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2011年6月26日 - 2011年7月2日

2011年7月 2日 (土)

信州ダービー・プレビュー

いよいよ、明日に迫った信州ダービー第2戦(JFL後期第1節)。
それぞれの現状などを踏まえて、明日の試合の展開を予想してみたいと思います。

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過去2戦、下位チームに対して快勝とまでは行かなかったが、監督更迭後は3連勝としっかり結果を残している松本山雅。

加藤監督は「誰が見ても楽しいと思わせるサッカーをやりたい」と語ったものの、現時点で最優先されるべきことは、理想のサッカーを導入するよりも結果を積み重ねることであり、それを痛いほど理解している加藤監督はリスクを排除した「結果にこだわるサッカー」を、吉澤前監督時代以上に徹底して来ている。

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それに対して長野パルセイロは、良くも悪くもバドゥ時代から変わらない「自分たちでアクションを起こすサッカー」を貫き通している。

しかし、イケイケ一辺倒でやるサッカーは、北信越を卒業した時点でサヨラナし、一段階カテゴリーを上げたい今は築いてきた攻撃サッカーに「鈴木流・大人のサッカー」というスパイスを加え、ライバルに追いつけ追い越せ!で進化を続けている。

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さて、2年ぶりに南長野で行われるダービーだが、ひいき目やバイアスなしで予想すれば、「流れ、勢い」では長野の方が上回っている感がある。町田戦では苦しみながらも2度追いつき、監督も選手も「粘りが出てきた」と試合後に語り、その「追いついた自信」が、びわこ草津戦ではしっかり発揮されていた。

先日「宇野沢頼み」と書いたが、前節では藤田、冨岡が揃って結果を残し、野澤、浦島も確実なプレーで勝利に貢献。また、Honda戦、町田戦ではやや試合勘が完全ではないな… と感じさせた大典にキレが戻り、明るい材料が揃った長野。

そんなライバルに対し、順位では2つ上の6位に着けている山雅だが、木島弟が出場停止であり、鐵戸、飯田がケガの回復具合がイマイチ読めない状態で、出場してくるかどうかは最後まで微妙。そんなチーム状況もあり、ダービーを目の前にして万全の状態とは言えない山雅。しかし「監督更迭」という奥の手を繰り出してからは、内容うんぬんではなく、とにかく目の前の試合を「絶対に勝つ」という強い意志がチームにみなぎっており非常に不気味である。

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試合の展開を予想すれば、これまでどおりの細かく繋ぐ長野に対して、堅守をベースに速い仕掛けからチャンスを作りたい山雅という流れは大きく変わることはないだろう。ただ、前回の試合のような、前後半で流れを完全に変えてしまうような「強風」に悩まされることはなく、90分間において攻守の切り替えの激しいゲームが繰り広げられることが予想される。

そんな中で、両者のキーマンとなるであろう選手には、長野は向慎一、山雅は木島良輔を推したい。

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長野の攻撃の核といえば、やはり宇野沢なのだが、彼に対しては厳しいマークがつくことは予想される。宇野沢が封じ込められたときに、現状を打破する選手は誰なのか? を考えたときには、やはり向をおいて他にいないだろう。今季新加入の向は、シーズン前から大きな期待が掛けられてきたのだが、これまでに5得点を奪いその期待に十分応えてきている。そしてこのダービーでは、得点を奪うだけではなく、相手DFを引きつける『おとり役』としても期待される。

山雅サイドでは、出場停止の弟の分まで気合いの入る木島良輔がキーマンとなるだろう。セットプレーなどにおいて、抜群の高さをみせる飯田の出場が微妙ななか、貴重な得点源として期待される木島。昨年の町田で見せた切れ味抜群の突破に衰えは全くなく、彼の速い仕掛けが山雅の攻撃をより活性化させている。ポゼッション率においては、6:4ぐらいで長野に支配される時間帯が多くなるだろうが、木島にボールが入った瞬間から、切れ味抜群の「ナイフ」が長野ゴールに襲いかかる。

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互いのカラーが全く違うし、これまでのダービーにおいて、山雅が内容で終始圧倒した試合はほとんどない。しかし、2009年以降のダービーにおいて、山雅が長野を優った原因は、ひとえに「勝負どころの決定力」であるのだが、今回の対戦でキーマンに名を上げた向、木島が勝負所で決定的な仕事が出来るだろうか?

