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2011年7月 9日 (土)

総理大臣杯決勝は中大vs大体大

本日14時から大阪・長居のキンチョウスタジアムで「大学界・夏の王者」を決める、第35回総理大臣杯/大学サッカートーナメント決勝戦が行われるが、今回は1回戦から波乱が続き、大会前はきっと誰も予想しなかったであろう「中央大学 vs 大阪体育大学」という決勝戦が実現。

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そんなことで、1回戦から簡単に大会を振り返りたい。

今大会はU22代表の3人をはじめ、豊富なタレントを揃える流経大、昨年からのメンバーも多い東海1位の中京大、関東大学リーグで中盤戦以降に調子を上げてきた明大、関西前期で2位の桃山学院大、四国の雄・高知大、関東前期で首位に立つ早大が優勝候補と目されてきたが、明大以外は1回戦から厳しい戦いとなってしまう。

流経大は比嘉をケガで欠いたものの、山村、中里を今季初めてボランチで併用する形を採用し、ゲーム序盤から支配して25分に関戸が先制点を奪う。しかし後半33分、相手ミドルシュートが人に当たってコースが変わるという不運もあり、同点とされてしまう。同点となったあとは、仙台大の徹底した守備の前に手を焼き続けた流経大は最後まで決定打を打てず、からくもPK戦で2回戦にコマを進めた。

また、1回戦の注目カードであった中京大 vs 桃山学院大の試合は、序盤は一進一退の攻防が続いたが、27分にCKからこぼれ球を道上が押し込み桃山学院大が先制。しかし中京といえば、終盤からの追い上げ! というイメージがあったのだが、今大会ではその粘りが見えず、後半は相手に完全に押し込まれ本領を発揮できないまま1回戦で姿を消してしまった。

昨年度のインカレでベスト4まで進出し、今年も期待されていた高知大は終始相手を圧倒しながらも「1点」が奪えず、最後の最後で再びカウンターから2点目を奪われて痛い敗戦。早大も退場者を出しながらも、2度のリードを追いつく粘りを見せたがPK戦で力尽き、こちらも1回戦で敗退。

そして2回戦(準々決勝)だが、関東大学リーグの筑波大戦で0-5と大敗を喫した中央大は、あの試合以降から、仕掛けていくサッカー一辺倒ではなく「裏を狙われない」守備的戦術を導入し、それが見事にはまって流経大の良さを消し去ることに成功。そして明大は丸山祐市を中心とした粘りのディフェンスで桃山学院大の攻撃をシャットアウトして、1-0で逃げ切り2年連続で準決勝進出。(その他の試合結果は浜松大3-2国士舘、北教大岩見沢0-1大体大)

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さて、準決勝2試合についてだが、第一試合の大体大 vs 明大の試合はそれぞれのカラーがしっかり出た面白いゲームとなっていく。

明大は丸山が累積警告のため試合には出られず、CBには松岡が起用されるかと思われたが松藤を起用。そして関東大学リーグ戦ではサブ起用の多かった岩渕が今大会は大きく躍進し、この試合でもスタメン出場を勝ち取った。それに対して、チームの絶対的支柱である宮阪はコンディション不良のため、ベンチを暖める機会が多く、丸山、宮阪不在がチームにどう影響を及ぼしていくが気になるところでもあった。

大体大は4-4-2、明大は4-2-3-1で始まった試合は、ゲーム序盤から2トップの1角である渡邉目がけてロングボールを蹴り込み、そのこぼれ球にもう一人のFW山本、そして2列目の田上、松澤が絡んでいくという、非常にシンプルな攻めを仕掛ける大体大がペースを握っていく。7分、8分13分と同じような形からチャンスを作り、19分には明大守備陣の判断ミスから松澤が中盤でボールを奪うと、そのままドリブルで突進。

