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2011年6月5日 - 2011年6月11日

2011年6月11日 (土)

吉澤監督更迭と山雅のその後

少し時間が経ってしまった話になりますが、松本山雅フットボールクラブは、成績不振を理由に6日付けで吉澤英生監督を解任し、加藤善之GMを監督に就任させることを発表した。

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感想としては「随分仕事が早いなあ…」という今回の解任劇。ただ、今年はTMを含めて2試合しか山雅を見ていないので、チーム状況がどうなのか? という点では詳しくわからない。しかし、メンバーやシステムが定まらない現状や、松田の扱い方を考えると、やはり「ダービー」の山雅は特別だったのだろうか?

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勝てなければ責任を取らされること自体、吉澤監督も大いに理解しているし、実際に今年のダービーの際には「負ければ明日は無いですから…」とこぼしてもいた。さらには、途中解任ではないものの、FC琉球監督時代には結果を出せず1年で退任に追い込まれた経験もある。吉澤監督はHonda FC時代から「プロ監督」の肩書きで戦っており、内容以上に結果が重要なことは当然熟知しているし、個性の強すぎる選手がいようと、自分の意志で獲得した訳ではない選手がいようと、それをまとめ上げ、目標に向かって進んでいくことが仕事だと理解していた。

しかしだ、今シーズンは思うように事が運んではいなかった…

シーズン開幕前の早稲田とのTMで見せた不安定さは、今にして思えば決して「たまたまかみ合わせが悪かった」ではないような気がするし、それを修正できないままチームは危険水域まで来てしまった。

昨年、堅い守りをベースに、鋭いショートカウンター戦術を徹底させ、後半戦のおいての「台風の目」となった山雅。そして今年は「J2昇格」だけ目標とし、ガチャを復帰させ、木島良輔、渡辺匠、塩沢勝吾といった経験豊富なベテランを積極的に補強。さらには、ワールドカップまで経験した松田直樹を獲得するなど、ある意味、J2クラブ以上にシーズンオフの注目を集めることとなった。

ただ、クラブは選手に関しては大型補強を行ったものの、監督に関しては現状維持を選んだ。いや、現状維持を選ぶと言うよりは、クラブの「財布事情」が吉澤留任という答えしか出せなかったというのが正解かもしれない。

Honda FCでは優勝&最優秀監督と、栄冠を勝ち取ったが、それも悪く言ってしまえば「名門Honda 」というベースがあったらこそのものであり、琉球での失敗をクラブはどう理解していたのだろうか?

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また、「吉澤山雅」の3年間は常に劇的な展開が多く、2008年はリーグ戦で4位、全社でも4位とチャンスを無くしたかと思われたが、NECトーキンの「辞退」という結果を受け、地域決勝のチャンスを掴んだり、2009年もリーグ戦で4位に沈みながらも、途中の天皇杯で浦和レッズに2-0と勝利して、一躍全国区で注目を集めるクラブになると、全社準決勝で最大のライバル・パルセイロを奈落の底にたたき落とし、絶体絶命のピンチから一気に地域決勝出場権を掴み取り、勢いを持続してJFL昇格を勝ち取った。さらには、サポーターが最も燃える「ダービー(特にアルウィンで)」で、2008年以降はとにかく強かった吉澤山雅。

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このように、記録以上に「記憶に残った」吉澤監督だが、冷静に北信越の2年と、JFL1年目を振り返ると、実はそれほど勝ち切れていないことが気になるのだが。確かに、チームをJFLに導いたことは、チームの歴史を考える上で「最大の功労者」であることは間違いない。だがその反面、2年連続して北信越で4位に終わったという事実も残されている。またJFL終盤でも、勝てば4位以内という大事な試合で星を落として、最後の最後で失速。

そんな現状と、補強した選手たちの経歴から考え、新しい監督を招聘する、もしくは加藤GM自ら監督になるという判断はなかったのだろうか? そして選手にとっても、クラブにとっても、吉澤監督自身にとっても、そしてサポーターにとっても「あの時期(シーズンオフ)」に円満な別れを迎えていれば、このような事態にならなかったのではないだろうか?

ただ、すでに新しい体制となった今、どうこう言っても話は前に進んでいかない。

今、山雅がクラブとして責任ある姿をみせることは、もう一度「確固たるクラブビジョン」を提示することと、現場で戦う選手・監督だけではなく、フロントスタッフを含めたクラブに関わる人たちが「危機感を持って戦うこと」であろう。

監督クビを替えたら終わりではない。そして成績不振は監督だけのものではなく、当然ながら動けなかった選手たちの問題でもあり、現場を統括しきれていなかった加藤GM(現監督)の責任でもあるのだ。

自分が切られなかったら「いい」ではなく、いかに残された人たちが危機感を持って「この先」に挑めるのか? 次のアルテ高崎戦は、山雅の「今後」を示す大事な試合であり、さらには「1年を左右する」といっても過言ではない試合となるだろう。

加藤新監督率いる松本山雅が、どう変わるのか、非常に楽しみである。

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そして吉澤英生さん、約3年半という期間、本当にお疲れ様でした。またいつか、どこかの監督として戻ってくる日を待っておりますよ…


2011年6月10日 (金)

