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2011年9月25日 (日)

パルセイロ、暫定ながらも首位へ

JFL1年生の長野パルセイロが暫定ながらも首位に立った。前節の横河武蔵野戦に引き続き、今週もアウェー(vs アルテ高崎@浜川)での対戦となったが、苦しみながらもしぶとく勝ち抜いて無敗記録も13に伸ばし、さらには勝ち点を42として開幕戦以来の首位に躍り出たのである。

[高崎スタメン]
ーーー松尾ーー伊藤ーーー
ー益子ーーーーーー白山ー
ーーー山藤ーー小島ーーー
田中ー山田ーー増田ー布施
ーーーーー岩舘ーーーーー

[長野スタメン]
ーーー宇野沢ー冨岡ーーー
ー佐藤ーーーーーーー向ー
ーーー大橋ーー野澤ーーー
高野ー大島ーー籾谷ー寺田
ーーーーー加藤ーーーーー

ほぼ1ヶ月ぶりの対戦となった高崎と長野。前節は開始3分という早い時間帯に奪ったゴールを守りきり、苦しみながらも長野が勝利しているのだが、高崎はその時とは「自信」という面で少し変わってきている。天皇杯で連勝をした(予選決勝+1回戦)ことできっかけを掴み、前節の松本山雅戦では粘り強く戦い抜いた結果、12試合ぶりに勝利したことでチーム状況は一気に上昇。

何度も書いてきたが、高崎は2010年4月17日に行われた武蔵野戦(@敷島)以降、25戦ホームゲームで勝利してはいない。さらには高崎市にある浜川では2009年5月16日のリザーブス戦以降勝利していない。そんなこともあり、いい流れを持続している今こそ、なんとか浜川で勝利して流れを「本物」にしたいという強い思いを秘めてホームのピッチに立っていた。

さて、前節の武蔵野戦では籾谷、向が出場停止であった長野だが、この試合から揃って戦列復帰。土橋に関してはケガの状況が長引きそうだということで、薩川監督は事実上今季の復帰は難しいと考えているのだが、その穴はしっかり野澤が埋めており、盤石の形で浜川に乗り込んできた。

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長野のキックオフで始まった試合だが、最初に相手陣内に攻め込んだのはホームの高崎。3分にGKからボールに松尾が頭でそらして前に送ると伊藤が最初のシュートを放ち、4分には益子のパスカットから最後は松尾がシュート。この日もラインをコンパクトに保ち、守備においては必ず数的優位を作って相手に自由を与えない。さらには奪ったら素速くサイドに散らして展開という流れを繰り返し、長野陣内に攻め込んでいく。

いい動きを見せる高崎に対して、イマイチゲームに乗り切れない長野。宇野沢が相手の守備の前に封じ込められてしまい、向も1週間空いたことで「前半はゲーム感覚が戻らず消えてしまった」と語ったとおり、普段のような攻撃を牽引するという形を作れず、攻めてはいるものの、どこかもどかしい展開が続いてしまう。

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そして長野のコンダクターでもある大橋は「今日は中盤で全然ボールが落ち着きませんでした」と試合後に語ったとおり、悪いピッチコンディションと相手の素速いプレスに悩まされ、なかなか落ち着いてボールをさばくことが出来ず、ゲームメークに四苦八苦してしまう。

だが、そうは言っても個々の能力で上回る長野は18分に連続攻撃からチャンスを掴み、大典、寺田が立て続けてシュートを放つなど、じわりじわりと高崎ゴールに接近。続く20分にも向が左に展開して中へクロス。ファーで大典が頭で折り返し、最後は宇野沢が狙っていくがシュートは枠の外。

15分以降、やや長野に傾きだしたゲームだが、高崎も素速く守備を修正して再び五分の展開に戻し、20分以降は一進一退の攻防が続いていく。なかなか両者とも決定的な流れを作り出せないなか、32分に高崎がFKのチャンスを迎えるが、流れを掴みきれないチームにGK加藤は「人のこと(判定に対しても)はどうでもいいから、自分のことをしっかりやれ!」とチームに渇を入れていく。

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するとこの喝が効いたのか、FKを凌いだ長野は大典ー宇野沢のワンツーから大典が抜け出してシュート! しかしここは岩舘がしっかりセーブして得点を与えない。

このように、ゴール前に攻め込んでいく回数は多いのだが、ゴール前ではしっかりとした守備を見せる高崎に手を焼き続けた長野は、前半終了間際にカウンターからまたもピンチを迎え、ロスタイムには松尾のミドルでヒヤッとする場面も迎えてしまう。

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チャンスもそれなり作ったこともあり、決して悪いとまでは言えない前半だったが、相手の粘り強い守備に手こずり、思うようなゲームを出来なかったこともまた事実。球離れを速くする、そして運動量をさらに増やすという点を心がけ、後半にピッチに立ったのだが、これが功を奏し開始早々から高崎を圧倒していく。