また両者の展開以外の部分では、南長野の「芝」がどう影響を及ぼすのかにも注目したい。アルウィンのもの(芝)よりは、短めに刈られている南長野の芝が、ショートパスを多用する長野にどうプラスをもたらすのか? さらには、試合当日の天気予報は朝まで雨という予報が出ており、スリッピーな状態で戦うことになりそうだが、ロングボール主体でゲームを組み立てる山雅にとって、そのコンディションが吉と出るか、凶と出るか? 両者の出来をも左右する、ピッチコンディションをどちらが先に「味方」につけられるかもにも注目したい。

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前回(4月30日)の対戦では、上記にあるとおりの強風により、両者とも思うようにゲームを運ぶことが出来ず、難しい試合展開となってしまったが、長野的には強風の影響だけではなく、早い時間帯で先制点を奪ったことが逆に「歯車」を狂わせてしまった事実もある。しかし、長野は2ヶ月間で通用すること、これではJFLで通用しないことをしっかり学んできた。

そんなことから考えれば、今回のダービーは、長野にとって天皇杯シードを勝ち取るだけではなく、来年以降を占う上での「重要な試合」な試合となってくる。これまでのリーグ戦で学んだことが、ライバルを相手にしっかり出せるのか? 何度も同じやり方に苦い思いをさせ続けられた相手に成長を見せることが出来るのか?

今季はJ準会員申請を行ってはいない長野にとって、ライバルに勝つことは「その先」の展望を切り開く重要な「鍵」となる。1歩先ゆくライバルに待ったを掛けられるのか? はたまた、山雅が「後期からの逆襲」の足がかりとするのか?

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確かに、それぞれの「現状」で考えれば長野有利と考えるのが妥当なのだが、これまでのダービーを見れば「前評判」があまり役に立っていないのもまた事実。あとは、最後まで「勝ちたい」という気持ちを持ち続けた方が結果をものにしてきているのだが、今回はどんな幕切れが待っているのやら…

また、今回は南長野開催ということで「箱」の限界もあり、4000人ぐらいの動員しか見込めないが、メディアなどの注目度は北信越時代とは比ぶべくもないほどのものに成長し、TV解説に元日本サッカー協会会長の川淵三郎氏が来場するなど、想像を遙かに超えるスピードでステイタスを高めているこの試合(対戦)。

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確かに、2006年当時に「将来、日本を代表するダービーマッチになる」と感じたのだが、まさかここまでとは…

すでに長野と松本という枠ではなく、全国規模での知名度を勝ち取った信州ダービー。昨日行われた会見では、薩川監督からは「余裕ですよ」という相変わらずのビッグマウスが飛び出しましたが、全国のファンが「うん、素晴らしい!」とい感じてもらえるゲームになってくれることだけを期待したいところだ。

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最後に、当たるかどうかわかりませんが、一応スタメン予想を

[長野予想スタメン]
ーーー宇野沢ー藤田ーーー
ー佐藤ーーーーーーー向ー
ーーー大橋ーー土橋ーーー
高野ー大島ーー小川ー野澤
ーーーーー加藤ーーーーー
※土橋→浦島の起用もありえるかも…

[山雅予想スタメン]
ーーー塩沢ー木島兄ーーー
ー弦巻ーーーーーー木村ー
ーーー松田ーー渡辺ーーー
鐵戸ー多々良ー須藤ー阿部
ーーーーー石川ーーーーー
※鐵戸が×の場合は玉林

あくまでも予想ですので、はずれた場合はご容赦を。

2011年6月28日 (火)

