« 強気が消えてしまった明大 | トップページ | 最強世代の流経大、本領発揮 »

2011年5月19日 (木)

プリンス1部:大宮ユースvs前橋育英

2011プリンスリーグ関東 1部リーグ
第4節@NACK5スタジアム
大宮アルディージャユース 2-1 前橋育英
[得点者]
33、90分小山(大宮)
62分松井(育英)

Img_0008

今更で申し訳ないですが、日曜日にNACK5スタジアムで行われたプリンスリーグ関東の試合を。

------------------------------------

昨年はプリンス2部で対戦したが、その時は1-1のドロー。そして今年は1部リーグでの対戦となったのだが、今回も最後まで緊迫した試合展開が続いた。

[大宮ユーススタメン]
ーーー小沢ー吉田ーーー
ー小山ーーーーー平野ー
ーーー大山ー青木ーーー
菊池ー工藤ー高野ー飯高
ーーーーー川田ーーーー

[前橋育英スタメン]
ーーー横山ーー松井ーーー
ー外山ーーーーーー白石ー
ーーー小川ーー高森ーーー
山田ー唐木澤ー新谷ー山本
ーーーーー川原ーーーーー

大宮ユースのメンバーは昨年からのレギュラーも多いし、DFの工藤将太郎はU-18、GKの川田修平はU-17、ボランチの大山啓輔はU-16と、それぞれ世代別日本代表に招集されており、サイドバックの菊地翔も2009年にU-15代表に選ばれるなど、飛び抜けた逸材が揃っている。

それに対して今年の前橋育英だが、前橋FCが2008年のクラブユース(U-15)ベスト8進出時のメンバーがベースとなっているのだが、昨年からトップチームで活躍しているのは松井聖也と白石智之ぐらい。しかし、そうは言っても毎年しっかり戦えるチームを作ってくるところはさすがに強豪校。

そんな両者の対戦だが、育英はキックオフで始まったボールを繋ぎ、FW横山が巧くボールを収めてはたくと、後ろから入ってきた高森がいきなりシュート! 育英は幸先良くシュートを放ったのだが、その後が全く続かない。2分にはCB工藤のパスからピンチを招き、続くCKから小山のシュートを浴びてしまい、大宮ユースの動きの前に圧倒され続けてしまう。

Img_0101

大宮ユースは、運動量が豊富な青木が中盤の底を広くケアすることで、1年生ボランチの大山は攻撃への比重を高めていく。また、両サイドハーフの小山、平野が常に高い位置を取り、それと連動して菊地、飯高も攻撃にどんどん加わっていく。そして7分、平野がボールを持つと、飯高が後ろから走り込んできてボールを受けると迷わず強烈なシュートを放つ。決まったか? と思われたシーンだったがここはバー直撃。

その直後にも、今度は左の菊地が駆け上がってクロスを入れるなど、大宮ユースが完全にゲームを支配。続く10分、17分にも、サイドバックが絡む分厚い攻撃を仕掛ける大宮ユース。そんな素晴らしい攻撃を繰り出す相手に対して育英は、必死に跳ね返すだけで全くボールを前に繋ぐことが出来ない。育英らしい中盤の底から展開していく形が出来ず、押し込まれている状況もあり、ただ前にボールを蹴り返すだけが続く。

手も足も出ない状況の中、山田監督は松井、白石、外山のポジションを入れ替え、何とか打開を図ろうとするのだが、それすらも上手く行かない…

Img_0105

そして33分、工藤から大山にボールが入り、これを右サイドに展開。右を駆け上がった飯高が中にクロスを入れると、ファーで拾った小山が豪快に蹴り込んで、ついに大宮ユースが先制。

一方的に攻め込みながらも、相手CBの粘り強い守備の前になかなか得点が奪えず、このままスコアレスで折り返すとイヤな流れになるかも…という展開であったのだが、右の平野とともに、再三チャンスを作っていた左の小山がついに育英の壁をブチ抜いた。その後も、大山の創造性あふれるスルーパスなどでチャンスを作る大宮ユース。しかし、追加点を奪うまでには至らず前半を折り返す。

------------------------------------

さて、前半は何一つ自分たちの思い通りにならなかった育英だが、後半に入ると「本来の姿」を取り戻し、今度は自分たちのペースで試合を進めていく。

6分に白石から高森に渡り、最後は松井がシュート。その直後にも高森ー外山の連携からチャンスを作り、明らかに前半とは違う早い出足を見せる育英。前半は防戦一方となってしまった育英だが、後半になると運動量が格段に上がっただけではなく、「自分たちで仕掛けろ」「サイドを有効に使え」という山田監督の指示をしっかり遂行して流れを引き寄せていく。

12分、14分にも連続してチャンスを掴んだ育英は、17分(62分)に松井からボールを受けた右の山本が中へクロス。そしてこれを松井がニアでバックヘッドで流し込み、ついに育英が同点に追いつく。