真っ向勝負の末に散った日体大

1部、2部とカテゴリーこそ違えども、ともに首位を走るチーム同士の対戦となった第35回総理大臣杯予選・関東Bブロック代表決定戦。関東1部リーグ開幕戦では「今年は大臣杯予選、天皇杯予選を含めて、最低でも筑波とは4回はやるのかな…」と語っていた流経大・中野監督だが、フタを空けてみれば決定戦に駒を進めてきたのは2部の日体大であった。

[流経大スタメン]
ーーーー河本ーーーーー
内山ーーーーーー保戸田
ーーー村瀬ー中山ーーー
ーーーー関戸ーーーーー
比嘉ーー乾ー天野ー田向
ーーーー増田ーーーーー

※流経大のシステムはスタート時の形

[日体大スタメン]
ーーー武末ー渡辺ーーー
ー平野ーーーーー田中ー
ーーー新井ー稲垣ーーー
白石ー小柳ー広瀬ー池田
ーーーー小川ーーーーー

5月26日の試合後、「当然、代表に呼ばれることは何よりも優先すべきことはわかっているのですが、学生にとって全国大会は特別なものなので、その日(8日)に代表の練習試合(湘南戦)が入っていますが、山村、比嘉、増田を戻してもらえるよう、関塚監督の方に調整してもらっています」と中野監督が語っていたとおり、この試合には3名の名前があったが、チームの中核を成す中里、椎名は相変わらずケガのため欠場。さらには国士舘大戦で負傷した中美までスタメンから外れることとなったが、その代わりに肉離れで戦列を離れていた河本明人が戻ってきた流経大。

それに対して日体大も、ケガで欠場中の右SB田中優毅はやはりこの試合にも間に合わず。さらには、前節の関学大戦で代役として出場した中西も試合中に負傷してしまったため、右SBは1年生池田克己が務めることとなったが、ポジション的に比嘉とマッチアップする場所であり、勝敗を占う上で「田中不在」は非常に痛いところでもあった。しかし、そうは言っても2部随一と言ってもいい「中盤の構成力」は健在であり、日体大のパスサッカーが1部首位を相手にどこまで通用するかがこの試合の楽しみでもあった。

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流経大のキックオフで始まった試合だが、予想どおりの「真っ向勝負」が繰り広げられることとなる。先日の予選2回戦では、東洋大のドン引きディフェンスに大いに苦しめられた流経大だが、この日の相手は筑波大のように「繋いで仕掛けてくる」相手ということもあり、序盤から非常にスピーディでおもしろい試合が繰り広げられていく。

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そんな中で10分以降から、スピードとパスの正確性の「違い」を少しずつ見せていく流経大が流れを掴みだし、日体大陣内に攻め込む時間が増え出していく。いや、攻撃が良かったというよりも、流経大の「守備からの流れ」が実に素晴らしかったのだ。山村は疲れが溜まっていたこともあり、決してベストなパフォーマンスではなかったが、比嘉・田向の両サイドバックが抜群のディフェンスを見せると同時に、河本をはじめとした前線の選手も積極的なプレスをかけ続けることで、日体大はなかなかいい形でビルドアップすることが出来ない。そんな時間が続く中で、セカンドボールをしっかり支配する流経大がさらにゲームを優位に進める。

そして15分、右SBの田向から前を走る中山にボールが繋がり、これを早いタイミングで中にクロスを入れると、河本がうまくDFとGKの間に飛び込んで頭で流し込んで流経大が先制。さらに20分、日体大のパスミスを村瀬がカットして保戸田に繋ぐと、ドリブルで突破から思い切りのいいシュートを放つ。強烈な一撃はGK小川の正面を襲うのだが、雨で濡れたグローブも影響したのか上手くキャッチすることが出来ず、はじいたボールがそのままゴールインして、早くもリードを2点差と広げる。

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ここまでの時間、比嘉、田向が常に高い位置を取っていたこともあり、田中、平野といったサイドアタッカーがなかなか前に出られず、ボールが入ったとしても、深い位置まで切れ込むことが出来ずチャンスを広げることが出来なかった日体大。しかし、2-0とリードが広がったこともあり、やや流経大のディフェンスが甘くなると、新井、稲垣のボランチが前に出るチャンスが生まれ、23分には関戸の不用意なボールキープを稲垣が見事なチャージでボールを奪い、そのままゴール前まで持ち込んでシュート! これが決まって追い上げムードが漂っていく。

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この1点で勢いが付いた日体大は中盤が機能しだし、互角の試合展開に変わって行くと、早くも日体大ベンチは動きを見せ、比嘉に封じ込まれていた右サイドに風穴を開けるため、今シーズンはFWでの出番が多かった北脇を池田に代えて投入。昨シーズンは3バックの一角を務めたこともあるユーティリティプレーヤーの登場で、攻守に躍動感が生まれた日体大は、新井、平野、武末にもシュートが生まれ、1点ビハインドながらもいい流れを掴んで前半を折り返す。

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ハーフタイムで鈴木政一日体大監督は「相手は3トップのアンカーシステムで来ているので、システムを変えて前でもっと勝負しよう」とシステム変更を告げ、新井が頂点に入り、稲垣のワンボランチとなるダイヤモンド型の中盤を変えて後半戦に突入していく。

