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2011年10月24日 (月)

町田、首位佐川を劇的に下す

毎回思うのだが、野津田の競技場まで歩いていくのはツライ…
バスを降りたら急勾配の坂が待っているし、暗くなればかなり不気味に感じる獣道を歩くこととなるし、おまけに今日は小さなヘビまでお迎えしてくれた。

アクセスに関しては「お世辞でも」どころか、まったく良くないスタジアムだが、試合は本当におもしろい。これでアクセスが改善(スタジアムまでの直行バスが復活すれば)されれば、もっと観客動員は増えるだろうに… と感じさせる試合をまたもやってくれた。

[町田スタメン]
ーーディミッチー勝又ーー
ー酒井ーーーーーー鈴木ー
ーーー柳崎ーー小川ーーー
津田ー太田ーー田代ー藤田
ーーーーー吉田ーーーーー

[SAGAWAスタメン]
ーーーーー高橋ーーーーー
鳥養ーーー清原ーー宇佐美
ーーー櫛引ーー中村ーーー
旗手ー冨山ー清水ー奈良輪
ーーーーー村山ーーーーー

アウェーで取りこぼしがやや目立つ反面、ホームでは圧倒的な強さを見せる町田。順位も徐々に上げ、4位という位置まで登り詰めてきた。そして、この日の相手は首位を走るSAGAWA SHIGA FCが相手と言うこともあり、勝って首位との差を縮めたいところだし、Honda FCと並ぶ「JFLの門番」に勝って実力があるところをアピールしたかった。

さて町田のスタメンだが、左MFの位置に酒井が入ったが、それ以外のポジションはよほど出場停止やケガがない限りはもう、完全にメンバーは固定された感もある。

Img_0048

そして試合だが、いきなり動きを見せることとなる。町田のキックオフで始まった試合だが、ボールを右に展開するとこれに勝又が反応。すかさず中へクロスを入れるが、ここはディフェンスがクリア。しかし、このクリアボールを左サイドから上がってきた津田がカットして再び中へクロス。これも一旦はDFがクリアするが、クリアが小さく詰めていた酒井が蹴り込んであっと言う間に町田が先制点をゲットする。

手元の時計を見るとわずか39秒。電光石火のオープニングアタックにより、町田は先制点を奪い、SAGAWAとしてはいきなりのハンデを背負うこととなる。

幸先良い試合の入り方をした町田は、続く3分にも小川のミドルのこぼれ球に再び酒井が反応。これも決まったか! と思われたが、ここはバーに阻まれ追加点を奪えない。だが、首位を走るSAGAWAも黙ってはいない。先制点はいきなり奪われたものの、落ち着きを徐々に取り戻すと6分にチームの心臓である中村から縦にいいボールが入る。すると、うまく抜け出した清原が反応してゴールを狙っていく。そして、この一連の攻撃から立て続けにCKのチャンスを得て町田ゴールに接近。

町田もSAGAWAもそれぞれのサッカーが完成されているため、なんとか自分たちのペースにしようとあの手この手を繰り出すのだが、流石に両者とも実力があり、さらに上位にいるチームだけあり、なかなかどちらかがペースを握るという展開までには至らない。

町田は攻撃力ばかり注目されるが、実際には前線4人の前からのプレスと、小川、柳崎のボランチの押し上げによる守備が非常に効果的にあることを見逃してはならない。18分以降、SAGAWAがボールをキープする時間が増え出し行くのだが、これはペースを握っているのではなく、前からのプレッシャーが厳しいため、一旦下げて後ろで回し、なんとか穴を探ろうとしたためにポゼッションする時間が増えただけのこと。

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本来なら、ボランチの中村の位置でボールを自由にキープして、そこからサイド、もしくは縦の空いたスペースにボールを出していくのだが、町田の速いプレス、そして穴のないデイフェンスにSAGAWAはかなり手を焼いてしまう。

しかし町田とて、幸先良く先制点は奪えたものの、そこから先はややもどかしい展開が続いてしまう。流石に相手は首位を走るチームだけあり、ゲームに慣れてくるとなかなか「ほころび」は見せてはくれず、裏への飛び出しを狙う勝又が、相手のうまいラインコントロールに引っかかってしまい、オフサイドとなる場面が続出。

町田は奇襲が成功し開始早々に先制点を挙げたが、それ以降は両者とも五分五分といったような展開となり、勝負は運動量が下がり出す後半終盤に持ち越された。

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さて、後半開始から動きを見せたのはSAGAWA。マッチアップする酒井の動きにやや押し込まれていた感もある宇佐美に代わって山根を投入。ただ、試合後の中口監督は「宇佐美の動きが悪かったというより、中村を一列前に上げていいパスを供給させたいという思いと、コンディションが完全ではない高橋に無理をさせないため」と語ったとおり、鳥養を1トップに移動し、トップ下を左から清原ー中村ー高橋、ボランチを櫛引ー山根という形に変えてきた。

しかし、後半立ち上がりも細かく繋ぐ町田のペースで進み、48分にはディミッチが外に展開して中に酒井が入りチャンスを広げる。続く50分のセットプレーでは太田が飛び込んでゴールを狙い、54分にはディミッチが積極的にシュートを放っていく。