アルテ、またも浜川で勝てず

今年に入っても、なかなかホームで勝てないアルテ高崎。チーム名を現名称に変更した2006年からのホームゲーム成績を調べてみると、通算で15勝28分47敗という成績が残っているが、メーンスタジアムとして使用している浜川競技場(高崎市)だけでの成績に絞ると、7勝14分33敗というかなり厳しい数字しか残せてはいない。

さらには、最後に勝ったホームゲームを調べてみると、昨シーズンの前期第12節(5月23日)の流通経済大学FC戦までさかのぼることになるが、この試合が行われたのは敷島公園のサカラグ。では、メーンの浜川で最後の勝利したのはいつだったのかを調べてみると、なんと2009年5月16日のジェフリザーブス戦までさらにさかのぼる。このように、すでに2年以上ホームの浜川で勝っていないアルテは、日曜日に行われたホームゲームにV・ファーレン長崎を迎えた。

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さて、対戦相手のV・ファーレン長崎だが、開幕から4試合連続で勝ち星ナシというスタートだったが、ワイドな攻撃を仕掛ける佐野サッカーがジワリジワリと浸透。前節は讃岐に敗れたものの、順位は5位と悪くはない位置につけている状況でアウェーに乗り込んできた。

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それにしても、今の長崎は群馬と随分「縁」のあるチームだ。佐野さんは元草津監督、ヨージは言わずと知れた「草津のシンボル」だし、藤井、中井、そしてタクも元草津。また、タクと岩間はこの日の対戦相手が前所属チームであり、さらにはアルテの後藤監督と佐野さんが、清水商業での同級生という間柄であったりするのだ。

まあ、そんな関係はともかく、試合の話に入ろう。

[アルテスタメン]
ーーーーー伊藤ーーーーー
小林ーーー松尾ーーー白山
ーーー山藤ーー益子ーーー
山田ー田中ーー増田ー布施
ーーーーー岡田ーーーーー

[長崎スタメン]
ーーーーー水永ーーーーー
神崎ーーー有光ーーー佐藤
ーーー山城ーー岩間ーーー
持留ー藤井ーー橋本ー杉山
ーーーーー近藤ーーーーー

大きなメンバー変更はないものの、伊藤、田中、岡田といった選手がスタメンに入ってくるなど、少しずつ全体の「底上げ」が進んでいることを印象づけるアルテ。対する長崎は4試合ぶりに橋本がスタメンに名を連ねて試合はスタート。

さて試合だが、前節で2得点を奪い調子を上げているアルテの松尾が強烈な存在感を放ちながら進んでいく。4分に最初のシュートを打ち、5分にも切れ込んでチャンスメーク。松尾の素晴らしい出足だけではなく、攻撃力に長けた山藤をボランチに置いたことで、彼に引っ張られるかのように全体のラインも常に高い位置を取っていく。さらに10分、カウンターからまたも松尾が鋭く切れ込んで右足一閃! しかし、バーに嫌われて得点を奪えない。

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この日のシステムは4-3-3というよりも、4-2-3-1でスタートしたのだが、積極的に仕掛ける松尾がほぼ「2トップ」の位置を取り、松尾に釣られるかのように全体が積極的な出足を見せ、序盤はアルテが長崎を完全に圧倒。だが、浜川で「バーに嫌われるシーン」を何度見ただろうか… 決めるべき時間で決められないというのは、言い方は悪いが「嫌な展開の前触れ」でもあった。

立ち上がりこそ、アルテの猛攻にタジタジだった長崎だが、徐々に岩間、山城が山藤を捉えられるようになると、奪ってカウンターという展開を作り出し対抗。しかし、この日のアルテは非常に攻守の切り替えが素晴らしく、守勢に入ったときには素速くブロックを形成し、長崎の攻撃はなかなか深い位置まで切れ込んではいけない。

