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2011年11月 9日 (水)

武南、選手権出場まであと2勝

第90回全国高校サッカー選手権の予選が各地で行われており、すでに青森山田(青森県)など、いくつかの代表校が決定している。そんな中で、日曜日は地元である埼玉県の予選会場に足を運んだ。埼玉予選はベスト8の段階であり、土曜(5日)の試合ではシード校の浦和東とノーシードの川口東が勝利して準決勝に駒を進めている。そして日曜日(6日)は残り2試合の準々決勝が行われた。

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【西武台 vs 武南】
ともにプリンスリーグ2部(西武台はグループA、武南はB)で戦っており、予選はシードされ決勝トーナメントから登場。武南は新人戦優勝、総体予選準優勝(総体本大会は初戦の青森山田戦では勝利したが、神村学園に敗れて2回戦敗退)で、今年の優勝候補最右翼と目されているが、この日の相手である西武台は昨年の選手権予選・準決勝で敗れた相手ということもあり、大山監督はこの試合を特に重要視していたのだ。

今年の埼玉の高校サッカーは、プリンスに出ている武南、浦和東、西武台が3強を形成し、それに伊奈学園、市立浦和、正智深谷がどこまで上位に食いついていけるか? というのが新人戦からの流れであったが、やはりプリンス組3校の力がやや抜けており、この試合は事実上の決勝戦と言ってもおかしくはなかった。

武南は夏の4-4-2からシステムを4-3-3に変えていた。夏までは5番中里がCBに入っていたが、キャプテンでもある16番田代(CB)がケガ(骨折)から戻ってきたこともあり、中里がボランチ(アンカー)に回る形となり、その前の中盤には夏以降に急成長を見せた1年生・鈴木裕也がメンバー入ってきた。

武南スタメン:4-3-3(GK鹿島、DF松本、的場、田代、穐本、MF中里、鈴木、谷口、FW亀山、遊馬、吉光寺)

西武台スタメン:4-3-3(GK三澤、DF村上、見富、恩田、平山、MF川又、泉、水野、FW面川、須賀、岩原)

さて試合だが、立ち上がりから武南が積極的な姿勢を見せ、9分までに立て続けに6本のCKを奪い、タッチに逃げても3番穐本のロングスローがゴール前まで入るなど、完全な武南ペースで試合は進んでいく。この中でも、4番的場、16番田代のCBコンビが抜群の高さと強さを見せ、あわやゴールというシーンが連発させていく。さらには、守っても高さのあるこの2人が相手FWに仕事をさせず、西武台にいい形をまったく作らせない。

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そして25分、武南はFKのチャンスを掴むと、またも的場がゴール前で競り勝つと、これが決まって武南が先制。その後も武南らしい丁寧に繋ぐサッカーで相手を自陣に釘付けにしていき、終了間際の40分にも吉光寺の突破からチャンスを掴み、FW遊馬がポスト気味にボールを落としたところに谷口が入って来てミドルシュート。これも決まって武南は非常にいい時間帯に追加点を奪う。

前半は上出来といった武南だったが後半は一変。後半開始早々からメンバーを2人入れ替え、さらに44分にも交代のカードを切ってくる西武台。それに対して武南は、2点リードという余裕からか、どうしても前半のようないいリズムを出し切れない。攻められてはいないものの、どうも攻撃のリズムが狂いだし、お世辞でも「いい内容」とは言えなくなり出すと、大山監督が危惧していたミスが続出。つまらないパスミスや判断ミスでボールを奪われ出すと、次第にセカンドボールをマイボールに出来ない時間も増え出していく。

後半の中盤以降は攻撃の形をほとんど作れなかった武南。しかし、田代が帰ってきた守備陣は終始安定しており、後半のポゼッションでは相手に圧倒されたがシュートを打たず場面はほとんどなく(実際には1本だけ)、そのまま2-0で逃げ切り成功。昨年のリベンジを果たして準決勝進出を決めた。

