度目の優勝を狙い大阪体育大学の顔合わせとなったが、ゲームの予想としては、林の代役となる皆川が期待に応えられるか? そして佐藤監督のゲームプランどおり前半で得点出来るか?

それに対して、大体大はリーグ戦では正直「どうかな?」と感じる戦術だが、シンプルに縦に入れてくる戦術は一発勝負のトーナメントでは滅法強い戦い方であり、その「やり方」を最後まで追求出来るかがポイント。

それぞれのキーマンだが、中央は皆川祐介、そして大体大は山本大稀を推したいところ。さて、「夏の大学日本一」の座はどちらに輝くのであろうか?

2011年7月 6日 (水)

信州ダービー・薩川監督会見

<長野パルセイロ・薩川監督試合後コメント>
※一部の比喩的な言葉づかい、雑談のたぐいなどは割愛させていただいております

結果の通りね、(相手が)1人少なくなった状態で、1-1に追いつかれたことは(ウチが)勝負弱いというか、向こうの(勝負)強さをハッキリわかった試合じゃないかな?

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まだまだウチの選手は甘い。勝負を決められるチャンスがありながら、選択を誤ったり、決めきれなかったところがウチのチームの勝負弱さだし、(相手は)あの1点を10人の中で向こうに入れられてしまうところなんて、ウチのDFがいけないんじゃないかな? まあこれでね、(これまでの試合を含めて)ロスタイムで取られてしまったのは4失点目なので、なんか(選手を)替えなきゃいけないのかな? とも思っています。

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〜以下質疑応答〜

<後半相手に押し込まれたが>
うーん… なんだろうね、足止まったよね。一人多いとは思えないサッカーをやってしまった。そう言った意味でも、向こうの方がやっぱり一枚上なのかな?

前半は(ウチが)別に飛ばしているという印象はなかったし、0-0でもいいと思っていた。それで後半勝負かなあと思っていたんだけれども、前半で退場者が出たので後半は圧倒できるだろうし、チャンスも来ると思った。そんな中で、後半は2回ぐらい決定機があったんだがね… 向こうはロスタイムまで耐えながしっかり戦ってきていたし、そう言った意味でチームとしての総合力もそうだし、個の力としてもやっぱり上だったのかな。

<失点シーンについて>
しょうもない失点だね。ウチのDFが2人いて、相手は1人という状況なのに簡単に入れられてしまうし、後ろもドフリーでしょ? あれは入るでしょうよ?

あの場面はね、DFは(集中が)抜けてたと言わざるを得ない。あと、どうしても気に入らないのが、ディフェンスラインでしっかりコーチングしている選手がいなかったこと。選手が「おこさま」というか、優しいんだよね…

人を怒れないことって、自分に自信がないことの裏返しだと思うし、練習からもっと選手間で厳しい言葉をかけあわなきゃいけないと思っているんだが、そんなことも出来ないようではJを目指す選手にはなれるわけがない。今のままでは限界が来ているのかもしれない。だからこそ、もっと危機感を持ってやるべきだし、選手だけではなく、指導者も変わらなければいけないと思う。

確かに、地域リーグ時代より進化はしていると思うけど、毎回追いつかれているし、やってはいけないミスを何度も繰り返してしまっている。選手たちがね、失点してしまったり、同じミスをしてしまったら替えられるという危機感を持たなきゃいけないんだが、それが出来ていないのであれば何かを替えなければいけない。

地域リーグ時代からの選手が多い今のチームだけれども、そろそろ新しい選手を使って変えていかなきゃいけない時期に来ているのかもね。

<選手交代について>
土橋に関しては、足がつっていたので、中盤でしっかり相手を潰せる浦島を選んだ。ダイゴ(冨岡)に関しては、途中から入ったんだけれども、接触プレーで頭を打ってからはボッーとしたままになってしまい、ちゃんとした判断ができなくなっていた。ただね、ピッチに出ている以上は、痛いとか、フラフラするからというのは、全て言い訳だと思っているし、出ているからにはちゃんとやらなきゃダメだと思っています。そういうところは、僕は厳しいですよ。

出来ないのであればね、さっさと自分からピッチを出ればいいんですよ。あんなフラフラしている状況だから、終盤でチャンスがあったときに周りがちゃんと見えていなかった。あの時ね、決める・決めないはともかく、向に出していればGKと1対1の状況になったんだけれども、それが見えていなかったし、その前の耕平が外した場面にしても、マコ(藤田)から耕平と渡ったときも「さらに向」という判断をしていればもっと確実性が高まったんだけどね。