1分に大吾が右サイドに展開して中へクロス。しかしここは宇野沢がキーパーチャージを取られてチャンスを活かせない。続く4分は大典が抜け出し宇野沢へパス。そして中にクロスを入れると大吾がヘッド。セーブしたGK岩舘の手から一瞬ボールがこぼれてゴールか?と思われたが、実際にはゴールには入っていなかったのだが、篠藤くん、よく見ていたなあと少し感心(彼は元ザスパ草津のGKでして、この日、出場したモミとも一緒にプレーした経験がありまして、今年からJ2主審としてもデビューしています)。

さらに長野の攻勢は続き、9分には向のクロスから再び大吾がヘッド! 今度こそ… と思われたのだがGK岩舘がファインセーブ! と思われたのだが、ラインズマンの判定はなんとゴールキック。今のは確かに弾いているんだが…

まあ、この程度のあやふやな判定なんて、JFLや地域リーグでは日常茶飯事なので、これぐらいで熱くなってしまってはダメということもあり、選手はすぐに切り替えて攻撃の手を緩めず攻め込んでいく。11分にも宇野沢がシュートを放ち、16分にはCKのこぼれ球を野澤がミドルで狙う。そして18分、向が左に開いてクロスを入れると、中で大典がフリーでボールを受けたが痛恨のトラップミスでシュートを打てずじまい…

前節はいい動きを見せてくれた大典だが、この日はチャンスに絡むシーンもそれなりに多かったが、そのチャンスを活かせずややフラストレーションの残るプレーとなってしまい、20分に栗原と交代。そして大典と代わった栗原が、いい動きを見せて勝利をたぐり寄せる仕事をやってのけるのだ。

後半は開始早々から、ほぼ高崎陣内で試合を続けていた長野だが、堅いディフェンスと度重なるチャンスでのシュートミスが続いてしまい、チャンスを活かせないイヤな展開が続いていたのだが、27分に栗原が絶妙のタイミングで前のスペースにスルーパスを通していく。これに反応したのは宇野沢であり、彼がフリーでボールを持った瞬間に「決まった」と直感した。

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ボールを受けた宇野沢が突進していくと、逆側からは大吾もスピードを上げてゴール前に入ってくる。そして宇野沢はその大吾にパスを送ると右足で合わせてついに均衡を破ってみせる。

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歓喜に湧く長野サポーター。
得点を決めた大吾、そして他の選手たちは9月8日に誕生したモミの長男(第1子)のためのゆりかごダンスを披露。

今の長野には、1点あればしっかり勝ちきれる「強さ」があった。先日の武蔵野戦では「ラスト15分をどう戦うのか?」と薩川監督は勝った試合の中で反省点として上げていたのだが、この日は前節のような中途半端な姿勢を出してしまうのではなく、少なくとも緩急をつけて攻撃の時間を長くしたり、2点目を取りに行こうという姿勢を見せたことは悪いとは思わなかった。そんな意図が41分にゴール前に切れ込んで行った寺田のプレーであったり、42分の宇野沢のループシュートであり、45分の栗原のシュートに現れていると感じたのである。

結果的には前回対戦同様、1-0という結果であったが、またも長野の勝利で終わったこの試合。

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ただ、それでも薩川監督は試合後「まだ終わらせ方が下手だよ」と手厳しい姿勢を見せ、さらにはこう続けてくれた。

「いや〜、素晴らしくひどい試合だったね。当日移動の難しさを感じさせる試合になっちゃった。まあ、決められるところはいくらでもあったのに、それを決められないと難しい試合になるね。

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ただね、シュートを打とうという意識が高くなっていることはいいことだし、悪い試合なりも勝ちきれるようになったところや、無失点で抑えているところは評価していいかな? と思っています。まあ、時間帯によって、選手は何をしなきゃいけいないか、もっとしっかり判断しなきゃいけない部分なんかは、まだ成長が必要だろうけど…」

ゲーム自体は長野のものであったと感じたこの試合。しかし、ピッチ状態の悪さ、そして相手の積極的な姿勢の前に苦しい試合となり、その結果は薩川監督や選手が口を揃えて「あまりよくない試合」という表現に繋がったのだが、その裏返しとして高崎の健闘を見逃してはならない気がする。

この日、会場が群馬の浜川ということもあり、知り合いであるザスパサポ数名が観戦に訪れていたが、揃って「高崎の中盤はみんな必死に頑張っていましたね。選手のうまい下手や勝った負けたではなく、ああいう気持ちの入ったプレーを見せられれば、好き嫌いとかは関係なく好感を持てますね」と語っていたが、今の高崎には、選手それぞれが「勝ちたい」「上(もっといいチーム)でやりたい」という気持ちをみんな強く持って戦っている。その必死さがあるからこそ、個の力では大きく離されている相手でありながらも、拮抗した試合に持ち込めているのだ。

