« その「差」とはなんなのか… | トップページ | 激闘再び、大学界の茨城ダービー »

2011年5月 4日 (水)

町田、2試合連続の爆勝

JFL前期第9節 @町田市陸
町田ゼルビア 5-1 FC琉球
[得点者]
4・26分勝又、54分鈴木、76分ディミッチ、82分北井(町田)
22分大澤(琉球)

Img_0056

長崎、Honda FCに連勝し、最高の形と言って良い開幕スタートを切ったFC琉球。実はトルシエが深く絡んでいた2008年以降、このチームを見てはいないので、どう変わったのかまったくわからない。そんなこともあり、このチームがどう変わり、なぜ連勝スタートが出来たのかを知りたくて町田に足を運んだが、激しく肩すかしを食らう内容となってしまった。

[町田スタメン]
ーーディミッチー勝又ーー
ー酒井ーーーーー鈴木ー
ーーー柳崎ー小川ーーー
藤田ー津田ー田代ーユン
ーーーー吉田ーーーーー

[琉球スタメン]
ーーー田中ー高橋ーーー
杉山ー初田ー寺川ー三澤
佐藤ー伊藤ー大澤ー國仲
ーーーー森本ーーーーー

Img_0031

これまでの2試合、琉球がどのようなシステムで戦っていたのは不明だが、この日は中盤がフラットに並ぶ4-4-2でスタート。

琉球はどんなサッカーをするのか? と期待を高めていたのだが、試合は町田の先制パンチから始まっていく。開始早々の3分(記録上は4分)、ロングボールが勝又に入ると、ディミッチを経由して、再び勝又に渡り、1回切り返してシュートを放つといきなり決まって町田が幸先良く先制。

それにしてもこの場面、琉球のディフェンスはあまりにも「人」について行けなすぎであり、よくこれで長崎やHondaに勝てたなあ…と思ったのだが、まあ、開始直後の失点ということもあり、すぐに気持ちを切り替えた琉球は、MF三澤とFW高橋が左サイドを中心に、縦に抜ける攻撃からチャンスを作り町田ゴールに攻め掛かっていく。

10分、18分といい形でシュートまで持ち込み、最初の失点での不安は徐々に払拭され(たようになり…)、21分にFKのチャンスを迎える。そして高橋が蹴り込んだボールに大澤が頭で合わせてついに同点! おおっ!これが好調を維持するチームの粘り強さ? と思ったのだが、ここからの琉球は激しくいただけなかった…

せっかく同点にした琉球だが、この失点で目の覚めた町田守備陣の高いライン取りに手を焼いていく。町田の統率された最終ラインコントロールにより、序盤は裏を取れていた琉球の攻撃が、そこから先はオフサイドの網に引っかかり、まったくと言っていいほど繋がっていかなくなる。さらには、柳崎、小川のボランチコンビの速いプレスが冴え渡り、ほとんどのセカンドボールを町田が支配する。こうなると、圧倒的な町田ペースとなり、26分にまたも勝又がゴールを決めて2-1と再びリードを奪う。

藤田が左サイドを駆け上がってチャンスを広げ、中にクロス→GK森本が前でキャッチしようとするがファンブル→鈴木がこれに反応し、GKより先に触る→勝又がこのボールにDFより先に反応してシュート!→シュート自体は弱いものだったが飛んだコースがよく、コロコロと転がりながらボールはゴールに吸い込まれていく。

GKがクロスをキャッチ出来なかったことはミスではあるものの、位置的な問題(PA外に近かった)、そして相手選手が近づいていたという理由があり、それは致し方がないという見方も出来る。しかし、この場面でも1点目同様、琉球守備陣はほとんどがボールウォッチャーとなっており反応が遅かった。さらには、ボールへの寄せ、人へのプレスも劇甘。

あれでは簡単に狭いスペースでもしっかりボールをキープされるし、シュートの体制に簡単に持ち込まれてしまう…

その後も、勝又、ディミッチ、鈴木、酒井の前4人に後ろからボールが入ると、前線で短いパスを小刻みに繋いでチャンスを作り、27、31、35、40分と立て続けに琉球ゴールに迫っていく。そんな町田の攻撃に対して、琉球は中盤をフラットにした4-4-2の形をとり、高い位置で2つのライン(ブロック)を作り、ゾーンで対応しようとしたが、結果的に「どこでボールを奪うのか?」という点が最後まで曖昧となってしまい、町田中盤に自由を与えてしまう結果に繋がっていく。

さて、前半は2-1のまま終えたのだが、前半戦の戦いを受けて琉球は後半開始から永井弟、我那覇の2人を投入し、高橋がトップ下の位置をとり、寺川、永井をボランチとする4-2-3-1システムに変更する。

[琉球後半]
ーーーー我那覇ーーーー
杉山ーー高橋ーーー三澤
ーー永井篤ー寺川ーーー
佐藤ー伊藤ー大澤ー國仲
ーーーー森本ーーーーー

寺川が中盤の底に入ったことで安定感を取り戻し、さらにはゲームを組み立てる永井弟、前で仕事が出来る我那覇が揃った琉球は、再び後半開始から主導権を握る。2分、3分と立て続けにセットプレーのチャンスを掴み、7分には我那覇がシュートを放つなど、攻撃面では明らかに「前半とは違う」という形、動きが見えだしていたのだが、守備面では前半以上にモロさを露呈してしまう…

54分、GKからのフィードにディミッチが頭で前に流すと、走り込んだ鈴木がボールを受け、そのまま持ち込んでシュート!