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ここで明大守備陣は完全に棒立ちとなってしまい、誰も松澤にプレスを掛けに行かない。そんなフリーの状況で松澤は躊躇なく右足を振り抜くと、シュートは一直線でゴールマウスに吸い込まれていき大体大が先制。続く20分から22分に掛けても、左サイドを攻略して分厚い攻撃を見せていく。

先制点を奪われ、浮き足立つ明大守備陣。丸山不在、宮阪不在ということもあり、チームを強烈に牽引していく選手がいないため、押し込まれた状況でなかなか大開することが出来ない。また、丸山と並んで明大の守備を統率する「はず」の松岡は、リーグ戦終盤での不用意なプレーからスタメンの座を離れており、ピッチ上で声を出す選手もいない…

そんな状況を見かね、31分についに宮阪を投入。そして相手に狙われ続けた左サイドにはボランチの豊嶋をスライド。すると、すぐさま交代効果が形に現れ始め、あれほど奪えなかったセカンドボールをマイボールにすることが出来はじめ、いいように相手2列目にやられた結果として、下げられ続けてきたラインが徐々に高い位置を取り戻せるようになる。

また、相手の足が止まり始めてきた40分以降は矢田、岩渕、阪野が立て続けにゴールを狙うなど、流れを自分たちに引き寄せることにも成功。結局、前半は1点ビハインドのままであったが、後半戦に期待を抱かせる内容を見せて前半を折り返す。

さて後半だが、やはり明大のペースでゲームが進んで行くが、大体大のディフェンスも集中しておりピンチは招くものの、しっかり体を寄せることで簡単にはシュートを打たせない。

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攻めても攻めても、粘り強く対応する大体大守備陣をどう攻略するか? 神川監督は65分、梅内に替え三橋を投入して、阪野ー三橋ー矢田という3トップ(4-2-1-3)にシステムを変更して勝負に出る。すると1列高い位置に出た矢田、そして今大会成長を見せている岩渕が結果を出すことに…

72分、右サイドで矢田がボールを持つと、縦にドリブルで抜けていく。途中、相手DFが守りにはいるがそれをゴールラインギリギリで交わすと中へクロス。これを走り込んできた岩渕が頭で合わせて明大がついに同点に追いつく。

ここで一気に逆転!を狙いたかった明大だが、不運に見舞われてしまう。75分、足を痛めてしまった松藤に替わって松岡を投入し、最後の交代カードを使い切ってしまう。本来なら、攻撃の選手を出したかったところなのだが、それが出来ず終いで終わってしまったことは神川監督としても非常に痛いところでもあった。

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そしてゲームは互いに3枚の交代を使い切った状況で延長戦に突入。しかし、前後半合計の20分では決着は付かず、決勝進出はPK戦に委ねられることとなるが、ここで大体大GK姫野は1回戦の早大戦に引き続き、スーパーセーブを連発。宮阪、阪野のシュートを見事に読み切ってPKをストップし、3年ぶり5度目の決勝進出を決めた。

準決勝第一試合
明治大学 1-1(PK3-4) 大阪体育大学
[得点者]
19分松澤(大体大)、72分岩渕(明大)

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また、準決勝第二試合の浜松大学 vs 中央大学の試合だが、結果的には中央大学が2-1で逃げ切って30年ぶりに決勝戦にコマを進めたが、非常に後味の悪いゲームであったことは否めない。

で、何が原因で後味が悪くなってしまったかといえば、それは主審のジャッジ以外の何物でもない。そして勝った中央大学の佐藤監督ですら「あれはおかしいよ…」と言うぐらいだったのだから…

さて試合だが、互いに4-4-2の形でスタートするが、互いに手数をあまり掛けない早い展開でチャンスを作り合っていく。そんな中で17分、小さな2トップの連携が中大ディフェンスを打ち破る。村松からのリターンを受けた神谷が抜け出して、浜松大が先制!