Img_0235

高い技術と戦術眼を備えたJユースに対して、高体連チームの良さといえば、勝負を諦めない強い精神力と衰えない運動量。試合後、大宮ユースの横山監督も「カウンターの精度と運動量が時間とともに上がってきましたね」と相手を評したが、まさにその通りであり、育英はハーフタイムを挟んで完全に別のチームとなり、後半は鋭い出足と豊富な運動量でセカンドボールの大半を支配。その結果、育英らしい縦に力強いサッカーが展開されるのであった。

後半20分を過ぎると、大宮ユースの運動量が劣りだしたこともあり、いつもの「ウラを狙う展開」が増えてくる育英。それに対して、前半ほどの連携が減ってしまった大宮ユースは単発の攻撃ばかりとなってしまう。しかし、そうは言っても「個の力」で上回る大宮は、27分、途中交代で入った中山がシュートを放ち、決定的場面を迎えるが、ここはGK川原がファインセーブを見せ得点を与えない。

大宮ユースの攻撃に対して育英も意地を見せ、29分には斎藤(途中交代)からの左クロスに白石がオーバーヘッドでゴールを狙うも、ここは上手くヒットせず。両者ともに一進一退の攻防を繰り返す中、36分に大宮ユースは前半抜群の働きを見せた飯高に代え小泉を投入するのだが、この采配が勝利へと導いていくこととなる。

Img_0341

試合はほとんど止まることなく、スピーディに進んでいたこともあり、ほとんどロスタイムはないだろう…と思われた。そしてまもなくロスタイムを迎えるという場面で、小泉が上げた右からのクロスに小山が頭で合わせ、値千金の2点目を奪う。そしてここで試合はロスタイムに突入。

AT表示は「1分」

そして最後の最後で育英はゴール前でFKのチャンスを得るのだが、白石の直接狙ったボールは枠を外してしまい、そのままタイムアップ。土壇場で決勝点を挙げた大宮が劇的な勝利を飾ったこの試合だが、両者にとも複雑な試合でもあった…

------------------------------------

これで通算成績を2勝1分1敗として、この日の相手である育英を抜いて5位に順位を上げた大宮ユース。しかし、勝ったとは言え、前半の「出来すぎ」の内容であれば、1点ではなく、2点、3点と欲しかったところだが、追加点が奪えず後半になって運動量が下がって苦しい試合となってしまったことは反省点。

Img_0368

だが、そうは言っても大宮ユースがこの日見せた攻撃はどれも素晴らしいものであり、攻撃陣だけではなく、DFラインの攻撃参加、攻撃の組み立ての良さが目に付いたこの試合。その裏には、横山監督の「DFであっても、プロを目指す上でテクニックは外せない」という信念(要求)があったことを見逃してはならない。

昨年プリンス2部に昇格したチームであり、今年は1部リーグで戦っているが、「高円宮杯プレミアリーグ」所属チームと全く遜色ない実力を保持する大宮ユース。今年はプレミア所属クラブと公式戦で戦う機会はクラブユース選手権、Jユースカップしかないのだが、今からこれらの大会で、プレミア所属クラブとの対戦することが非常に楽しみになってきた。

------------------------------------

そして育英だが、後半の出来が最初から出来ていれば、こんな試合にならなかったことは間違いない。(2勝2敗で6位に後退)

試合後の山田監督は厳しい口調で「もっと自信を持ってプレーしないでどうする? 自信、積極性がないからプレーが中途半端になるし、ミスも生まれてしまう。さらには、集中しなければ行けない時間帯(ラストの失点シーンを指すと思われる)でやられるなんて、甘すぎるんだよ。チームとしてもっと成長しなきゃダメ」と手厳しく選手に感想を述べた。

Img_0357

確かに試合の入り方というか、前半は相手の動きに圧倒され、為す術なしであったが、気持ちを切り替えた後半は「いつも育英」がそこにあった。本当は出来るはずなのに、ふとした流れから、自分を見失ってしまったチームに山田監督は不甲斐なかった。そして、同点になった後から無難なプレーが増えてしまったことにも指揮官は残念だったのである。

やれば出来るのに、やりきれなかった育英。

今年は昨年以上にチームが大きく入れ替わったこともあり、まだまだチームが完成にはほど遠い状態。しかし、流れさえ掴めば、この日のようなテクニックの高い相手に対しても、主導権を握って試合を展開できることを示したことは評価していいだろうし、冬に向けて手応えを掴んだことだけは間違いない。

あとは、恐れずにいかに普段の自分たちを出し切り、育英らしいサッカーが出来るかに掛かってくるはずだが、まずはインターハイに向けて、チームがどう成長していくか見守っていきたい。

« 強気が消えてしまった明大 | トップページ | 最強世代の流経大、本領発揮 »

高校サッカー」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/176307/51712252

この記事へのトラックバック一覧です: プリンス1部:大宮ユースvs前橋育英:

« 強気が消えてしまった明大 | トップページ | 最強世代の流経大、本領発揮 »