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結局スコアレスで折り返したが、内容ではアルテが長崎が圧倒した前半戦。後半のポイントとしては、アルテは「流れを維持して先制点を奪えるか?」であり、長崎からすれば、まずは「松尾をしっかり抑えつつ、自分たちらしい攻撃サッカーが出せるか?」というところだったが、両者とも開始直後にビッグチャンスを掴んでいく。

1分、タクが右サイドを突破して、DFを背負いながらもPA内まで進入。一気に攻め込みシュートまで持ち込むが、ここはサイドネット。アルテも直後のゴールキックから前線にボールを繋ぐと、松尾が持ち込んでPA内に進入。ここで倒され「PKか?」と思われたがファールはナシ。

相変わらず、攻撃の形がいいのはアルテであり、長崎は有光、水永にボールが入らないとチャンスに繋がらず、両サイドMFの佐藤、神崎は前半同様いい形でボールが回ってこない。そんな相手を横目に、とにかくフルスロットルで攻め続けるアルテは、11分に山藤、15分には益子がシュートを放ち、18分にもゴール前で決定機を迎える。しかし、このチャンスになんと伊藤と山藤のポジションがモロかぶりしてしまい、互いに譲り合ってしまい結局シュートは打てず終い。

またも決定機を逃してしまったアルテは、切り札でもある土井を25分からついに投入。前線に高さのあるターゲットマンを入れて勝負に出るアルテだが、長崎も冷静なラインコントロールでオフサイドの網に掛け、さらには藤井がしっかりと土井に対応。決して流れは良くないが、守備陣が踏ん張りを見せ、一進一退の攻防が続いていく。

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守備陣が踏ん張りを見せているのだからこそ、なんとか結果を出したい長崎攻撃陣。その「執念」がついに実を結ぶ瞬間が訪れる。30分、左サイドから長いボールが前線に入るとDFが対応するが、ここでミスが生まれ、ボールは佐藤に渡ってしまい頭で繋いで最後は水永が頭で押し込み長崎が先制。お世辞でも流れが良くなかった長崎だが、粘り強く戦った結果としてついにアルテゴールをこじ開けることに成功し、あとは残り時間をうまく使うだけだった…

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結果的に、この日もホーム・浜川で勝てなかったアルテ。

しかし、やろうとしている繋ぐサッカーに間違いはないし、勝った長崎よりもサッカーの内容では上回ったこともまた事実。ただ、サッカーとは点が決まらなければ勝つことは出来ないスポーツであり、またしても決定力不足に泣かされてしまったこの試合。

また、今のアルテにおいて決定力不足と同じくらい問題なのが、松尾昇悟頼みの攻撃になってしまっていることだ。確かに今季の松尾はあらゆる場面でチームを引っ張っていくリーダー的存在にまで成長し、自身のスキル、経験値も格段に向上させ、アルテの攻撃を常に牽引している。だが、松尾にボールが入らないとなかなかチャンスが生まれないのもまた事実であり、さらには松尾が求めるレベルに周囲が追いつけていないという事実も存在する。これから先のリーグ戦が「2巡目」に入る前に、松尾頼みから脱却しないとアルテは非常に難しいゲーム展開に終始してしまうことが予想される。

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ここまでのリーグ戦で、松尾が危険なアタッカーであることは十分に証明してきた。だからこそ、これから先は彼に対するマークがきつくなることは必定。そんなことが考えられるから、新しい攻撃パターンの構築や、松尾に続く選手が飛び出してくることが期待される後藤アルテ。内容はいいのだが勝ちきれてはいない現状は、厳しく言えば昨年とまったく同じ。後藤監督が目標と定めた「一桁順位」に到達するためにも、攻撃陣はより一層の努力と危機感を持って貰いたいものだ。

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さて、勝った長崎だが、佐野監督も「今日はね、とりあえず勝っただけ。まあ、こんな試合はありますよ…」と苦笑いしながら試合後に語ってくれたが、確かに内容はお世辞でも褒められるものではなかった。