この日も結果的に敗れてしまい、またもホームゲームでの未勝利記録(これで26試合勝ちなし)、さらには浜川未勝利記録を伸ばしてしまったが、長野サポにも「アルテは侮れないチーム、そしてよくファイトするチームである」ということを、改めて印象づけたはず。今年も残留争いに足を踏み入れてしまっているが、前節やこの日の試合のような「必死さ」を、全面に出していれば、私個人としてはJFL残留は十分可能であると感じている。

ただ、高崎を応援する人にとっては、当初掲げた「一桁順位」という目標が遠のいてしまったことには不満が残るだろうが…

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まあそれにしても、2週連続で長野を見てきたが、本当に強くなったと感じたのだが、それと同時に、地域リーグ時代のメンバーがスタメンに7人も残っていることに強く感慨を感じたのである。

薩川監督は昨年の天皇杯予選決勝で「コイツらもさあ、十分上でやれる力があるんだから、はやく上(JFL)に行かせてあげたいし、山雅と同じように高いレベルで試合をやらせてあげたい」と語っていたのだが、その言葉がウソでは無かったことを、今の結果が証明してくれている。

かつて、北信越リーグはJAPANサッカーカレッジを含め、4強時代(長野、松本、金沢)が長く続き、「無駄に熱いリーグ」と言われてきた。しかし、地域決勝で結果が出せない時間が続いたが、その時間が長かった長野はその中で「何が足りないのか?」を痛感させられ、その結果として足りない部分を補う努力や智将を招きチームを成長させてきた。

2008年、2009年と連続してJFL昇格に失敗してしまった長野には、ネームバリューの高い選手を獲得できるだけのお金の余裕はなかった。そんな懐事情があったのだが、それ以上に今いる選手でも絶対にやれるという自信やプライドがあったのである。

今の長野を見ていてよく似合う言葉は「継続は力なり」であろう。

バドゥから薩川監督にに変わっても、攻撃的姿勢を貫くことは変わらなかった。確かにチームはワンランクステップアップするために、鈴木政一という有能すぎる外部ブレーンを招聘したが、チームの核となる選手は長い間変えてこなかった。6年目となる大典、5年目のモミ、塚本をはじめ、ほとんどの選手がバドゥ時代を知る選手ばかりで構成されている今の長野。

起爆剤となる大物選手を獲得し、一気に力をつけるのもいいだろう。しかし、長野は選手を代えるよりも継続性を選び、そしてそれが成功に繋がっている。

ただ、シーズン終了まで12試合も残っており、この先には金沢や町田といった難敵との対戦が残されているだけではなく、門番の一角であるSAGAWA SHIGA、そして昨年、全社、地域決勝で一度も勝てなかった讃岐との対戦が2試合用意されている。さらには次節は土橋だけではなく、今度は大橋まで出場停止で欠くこととなり、非常に厳しい戦いが予想される。

ここまでは勢いで来れたかも知れない。しかし、ここから先の12試合は本当の意味で総合力やチームとしての成長が試されてくる訳だが、ここでしっかり結果を出して「やっぱりこのメンバーでもやれるんだ」というところを是非とも見せつけて欲しいところである。

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最後に余談だが、途中交代で入っていきなりのプレーでイエローを貰ってしまった浦島について、薩川監督のコメントが面白かったので掲載しておきます。

「ウチはさあ、常々クリーンなプレーをしようと言っているのに、なんでアイツ(浦島)はやってしまうかなあ…(笑)

入って30秒、それもファーストタッチでイエローだよ?

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それにあの頭見た? なんかさあ、世紀末覇者みたいな頭だったよね?
ラオウみたいに勢いよく出ていったけど、ケンシロウにやられるザコキャラクターのように、あっさりやられちゃった(イエローもらった)ね(笑)」

ということで浦島さん。次は大橋が出場停止で出番が回ってくる可能性が高いんだから、薩川監督からザコキャラと言われるのではなく、せめて南斗六聖拳レベルと言われるような活躍を見せてくださいよ!

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2011JFL 後期第9節 @浜川
アルテ高崎 0-1 AC長野パルセイロ
[得点者]
72分冨岡(長野)
[警告]
21分小島、31分田中、64分山田(高崎)
42分宇野沢、54分大橋、71分浦島、82分栗原(長野)

[ゲームスタッツ]
シュート数:高崎9、長野15
ゴールキック:高崎14、長野12
コーナーキック:高崎3、長野2
直接FK:高崎17、長野10
オフサイド:高崎1、長野0
PK:高崎0、長野0

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