なんとも呆気なく、町田は3点目を奪っていく。

またかよ…と思わせる甘すぎる守備。ディミッチのポストプレーの場面もそうだし、鈴木に渡った際のマークもほとんどノープレッシャー。あれじゃやられるわな… そしてこの場面だが、鈴木に着いていったのは昨年までザスパでプレーしたマサヤ(佐藤)でしたが、ただ相手と一緒に走っているだけではマークとは言えないよ…

まあ、守備の悪すぎが3点目を産んだことは間違いないのですが、このシーンで記録には残らない「絶妙なアシスト」があったことを忘れてはならない。

右サイドで鈴木がボールを持ったときに、前を勝又がスッーと横切って右斜め前に走っていく。すると、センターバックの伊藤が勝又の動きに釣られてしまい、ゴール前でシュートコースを空けてしまう。シュートを決めた鈴木も素晴らしいが、勝又の「頭を使ったプレー」に脱帽の瞬間であった。

この3点目が決まった時点で、琉球の集中は完全に切れてしまい、あとは町田のやりたい放題。14分には勝又ーディミッチのワンツーからシュート、16分には伊藤のミスをディミッチが奪って決定的場面を作るがここはシュートミス。19分にも左右の揺さぶりを仕掛けて鈴木がシュート。どれも琉球のDFは簡単に振り切られてしまい、町田の決定力がもっと高ければ、5失点では済まないレベルの試合になっていたはずだ。

そして76分、今度は右CKから短く勝又に繋ぎ、さらにこれを後方のディミッチへ。ワントラップして体勢を入れ替えてズドン! 流れ、シュートと、どれも素晴らしすぎるものであり、こんなゴールを見られた町田サポは言うことナシ!と誰もが思える一撃。それに対して、琉球DFの対応出来なさすぎはなんなのか…

Img_0096

さらに82分には途中交代の北井にもゴールが生まれ、町田は大量5得点を奪って今季ホームで初勝利を飾った。

-------------------------------------

試合の一部で琉球が押し込む場面もあったが、全体通してを見れば、町田の「やりたい放題」で終わったこの試合。2得点に2ゴールに絡んだ勝又の活躍はMOMで間違いないだろうが、中盤の底で素晴らしいボール奪取を繰り返した柳崎、小川の活躍、そしてDF出身であるポポヴィッチ監督が「守りは跳ね返すだけではなく、常に攻撃の起点となるように」と指導しているが、それをしっかり実践できた最終ライン、そして最後まで豊富な運動量でチームに貢献したユ・ソンヨルの動きにも高い評価を与えていいだろう。

Img_0105

また、試合後に「毎試合、見に来なかったサポーターに『見に行けば良かった…』と思わせる試合をしていきたい」と語ったポポヴィッチ監督。この日はあいにくの天候も重なり、GW期間中でありながらも3011人しか観衆が集まらなかったが、この日の試合内容は監督が語ったとおり、もっと多くの人に見て貰いたい試合でもあった。

確かに琉球ディフェンスがあまりにも酷かったという面もあるが、それを差し置いても町田の出来が素晴らしかった。高い位置をキープする最終ライン。バランスを重視しながらも、攻撃への速い切り替えを実践するダブルボランチ。熟成された連携で攻撃を繰り出す前線の4人。この日はあまりにもパーフェクトすぎた町田。

やはり、今季のJFLはこのチームが中心になってリーグが動いていくだろう…と実感させる試合でもあった。

-------------------------------------

さて最後に思わぬ惨敗となってしまった琉球だが、この試合を見る限りでは「なんで長崎やHondaに勝ったのか?」という疑問すら沸いてしまい、どんなサッカーをしたいのか? どんなサッカーを目指しているのか? という部分がまったく見えてこなかった。特に、両サイドバックが効果的に攻撃に絡んだシーンは皆無であり、せっかく前に持ち込んでも、前に出しどころもなく、下げて立て直すわけでもなく、どうみても「無理だろ?」という体勢から蹴ってしまって挙げ句の果てにゴールキック…という場面が繰り返された。

まあ、攻撃面に関しては、永井兄弟、我那覇といった「計算出来る選手」がいることもあり、ちょっとした修正だけで良くなるであろうが、守備面での混乱はちょっと問題。しかし、そうは言っても中4日で次戦SAGAWA SHIGA戦がやってくる訳で、短い準備期間でチームはどこまで立て直してくるのか注目してみたいし、立て直した上で、本来の姿であるはずの「FC琉球」というチームを見てみたいものである。

« その「差」とはなんなのか… | トップページ | 激闘再び、大学界の茨城ダービー »

JFL」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/176307/51572550

この記事へのトラックバック一覧です: 町田、2試合連続の爆勝:

« その「差」とはなんなのか… | トップページ | 激闘再び、大学界の茨城ダービー »