まあ、プレーの一つ一つを監督は選手に指示出来ないし、僕が「右に出せ!左に出せ」と言える訳ではないので、最後は選手の判断になるんだけど、あそこは正しい判断をして欲しかったし、2-0にしていればこの試合を決めきれることが出来たんだから… まあね、10人しかいない山雅に対して1点しか取れなかったウチのチームがいけないし、最終的には僕が悪いと言わなきゃいけないんだよね。

まあ、暑い中、最後まで戦ってくれた選手には「おつかれさん」と言ってあげたい。

<土橋の起用について>
まあ、あれは土橋が勝手に(記者に)「ケガで出られないかも」と言ったことだけであり、オレは最初から使うつもりだったけどね。(出る、出ないは?)相手も一緒でしょ? (飯田が)出ると出ないとか言っていたでしょ? お互いやりあっていたじゃない?

やっぱりねえ、ウチのチームでゲームを落ち着かせることが出来るのはやっぱり土橋だし、そういった面では浦島でも野澤でもそれはまだ無理。そう考えれば、ウチのチームにとって、まだ土橋がスタートから出てくれることが一番だしそれが当たり前のスタートだと思っている。

ただ、他の選手も(途中から)土橋の替わりができるまでに成長してきてくれているので、そういった意味では進化しているんじゃないかな? と思っているんですが、ただ、その進化がもう少し早いことを期待していたのですが、ちょっと遅いのが気になりますね。まあ、もっとJFLのサッカーに順応しなきゃいけないのに、まだまだチームは地域リーグのままだと思う。

何から何までまだ甘いよね。寄せにしても、間合いの取り方、そして激しさにしても。山雅って、非常に厳しくやって来るじゃないですか? 当たりにしても、時として汚いと思うこともあるよ。まあ、それによって相手は退場者を出してしまったけど、あれぐらいの中で戦って行かなきゃいけないし、あの当たりをかわしていかなければ、Jリーグの選手なんかになれるわけがない。

いい練習だよ。あれをどうやるか? それをどういなしていくか? を選手達が考えなきゃいけないのに、それをモロに受けて立ってバッコンバッコン潰され続けていたよね? 浅はかだよね? オレから言わせれば。

確かにやられてファールを貰うこと。向こうの厳しさとかいろいろあると思うけど、向こうだって犯すことでリスクは有ると思う。イエローもらったり出場停止とかいっぱいあるじゃないですか? でもね、リスクを犯してあのサッカーをやっているし、その中でもしっかり追いついて結果を出しているんだから、悔しいけど(相手を認めることに対して)しょうがないね…

向こうの方が一つ上だったね。

<最初からチームはよく走っていたと思うのですが>
あんな後半の走り方じゃダメだね。もっと走れるし、あんなのじゃ満足出来ないよ。あれじゃ夏になってから勝てない(相手に走り勝てない)し、あれぐらいの走りなら頑張ればどこのチームでも走ってくるよ。オレはね、圧倒的なフィジカル差(走力差)を見せたいんだよ。まあ、今回走れなかったことは、あいつら自身がよくわかっていると思うし、またオレに走らされるんだな…と感じているはず。やり直しです。フィジカルも。

まあ、大橋はあれ以上走られたらあっちこっち行ってしまうので、あれぐらいでいいでしょうが…

結果が全てですから、勝ち点を挙げたこと、負けていないということは評価するけれども、追いつかれたことに対してはまったく評価できない。でもね、一生懸命やっていないワケではない。だから「お疲れさん」とは言ってあげたいけれども、「甘すぎるでしょ」とも言わなければいけない。

でもね、途中の選手交代をオレが間違って、そうなった(同点にされた)かも知れない。だから、アイツらだけの責任ではなく、オレの責任でもある。それは自分でも認めるし、もっと指導者として勉強しなければいけないと思っている。でもね、チーム的に責任をオレがかぶるのはいいけれど、やっていて一番悔しいのはオレじゃなく間違いなくアイツら(選手)。

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選手が一番悔しい。だったら笑って終われるように最後まで集中しなければいけないし、ピッチの中に入ったら自分たちで考えてやれって話。そういった意味では、おれは選手にある程度の自由を与えている。考える自由をね。その中で自分たちで声を掛け合って集中を高めなければいけないし、集中していない選手には厳しく言って奮起させなきゃいけない。オレがあの中にいたら「おめえら、相手が10人しかいないのに何やってんだよ!」と言っていたかも知れないけど、そういったことを誰かに言って欲しかったんだけれども、ベンチから見ていてそういったことを掛けた選手はいなかったね。

そう言った意味では「仲良しクラブ」の雰囲気がまだ抜け切れてないのかな?

