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2011年6月28日 (火)

アルテ、またも浜川で勝てず

今年に入っても、なかなかホームで勝てないアルテ高崎。チーム名を現名称に変更した2006年からのホームゲーム成績を調べてみると、通算で15勝28分47敗という成績が残っているが、メーンスタジアムとして使用している浜川競技場(高崎市)だけでの成績に絞ると、7勝14分33敗というかなり厳しい数字しか残せてはいない。

さらには、最後に勝ったホームゲームを調べてみると、昨シーズンの前期第12節(5月23日)の流通経済大学FC戦までさかのぼることになるが、この試合が行われたのは敷島公園のサカラグ。では、メーンの浜川で最後の勝利したのはいつだったのかを調べてみると、なんと2009年5月16日のジェフリザーブス戦までさらにさかのぼる。このように、すでに2年以上ホームの浜川で勝っていないアルテは、日曜日に行われたホームゲームにV・ファーレン長崎を迎えた。

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さて、対戦相手のV・ファーレン長崎だが、開幕から4試合連続で勝ち星ナシというスタートだったが、ワイドな攻撃を仕掛ける佐野サッカーがジワリジワリと浸透。前節は讃岐に敗れたものの、順位は5位と悪くはない位置につけている状況でアウェーに乗り込んできた。

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それにしても、今の長崎は群馬と随分「縁」のあるチームだ。佐野さんは元草津監督、ヨージは言わずと知れた「草津のシンボル」だし、藤井、中井、そしてタクも元草津。また、タクと岩間はこの日の対戦相手が前所属チームであり、さらにはアルテの後藤監督と佐野さんが、清水商業での同級生という間柄であったりするのだ。

まあ、そんな関係はともかく、試合の話に入ろう。

[アルテスタメン]
ーーーーー伊藤ーーーーー
小林ーーー松尾ーーー白山
ーーー山藤ーー益子ーーー
山田ー田中ーー増田ー布施
ーーーーー岡田ーーーーー

[長崎スタメン]
ーーーーー水永ーーーーー
神崎ーーー有光ーーー佐藤
ーーー山城ーー岩間ーーー
持留ー藤井ーー橋本ー杉山
ーーーーー近藤ーーーーー

大きなメンバー変更はないものの、伊藤、田中、岡田といった選手がスタメンに入ってくるなど、少しずつ全体の「底上げ」が進んでいることを印象づけるアルテ。対する長崎は4試合ぶりに橋本がスタメンに名を連ねて試合はスタート。

さて試合だが、前節で2得点を奪い調子を上げているアルテの松尾が強烈な存在感を放ちながら進んでいく。4分に最初のシュートを打ち、5分にも切れ込んでチャンスメーク。松尾の素晴らしい出足だけではなく、攻撃力に長けた山藤をボランチに置いたことで、彼に引っ張られるかのように全体のラインも常に高い位置を取っていく。さらに10分、カウンターからまたも松尾が鋭く切れ込んで右足一閃! しかし、バーに嫌われて得点を奪えない。

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この日のシステムは4-3-3というよりも、4-2-3-1でスタートしたのだが、積極的に仕掛ける松尾がほぼ「2トップ」の位置を取り、松尾に釣られるかのように全体が積極的な出足を見せ、序盤はアルテが長崎を完全に圧倒。だが、浜川で「バーに嫌われるシーン」を何度見ただろうか… 決めるべき時間で決められないというのは、言い方は悪いが「嫌な展開の前触れ」でもあった。

立ち上がりこそ、アルテの猛攻にタジタジだった長崎だが、徐々に岩間、山城が山藤を捉えられるようになると、奪ってカウンターという展開を作り出し対抗。しかし、この日のアルテは非常に攻守の切り替えが素晴らしく、守勢に入ったときには素速くブロックを形成し、長崎の攻撃はなかなか深い位置まで切れ込んではいけない。

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結局スコアレスで折り返したが、内容ではアルテが長崎が圧倒した前半戦。後半のポイントとしては、アルテは「流れを維持して先制点を奪えるか?」であり、長崎からすれば、まずは「松尾をしっかり抑えつつ、自分たちらしい攻撃サッカーが出せるか?」というところだったが、両者とも開始直後にビッグチャンスを掴んでいく。

1分、タクが右サイドを突破して、DFを背負いながらもPA内まで進入。一気に攻め込みシュートまで持ち込むが、ここはサイドネット。アルテも直後のゴールキックから前線にボールを繋ぐと、松尾が持ち込んでPA内に進入。ここで倒され「PKか?」と思われたがファールはナシ。

相変わらず、攻撃の形がいいのはアルテであり、長崎は有光、水永にボールが入らないとチャンスに繋がらず、両サイドMFの佐藤、神崎は前半同様いい形でボールが回ってこない。そんな相手を横目に、とにかくフルスロットルで攻め続けるアルテは、11分に山藤、15分には益子がシュートを放ち、18分にもゴール前で決定機を迎える。しかし、このチャンスになんと伊藤と山藤のポジションがモロかぶりしてしまい、互いに譲り合ってしまい結局シュートは打てず終い。

