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2011年10月 9日 (日)

柏、手堅い試合運びで3回戦へ

1回戦でこの日の相手の「弟分」を下して2回戦に駒を進めて来た栃木ウーヴァ。そして1回戦に引き続き、同じユニフォームの相手となったのだが、今度の相手は格下の高校生ではなく、格上のJ1。数人の元Jリーガーを擁しているとはいえ、現在のカテゴリーはJFL。果たして、格上の柏レイソルに対して、どのような対応を見せて挑んでくるか注目された。

[柏スタメン]
ーーー工藤ーー北嶋ーーー
ワグネルーーーレアンドロ
ーーー大谷ーー栗澤ーーー
橋本ー近藤ーー増嶋ー藏川
ーーーーー菅野ーーーーー

[ウーヴァスタメン]
ーーー石川ーー竹内ーーー
ー市川ーーーーーー高安ー
ーーー濱岡ーー上西ーーー
田村ー岡田ーー前田ーー林
ーーーーー原田ーーーーー

酒井を日本代表で欠き、パク・ドンヒョクは出場停止、さらには安英学も代表戦で不在。さらには相手は格下ということもあり、この日は大幅にメンバーを代えてくるかと思われたが、ネルシーニョ監督は「常にベストで試合に挑む」とコメントしていたが、その言葉に偽りはなく数名の入れ替えはあったものの、ベストに近い布陣を組んできた。そんな相手に対してウーヴァは、エースでチームの大黒柱でもある若林が出場停止。

柏の方は、出場停止となる選手がいても穴埋めは可能であるが、選手層が決して厚くはないウーヴァにとって若林の欠場は大きく響いてしまうのだが、若林の代役には当初は三輪が予想されたが、数少ないチャンスを活かすためにも、裏に抜ける能力が高い石川を起用して、一発のチャンスを活かすプランを敷いてきた。

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さて柏のキッオクフで始まった試合だが、ウーヴァとしてはいきなり出鼻をくじかれてしまう。立ち上がりは全体のラインをやや引き気味にして、しっかりとした守備で相手の動きに対応し、前半はなんとかスコアレスで終わらし、後半のワンチャンスを物にしたいというゲームプランを描いていたウーヴァ・横濱監督。だが、開始早々の1分にいきなり北嶋のポストプレーから工藤がファーストシュートを放ち、続く3分には最初のセットプレーのチャンスを迎える。CKのチャンスに上がっていた増嶋が相手のマークを簡単に振り切って、フリーで飛び込んでいきなり先制点を奪っていく。

柏にとっては、この早い時間帯に生まれた先制点により、ゲームを楽にする事が出来たのだが、ウーヴァにとってはいきなりのビハインドとなってしまい、焦りと相手の早いプレッシャーの前に自分たちがやろうとしたサッカーを完全に見失ってしまう。

この日から復帰したベテランの北嶋は安定したポストプレーでチャンスを何度も演出し、ゲームを組み立てるレアンドロは相手が格下ということもあり、まさに「別格」という動きを見せていく。

ウーヴァも必死のディフェンスで対抗しようとするのだが、レアンドロがボールを持つことで中盤に「タメ」が生まれ、次々とSBやボランチの栗澤、大谷が前に飛び出してくる。これに対して、ウーヴァ守備陣は彼らの動きを捕まえきれず、度々ピンチを招いてしまう。しかし、開始早々の失点以降は柏のシュートミスにも助けられてなんとか事なきを得る。また、この日、久々の出場となった藏川だが、何度かいい場面でボールを貰ったのだが、中に切れ込むチャンスがありながらも早いタイミングでのクロスを選択してしまい、チャンスを広げることが出来ない。

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このように、ほとんどの時間帯で柏がボールを支配し続け、圧倒的なポゼッションで優位にゲームを進めていたのだが、増嶋のゴール以降得点をなかなか奪えない。こうなると、ウーヴァにもルーズボールや相手ボールを奪う場面が生まれてくるのだが、全体のラインがかなり押し込まれてしまっているために、ボールをなかなか前に運べない。最終ラインでボールを奪っても、北嶋、工藤の速いプレスに遇い、DFはただクリアするだけとなってしまい、ボールを前線に繋げられない。

また、濱岡や上西にボールが入ったとしても、大谷、栗澤の速い潰しに遇い、まったくと言っていいほどチャンスを作れない。そんな劣勢の中で26分にやっとFKのチャンスを掴み、このボールに田村が頭で合わせてファーストシュートを放っていくがこれは枠の外。