仲がいいことはいいんだけれども、グラウンドでは厳しくやってくれないとね。そうすればもっとチームは伸びるんだけれども…

ホント、悔しいね。勝てた試合だし、決めきれなかった…
やっぱり、1点では勝ちきれないね。今のウチは2点とってどうかな? って感じ。まあ、そこはFWもわからなければいけないし、確実に決めていかないと、このJFLでは簡単に勝てない。オレはもう実感しているんだけど、選手がまだまだだね… また、これ(ドロー)をしっかり勉強します。

とりあえずまだたくさん試合がありますので、(シーズンの)最後でみなさんの前で「見たか!」っていうチームにしていきたいので、最後の最後までパルセイロというチームに興味を持っていてください。

<大型補強した相手にドローは勝利と等しいのでは?>
いやぁ、ダメだね。勝利に近い引き分けなんてないし、勝たなきゃ意味はないよ。

まあね、オレの古巣であるレイソルも1位になれるってことは、俺らも(JFLで)1位になれないことはないと思っているし、実際に1位に立てる力は持っていると思うよ。だからね、今日はカメラがいっぱいいるからわざと大きいことを言うけど、ウチはね「4位が最低(目標)」と言ってきているけど、おれはね、コイツらがもっとかしこくなって、今日みたいな試合をそのまま1-0で勝てるようになっていけば、ウチはトップを狙えると思っているし、4位なんてせこい順位ではなく、トップを目指して行くつもりだし、それなりのサッカーを出来ていると思っている。ただね、最後の詰めの部分に関してはもっと考えていかなければいけないと思う。

自分たちの中では、JFL全体を通していいサッカーをしていると思う。その中で、ウチに一番必要なのだが結果だと思っているだけど、引き分けで終わってしまう。自分たちの方がいいサッカーをしていると思っていても、引き分けるということは強いチームではない。いいサッカー=強いチームとするためにも結果は必要。いくら内容がよかったからと言っても、勝ち点が増えていくわけではないのだから。

そう言った意味で、ホントにJFL1年目の戦いの中で、落とした試合を振り返っても全体的に圧倒された試合は一つもない。だからそう言った意味で悔しい。結果がでないことが悔しい。アイツらがやっている内容も、運動量も上回っているはずなのにね。アイツらには笑って試合を終えて欲しいから、そのためにもしっかりオレも勉強していきたいし、選手ももっと勉強していかなければならない。指導者も選手もまだ成長過程。年末までには「パルセイロ、凄いな?」と思ってもらえるようチームにしてきたい。

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まあ、これを繋げて次の試合で、ミスをしないようにしていきたい。「2度あることは3度ある」っていう言葉がありますが、ウチ、これで4度ですからね…「4度あるから5度ある」っていうことにならないよう、しっかり修正して次に挑んでいきたい。そして、勝ちにこだわったサッカーをしていきたいし、もっといいサッカーを見せられるようしたいと思います。

またこれからもパルセイロを注目してください。

[2011年7月3日 南長野総合運動公園球技場にて]

信州ダービー・加藤監督会見

<松本山雅・加藤監督試合後コメント>
※一部の比喩的な言葉づかい、雑談のたぐいなどは割愛させていただいております

今日の試合をまず振り返れば「非常に難しいゲーム」だったと思います。

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今週は木島徹也が出場停止であり、ケガ人もいる状況でして、2つのマイナス要素が重なり、この試合に向けての準備にはとても苦労しました。飯田に関しても、最後まで(行けるかどうか)確認出来ないまま、今日の試合を迎えてしまいました。

長野さんに関しては、巧みなパスワークとコンビネーションの良い攻撃を仕掛けてくる力が高いチームであることはわかっていましたし、中盤の大橋の押し出し、そして奪ってからの切り替えが速いので、その点には特に注意しました。こちらのゲームプランとしては、弦巻と須藤をボランチで起用して長野のパスの供給源である大橋の位置をしっかり抑える。その結果として、2トップにボールを入れさせないことを考えました。