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前半は優勝候補らしくいい試合を見せた武南だが、後半の内容は言っては悪いが最悪の内容であり、大山監督も試合後には渋い表情で「どうしてもうまくいかないねぇ…」と愚痴まじりのコメントが出てきた。しかし、田代がチームに戻り、高さのあるCB2枚が揃い、守備力も高く、展開力のある中里を中盤の底に置く形は抜群の安定感を見せたと言えよう。

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とりあえずは選手権出場を目指す上で、2つの難敵と目されるうちの1校を破った武南。これで4年ぶりの選手権もかなり現実的となってきた。しかしだ、武南には「埼玉県代表」となるだけではなく、全国でもベスト8、そしてそれ以上を目指すチームとなってほしいのである。ここ数年は、かつてのような好成績を残せていない武南だが、やはり武南が強く無くては埼玉の高校サッカーはおもしろくならない。全国大会に出るだけなら、この日のような試合でもいいだろう。しかし、上位進出を目指すのであればこの試合内容では到底無理。

プレミアリーグやプリンス1部で凌ぎを削る、流経柏や桐蔭、桐光、前橋育英、市立船橋と比べてしまえば、武南のレベルはまだまだ下。的場、田代の強力CBコンビの力は魅力だし、本大会で全国の強豪相手にもそれなりのプレーは見せるだろう。しかし、好不調の波がありすぎる攻撃陣が、全国の強豪相手にどこまでやれるかは未知数である。だからこそ、まずは自滅しないためにも、つまらないミスは減らして欲しいもの。

チームリーダーである田代が戻ってきた武南にとって、ここから先の戦いはいかに「冷静に戦えるか」が大きなポイントとなるはずだ。

全国高等学校サッカー選手権・埼玉県予選
準々決勝(11月6日)@熊谷公園陸上競技場
西武台 0-2 武南
得点者:25分的場、40分谷口(武南)

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【大宮東 vs 市立浦和】
さて、第二試合については申し訳ありませんが簡単に。

大宮東 vs 市立浦和の試合となった第二試合だが、両者がそれぞれの持ち味を出し、非常に内容の濃い好ゲームとなった。一時期は埼玉の高校サッカーをリードした時期もあった大宮東だが、近年はやや低迷。それに対して市立浦和は、黄金期の強さは無いものの、例年まとまりのあるチームを作り、埼玉県大会では上位をキープしている。

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市立浦和は高さのある10番山田を起点に、スピードのある両サイドがワイドに展開してチャンスを作っていく。それに対して大宮東は4-4-2のシステムで、縦に速い展開で対応。前半は0-0で折り返したが、後半に入ると市立浦和がセットプレー(CK)から立て続けにゴールを奪い、2-0として優位に試合を進める。しかし、2点目を奪われた直後の57分、大宮東はDFの枚数を減らしてFWの染谷を投入。

必死の反撃に出る大宮東は、控え部員が発する「気持ち大事!」のコールに力を得たのか、試合終了間際の79分に途中交代の石川が頭で押し込み1点差に迫り、ロスタイムにもPAすぐ外でFKのチャンスを獲得。GK柴田もゴール前に攻め上がったが、最後は市立浦和の冷静なクリアでボールはタッチを割りそこで試合終了して、「市高」が武南への挑戦権を獲得。

全国高等学校サッカー選手権・埼玉県予選
準々決勝(11月6日)@熊谷公園陸上競技場
大宮東 1-2 市立浦和
得点者:46分白畑、55分名取(市高)、79分石川(東)

ということで、11月13日にNACK5スタジアムで行われる準決勝は、浦和東 vs 川口東、市立浦和 vs 武南というカードに決定。浦和東、武南、市立浦和は順当と言えるが、川口東の準決勝進出は大健闘と言えるのだが、プリンスリーグで戦う強豪校を前にしてどこまでやれるか楽しみである。そして市立浦和の攻撃を牽引する山田が、高さのある的場、田代の武南CBコンビをどう攻略するかも興味の的となってくるだろう。

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