中村がトップ下に入ったものの、なかなかいいボールを入れられなかったのだが、水曜日にU-22代表と練習試合を行っている町田は、60分過ぎから徐々に運動量が下がりだし、前からのプレスが弱り始める。61分にはGKのキックがそのまま縦に流れ、中村が上手く抜け出してチャンスを作るが、ここは太田が見事なカバーリングで対応。

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こうなると、SAGAWAは1トップを含めた4人が流動的に動いて、どんどん飛び出していくシーンが増えだしていき、流れがSAGAWAに向き出していく。SAGAWA中口監督はここを勝負所と読み、68分に高さのある竹谷をここで投入。ボールを持った2列目は、竹谷の姿が視界に入ればシンプルに縦に蹴り込み、竹谷が見えなければ外にはたいて展開するというプランでなんとか得点を狙いに行く。

運動量の下がってしまった町田だが、やらっれっぱなしではない。竹谷投入直後の68分、カウンターから藤田が右サイドを抜け出し中へ低いクロスを入れると、勝又がこれに見事に反応して決定機を迎えるが、GK村山の好セーブにより追加点を奪えない。それにしても、前からのプレスがゆるみ、徐々にペースが相手に傾きだしても無尽蔵のスタミナで前線をかき回す勝又は味方にとっては大きな存在であり、相手にとって危険な選手あることは間違いない。

さて、ゲームは終盤を迎えるところからさらにヒートアップしていく。シンプルに竹谷目がけて前線にボールを入れてくるSAGAWAが立て続けにチャンスを作り出し、「さすが首位の攻撃力」というところを見せつけていく。84分には右から切れ込んできた清原が素晴らしいミドルを放つがここはDFが懸命のカバーでなんとか得点を与えない。

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なんとか体を張ってゴールを死守する町田守備陣だが、最後の最後の89分、左サイドから駆け上がってきた濱田から中村にボールが渡り、浮き球を中へ入れていくと、竹谷とGK吉田が反応。しかし、ボールにはいち早く竹谷が到達し、泥臭く頭で押し込んで土壇場でSAGAWAが同点に追いつく。

選手だけではなく、サポーターにも前期の3-0から追いつかれた悪夢の試合が脳裏によぎったであろう…

しかし、町田の選手たちはあの試合から3ヶ月がたち、屈辱的な同点劇から多くのことを学び、技術的にも精神的にも大きく成長し、そこで集中が途切れることはなかった。

AT1分には、途中交代の大前がミドルでゴールを狙い、勝負を諦めない姿勢を色濃く見せていく。そしてAT4分、SAGAWA鳥養が左サイドからボールを持ち込んでクロスを入れるがここはGK吉田が冷静にキャッチして前線にフィード。津田、太田と経由して前線の鈴木にボールが入ると、GK村山がやや前に出ていることを確認するとゴールまで40M以上ある地点から迷わずシュートを放っていく。これがなんとそのままゴールに吸い込まれていき、劇的すぎる2点目が終了間際に町田にもたらされる。

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しかし、ゲームはここで終わらない。あと数秒しか残っていないのだが、SAGAWAは最後まで諦めずゴールを狙い、左サイドの旗手がドリブル突破から絶妙のクロスを中へ入れていく。これに飛び込んだのは清原。頭で見事に合わせ、ラストワンプレーで奇跡の同点か? と思われたが、シュートはほんの僅かゴールの上。

ここでタイムアップ笛。

最初から最後まで、上位同士の対戦らしく実に見応えのあるゲームが展開された。そして何よりも、両者とも最後の1分1秒まで諦めない姿勢を見せたことはファン、サポーターのみならず、これからプロを目指そうとする子供たちに大きな印象を与えたことであろう。

両者のスタイルががっぷり組み合った好ゲームは、結果的に町田の劇的な勝利で終わり、これで町田は2位に浮上。目標であるJリーグという舞台もかなり明確に見えてきたであろう。そして何よりも、ポポヴィッチ監督の目指す「志の高いサッカー」は、この先にあるJリーグ(J2)という舞台で、早く見てみたいと強く感じさせるゲームでもあった。

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また、好ゲームを作り出すには、相手の力も必要なのであるが、流石にSAGAWAは首位チームらしく、粘り、そして強さを十分に見せてくれた。最後のシーンだが、同点に追いついた時点でドローでもいいという選択肢はあったはずだが、「ウチのチームにはドローはいらない。やるなら前に行って点を取ろう。ウチらしく攻撃の姿勢を貫いてそれで負けたら仕方がないのだから…」という積極的な姿勢があった故に、あの結末を迎えてしまったが、その采配に異を唱える物は誰もいないだろう。

最後の最後のまで諦めない姿勢、そして攻め抜く姿勢を見せたSAGAWAは、まさにグットルーザーでもあった。

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2011JFL後期第12節 @町田
町田ゼルビア 2-1 SAGAWA AHIGA FC
[得点者]
1分酒井、90+4分鈴木(町田)
89分竹谷(SAGAWA)
[警告]
45分ディミッチ、84分田代(町田)

[ゲームスタッツ]
シュート数:町田20、SAGAWA11
ゴールキック:町田8、SAGAWA9
コーナーキック:町田9、SAGAWA7
直接FK:町田12、SAGAWA10
オフサイド:町田8、SAGAWA4
PK:町田0、SAGAWA0

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