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結局は前半3分(公式記録は4分)の得点以降、スコアの動かなかった前半戦。柏としてはリードを奪っているし、このまま得点を奪えなくともポゼッションで圧倒している限り負けることはまずないのだが、ネルシーニョ監督はあれだけチャンスがありながらも8本しかシュートを打てなかったチームに、もっと積極性を出せとハッパを掛け、さらに久々に起用した藏川の動きに不満を持ち、なんとそのポジションに茨田を起用して、より攻撃的に行く姿勢を見せていく。

それに対してウーヴァは、予想以上に速い柏の攻撃とプレスに手を焼き、まさに手も足も出せない状態であった。最初の失点シーンを除いて守備面では健闘とまでは言えないが、必死に守って追加点を与えなかったことは評価していいが、あまりにもレアンドロを自由にさせてしまっているところに注意を与え、もっとボールを奪ったらサイドに散らしていこうということを指示して後半のピッチに送り出す。

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さて後半だが、前半よりもウーヴァの出足が良くなり、一方的な試合とまでは言えないレベルにまで押し返していく。2分には石川が監督の狙い通りの裏を狙う動きを見せ、10分には竹内が積極的な姿勢を見せて持ち込んで果敢にゴールを狙っていく。だが、ウーヴァが前に行こうとする姿勢を見せれば、その反面でスペースも生まれてくるのだが、その小さな穴をJFLでは見逃してくれても、J1クラスではその穴や隙を見逃してはくれなかった…

13分、栗澤から前線に長いボールが入り、これがレアンドロに渡る。するとDFが寄せてくる前に素速くシュート! これが決まって貴重な追加点が柏にもたらされる。

もうこれで完全に勝負ありだった。

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その後、20分にレアンドロがお役御免となると、柏のパフォーマンスが落ちてウーヴァもそれまで以上にボールが持てる時間帯が増え、濱岡、高安と言った選手が柏ゴール前まで迫るシーンが生まれるが、そこは増嶋、近藤がしっかり対応してシュートを打たせない。結局、ウーヴァは1試合を通じて5本のシュートしか打てなかったが、ほとんどが枠外シュートでありノーチャンスで試合を終えてしまった。

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守備面では健闘できたウーヴァだが、攻撃面では何一つ通用しなかった。確かに、エース若林は不在であったが、この日のゲームはほぼFWにすんなりボールが入る場面が乏しく、若林がいたら大きく展開が変わっていたのか? と言われればそれは違う気もするのだ。

やはりこの日の両者には、確実の大きすぎるレベル差が存在していた。レアンドロの卓越した個人技はもちろん、全体のラインがコンパクトに整備され、鋭いプレスによりウーヴァはまったくと言っていいほど自由にボールをコントロールすることが出来なかった。

試合前に考えたゲームプランは結局のところ、ほとんど遂行出来ず終いであり、やりたいことはほぼ出来なかった。それぐらい、JFLとJ1上位には差があるということを、イヤという程見せつけられたウーヴァ。横濱監督も竹内も試合後、「今日は全然でしたね…」と語ったが、ここで「なぜ通用しなかったのか?」、そして「「強いチームはなぜ強いのか?」をしっかりと刻み込めればこの完敗も将来の肥やしとなっていくはずなのだが、まずは次のHonda FC戦でその「教訓」が発揮されるか注目したいところだ。

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さて、最後に柏レイソルについてなのだが、危なげない完勝であったことは否定しないのだが、一発勝負のカップ戦の初戦ということもあり、チーム全体に「らしさ」をだすよりも「手堅く勝とう」という意識の方が強く、ゲームを通して満足する内容ではなかったと言える。

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そんな中で、北嶋の復帰があったり、茨田のSB起用という普段ではほとんど見られない起用があったりと、それなりに収穫があったこともまた事実。リーグ戦の方では、勝ち点差1で2位につけているということもあり、J1優勝も視界に入っている柏にとっては、どんな試合や大会、そしてどんな相手でも「負けないこと、そして勝ち続けること」がチームにとって最大のビジョンとなるのだが、この日はそれが達成された時点で、まずはOKといったところであった。

これまで、Jリーグの歴史の中でJ1リーグ連覇という記録はすでに達成されているが、いまだに年をまたいでJ2優勝→J1優勝を達成したチームは無い(※J1昇格後、即優勝という意味)。そんな記録に挑戦する今の柏だが、ネルシーニョ監督の会見での言葉を聞く限り、その記録達成も決して夢ではない気もしてきたと言えよう。

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第91回天皇杯・全日本サッカー選手権
2回戦 @柏の葉競技場
柏レイソル 2-0 栃木ウーヴァFC
[得点者]
4分増嶋、30分レアンドロ(柏)
[警告]
75分近藤(柏)

[ゲームスタッツ]
シュート数:柏17、栃木5
ゴールキック:柏13、栃木14
コーナーキック:柏9、栃木5
直接FK:柏11、栃木7
オフサイド:柏1、栃木6
PK:柏0、栃木0

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