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しかし、ここから「岡劇場(主審の岡宏道さん)」が良くも悪くもスタートしていく。

先制点が決まった直後の18分、中大が浜松大ゴール前まで攻め込むが、そこで浜松大DFは誰も手も足も出していないのに、謎のPK判定を下す。試合後PKを決めた林に聞くと「なんだかよくわからないですけど貰っちゃいました」と語ってくれたのだが、中大として「?」なPKであったのだ。

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試合後の浜松大・長澤監督も「タイトルの掛かった大会の準決勝であのジャッジはないだろうよ… 彼らはさあ、プロではなく学生なんだよ。まだ成長段階の選手たちをリラックスさせてゲームをさせるのが主審の役目なのだろうに、逆に怖がらさせて緊張させてどうするんだよ? って感じですよ」と試合後に語ったように、PK判定だけではなく、ファールの判定基準も曖昧で、ゲームが荒れていく基を作り出してしまう。さらには、まったくといっていいほどゲームをコントロール出来ず、逆に不要なイエローを連発させ選手側に緊張感とイライラだけを増やしていくこととに。

そんな中でゲームは進み、27分にもサイドバックと2トップが絡んだ鋭い攻撃を見せた、最後は奥山が叩き込んで中大が2-1とゲームをひっくり返すことに成功。しかし、後半は完全に浜松大にペースを握られたまま時間が進み、全くと言っていいほど良さは出さなかったものの、田仲(68分で負傷交代→細見)、渡部のボランチコンビが奮闘し、最後まで守備のバランスを崩さなかったことで逃げ切りに成功。

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試合後の佐藤監督だが「筑波の赤崎くんにやられてからね(0-5)、これじゃマズイってことで、まずは裏を取られないようにするにはどうするかをみんなで考えた。中盤は引き気味にて、裏を狙われないようにすることをまず徹底させた。あとは前半の動けるうちでなんとか点を取って、後半は今日のよういに粘り強く行ければ… なんですが、流経戦といい、今日の試合といい、結構」目指す形は出来てきたと思います」と語ってくれた。

しかし、この日警告2枚で退場となってしまった林容平が決勝に出られないことは非常に痛い。あとは途中交代で出場した皆川に期待したいところだが、どこまでやれるかにも注目が集まる。

それにしても、両チーム合わせてイエロー10枚、そしてレッド1枚と荒れに荒れた試合。さらには75分に浜松大の長澤監督も退席処分になってしまったが、その理由が「異議」なのだが、遅延行為に対して第4審判に「どういうことなの?」と聞いただけで4審→副審→主審と行き渡る中でいきなりの退席処分。主審を含めた審判団はゲームを円滑に進めるために存在しているのに、まるで「オレがルールブックなのだ」と言わんばかりのジャッジで、どう見ても円滑に進めているのではなく、ゲームを停滞させてしまった張本人と言わざるを得ないこの日の主審。

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長澤監督の言葉にもあったように「タイトルの掛かった重要な試合」なのだから、もう少し冷静な判断でゲームの流れを読み、そしてジャッジしてほしかったところである。

準決勝第二試合
中央大学 2-1 浜松大学
[得点者]
17分神谷(浜松大)、20分林、27分奥山(中大)

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さて、決勝までもうまもなくとなってしまったが、当初は繋いで繋いで!のサッカーだったが、今大会では「堅守速攻、先攻逃げ切り」とカラーを一気に変えてきた中大と、3年ぶり3度目の優勝を狙い大阪体育大学の顔合わせとなったが、ゲームの予想としては、林の代役となる皆川が期待に応えられるか? そして佐藤監督のゲームプランどおり前半で得点出来るか?

それに対して、大体大はリーグ戦では正直「どうかな?」と感じる戦術だが、シンプルに縦に入れてくる戦術は一発勝負のトーナメントでは滅法強い戦い方であり、その「やり方」を最後まで追求出来るかがポイント。

それぞれのキーマンだが、中央は皆川祐介、そして大体大は山本大稀を推したいところ。さて、「夏の大学日本一」の座はどちらに輝くのであろうか?

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