またも決定機を逃してしまったアルテは、切り札でもある土井を25分からついに投入。前線に高さのあるターゲットマンを入れて勝負に出るアルテだが、長崎も冷静なラインコントロールでオフサイドの網に掛け、さらには藤井がしっかりと土井に対応。決して流れは良くないが、守備陣が踏ん張りを見せ、一進一退の攻防が続いていく。

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守備陣が踏ん張りを見せているのだからこそ、なんとか結果を出したい長崎攻撃陣。その「執念」がついに実を結ぶ瞬間が訪れる。30分、左サイドから長いボールが前線に入るとDFが対応するが、ここでミスが生まれ、ボールは佐藤に渡ってしまい頭で繋いで最後は水永が頭で押し込み長崎が先制。お世辞でも流れが良くなかった長崎だが、粘り強く戦った結果としてついにアルテゴールをこじ開けることに成功し、あとは残り時間をうまく使うだけだった…

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結果的に、この日もホーム・浜川で勝てなかったアルテ。

しかし、やろうとしている繋ぐサッカーに間違いはないし、勝った長崎よりもサッカーの内容では上回ったこともまた事実。ただ、サッカーとは点が決まらなければ勝つことは出来ないスポーツであり、またしても決定力不足に泣かされてしまったこの試合。

また、今のアルテにおいて決定力不足と同じくらい問題なのが、松尾昇悟頼みの攻撃になってしまっていることだ。確かに今季の松尾はあらゆる場面でチームを引っ張っていくリーダー的存在にまで成長し、自身のスキル、経験値も格段に向上させ、アルテの攻撃を常に牽引している。だが、松尾にボールが入らないとなかなかチャンスが生まれないのもまた事実であり、さらには松尾が求めるレベルに周囲が追いつけていないという事実も存在する。これから先のリーグ戦が「2巡目」に入る前に、松尾頼みから脱却しないとアルテは非常に難しいゲーム展開に終始してしまうことが予想される。

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ここまでのリーグ戦で、松尾が危険なアタッカーであることは十分に証明してきた。だからこそ、これから先は彼に対するマークがきつくなることは必定。そんなことが考えられるから、新しい攻撃パターンの構築や、松尾に続く選手が飛び出してくることが期待される後藤アルテ。内容はいいのだが勝ちきれてはいない現状は、厳しく言えば昨年とまったく同じ。後藤監督が目標と定めた「一桁順位」に到達するためにも、攻撃陣はより一層の努力と危機感を持って貰いたいものだ。

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さて、勝った長崎だが、佐野監督も「今日はね、とりあえず勝っただけ。まあ、こんな試合はありますよ…」と苦笑いしながら試合後に語ってくれたが、確かに内容はお世辞でも褒められるものではなかった。

アルテの鋭い出足の前に、岩間、山城は、相手の足が止まりだした後半30分以降まで、なかなか前に出て行くことが出来ず、セカンドボールを思うように支配できず、全体のラインを押し上げることもあまり出来なかった。また、佐野監督の「幅っぁ〜〜〜!」と怒鳴り続けたように、サイドのスペースを上手く突いた攻撃はあまり見られなかった。さらには、井筒の変わりに入った橋本だが、競り合いなどの守備面では及第点であったが、攻撃に繋げるパスは安定感を欠き、ミスパスになる場面も多く、ビルドアップという面では課題を残したと言えよう。

試合内容に関しては不満であることを述べた佐野監督だが、最後にこうも付け加えてくれている。

「こういう苦しい試合をものに出来るのは、チーム全体の雰囲気が悪くないことを現していると思いますよ。全体の意識、雰囲気が悪くなっていれば、チームは好転して行かないけれど、空気が良ければ内容が悪くても勝ちきることは出来るし、勝ったからこそ次に繋がっていきますから」

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確かに内容は良くなった長崎だが、欲しいところでしっかり決められる決定力、そして最後まで集中を切らさなかったディフェンスラインは評価していいだろう。そして、強いチームとは、いい試合をするチームを指すのではなく、どんな試合でもしぶとく勝ちきるチームを指すのだが、攻撃的サッカーを目指す佐野長崎が、理想を追求すると同時に、後期はどこまでリアリズムに徹することが出来るかにも注目していきたい。

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2011JFL 前期第17節 @浜川競技場
アルテ高崎 0-1 V・ファーレン長崎
[得点者]
75分水永(長崎)
[警告]
16分水永、84分藤井(長崎)
28分布施、41分山田、43分田中、78分白山(高崎)

[ゲームスタッツ]
シュート数:高崎11、長崎13
ゴールキック:高崎12、長崎9
コーナーキック:高崎1、長崎6
直接FK:高崎11、長崎16
オフサイド:高崎4、長崎6
PK:高崎0、長崎0

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