そして、「まずは後半開始15分以内で追いつこう」と気合いを入れて挑んだ後半戦は、前半より高い位置でプレーすることとなった新井が、積極的に攻撃に絡んでサイドにボールを散らしていく。しかし、前半同様両サイドからなかなかいいボールが入っては来ず、さらには判断ミス、パスミスなども生まれてしまい、せっかく相手陣内に攻め込んでもチャンスを活かすことが出来ない。

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それに対して流経大は、リードしていることもあり「点を取られなければいい」「ショートカウンター」という戦術を徹底。どっしりと構えた流経大は、ことごとく日体大の攻撃をはじき返し、隙あれば鋭いカウンターで日体大陣内に攻め込んでいき、61分、比嘉がボールをカットしてそのまま突破していくと、その流れからオウンゴールを誘発。3-1となった時点で完全に勝負ありだった…

再び2点差とされた日体大はボランチ石井を投入し、一か八かの3-5-2システムに変更して反撃の機会を伺うが、落ち着いて相手をいなす流経大の方がやはり1枚上手であった。その後は、古川や征矢、そしてトップチーム初出場となった名雪遼平を投入するなど、余裕の采配を見せた流経大が、カウンターやリスタートからソツなく追加点を奪い、終わってみれば大量5得点を奪う完勝で2年連続の総理大臣杯出場権を掴み取った。

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結果だけ見れば順当な結果となったこの試合だが、単純に「順当」「力の違い」で片付けてしまうのは、いかがなものかと感じる試合でもあった。終始「引かずに自分たちらしく戦おう」という意欲を日体大が見せたからこそ、このような結果となったことを忘れてはいけないし、試合後の中野監督も「引かずに来てくれたからこそ、こういう結果になりましたね」と語ってくれている。

ただ、流経大中野監督は、勝って本大会で出られたことに関しては喜びの声を上げたが、やや大味な展開となってしまった試合内容には不満であることも示した。

「総理大臣杯の出場権を得たことは嬉しいですが、5-1で勝ったからと言っても内容では満足している訳ではありません。2-0となった直後に、気が抜けてしまい直後に失点してしまったり、チームとして目指そうとしているサッカーをやらなくなってしまったことは不満です。

しかし、そうは言っても、今年の選手(4年生)は、しっかりリーグ戦とカップ戦の違いを理解してくれているし、90分間の中で『試合のツボ(ポイント)』を捉えているところなんかは、昨年のチームとは大きな違いがあります。さらには、今日先発で使った内山や、トップで初めて使った名雪とかが、レギュラーと比べてもなんら遜色ないプレーをみせてくれたことは収穫ですね」

「やや不満」と語りながらも、今後の厳しい日程を考えれば、代わりの「駒」に手応えを感じる結果を掴んだこの試合。

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そして、大量5得点という結果を残したこの試合だが、一番輝いたのは左SBの比嘉だった気もする。相手攻撃を、時にはCBの前まで出て未然に防ぎ、さらにはそこからボールを奪って、そのまま「点とっちゃうよ!」とばかりに、ゴール前まで攻め込んでいく。山村が疲れを見せていたのとは対照的に、無尽蔵のスタミナを見せつけるだけではなく「世界基準の厳しい当たり」を見せた比嘉祐介。実力でチームを引っ張るだけではなく、ムードメーカーとしてもチームを牽引する男の動き、そして働きがあるからこそ、流経大ってやっぱり強いんだよな…と、改めて感じさせる試合でもあった。

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そして敗れた日体大だが、司令塔でもある新井は「総理大臣杯に出るとか関係なく、流経大に負けたことが悔しかったです… ある程度、繋いで行くことは出来たけど『そこから先』がなかなかやらせてもらえませんでした。完敗です」と、無念の表情で語ってくれ、キャプテンの武末は次のようなコメント残してくれた。

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「先制点を簡単に奪われて浮き足立ってしまった。僕とナベが前でしっかりボールを収めなければいけないのに、それが出来ず起点となれなかったのが残念です。結構相手のセンター(山村・乾)は当たりもそれほど強いとは思わなかったのですが、サイドバックやボランチが上手く連動してきたことで、スペースを消されてしまいましたね… 負けたことは悔しいですが、そんな中でもボールを大事にして繋いでいく日体大のサッカーは出せたと思いますので、この悔しい経験を今後に活かしてリーグ戦を戦っていきたいと思います」

さて、試合後の鈴木監督だが、意外にもサバサバした表情で振り返ってくれた。

「完敗だね。早い時間帯で2点奪われてしまってはどうにもならない。1点は返せたけど、後半は完全に相手の守備のペースにはめられてしまったね。

ケガ人もいたこともあり、ベストを組めなかったことはあるんだけれども、2トップを含めて全体的にもっと前を見てプレーしてほしかった。消極的になって、ヨコとか後ろへのパスばかりではゴールに向かって行ける訳がないんだから、状況を判断してやってほしかった。あとは相手と比べて、守備の安定度では大きな差があったし、グループで戦うという意識も違いましたね。さすがにグループとしてどう動くか? どう状況を判断していくのか? という部分では1ヶ月ちょっとではどうにもなりませんよ。また、パスミスだけではなく、状況判断を含めた細かいミスも結構ありましたが、ああいうことをしてしまっては、流れを自分たちの方に持って来られません。

