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2011年6月 1日 (水)

熱いドローゲーム 【駒大vs流経大】

26日に行われた総理大臣杯(全日本大学サッカートーナメント)関東予選2回戦で、1部リーグ所属の学校は、2部所属校相手に軒並み苦戦を強いられ、筑波大、慶応大に至っては代表決定戦にすら駒を進めることが出来なかった。そして関東大学リーグ第5節は、中1日、もしくは2日という強行日程の中で行われ、さらには台風接近による悪コンディションの中で行われることに。

さて先週末の土曜日(28日)には、龍ヶ崎のたつのこフィールドにて駒澤大学vs流通経済大学の一戦が行われたが、首位と最下位の試合とは思えない魂のこもった試合が展開された。

[駒大スタメン]
ーーー渡邉ー大園ーーー
ーーーー碓井ーーーーー
ー湯澤ーーーーー山本ー
ーーーー山崎ーーーーー
濱田ー林堂ー平尾ー大木
ーーーー大石ーーーーー

[流経大スタメン]
ーーージョシュアーーー
ー中美ーーーーー小島ー
ーーー大貫ー関戸ーーー
ーーーー山村ーーーーー
比嘉ーー乾ー天野ー田向
ーーーー増田ーーーーー

先日の総理大臣杯予選で、流経大の中野総監督はこのように語っていた。

「どの試合も大事なことに変わりはないですが、今、(流経大にとって)一番大事な試合になるのは総理大臣杯予選。リーグ戦に関しては、負けなければそれで次に繋がりますが、カップ戦(大臣杯予選)は負けてしまえばその時点で終わりです。中4日にこの試合を迎え、その後は中1日でリーグ戦という日程なので、選手の疲労を考えて入れ替えを考えましたが、大臣杯予選はベストで挑むことに決めました。ただ、次のリーグ戦(駒大戦)は中里、椎名(※両者は東洋大戦で揃って負傷交代)のケガもありますので、かなり替える予定です」

と、語っていたとおりメンバーをいじってきた流経大。今季は右SBでの出場が続いていた天野は本来のポジションに戻り、その場所には昨年JFLチームでもまれた田向が入り、山村は中里のケガもありボランチへ。そして小島秀仁(現浦和)の兄である小島聖矢とジョシュアが今季初スタメン入り。

そして駒大だが、前節の明大戦ではキャプテンの林堂を欠いたこともあり、全く良さを出せなかったのだが、今節からキャプテンが復帰し、中盤のシステムも碓井が頂点に入るダイヤモンド型に戻してきた。

Img_0128

さて試合だが、先日の総理大臣杯予選・東洋大戦で、前半の早い時間で中里、椎名をケガで欠くこととなってしまった流経大は、この試合でも関戸が10分すぎの接触プレーにより脳震盪を起こしてしまい、またも予期せぬ負傷で交代枠を使うこととなってしまう。本来なら、疲労状況を考えて「使うとしても」後半途中からと考えていた村瀬を、14分の段階で出さざるを得なくなってしまったのだ。

しかし、この日は大貫彰吾が終始いい動きを見せ、流経大の攻撃を牽引していく。15分には小島→田向と渡り、最後は大貫が強烈なシュートを放つ。さらに16分にも枠は外したものの、いいシュートを連発。また、本職でもあるCBに戻った天野健太は、相手攻撃を跳ね返すだけではなく、22分には相手パスをカットして果敢に攻め上がってシュートまで持ち込んでいく。

Img_0258

このように、前半は終始流経大ペースで進んだが、前節と違って粘り強いディフェンスで対応する駒大。キャプテン林堂が戻ったことも大きかったが、最終ラインに抜擢された1年生CBの平尾優頼(市船卒)、左SBの大木暁(ヴェルディユース)が抜群の働きを見せたことを見逃せない。特に市船時代にキャプテンとして総体優勝を果たした平尾は、1年生とは思えない安定したプレーを最後まで見せ、流経大に決定的な一撃を打たせない。

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流れを掴んでいた流経大だが、守備をしっかり修正してきた駒大の前にやや手をこまねいた感じであり、ハーフタイムに中野総監督から「中盤でボールを持ったら、まず前のジョシュアを見ろ。そして、早く縦に入れて形を作ること。あとはもっと積極性を出そう」と指示されて後半のピッチに向かう。そしてこの指示どおりにボールも人も動いた流経大は、後半4分にジョシュアが抜け出したことにより、PKを獲得。

スポットに立ったのは、またも山村だった。

先週の青学大戦、そして先日の東洋大戦と、2本続けて決めてきた山村。しかし、この試合に向けてPKキッカーは「3回連続ではプレッシャーがかかるだろう…」という判断から、練習の段階で「関戸が蹴る」と決まっていたのだが、その関戸は負傷のためピッチにはいない。そんな状況もあり、自主的に山村がスポットに立った。だが、監督が予想したとおり、3回目のPKはプレッシャーがあったのか、GK大石の好セーブに遇いストップされてしまう…

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そしてゲームはこのPKストップを境に一気に形成は逆転。

ここからは、駒大らしい空中戦に肉弾戦が随所に繰り広げられ、流経大は押されっぱなしの展開となってしまう。CBの林堂眞は相手が嫌がるほどの「ガツガツした当たり」を見せ、攻撃の芽をつみ取り、FWの渡邉、大園、そして交代で入った肝付が、魂の入った競り合いを見せ続け、天野、乾と激しい空中戦を繰り広げる。

