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2011年8月19日 (金)

国民栄誉賞よりも大事なこと

サッカーを愛する人間として、なでしこジャパンのワールドカップ初優勝は本当に嬉しかったし、あの粘り強さ、メンタルの強さ、そして修正力の高さは本当に素晴らしいと感じました。

監督や選手たちがコメントで語っていた「元気を与えたい」という言葉には説得力があったし、選手たちの活躍は日本に活気を与えたと思います。しかし、サッカー界の人間としては、元気を与えた、莫大な経済効果をもたらしたということよりも、今、サッカーで世界を目指そうとしている子供たちに大きな夢を与えたことが一番の収穫だったと思っています。

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前置きが長くなってしまいましたが、昨日、なでしこジャパンメンバーや監督スタッフを含めた選手団に国民栄誉賞が贈られました。

そのこと自体、「サッカー村」に属する私も嬉しいと思います。
しかし、単純に「なでしこ、おめでとう!」と思えない感情もあります。

ワールドカップで優勝するということは、サッカーを長年やって来た&見てきた人間からすれば本当に快挙だと思います。私事ですが、本気で現役をやっていた小学校〜高校時代(1979〜1989)からすれば、男子であろうと女子であろうと世界制覇するなんて夢のまた夢だったし、優勝なんてキャプテン翼だけの世界だと思っていました。

それを見事に成し遂げたなでしこジャパンの活躍に、おもわず涙してしまいましたが、いざ、国民栄誉賞が決まると、えっ? なんか違くない?? という感情も…

そういう賞のあげるタイミングというか、受賞を決める基準が適当かつ、あいまいであり、政治(政権、もしくは空きカン)の、人気取りのためのツールとしてに使われていることに納得がいかないのです。

なでしこが受賞することには否定はしません。
しかし、彼女たちが国民に感動と希望を与えたのであれば、北京オリンピックで金メダルを取った女子ソフトボールはどうなんでしょうか? あのチームだって十分国民栄誉賞に値するのではないでしょうか? もっと別の言い方をすれば、オリンピックで3連覇した柔道の野村忠宏さんはどうなんでしょうか?

ちなみに、一時は大ブレークした女子ソフトボールですが、日本代表のエースである上野選手が所属するルネサスエレクトロニクス高崎の試合にはそれなりに観衆が集まりますが、それ以外の試合ではほとんど観衆もまばらと言った状況で、ブームは一過性で終わってしまっています。

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では、今の女子サッカー人気、いや、なでしこ人気を一過性のブームで終わらせないため、さらには人気を支え続けるに何をすればいいか、そして何が出来るか? を考える必要があると思います。

単純にリーグを大きく成長させていくには、女子サッカーをサポートしてくれる企業、団体を増やすことが一番とですが、それはD通さんやサッカー協会、さらにはなでしこリーグ事務局がやること。ただ、チーム単体でもこれまで以上の営業活動をしていかなければなりません。協会や事務局は「なでしこ」のブランド力が一気に上がったこともあり、新規スポンサー(パートナー)獲得は以前より楽になっていくでしょうが、クラブ単体の方は非常に難しいと感じます。

INACのように、代表選手を多数抱えるクラブであればいいのですが、代表選手のいない伊賀FC、エルフェン狭山や福岡Jアンクラス、さらには2部カテゴリーにあたるチャレンジEAST、WESTに所属するクラブは非常に厳しい状況であることは変わりはないし、月額の活動費を払いながらプレーしているトップ選手も少なくはない。(トップリーグ下位チームの年間総予算は1500万〜3000万程度と言われている)

代表一人勝ち、さらにはスター軍団の一人勝ちでは、そのリーグというか、女子サッカー全体の発展には結びついては行かない。今、なでしこブームでにぎわう女子サッカー界において、いかにこれまで以上のお金を集め、それをうまく分配できるかが大きなポイントであると考える。

そしてファン、サポーターの側も、ブームを一過性で終わらせないためにも、ぜひとも会場に足を運んで欲しいのだ。人が集まる事により、そのスポーツの注目度は高まり、そして集客性が見直されていく。そうなれば、投資する側はメリットを見いだすもの。観衆のいないリーグには、さすがに協賛してくれる企業や団体は出てこないですから…

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無料試合であろうと、有料試合であろうと、さらにはカテゴリーに関係なく、そこにあるサッカーを自分の目で確かめる、そしてそこにあるサッカーを楽しむことこそが、ファン、サポーターに課せられる指命ではないだろうか?

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無駄に話が長くなってしまいましたが、国民栄誉賞なんて贈るよりも、文科省がサポート体制を強化してくれたり(実際にこの話は浮上しておりますが…)、メディアがリーグの試合結果を毎節報道するだけでもリーグの価値というか知名度は徐々にでも浸透していくと思うのですよ。

まあ、すでに受賞式も終わってしまったので、あーだこーだ言っても何も始まりませんが、この受賞が、この先から始まるオリンピック予選、そして本大会で変なプレッシャーにならないことを願いたいと思います。

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