まあ、これからのチームなので、選手がここで感じた悔しさ、そして相手との力の違い、サッカーの質などをしっかり見つめ直して、それを今後にどう活かしてくれるかでしょう」

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2部リーグで快進撃を続ける日体大にとって、この日の流経大戦は「全国大会に出る」ということ以上に、自分たちがやって来たサッカーがどこまで通用するのか? という点にウエイトが置かれていた。だからこそ、格上が相手であっても「引いて守る」という戦術を選ぶことは最初から存在していなかった。

そして真っ向勝負で挑んだ結果、完敗を喫してしまったが、試合後のチームに後悔はあまり存在していなかった。このチームには3年生以下のメンバーが多く、この日の敗戦は絶対に「来年以降」に繋がっていくはずだし、さらには2部随一の「中盤」は来季もそのまま残ることもあり、今の勢いを持続して1部昇格を決めれば「台風の目」になれることは間違いない。そのためにも、彼らが感じた「悔しさ」を忘れずに成長して行って欲しいし、来年1部リーグ戦うためにも、残りの2部リーグ戦でも集中を切らさず戦い抜いて欲しいところだ。

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第35回総理大臣杯予選・関東Bブロック代表決定戦
6月8日 @流経大フットボールフィールド
流通経済大学 5-1 日本体育大学
[得点者]
15分河本、20分保戸田、61分オウンゴール、71分関戸、81分征矢(流経大)
23分稲垣(日体大)
[警告]
30分池田、55分渡辺(日体大)
60分河本、84分比嘉(流経大)

[ゲームスタッツ]
シュート数:流経12、日体6
ゴールキック:流経14、日体10
コーナーキック:流経6、日体4
直接FK:流経10、日体10
オフサイド:流経3、日体5
PK:流経0、日体0

2011年6月 9日 (木)

第35回総理大臣杯、出場校決定

昨日、流通経済大学フットボールフィールドにて、関東地区の残り2代表を決める決定戦が行われ、流通経済大学は2部日体大に力の差を見せつけ5-1と圧勝。

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そして早稲田大学が後味の悪い判定があったものの、駒澤大学の反撃をうまくいなして1-0と勝利して、これで第35回総理大臣杯・全日本サッカートーナメントに出場する16校が決定した。

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ということで、今大会に出場する16校を紹介

北海道:北海道教育大学岩見沢校(初出場)
東 北:仙台大学(2年連続27回目)
北信越:新潟経営大学(2年連続5回目)
関東1:国士舘大学(4年連続19回目)
関東2:流通経済大学(2年連続8回目)
関東3:早稲田大学(3年ぶり16回目)
関東4:明治大学(2年連続10回目)
関東5:中央大学(3年ぶり12回目)
東海1:中京大学(2年連続20回目)  
東海2:浜松大学(6年ぶり4回目) 
関西1:阪南大学(3年ぶり9回目)
関西2:大阪体育大学(2年連続17回目)
関西3:桃山学院大学(4年ぶり7回目)
中 国:広島経済大学(3年ぶり3回目)
四 国:高知大学(11年連続21回目)
九 州:福岡大学(3年連続28回目)

本日の夕方※6/9訂正→組み合わせは6月10日でした)にはまでには組み合わせが決定するが、今大会の注目校はやはり関東の流通経済大学であろう。

最強世代を揃え、今シーズンの公式戦でまだ無敗の流経大。決定戦後、中野監督は「前回優勝したのが4年前なので、今のチームにはこの大会で優勝した経験を持つ選手がいないので、獲りたいタイトルでもあります」と、力強くコメント。中里、椎名がまだケガから復帰してはいないが、分厚い選手層を見せつけており、チームが目標とする三冠に向けてまずは最初のチャレンジがスタートする。

そして流経大に続くのが東海の中京大、そして序盤の不振から脱した明治大学の名前が挙げられるだろう。

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昨年、見事な「シルバーコレクター」ぶりを発揮してしまった中京大だが、中田、佐藤、藤牧、須崎、熊澤、中村といった昨年の主力は今年も健在で、ストップ流経の一番手に名前を挙げてもいい存在。そして今年も、変幻自在のシステムを駆使して上位進出を狙ってくるだろう。また、楠木をボランチ固定することで守備が安定した明大も優勝を争う存在となってくるはず。

あとは昨年のインカレで素晴らしい戦いを披露した高知大が、今年はどんなサッカーをしてくるか興味津々である。

とりあえず、対戦カードが決まったら改めて紹介してきたいと思います。

2011年6月 7日 (火)

日体大、2部首位攻防戦を制す

開幕戦の日大戦こそ1-1のドローで終わったが、それ以降は格上(1部)の筑波大戦(総理大臣杯予選)を含めて、現在5連勝と波に乗る日体大。それに対して、首位を走っていた関東学院大(以下関学大)は、東海大との試合で引き分けたため、ついに首位陥落。それでも現在1位と2位という「2部リーグ・首位攻防戦」となったこの試合は僅差のゲームになるかと思われたが、得点差以上に両者の間にあった「力の差」を浮き彫りとするゲームが繰り広げられた。

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[日体大スタメン]
ーーー武末ー渡辺ーーー
ー平野ーーーーー田中ー
ーーー新井ー稲垣ーーー
白石ー小柳ー広瀬ー中西
ーーーー小川ーーーーー