アルテの鋭い出足の前に、岩間、山城は、相手の足が止まりだした後半30分以降まで、なかなか前に出て行くことが出来ず、セカンドボールを思うように支配できず、全体のラインを押し上げることもあまり出来なかった。また、佐野監督の「幅っぁ〜〜〜!」と怒鳴り続けたように、サイドのスペースを上手く突いた攻撃はあまり見られなかった。さらには、井筒の変わりに入った橋本だが、競り合いなどの守備面では及第点であったが、攻撃に繋げるパスは安定感を欠き、ミスパスになる場面も多く、ビルドアップという面では課題を残したと言えよう。

試合内容に関しては不満であることを述べた佐野監督だが、最後にこうも付け加えてくれている。

「こういう苦しい試合をものに出来るのは、チーム全体の雰囲気が悪くないことを現していると思いますよ。全体の意識、雰囲気が悪くなっていれば、チームは好転して行かないけれど、空気が良ければ内容が悪くても勝ちきることは出来るし、勝ったからこそ次に繋がっていきますから」

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確かに内容は良くなった長崎だが、欲しいところでしっかり決められる決定力、そして最後まで集中を切らさなかったディフェンスラインは評価していいだろう。そして、強いチームとは、いい試合をするチームを指すのではなく、どんな試合でもしぶとく勝ちきるチームを指すのだが、攻撃的サッカーを目指す佐野長崎が、理想を追求すると同時に、後期はどこまでリアリズムに徹することが出来るかにも注目していきたい。

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2011JFL 前期第17節 @浜川競技場
アルテ高崎 0-1 V・ファーレン長崎
[得点者]
75分水永(長崎)
[警告]
16分水永、84分藤井(長崎)
28分布施、41分山田、43分田中、78分白山(高崎)

[ゲームスタッツ]
シュート数:高崎11、長崎13
ゴールキック:高崎12、長崎9
コーナーキック:高崎1、長崎6
直接FK:高崎11、長崎16
オフサイド:高崎4、長崎6
PK:高崎0、長崎0

2011年6月26日 (日)

武南高校、4年ぶりに全国の舞台へ

試合後「まだこのチームは子供だし、4年前に選手権に出たチームと比べれたら安定感が全然ないですがね…」と、久しぶりの全国大会出場を決めながらも、やや辛口のコメントを残した武南高校・大山照人監督。

確かに監督が辛口になってしまうのも理解できる場面もあったが、新人戦を制し、さらには県総体タイトルも目前に迫り、一つ一つ成長のステップを進めているチームの状況に「名門復活」の確かな手応えを感じさせたことだけは間違いない。

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<伊奈学園スタメン:4-4-2>
GK1戸谷、DF2斎藤、4籠谷、21田中、5野崎、MF6佐藤、10亀山、8阪依田、13石井、FW9関口、11大野

<武南スタメン:4-4-2>
GK12鹿島、DF2松本、5中里、4的場、3穐本、MF6串田、7谷口、8亀山、11田島、FW9遊馬、10森蔭

<試合寸評>
序盤は伊奈学園の速い出足の前に冷静さを失い、自分たちらしい繋ぐサッカーが出来ず、苦し紛れの蹴り出すサッカーになってしまう武南。2分、6分、9分と立て続けピンチを招き、11分にはゴール前で完全に崩され、伊奈学園が先制か? と思われたが、なんとここでシュートを空振りしてしまうというミスに助けられた武南はかろうじてピンチを乗り切る。

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序盤から気合いの入っていた伊奈学園に対して、後手を踏んでしまった武南だが、10森蔭が繰り出す独特のステップから繰り出されるドリブル突破が、眠っていた武南らしい攻撃力を呼び覚ますきっかけとなっていく。13分に左サイドを突破してチャンスを作り、16分にも松本のパスを受けて深い位置までえぐって中に折り返すと、これを11田島が見事に蹴り込んで武南が先制。

