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2010年12月26日 - 2011年1月1日

2011年1月 1日 (土)

高校サッカー1回戦@埼スタ

昨日の埼スタで行われた1回戦の試合を簡単に振り返ります。

第89回高校サッカー選手権
1回戦 @埼玉スタジアム2002
第一試合
西武台 3-0 香川西
[得点者]
44分佐々木、70分末松、80分清水

3点差ついた試合だが、点差ほど力の差を感じる試合ではなかった。

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特に西武台の立ち上がりが悪く、香川西に圧倒され続け、GK小澤のファインセーブが無ければ試合はどうなっていたかわからない。また、攻撃に関しても「監督から相手のサイドの裏を狙え」という指示はあったものの、ただ、蹴るだけのみになってしまい、まったく効果的な攻撃にはならず。

しかし、出来が悪くてもしっかり我慢できるのが西武台の強み。そして後半、立ち上がりの4分に速攻から先制点を奪うと、やっとサイドを使ったブダイらしい攻撃が顔を見せるようになる。また、中盤の守備において悪かった部分(10番末松のポジショニング)を修正し、相手の自由を徐々に奪っていく。

それでもなんとか反撃に出る香川西。後半15分以降にペースを取り戻して相手ゴールに迫るが、西武台の堅い守備を最後まで崩せない。さらにはセットプレー、カウンターから効果的に追加点を挙げた西武台がまずは1回戦を突破した。

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第二試合
秋田商業 0-4 九州国際大附属
[得点者]
50・51・80分田口、71分中河

前半は拮抗した試合となったが、後半のために「コマ」を用意していた九国大附が怒濤の攻撃力を見せつけて完勝した。

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九国大附・杉山監督は「前半は動ける選手を使って走り回り、相手の運動量を奪い、後半からボールを収められる選手を入れて勝負する」というゲームプランをものの見事に実行。

後半から入った2年生FW田口が爆発。前線のターゲットととしてだけではなく、ゴールゲッターとしても抜群の活躍を見せ、ハットトリックを達成。しかし、3得点を決めた田口同等に輝きを見せたのが3アシストの7番竹本だ。

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前半はダイヤモンド型中盤のトップ下に入ったが、後半からは左サイドにポジションを替えるといきいきしたプレーを見せ、次々と左サイドを突破してチャンスを作り上げていき、勝利に大きく貢献。

これにより、1月2日に対戦することが決まった両者だが、西武台としては、強力な攻撃陣を擁する九国大附をどう封じ込めるかが鍵となるだろう。そして九国大附・杉山監督は「次は相手が地元の西武台さんなので、完全アウェーになると思いますので『(会場の雰囲気に)飲まれないよう』戦い方を考えて試合に挑みます」とコメント。

確かに、両者はともども前半、緊張から普段通りの動きが出来ず苦しい戦いとなってしまったが、オープニングゲームで勝利した駒大高のように「平常心」で試合に挑めるかと言うことは、非常に大きなポイントとなってくる。

メンタルで大きく左右されてしまうのは、やはり「高校生らしい」というところだが、すぐに波に乗れるのも若さの特権。果たして、どちらが「普段どおり」の立ち上がりを見せることができるだろうか?

2010年12月31日 (金)

駒大高、国立で初陣を飾る

第89回高校サッカー選手権
1回戦@国立競技場
駒大高 2-1 大津
[得点者]
7分高平、67分須貝(駒大高)
17分若杉(大津)

最後まで目の離せない展開となったこの試合。前評判では経験値と個の能力で上回る大津有利と言われていたが、都大会からの勢いを持続する駒大高が大舞台で選手権初勝利を挙げた。

[駒大高スタメン]
ーーーー須貝ーーーーー
高平ーー山本ーーー黒木
ーーー長澤ー宮﨑ーーー
池田ー大畠ー松岡ー倉本
ーーーー岸谷ーーーーー

[大津スタメン]
ーーーー米良ーーーーー
宮本ー車屋ー若杉ー佐藤
ーーーー中村ーーーーー
遠山ー藤本ー植田ー成松
ーーーー松永ーーーーー

現役時代、ともに国立の舞台を経験している両監督。大津・平岡監督は帝京高校で優勝、駒大高・大野監督は武南高校で準優勝と、ともに輝かしい成績を残している。そんな「国立を知る」指揮官同士の戦いとなったオープニングゲームは、初出場の駒大高の先制パンチで幕を開ける。

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開始直後、駒大高の「武器」である黒木のロングスローがいきなり大津ゴールを襲い、その流れから上がってきた池田がこの日最初のシュートを放つ。大野監督は「初出場でいきなり開幕戦の国立という舞台。さらに相手は強豪の大津ということだが、とにかく平常心で挑もう」と、対戦が決まった時から言い続けてきたのだが、選手たちにそんなプレッシャーはなかった。