[関学大スタメン]
ーーーー佐藤裕輝ーーー
ーー喜屋武ーーーーーー
ー安藤ーーーーー前村ー
ーーー星野ー堀内ーーー
大森ー佐藤ー常盤ー近藤
ーーーー大生川ーーーー

この日の試合を前にして、不動の右SBである田中優毅をケガで欠くこととなり、さらにCBで先発を予定していた菊地が発熱のため急遽欠場してしまった日体大。しかし、連勝中ということもありチームの雰囲気は決して悪くはなく、試合前の鈴木政一監督も「試合後にいい気分になるには、努力しなければいけない。努力する、全力を出し切らなければ結果は付いてこない。今日もしっかり自分たちのサッカーをやりきろう」とだけ伝えて選手を送り出した。

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これに対して関学大の小林監督(小林慎二さん:韮崎高校全盛期の中心選手)は「どんな内容でも勝てば『勝ち点3』となるんだから、泥臭く、粘り強く戦い抜こう。そして、昨年1-4、0-3と2試合とも完敗したことを忘れないでしっかり戦おう」と檄を送った。

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さて試合だが、関学大・小林監督の「泥臭く粘り強く」という言葉から、これは引いてくるな…と予想が付いたが、まさにそのとおりの試合となっていく。

田中優毅の代役として起用され、リーグ戦初出場となった中西、そして左SBに入った白石も積極的に攻撃に絡み、圧倒的に攻め続ける日体大。また、日体大躍進の象徴でもある中盤の4枚は、この日も面白いようにボールを繋ぎ関学大陣内に攻め込んでいく。日体大の司令塔に成長した3年生の新井純平は「監督(鈴木さん)が就任してから、ボールを大事するサッカーに変わったので、自分としてはそういうサッカーが好きだし、とってもやりがいを感じています」と語ってくれたとおり、昨年までの基本3バック&行ってこい!サッカーが完全に消え、さすが「あの人が指導しているチームだ…」と感じさせる中盤でしっかり繋いで連動するサッカーを展開。

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また、新井とコンビを組む2年生・稲垣祥の成長を見逃せない。攻撃に重点を置く新井に対して、豊富な運動量をベースにチームのバランスを支える稲垣。今季3節で初めて出番を掴むと、そのままレギュラーに定着。この日も中盤で鋭い出足を見せ、ほとんどのセカンドボールをマイボールにしていくだけではなく、果敢なチャージから相手の反撃を未然に防ぎ、さらにはインターセプトからボールを持ち込んでしっかりチャンスを広げていく。

中盤での争いには試合を通して終始優勢を誇った日体大。しかし、常盤祐介を中心にしっかり守りを固める関学大の最終ラインの集中も素晴らしく、日体大はチャンスを作るものの、なかなかいい形でシュートを打つ場面を作り出せない。そんな状況をなんとか打破するためにも、鈴木監督は前半の早い時間帯から2トップに対して「考えて動け!」という指示を飛ばすのだが、相手の堅い守備網を崩せないまま、スコアレスで前半を折り返す。

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ベンチに帰ってきた日体大イレブンに対して、鈴木監督から厳しい言葉が発せられた。

「全然ダメだよ。奪ってからヨコ、タテという揺さぶりが少なすぎる。高い位置にいる選手は、ボールの状況をしっかり見て、次に何が起こるか(どんなボールが来るか)を予測しなければならないのに、それを感じて(考えて)いない。ナベにしても、タケにしても、DFと同じ方向ばかりに動いていたら、ボールを受けられるワケがないだろ? 中盤だってDFを背負っている方に出したくないだろ? もう少し、状況をしっかりみてサッカーをやらないとダメ。FWはどこで仕事をするかを、もう一度しっかり考えなさい。単純な動きばかりなら相手は守りやすいぞ。

あと、守備に関しては絶対にノーリスクで行こう。せっかくゲームの主導権を握っているのだから、もったいない失点だけは避けよう」

新しいチームとなり、ゲームの組み立て方は格段に進化した日体大。しかし、この日の前半は監督が就任してから教え続けてきた「考えて動くサッカー」の本質からほど遠いものでもあり、もう一度落ち着いてゲームの流れを考える、そしてボールの状況を見ることを改めて指示して後半にピッチに送り出す。しかし、FW2人の動きがどうしても重く、決してベストとは言えない状況が続いたため、57分に野田、61分に北脇を相次いで投入し2トップを入れ替えて勝負に出るのだが、この交代策が結果的に勝利を呼び込むこととに繋がっていく。

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後半に入ってもほぼ一方的な試合が続き、守備に関しても「ノーリスクで」という指示を受けた日体大最終ラインは見事な対応を見せ、関学大は前半以上にチャンスが作れない。ただ、関学大も守備の集中は全く途切れることが無く、日体大は前半同様なかなかシュートが打てない時間帯を迎えてしまう。

こういう苦しい時間帯を迎え、昨年は自滅してしまった日体大だが今年はここからが違った。後半30分を過ぎても攻撃のパワーは衰えず、替わって入った野田、北脇は自分が動くことで、うまく2列目の田中豪紀と平野が飛び出しやすいスペースを作って関学大の守備網にダメージを与えていく。