また、早い時間での失点はどうしても防ぎたかったので、松田を後ろの位置で使う事を決め、前半は守備的に戦い、後半に入ってから勝負(攻撃)に転じようというプランを持っていました。前半を抑え切れれば、運動量が落ちる後半にはチャンスがある。そんなこともありまして、前半は(松田を)後ろで使い、後半は1枚上げようと思っていたのですが、やっぱり早い時間帯でやられてしまいました。

あそこはね、鐵戸が上がってしまい、戻る時間が遅くなって守備バランスを崩したところをカウンターでやられてしまった。やっちゃいけないミスだし、一番警戒していたパターン(カウンター)ですね。

前半は無失点で行きたかったのですが、失点してしまったことで流れが悪くなり、サイドで起点がなかなか作れず、木島が孤立する場面が目立ってしまいました。まあ、木島が肘打ちをしたかどうかは別として、そのプレーが起こる前から相手のDFとはやりあっていたのだから、レフリーはもっと上手く試合をコントロールして欲しかったと思います。

ただね、試合前に「アウェーの中なんだから、冷静にプレーしよう」と言ったはずなのにね。あの兄弟に関しては、いいものを持っているし、チームにも大いに貢献しているんだけど、あんなことをしてはダメ。もっとね、僕たちが彼らを大人にしてあげないといけない。

前半のうちで10人になってしまい、非常に苦しい展開になってしまいましたが。そんな中で松田は本当によくやってくれたと思います。僕としては今日のMVPだとも思っています。やっぱりね、松田みたいな選手が必死にやっていたら、周りの選手がサボれる訳がないじゃないですか? 松田のプレーに引っ張られて、弦巻、木村、須藤も本当によく頑張ってくれました。

なかなかね、今日は高い位置に入っていけなかったし、非常に暑い天候で厳しいゲームとなりましたが、最後までよく戦ってくれました。ここ最近の4試合において、どの試合でも「勝つんだ」という強い気持ちをしっかり見せてくれましたし、こういう試合で勝ち点を取れたことは、これから先において大きな自信になっていくと思います。

<パルセイロ対策について>
映像で何試合分か見ましたが、ウチとやるときは全然違いますので、分析はあまり参考にはなりませんよ。そうなると、(勝負の分かれ目は)相手以上に強い気持ちを持てるか? というところがポイントになります。

こういう(厳しい)試合を勝ち抜いていくことで、来年(J2リーグ新規参入へ)に繋がっていくと思っています。またここからの21試合、勝ちにこだわって1試合1試合を戦っていきたいです。

<木島良輔の退場について>
まずね、競り合いの中で相手のDFからガツガツやられていたけど、倒れ方が下手。レフリーのゲームコントロールにも問題があるから、ある意味でかわいそうだとも思いますが… ただね、だからと言って肘打ちをしていい訳ではないし、あのプレーはまったく必要はなかった。

せっかく「いいもの」を持っているのだから、持ち味を上手く活かして欲しいし、FWなんだから、相手DFに「やられること」に対して価値観を持って欲しい。やっぱり、相手としては怖い選手だと思っているし、なかなか止めきれないから手が出てくる訳なんだから、そうやって止められることに、喜びとかを感じて欲しい。

<10人になってからの戦い方、HTでの指示>
1人少なくなっても、勝てるチャンスは必ず来ると伝えました。

1失点で抑え続ければ、セットプレーなどとかでもチャンスは十分にありますからね。暑さの影響もあるので、まず我慢して粘り強く戦えば、相手のペースは絶対に落ちてくる。30分まで抑え続けることができれば、何かが起こるかも知れないと…

後半は松田の位置を1枚上げ、中盤の構成を厚くして(4-4-1)相手の動きに対応させましたが、まずは粘り強く戦って失点しないことを全体に徹底させました。0-1の状況のままで残り15分まで行ければ、最後に絶対チャンスが来るはず。だからこそ「無駄なエネルギーは使わないで戦おう」と声を掛けて送り出しましたが、その結果として、追いつくことが出来ました。

あと、イエローカードやレッドカードについてですが、今、ここで累積数を増やしてしまうことは、10、11月(リーグ終盤戦)に響いてきてしまうと考えていますので、誰かが欠けてしまっても、(試合に)影響が出ないように戦力を整備し直していきたいと考えていますし、選手それぞれのメンタル面(精神面)でのコントロールも、しっかりやっていきたい。