最初から自分たちのカラーを前面に出し、流れを掴んだ駒大高は山本の突破などからも次々とチャンスを広げていく。そして7分、再び黒木のロングスローが大津ゴールを襲う。しかし、ここはDFが対応したかに見えたのだが、このクリアが小さく須貝がこれを拾ってシュート。だがポストに嫌われるのだが、こぼれ球を高平が蹴り込み駒大高が先制。

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対戦が決まった時から、駒大高のロングスローを警戒していた大津高校のだが、実際に体験する「それ」は、想像以上の脅威であり、最後までこれに悩まされ続けていく。さらに直後の9、12、13分と立て続けにチャンスを掴み、このまま駒大高が前半を押し切っていくかと思われた。しかし、14分に与えてしまったFKから流れが変わり出す。

この場面、中に入ったボールをDFがクリアするも、こぼれ球を宮本に拾われ「あわや」というシーンを作られてしまう。続く17分、右サイドの佐藤からボールを受けた若杉が中央にドリブル突破。DF3人に囲まれながらも強引に放ったシュートはゴールに吸い込まれていき、早い時間帯で大津が同点に追いつく。

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15分過ぎから、大津アタッカー陣のエンジンが掛かりだし、両サイドを攻略してチャンスを広げ、21分にも車屋がドリブル突破からシュートを放つ。ここはGK岸谷のファインセーブで難を逃れたが、個の力で上回る大津がペースを握っていく。

駒大高・大野監督からは「前で(ボールを)奪え」、「耐えろ」と選手に指示が飛ぶ。30分ぐらいまでは、完全に相手のサイドアタックに防戦一方となってしまった駒大高だったが、ここは何とか凌ぎきり同点のままハーフタイムを迎えた。

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ロッカールームに戻った大野監督は「もっと前でボールを奪おう」と選手に声をかけると、後半は見違えるような動きとなる。ポゼッションでこそ大津の方が上回ったかも知れないが、高い位置でのプレスが見事にはまり、大津の攻撃に連動が消えていってしまう。その結果、大津は単発の攻撃を繰り返すだけとなり、効果的な攻撃を繰り出せなくなる。それに対して駒大高は高い位置でボールを奪い、素速く中に入れる攻撃を繰り返し、67分に生まれた須貝の決勝点に結びついていく。

手詰まりとなり、最後は植田を最前線に上げ、パワープレーに出た大津。駒大高もしっかり対応し、試合はロスタイムを残すのみとなったが、ここでドラマが訪れる。

左から入ったロングボールの競り合いで松岡が後ろから倒してしまい、土壇場でPKを与えてしまう。

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キッカーはキャプテンの藤本。

誰もがこのまま決まってPK戦突入かと思われたが、またしても岸谷がスーパーセーブを見せる。熊本県大会でのPKのビデオを見た岸谷は、「同じコースには蹴らないはず」と読んで右に飛び、見事にシュートをはじき飛ばす。

劇的なラストシーンで幕を閉じた開幕戦。

この日のヒーローは得点を決めた須貝や高平ではなく、間違いなく岸谷だった。都大会途中まではサブとしてベンチで出番を待ち続けた苦労人。出番を待ち続け、試合にでられなくとも常に集中してきたことが、この日の活躍に結びついたといえるだろう。

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駒大高には、目玉となるタレントなど存在していない。だからこそ、全員でそれをカバーしあう「和」がチームにある。さらには、大事な大会、試合で負け続けてきた苦い思いがあるからこそ、最後に掛ける想いも強い。

この先も、勝ち進めば全てが「格上」との対戦となる駒大高だが、この日のような全員攻撃、全員守備、そしてみんなのために走り続けるという気持ちを切らさなければ、大いに「化ける」可能性は高いかもしれない…

2010年12月28日 (火)

堅守中京大、再び決勝の舞台へ

全日本大学サッカー選手権
準決勝第二試合 @平塚競技場
高知大学 1-2 中京大学
[得点者]
27分西山(高知大)
48分中田、68分藤牧(中京大)

1、2回戦は、それぞれの持ち味が発揮され勝ち抜いてきた両者。高知大は能力の高いアタッカーが繰り出す攻撃力、そして中京大は、高い戦術眼と組織力、さらにはどんな攻撃にもしっかり耐える強固なディフェンス力。

これまで、自分たちと同じような攻撃サッカーを志す相手と対戦し、攻め勝ってきた高知大だが、準決勝の相手はこれまでとはまったく違うタイプ。間違いなくポゼッションでは圧倒するだろうが、果たしてあの強固な「壁」を崩せるのか? という点に注目していたのだが、案の定その壁に苦しみ、四国勢として初のインカレファイナリストにはなれなかった…