そして80分、前線で野田が起点となりボールを右に展開。右サイドを駆け上がった北脇にボールが渡り、これを中へ通していく。しかしこれは相手DFが一度はクリアするのだが、こぼれ球を詰めに行った新井が見事すぎるミドルを叩き込んでついに日体大が先制。

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そしてロスタイムに、関学大に後半唯一のシュートであり、決定的場面が生まれるのだが、GK小川が好セーブを見せてチームを救い、大臣杯予選を含めてチームの連勝を6と伸ばし、さらに首位の座もガッチリキープすることに成功。

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結果的には1-0という最小スコアで終わったこの試合だが、内容的には日体大が終始圧倒しており、首位攻防戦とはいえ冒頭に書いたとおり、両者の間にある「力の差」は大きく開いていることを証明してしまった。関学大は守備面でこそ「好調の要因」を見せることは出来たが、攻撃に関しては「まだまだである」ということを感じさせてしまった。

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仮に関学大がこのままの順位をキープして、1部に昇格したとしても、苦しい試合に終始してしまうことは容易に予想できる。4-4-1-1というシステムを導入し、堅守速攻型のチームを作り上げている関学大。キャプテン常盤のカバーリング能力を活かしながら、完成度の高い組織的守備を見せるのだが、相手のプレッシャーが早い、そして強いとなかなか攻撃に出て行くことが出来ない。これから先の後半戦、そして「来季」に向け、どう枚数をかけての攻撃パターンを構築していけるかが課題となるだろう。

そして日体大だが、勝ったことには満足していたが、内容に関してはやや不満の残る試合でもあった。FWの渡辺は先週から続いた連戦の疲れが抜けていないこともあり「体が重いです」と語っていたが、この日はその言葉どおりプレーも重かった。しかし、強いチームとは、おのずと日程が厳しくなるものであり、厳しい日程の中でコンディションを整えるのも、一流プレーヤーになることの必須条件でもある。

鈴木監督も、彼らがジュビロの選手のような「プロ」ではないことを理解している。しかし、大学サッカーという「枠」の中でトップを目指すのであれば、それ相当の準備と覚悟が必要であり、そのことを時間をかけて選手たちに伝えようとしている。そして試合後の鈴木監督は中2日で迎える総理大臣杯予選・出場決定戦である流経大戦に向けてどう調整したい? と選手たちに問いかけた。

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本来なら、監督自ら考えればいいことなのだが、敢えて選手たちに「どうするのか?」を問うと、キャプテンの武末や渡辺が自発的に考えを述べ、選手主導でどうするか話し合い方向性を決めていく。試合中のプレーだけではなく、チームをどうするか? そして練習、調整おいての考え方まで意識が変わろうとしている日体大。そして、2部リーグに関してはこのまま独走して行きそうな勢いでもある。

この日ゴールを決めた新井は、試合後に「流経大とは、とにかくやりたかったです。強い相手にどこまで自分たちのサッカーが出来るか楽しみだし、大臣杯にも出てみたい」と語ってくれたとおり、中2日という強行日程であるものの、選手全員のモチベーションは非常に高い。

あとは、ケガで欠場してしまった田中優毅が戻ってくることを願いたいし、田中と流経大の比嘉のマッチアップをぜひとも見たいもの。先日の筑波大戦では、相手左SBの山越と激しいマッチアップを繰り返し、最後の最後で山越を抜き去り、同点ゴールを演出した田中。彼が揃ってこそ、日体大のサッカーは完成するのだが、なんとか間に合って欲しいと願うところだ。

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2011関東大学サッカーリーグ 2部第6節
6月5日 @日体大グラウンド
日本体育大学 1-0 関東学院大学
[得点者]
80分新井(日体大)
[警告]
20分前村、29分堀内、84分横山(関学大)
9分武末、68分野田、87分平野(日体大)

[ゲームスタッツ]
シュート数:日体大7、関学大2
ゴールキック:日体大6、関学大7
コーナーキック:日体大1、関学大3
直接FK:日体大23、関学大15
オフサイド:日体大1、関学大2
PK:日体大0、関学大0

2011年6月 6日 (月)

パルセイロ、聖地で快勝

アマチュアサッカー界の聖地・都田で初の公式戦を迎えた長野パルセイロ。しかし、前半は「アマチュアの雄・Honda FC」という名前の前に萎縮してしまい、何一つ自分たちの良さを出せないまま終わったが、後半は別人のような姿を見せ、首位チームを相手に素晴らしいゲームを展開した。

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[Hondaスタメン]
細貝ーーー伊賀ーーー柴田
ーーーーー吉村ーーーーー
ーーー須藤ーー土屋ーーー
中川ー川嶋ーー安部ー平山
ーーーーー中村ーーーーー

[長野スタメン]
ーーー藤田ー宇野沢ーー
ー栗原ーーーーーー向ー
ーーー大橋ー土橋ーーー
高野ー大島ー小川ー野澤
ーーーーー加藤ーーーー

1971年に本田技研工業サッカー部として創設され、今年で40周年を迎えるHonda FC。メモリアルイヤーということもあり「覇権奪回」に向け、開幕から好調を維持して首位に立ったが、前節の長崎戦では0-2と完敗。2週連続でホームということもあり、今週は絶対に負けられないという強い意識で挑んできたチームは、序盤から長野を圧倒していく。