<選手起用・交代について>
木島徹也が出場停止の中で、どう選手のやりくりするかを考えましたが、やはり結果を出していない選手(FW)を使うことは、チームの規律(選手起用についての方向性)を乱すこととなるので、あえて木島良輔の1トップにしました。

徹也がいないこともあり、片山や塩沢を入れることも考えましたが、片山はここ最近の2試合でチャンスを与え、その中でビッグチャンスがありながらも外してしまっていたので、彼の起用は無かった。また、塩沢にしても同様です。ただ、しっかり前線で体も張れるし、球際の攻防でも頑張れるということを考えれば、交代の選択肢は塩沢しかありませんでした。

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木島の退場や、厳しい気候条件なども重なり、非常に苦しい状況ではありましたが、最後まで全力で戦った選手を褒めてあげたいと思います。

今日も暑い中、たくさんのサポーターの皆さんに応援に来ていただき、本当に感謝しています。アウェーの中でで0-1と苦しい状況が続きましたが、最後まで大きな声で選手を励ましていただいたおかげで、最後になんとか追いつくことができました。

次節は久しぶりにホームでの試合となりますので、これからも1試合1試合、勝利のために戦っていきたいと思います。

[2011年7月3日 南長野総合運動公園球技場にて]

※薩川監督バージョンはまた後ほど…

2011年7月 5日 (火)

2011信州ダービー第2戦:その2

両者が揃って北信越リーグ1部チームとなった2006年から数え、18回目の「信州ダービー」を迎えたが、これまでの対戦成績は11勝3分3敗で山雅がパルセイロを圧倒している。さらには2008年の北信越最終節(9月7日@南長野)以降、パルセイロは一度も山雅に勝っていないのだ。そんな苦い状況をなんとか打破するため、そしてライバルに勝って「十分にJFLでやれる」ということを証明したかったパルセイロだが、またしても「緑の執念」の前に大きな挫折感を味わってしまう…

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[長野スタメン]
ーーー宇野沢ー藤田ーーー
ー佐藤ーーーーーーー向ー
ーーー大橋ーー土橋ーーー
有永ー大島ーー小川ー高野
ーーーーー加藤ーーーーー

[山雅スタメン]
ーーーーー木島ーーーーー
ーー北村ーーーー木村ーー
鐵戸ーーーーーーーー阿部
ーーー弦巻ーー須藤ーーー
ー多々良ー松田ー飯田ーー
ーーーーー石川ーーーーー

それにしても、メンバー表を見たときには大いに驚かされた。出場が危ぶまれた鐵戸と飯田がメンバーに入っているし、システムも4-5-1になっているし…(松田はMF登録)。これは新手のパルセイロ対策? と思ったのだが、ピッチ上のシステムは上記にあるとおり、松田が3バックの真ん中に入った3-6-1システム。こりゃ、加藤監督に1本取られたわ… と、思いながら試合はスタート。

4-4-2でもなく、3-5-2でもないシステムを組んできた加藤山雅。試合前は、木島弟が出場停止ということもあり、木島兄のパートナーに誰を選ぶのか? が焦点であったが、加藤監督は迷わず1トップを選択。さらには、多々良、飯田にはしっかり相手2トップをマークし、松田を余らせる形を作り、須藤、弦巻にはパルセイロの生命線でもある大橋のマークを命じ、彼ら2人の動きでパスの出しどころを封じ込める策を伝え、まずセーフティに試合を運び、前半は無失点でゲームを進めたいと考えていた。

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だが、実際のゲームは監督の思い描いたように行かなかった。

立ち上がりの5分間、相手の動きを見たパルセイロは、大橋、土橋を経由した「繋ぐ展開」よりも、最終ラインから鐵戸、阿部の両ウイングバックの「背後」を狙うシンプルな形を選択。8分には、左サイドで佐藤→宇野沢と繋いでチャンスを作り、12分にもFKを獲得するなど、徐々にパルセイロが流れをたぐり寄せていく。そして13分、GK加藤のロングボールを受けた向が、早いタイミングで中にクロスを入れる。ディフェンスの対応が遅れてしまったところを藤田がしっかり競り勝ち、落としたボールに宇野沢が反応して頭で押し込みまたもパルセイロが先制。