先制点を奪い、そのままリズムに乗りたかった武南だが、伊奈学園も粘り強い守備で対応し、30分以降は一進一退の攻防が続く。そんな展開の中で、36分に鋭いカウンターから11大野が抜けだし、最後は9関口が蹴り込んで同点に追いき、前半1-1のイーブンで折り返す。

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前半は個の力で打開する武南に対して、組織的連動と労を惜しまない運動量で対抗する伊奈学園という図式で互角の展開が繰り広げられたが、「もっと冷静にプレーしなさい」という指示を受けた武南が後半は前半とは違う「連動するパスサッカー」を見せ、伊奈学園を圧倒していく。

4、5、6分と連続して伊奈学園ゴールに攻め掛かり、9分のFKのチャンスから4的場が左足で合わせて2-1とする。その後もほぼ武南ペースで試合が進み、勝負どころでもあるラスト10分を迎える直前の29分にショートカウンターから9遊馬が決め、スコアを3-1として勝利をより確実なものとしていく。さらに終了間際の39分にも田島のシュートのこぼれ球を松本が拾い、最後は途中交代の福田が蹴り込んで4-1として試合終了。

序盤こそヒヤヒヤする展開となってしまった武南だが、冷静さを取り戻した後半は相手を圧倒したが、攻撃力以上に目に付いたのがセンターバックを務めた的場ー中里の安定した守備力だ。試合後の大山監督は中里に対しては「大会に入る前はレギュラーではなく、ほとんど使ったことがなかったんだけど、試合やるたびに成長してくれたね」と、計算出来る選手がまた一人増えたことに素直に喜びを表した。

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また、攻撃の起点にもなった森蔭に関しては「あいつは性格的に難しいんだよ(笑) チャランポランだからなあ… ただ、積極的にやる姿勢は悪くはないし、何をするか良くも悪くもわからない。だからたまに、中で(ボールを)受けたのにゴールと遠い方向に進んでいく時もあり困ってしまうよ(笑)」と評してくれたが、「何かやってくれそうな面白い選手である」ということは、監督も実は認めているようだ。

ただ、監督も現状のままでは「まだまだ」ということはよく理解している。

「もっと連携を高めること、そしてミスを無くしていかないと全国で戦えないことはよくわかっています。昨年、西部台が全国で活躍できたことは、前にいい選手がいたから強かったというよりは、チーム全体がとにかくよく走れていた。それに比べて今年のウチは走れてはいない。走れないチームが、じゃあ、どうやって戦えばいいか? どうすればいいのか? という点につては、プレーの精度を上げて、ミスを無くすことしかないですので、大会までにもっと良くしていきたいと思っています」

久々の全国出場権を得た武南。期待も高い反面で、全国優勝を知る智将いとっては、「まだまだ」というよりは、「ここで満足してはダメ」というニュアンスを多分ににじませながら語ってくれた。しかし、そうは言っても「取るべき人」もしっかり得点し、10年ぶり(監督談)のインターハイ出場となったことは素直に喜んでいいだろう。

全国大会と名の付く大会に、4年前ぶり(冬の選手権)に帰ってきた武南。前回大会では西武台がベスト4まで進出したが、今年は「白と紫(準決勝はセカンドの緑でしたが…)」の伝統校が旋風を巻き起こすことに期待したい。

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2011年6月25日 @立正大グラウンド
総体埼玉県予選 準決勝
武南高校 4-1 伊奈学園総合
[得点者]
16分田島、49分的場、69分遊馬、79分福田(武南)
36分関口(伊奈)

なお、第一試合に引き続き行われた準決勝第二試合では、浦和南が後半に先制したものの、直後に追いつかれ、そのまま1-1のまま延長戦に突入したが、延長前半に浦和東CKのチャンスから頭で押し込み勝ち越し。2-1のまま逃げ切って浦和東もインターハイ出場権を獲得。なお、本日行われる決勝戦での勝者が埼玉第一代表となり、昨年、西武台がベスト4入りしているため、シード枠に入り2回戦から出場となり、準優勝チームは1回戦からの出場となる予定だ。

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