Hondaのキックオフで始まった試合は、いきなり伊賀が長野ゴール目指して突進し、始まって10秒ほどでファーストシュートを放っていく。続く2分には吉村もシュートを放ち、5分には再び吉村がチャンスを作り、そこからFKを獲得するなど、立ち上がりから長野を圧倒。石橋前監督時代から3トップシステムにチャレンジし続けるHondaだが、この日は前の3人+トップ下の吉村が目まぐるしくポジションを入れ替え、長野に全く隙を与えない完璧なサッカーを展開。

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10分には、柴田のカットから再び長野陣内に攻め込みCKをゲット。そして11分、一連の流れからのこぼれ球を拾った細貝がミドルを放つと、シュートは一直線でゴールマウスへ。決まったか? と思われたが無情にもシュートはバー直撃。その後もHondaは、今季からチームに加入した右SBの平山照晃(中京大卒)が攻撃に絡み、分厚い攻撃を長野ゴールに畳み掛けていく。また、筑波大ではCB・ボランチと、守備のエキスパートして活躍してきた須藤壮史も中盤の底で精力的に動き回り、パルセイロの「生命線」である大橋の動きをしっかり止めていく。

これに対して、なかなかボールを前に出せない長野。やはり大橋が前に行けないと、流れを作り出すのが難しい。また、北信越や地域レベルであれば、クリアしたボールを宇野沢、藤田が易々と拾う、または繋げることが出来たが、相手が「Jの門番」となると簡単に思い通りにならない。しかし「並の新入り」ではない長野も、ただ沈黙しているだけではない。これまでのゲームのように、主導権を握っての「流れるような展開」は出せないものの、単発ながらもHondaゴールに向かってしっかりシュートを打っていく。

ここで気になったことだが、攻撃力と中盤の構成力という点では「さすが」と思わせたHondaだが、CBとGKに絞った「守備力」という点では、攻撃力の安定性に比べてやや不安定であることを露呈してしまう。あれだけポゼッションで長野を圧倒しながらも、少ないチャンスを確実にシュートまで繋げられていた点(前半のシュート数は6-6)は、後半に向けての不安材料となり始める。

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そんな状況であるからこそ、須藤、土屋が中盤を制している時間帯で得点の欲しかったHondaだが、前半は最後までゴールマウスに嫌われてしまう。ロスタイムに中央でボールをキープした伊賀から、右サイドを駆け上がった平山に展開。ここでクロスを上げることを選択するのではなく、中に切れ込んで行ってシュート! 今度こそ決まったかと思われたが、シュートはポストを直撃し、またも運に見放されてしまう。

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前半は上記にあるとおり、記録上のシュート数は6-6と互角。しかし、カウントされないDFがブロックしたものを加えればその差は倍以上となり、文字通りHondaが長野を圧倒した前半戦であったが、あれだけ主導権を握りながらも得点できなかったことは非常に痛いところ。そして長野だが「しっかり繋いでくるチームに対して、前半は見過ぎてしまった」と振り返り、後半は相手を怖がらずどんどん前に出ようということをハーフタイムで徹底。すると、この意思統一がいい方向に回転し、立ち上がりからチャンスを掴む。

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47分、右サイドで野澤が粘ってボールをキープして向へ繋ぎ、中の宇野沢に繋ぐと後半最初のシュートを放つ。これが相手DFに当たって上に跳ね上がったところを、詰めていた藤田が頭で押し込んで劣勢だった長野が先制。続く48分にも向がシュートを放つなど、流れを引き寄せていく中で、55分に象徴的なプレーが飛び出す。中盤の高い位置まで顔を出せるようになった大橋が素晴らしいカットを見せ、前線の藤田目がけて絶妙のスルーパスを出す。ここは藤田が早く動き出してしまったこともあり、オフサイドとなってしまったが、大橋が見せた素晴らしい動きに引っ張られるように、チームの出足はさらに鋭くなっていく。

57分には、大橋のシュートのこぼれ球から再びチャンスを掴み、宇野沢が中でフリーとなっていた栗原へ絶妙のパスを送る。これを冷静に栗原がシュートしたのだが、平山が間一髪のタイミングでカバーに入り追加点は奪えない。さらに59分、60分、61分と立て続けにHondaゴールに攻め掛かる長野。前半あれだけ長野守備陣を脅かしたHondaの3トップだが、ボールが入ってこなければどうにもならず、前半はバランサーとして活躍した須藤も、息を吹き返した大橋の前に後手を踏んでしまう。

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こうなると、前半に感じた「不安」が徐々に露呈しだしてくるHonda。早い展開をし続ける長野に対し、Hondaの中央の守備が付ききれなくなっていくのだ。次々と中に入ってくる攻撃陣に対し、マークが混乱しシュートを浴び続けるHonda。そして63分には、またも大橋のパスカットからチャンスが生まれ、向にパスが繋がると体勢を入れ替えてシュート! これが決まってリードを2点差とする。

2週連続のホームゲームながらも、またも相手に2点のリードを許してしまったHonda。点差を広げられた直後の64分、大久保監督は新田純也の決定力に賭けてピッチに送り出す。また、疲れの見え始めてきた平山に代え小栗を投入するなどの交代策に出るが、流れを変えるまでには至らず、その後も長野の猛攻の前に苦しい時間が続いていく。