3バック+ウイングバックシステムの「狙い目」に、しっかりつけ込んだパルセイロは、ここからさらにペースを上げていき、それまではあまり高い位置に顔を出せていなかった大橋が素晴らしいプレスを見せ始め、パスカットからショートカウンターを何度も繰り出していく。また、大橋とコンビを組む土橋は、この日は「バランサー」という立場を重視し、攻めあがることよりも大橋の背後のスペースを確実に埋め、山雅ボールになった時の対応を地味ながらもしっかりこなしていく。

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さらに攻勢を強めていくパルセイロは29分から怒濤の攻撃を見せ、向の右クロスに藤田が中で落として佐藤がシュート(ここはオフサイド)。続く30分には、佐藤が左サイドを抜け出し中へクロス。藤田のシュートはGK石川がなんとかセーブ。さらに続くCKでも決定的場面を作り出すのだがここも決めきれない。32分にも佐藤のシュートが山雅ゴールを襲うなど、何度も「決まったか?」というようなシーンが続出。

さて、攻守のバランスが素晴らしいパルセイロに対し、まったく「一体感」を作り出せない山雅。シュートこそ6本あった前半だが、その内訳は木島兄の「個」の力であったり、やや無理のあるミドルであったりと、流れの中から崩すというシーンはほぼ皆無。サイドからの崩しもほとんどなく、点が線になる攻撃にはなって行かない。そんな中で、1トップの木島は、パルセイロの小川、大島のCBコンビと競り合いの中で激しくやり合う時間が増え出し、徐々に木島の表情からは「イライラ感」があふれ出してきてしまう。そして39分、競り合いの中で木島が小川の顔面に肘打ちを入れてしまう。このシーン、主審は見逃していたのだが、副審がしっかり確認しており主審にアピール。何があったかを確認した小屋主審は、木島に対して一発退場の処分を下した。

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まあ、肘打ちに関しては言い訳できないし判定も妥当。
モロにエルボーが顔面に直撃していましたのでね…

前半は守備的に行って、まずは無失点で抑えたかったのだが、そのプランも崩れてしまったのだが、さらに木島の退場で数的不利になってしまった山雅。

だが、ここで山雅を助けてしまうプレー、判断がパルセイロ側から飛び出してしまう。前半の終了間際の時点から、パルセイロは「キープ」を選択してしまう。それも、ロスタイムに入ってからならともかく、45分にもなっていない時間からキープを始めてしまったのだ。確かに、前半を1点リードで終えることは悪くはない。しかし、相手は一人少ない状況で、完全に押し込まれて何も出来ない時間が続いているのだからこそ、一気に攻めかかって息の根を止める「2点目」を取りに行けばよかったのだがそれをしなかった。そして、その消極的な判断が、最後の最後で手痛い一撃を浴びる遠因に繋がっていく…

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後半に入ると、松田をポジションを一列上げ、システムを4-4-1に変えてきた山雅。

ーーーーー木村ーーーーー
ー北村ーーーーーー弦巻ー
ーーー松田ーー須藤ーーー
鐵戸ー多々良ー飯田ー阿部
ーーーーー石川ーーーーー

だが、47分の藤田のシュートを皮切りに、大橋、向、高野、向と立て続けにシュートを浴びせ、後半の立ち上がりも一方的なパルセイロペースで進んでいく。それに対して、なんとか粘って流れを変えたい山雅は「ダービー男」である今井昌太、さらには塩沢を投入して、なんとか現状を変える策に打って出る。そして62分、ここまでまったく決定機を作れてしなかった山雅は、今井が見事に右サイドを抜け出し、GKが前に出てくるタイミングを見計らってシュート。がら空きのゴールめがけてシュートを打ったが、惜しくもここは枠の外。

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試合は70分を過ぎる頃にさしかかると、パルセイロ側のペースが一気にダウン。強い直射日光、さらには気温33度という厳しい状態の中で運動量が明らかに低下しだしてしまう。それに対して山雅は「絶対に終盤になれば相手のペースは落ちる。このまま後半30分まで1点差のままで行ければ、終盤にチャンスはある。そのためにも『無駄な動き』はしないように」とハーフタイムにあった加藤監督の指示を守り、粘り強く戦ってきた結果として、チャンスシーンが訪れ始める。