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彼らのマッチアップは五分五分であったのだが、碓井、湯澤、山本、山崎の中盤も気合いの入ったプレーを見せ続け、しっかり高い位置でセカンドボールを拾い回り、すぐに二次攻撃を仕掛けていく。前で競って、2列目が拾ってまた展開。そして中へ放り込んでの空中戦。これぞ「駒大のサッカー」というパワーサッカーが、たつのこで復活。

PK失敗後、後手後手に回ってしまった流経大は、中山、征矢を投入してなんとか流れを引き戻そうとするが、迫力ある駒大サッカーの前になかなかペースを取り戻せない。また、ボランチに入った山村の動きもやや精細を欠いてしまい、終盤を迎える頃には防戦一方となってしまう。

さて、この日の「ボランチ山村」の動きに関してなのだが、確かに連戦の疲労もあり、動きにキレが無かったことは否定出来ない。しかし、それ以上に今年の流経大は「中里の動き」がベースとなってチームが作られている(もしくは彼の動きに慣れている)こともあり、中里とは違ったリズムで展開し、ゲームを作っていく山村の動きは、お世辞でもチームにフィットしているとは言えなかった。

ただ、山村の名誉のために付け加えるが、中野総監督は「ボランチで大成させたい」とこれまでもコメントしているが、流経大では中里の存在もありCBを務めることがほとんどだ。そんな中で、中里不在の状況が生まれてしまい、準備期間が全く無いままで本番を迎えてしまえば、フィットしなかったことも致し方のないところである。

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話をゲームに戻すが、終盤には林堂の強烈な直接FKや、度重なるCKが流経大ゴールを襲い、駒大に「あわや」の場面が何度も訪れるが、そのたびに増田が立ちはだかり得点を与えない。ここまで最下位に沈んでいる駒大だが、「なんとか勝ち点3を取って最下位脱出したい」という強い意志が、不振を極めていたチームを一変させたのだが、流経大のディフェンスも最後まで集中を切らさずに対応して、試合はスコアレスドローままで終了

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試合後、駒大の碓井は勝ち点3を奪えなかったことにガックリして、ピッチにうずくまってしまったが、チームは間違いなく復調のきっかけを掴んだ。

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これまでの駒大は、代名詞でもある「魂のパワーサッカー」が出し切れず、タンパクなサッカーに終始していたが、この日は闘争心を全面に出し、ガツガツ当たってくる「らしい」試合を展開。秋田監督やキャプテンの林堂、そして碓井は、勝ちきれなかったことを悔やんだが「次に繋がる試合」と揃って評価。確かにこの日獲得した勝ち点は「1」であったが、その価値は「3」以上のものであったはず。

さてPK失敗で勝ち点3を失ってしまった流経大だが、試合後は意外なほどこの結果を素直に受け入れていた。

「今日は失点しなければいいと思っていましたし、コンディション(ピッチだけではく、選手の疲労も含めて)から考えても、勝ち点1を拾えて良かったと思っています。

26日の東洋大戦のあと『駒大戦は甘くはないぞ』と選手に3つのポイントを出しましたが、『駒大より勝ちたいという気持ちを持てるか?』『駒大よりも動けるか?』『駒大よりも体を張れるか?』という点でして、どれか一つでも相手に劣れば絶対に負けるぞと伝えていましたが、今日はまあ、イーブンで終われたので満足です。

ただ、林堂がしっかり後ろで構えていると駒大は堅いですね。今日はなかなか中盤のいい位置でボールを回せなかったこともあり、結局は無難に外に散らすだけになってしまった」

と、中野総監督は簡単に試合を振り返ってくれた。

決して悪いとまでは言わないが、良いとも言えなかった流経大。しかし、相手の気迫がとにかく凄かったこともあり、「勝ち点1をしっかり拾えた」と考えるのが妥当な試合でもあった。

この日は中里、椎名を欠いたが、次の第6節は増田、山村、比嘉を欠くこととなる流経大。さらには中里、椎名の状況も、次節に間に合うかはまだ微妙であり、6月は厳しい日程&コンディションで戦うこととなる。そんな厳しい状況を乗り切るためにも、この日出場した小島、ジョシュア、田向や、まだ今季公式戦に出場していない小川、古川、名雪といった選手たちのコンディションが上がっていくことに期待したいところだ。

まあ、そんな不安材料もある今の流経大だが、昨年であれば「こんな試合」のあとは、決まって「ガッカリ」であったはずだが、今年は「今日の戦犯はヤマね!」と笑って語り合えるほど、チームの雰囲気は悪くはない。そんな気持ちの切り替えの速さ、そしてポジティブ思考があるからこそ、今年のチームは強くてしたたかなのかも知れない…

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2011関東大学サッカーリーグ
第5節 @たつのこフィールド
駒澤大学 0-0 流通経済大学
[警告]
9分大木(駒大)

[ゲームスタッツ]
シュート数:駒大9、流経大6
ゴールキック:駒大10、流経大16
コーナーキック:駒大8、流経大3
直接FK:駒大10、流経大19
PK:駒大0、流経大1

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