さらに84分には、前がかりになっていたHondaの裏を向が見事に狙い、右サイドを抜け出した藤田に絶妙のパス。これを受けた藤田が中の宇野沢に送り、体勢を崩しながらもシュートを放ち3点目をゲット。しかし、無理な体勢からシュートを放った代償も激しく、足をつってしまい、ここで宇野沢はお役ご免。

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3点というリードを得た長野は、終盤に出番の少なかった平石、籾谷を投入する余裕を見せ、危なげなくゲームをクローズさせ、首位を相手に3-0という見事な勝利を飾った。

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試合後の長野・薩川監督は結果に満足感を示しながら、このように語ってくれた。

「今日の試合は勝っても勉強、負けても勉強なんでしっかり今の自分を出してこい!と伝えましたが、前半はダメだったね。怖がっていたらどんな相手であろうと何も出来るわけがない。とにかく後半は自分たちのサッカーをやろうと言って送り出しました。後半3点とってくれたことには満足していますが、なによりも前半の苦しい時間帯に0で抑えたことは大きかったですね。まあ、運も見方してくれました。

ただね、Hondaっていうチームは歴史も実績もあるチームなんで、次に対戦するときに同じ展開にはならないと思うので、気を引き締めていきたいね」

薩川監督のコメントにあったとおり、試合のポイントは「前半」にあったように感じた。

完全に押し込まれ、自分たちらしさを何もだせなかったのだが、最後まで体を張ってゴールを守った長野守備陣を高く評価していいはず。また、開幕以来、不動のCB1番手となった小川の安定感は素晴らしく、数字に出ない「シュート」をことごとくブロックしたのは彼だった。また、今季出番の無かった野澤だが、この日は攻守に渡って安定感のあるプレーを見せ、存在感を大いに見せつけてくれた。

流れが悪いなりにも、粘れるチームこそ「本当に強いチーム」であるのだが、序盤の山雅戦、佐川印刷戦という負けゲームを肥やしとして経験値を積み重ねている長野。小川と並んで、この日のMOMと言ってもおかしくない働きを見せた大橋はこのようにコメント。

「今日の試合は85点ぐらいですかね? 自分たちは1番を目指してサッカーをしているので、頂点に立つまでは100点はないですね(笑) あと、今日は前半、相手を見すぎてしまったこともあり、積極性が出せませんでしたが、どんな相手でも後半のようなサッカーをしていきたいと思っていますし、それが出来れば『100点』が付けられるようなチームになると思いますね」

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そして試合会場には、現在は日体大監督として忙しい日々を送る、鈴木政一チームアドバイザーの姿もあり、選手一人一人に細かいアドバイスを送っていたのだが、その中で向に話していたアドバイスは、パルセイロがもっと強くなっていくためのヒントが随所にちりばめられていた。(内容については今後のチーム戦術に関わってくることなので掲載しませんが、非常に『理にかなった』攻撃のアドバイスであったことだけ記しておきます) 

これらのアドバイスを、選手がしっかり自分で消化できるようになれば、目標である「4位以内」は十分可能。あとは選手が「もっとかしこくなれるか?」がポイントであろう。

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さて、2戦連続でホームゲームありながらも、得点を奪えず敗れてしまったHonda FC。

別にHondaだけに限らないことだが、やはり「取るべき時間帯」に点を奪えないと、自分たちでゲームを苦しくしてしまう「典型的」な試合をしてしまった。

前半に見せた攻撃は、今、日本で3トップを採用しているチームの中で「最もフィットしているのでは?」と感じさせるゲームを展開。これまでのHondaは、3トップはいいとして中盤の構成をアンカーにするか、安定感のあるダブルボランチにするかがポイントだったが、大久保監督は「安定感」を選択。そして、守備力の高い新人・須藤が加入したことが、チームの好調を支えてきたのだが、前が点を取ってくれないと、やはり全体のリズムは徐々に狂いだしてしまうもの。

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そして狂いだしてきたリズムの中で、耐えられないディフェンスも問題である。安部と並んで最終ラインを長年統率してきた石井雅之が昨シーズン限りで引退した穴に関して、ふさがったと感じることは正直出来なかった。決定力に関しては、Hondaに関わらず、どのカテゴリーでも大きな問題であり、今日明日の練習でいきなり上がるものでもない。しかし、守備に関してはしっかりとした対応策を練り、集中を切らさなければ、次の試合では十分修正することは可能だし、無失点に抑えれば最低でも「勝ち点1」は獲得できるのだ。

攻撃は悪くない今季Honda FC。あとは守備陣のさらなる奮起に期待したいところだ。
やはり、アマチュアサッカー界きっての名門は、常に強く、そして尊敬される存在であって欲しいのだから…

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2011JFL 前期第14節
6月4日 @都田
Honda FC 0-3 AC長野パルセイロ
[得点者]
47分藤田、63分向、84分宇野沢(長野)
[警告]
26分安部、76分川嶋(Honda)

[ゲームスタッツ]
シュート数:Honda7、長野17
ゴールキック:Honda10、長野4
コーナーキック:Honda5、長野6
直接FK:Honda11、長野11
オフサイド:Honda6、長野0
PK:Honda0、長野0

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