だが、数的有利のパルセイロも黙ってはいない。1-0のまま試合は残り10分を迎えると、この日、宇野沢以上にパルセイロの攻撃を牽引する向がまたも切れ込んでシュート! こぼれ玉を有永が拾って再び中へ入れると今度は宇野沢。しかしここはサイドネット。さらに36分には小川が頭で狙い、39分には再び向の切れ込みから最後は高野がシュート。しかし、ここもGK石川の好セーブに阻まれどうしても追加点が奪えない。

そして残り時間5分となったところで、山雅はCBの飯田を最前線に置くパワープレーに打って出る。

ーーー飯田ーー塩沢ーーー
ー木村ーーーーーー今井ー
ーーーーー弦巻ーーーーー
鐵戸ー多々良ー松田ー阿部
ーーーーー石川ーーーーー

必死に、ターゲットマンとして前線で体を張り続ける飯田めがけ、ロングボールを入れ続ける山雅。それに対して、なんとか跳ね返し続けるパルセイロ。最後まで意地と意地のぶつかり合いとなったこの試合だが、残り時間はロスタイムだけ、という時間を迎えようとしたときに、パルセイロは悪夢のような瞬間を迎えてしまうのだ…

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89分、松田からのロングボールを受けた弦巻が右サイドを突破。一度飯田を経由して、再び弦巻へ。そこでパルセイロディフェンダーは弦巻に渡ったボールに釣られすぎてしまい、ゴール前のファーサイドがガラ空きとなってしまう。ゴール前で待っていたのは飯田だったが、後ろから入ってきた塩沢の「どけっ!(本人談)」の一言でコースを譲ると、入ってきた塩沢が頭で叩き込んで土壇場で同点!

またも終了間際に得点し、勝負強さを見せつけた山雅…

同点に追いついた直後、ロスタイムに突入し、残り時間はあと「3分」という表示が場内に知らされる。追いつかれたパルセイロにとって、相手は一人少ない状況であり、このまま引き分けたら「負けと同じ」ということもあり、死力を振り絞って最後の攻撃に出る。しかし、93分の浦島のヘディングシュートは力なく、GKにガッチリセーブされてしまい、そのままタイムアップ。パルセイロとしては、勝てる試合でありながらも痛恨の引き分けとなってしまい、山雅としては「してやったり」のドローであったこの試合。

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またもダービーで勝負強さを見せつけた松本山雅
そして、今回も監督の指導力の「差」を見せつけられたような気がした…

いつもどおりの形で試合に挑んだパルセイロ
それに対して、策を用意してきた山雅

しかし、最初の策がうまくいかず、さらには前半のうちに数的不利となってしまうピンチにも見舞われた。だが、後半に入る前に、選手たちの気持ちを見事にコントロールし、「残り15分まで粘れば必ず何かが起こるし、チャンスも生まれるはず。そのためにも、ムダなエネルギーは使うな」などと、一人少ない中で戦う残り45分間のゲームプランをしっかり提示。さらには、時間や状況ごとにシステムを変更し打開を図ってきた。

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今のままで「大丈夫」と、チームを信じた薩川監督。
勝つために、負けないために、どうすればよいのか? ということを、最大限突き詰めてきた加藤監督。
そして、木島弟が出場停止の中で、殊勲の得点を挙げた塩沢の起用法についての質問が出た際にこのように語ってくれている。

「木島弟が出場停止ということもあり、いくつかプランを考えました。しかし、メンバーを選ぶ中で、結果を出していない選手を使うことはチームの規律を乱すことになるので、結果的に木島兄の1トップとなりました。

片山に関しては、ここ2試合でチャンスを与えたにも関わらずそれを活かせなかった。また、塩沢にしても同様にチャンスを活かせていなかった。だから1トップで行きましたし、交代カードも前線で体を張れるし、玉際にも強い塩沢という選択肢しかなかったのです」

自身が監督に就任した最初のアルテ戦の会見で「メンバーを選ぶ際に基準を設けた」と語ったが、その基準を貫き通した結果がこの日のスタメンであり、その後の選手起用であった。そして、その信念があったからこそチームは常に緊張感を持っていたし、選手が「外される理由」を理解し、腐ることなく高いモチベーションを維持してきた。

それに対して、薩川監督は「ウチは甘いんだよね。やっぱりね、仲良しクラブすぎるからダメなんだよ」と、冗談なのか本当なのかわからないコメントを残したが、やはり監督としての「挑み方、構え方」の違いが、この結果に表れているような気がしてならないのだ…

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なかり長くなってしまいましたので、今回は一旦これぐらいにしておきますが、まだまだ書きたいことはありますので、もう1回、信州ダービーの話を続けたいと思います。

2011/JFL後期第1節 @南長野球技場
AC長野パルセイロ 1-1 松本山雅FC
[得点者]
13分宇野沢(長野)、89分塩沢(松本)
[警告]
47分阿部、70分飯田、70分弦巻(松本)
[退場]
41分木島(松本)

[ゲームスタッツ]
シュート数:長野16、松本10
ゴールキック:長野14、松本12
コーナーキック:長野5、松本5
直接FK:長野11、松本8
オフサイド:長野1、松本3
PK:長野0、松本0

2011年7月 3日 (日)

2011信州ダービー第2戦:その1

信州ダービーはおもしろい…
それにしても、いつもなんでここまで劇的な展開になるのだろうか?

試合の細かい部分や監督のコメントなどは、また明日にでもアップしますので、ここではざっくりと試合の流れやポイントだけで失礼いたします。

パルセイロはチームをいじらず不動のメンバーで来た。それに対して、加藤体制となってからの3試合は松田をボランチに置く4-4-2でやってきた山雅だが、飯田、鐵戸が怪我の影響もあり最後まで起用するかどうかを迷ったのだが、結局は揃って彼らを起用。さらには「長野対策」として、松田を最終ラインに入れ、弦巻、須藤をボランチに配置した3-6-1(攻撃時には3-4-3的な形)システムを敷いてきたのである。

5分までは、両者とも相手の出方を伺う静かなスタートだったが、宇野沢、向が積極的に仕掛けてチャンスを広げ、13分にGKからのボールを受けた向が右サイドから素早く中へクロスを入れると、藤田が頭で折り返し、そのボールを宇野沢が詰めてまたもパルセイロが先制。

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前回のダービー同様、パルセイロが先制し、ゲームを優位に進めていく。そんな中で、1トップとして奮闘していた木島兄だが、小川、大島の厳しいマークにイライラを募らせ、39分に小川との競り合いの中でエルボーを顔面に入れてしまい、そのシーンを確認していた副審からのアピールで、41分に退場処分となってしまう。

さて、1点リードされている状況はともかく、前半のうちに数的不利になってしまった山雅は、案の定ピンチの連続となってしまう。しかし、パルセイロの決定力不足と、暑さからくる運動量低下により、危ない時間は続くものの2点目を与えないまま時間は経過。

後半になってシステムを変更し、松田を一列あげて4-4-1にした山雅。後半開始早々こそ押し込まれたが、粘り強く対応し徐々に流れを自分たちの側に引き寄せていく。そして1点差のまま終盤を迎えると、今度は松田を最終ラインに戻し、途中交代の塩沢と飯田という2トップ(4-3-2)に変え、パワープレーでパルセイロゴールに迫り、試合終了直前の89分に塩沢が劇的な同点ゴールを叩き込み、土壇場で試合をイーブンに戻す。

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しかし、ロスタイムに入ると、またもパルセイロの猛攻に遭いピンチを迎えるが、ここでも決定力不足に助けられ、「負けゲーム」の展開から貴重な勝ち点1を拾ってゲームは終了。

まあそれにしても、山雅としては「貴重な勝ち点1」であり、パルセイロにとっては痛すぎるドローであったこの試合。確かにパルセイロがやっているサッカーは、高いレベルを目指したおもしろいサッカーであるのだが、おもしろい、魅力的だけでは勝ち点を積み重ねることは出来ない。そのことは、試合後の薩川監督も素直に認め、さらには「やはり山雅は強い」という言葉も残した…

これで、両者とも天皇杯シードを獲得出来なかったことにより、今年「3度目」のダービーが開催されることが濃厚となった(天皇杯長野県予選→両者とも準決勝から出場し、ともに勝ち上がれば決勝で対戦)が、果たして次の対戦では「決着」となるだろうか?

まあ、詳しい試合レポに関しては、また後ほどということにしておきます。

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しかし、こういう人もダービーにゲストとして呼ばれる時代が来たんですね…

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2011/JFL後期第1節 @南長野球技場
AC長野パルセイロ 1-1 松本山雅FC
[得点者]
13分宇野沢(長野)、89分塩沢(松本)

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