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[高知大スタメン]
ーーー福本ー布施ーーー
ー芝野ーーーーー香川ー
ーーー酒井ー西山ーーー
塚本ー山部ー實藤ー赤木
ーーーー片山ーーーーー

[中京大スタメン]
ーーー藤牧ーー斎藤ーーー
星野ー石原ーー佐藤ー平山
ーーーーー熊沢ーーーーー
ーー須崎ー中田ー森本ーー
ーーーーー石川ーーーーー

初戦から不動のシステム・メンバーで戦い続ける高知大に対して、中京大は出場メンバーこそほぼ替わらないものの、システムは3バックの前にアンカーが入る、変則的3-5-2でこの試合に挑んできた。

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中京大のキックオフで始まった試合は、いきなり中京大が先制パンチを放つような形で始まっていく。キックオフのボールを後ろに戻さず、そのまま持ちこんでいき、これがCK獲得へ繋がっていく。最初のセットプレーこそ、高知大守備陣に跳ね返されたが、こぼれ球を拾って最後は平山がシュートまで持って行く。

開始早々のピンチに、ややヒヤっとした高知大だが、これを乗り切ると誰もが予想したとおりの展開が平塚のピッチ上で繰り広げられる。4分に、ボールを奪った香川がドリブル突破からそのままシュート。続く10分には芝野がドリブル突破からシュート、14分〜25分にかけては連続攻撃からCK、FKを立て続けに獲得して中京大ゴールに猛攻を浴びせていく。

そして26分、西山のシュートがゴールを襲うもこれはGK石川がセーブ。しかし直後の27分、またも連続攻撃から西山が再びシュート。今度はこれが決まって高知大が先制。高知大が押し込んで押し込んで、やっと中京大の壁を突き破った瞬間だった。

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さらに追加点を狙って攻め続ける高知大。しかし、中京大もギリギリの部分で体を張り続け追加点を与えない。完全に劣勢に追い込まれた中京大だが、40分すぎからシステムを3バックから4バックに変更して、悪い流れを何とか断ち切ろうとする。

[4バック変更後]
ーーー藤牧ー斎藤ーーー
ー石原ーーーーー星野ー
ーーー熊沢ー佐藤ーーー
須崎ー中田ー森本ー平山
ーーーー石川ーーーーー
※佐藤と熊澤の並びは横というよりも、やや縦に並んだ感じかも…

内容的には、相手に好き放題やられてしまった前半の中京大。完全に流れを相手に奪われ、攻撃面では2分の先制パンチと43分のFKを直接狙っただけのシュート2本に抑えられ、何一つやらせてもらえなかった。だが、西ヶ谷監督は試合前から「前半は我慢」ということを伝えていた。確かに1点こそ失ったが、あの内容で2点目を奪われなかったことは、チームにとって悪いなりにも後半に繋げられる光でもあった。そして後半から、中京大のスーパーサブ・中村亮太を投入する。

さて後半だが、前半同様、またも立ち上がりの落ち着かない時間帯に中京大はラッシュを仕掛けていく。そこで奪ったCKのチャンスに、ファーでフリーで待っていた中田が右足で蹴り込み、あれだけ劣勢だった中京大がワンチャンスを活かして同点に追いつく。

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高知大が注意すべき点とは、カウンターとセットプレーであることは最初からわかっており、野地監督も「リスタートでの集中を欠くことがないように」と伝えていたのだが、やはりセットプレーでのしたたかさは中京大の方が上手だった。

同点になり、試合の流れはやはりこれまでとはかなり変わってくる。

相変わらず試合の大半を、高知大がボールをキープして中京大陣内でゲームを進めているのだが、前半のように「やられっぱなし」という感じではなくなってきた。同点に追いついたことで、明らかにデフェンス陣に心の余裕が生まれ、後手を踏むディフェンスではなく、しっかり相手の動きを見きった上での対応に変化していく。

15分過ぎから、再び高知大の攻撃に晒されピンチを迎えるのだが、ここもしっかり対応し、逆に前半あまり見られなかった中京大らしい、鋭いカウンターがここで炸裂する。後半22分、ボランチの佐藤がセンターライン付近で相手ボールをカットして、すばやく前線にフィード。このボールに反応した藤牧は、ボールを追いながらもキーパーの位置をしっかり確認した上で、ペナルティエリアの外からGKの頭を越える絶妙なシュートを放っていく。

やや前に出ていたGK片山は、藤牧のシュートを見送るしかなかった…

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後半に放った3本目のシュートが見事に決まってついに逆転。3本中、2本が得点になるという高い決定率というか、なんという効率の良さ。そして中京大は、1点リードを奪ったあとの25分以降から、再びシステムを変えてくる。

[後半25分以降〜]
ーーーー斎藤ーーーーー
藤牧ー中村ー佐藤ー星野
ーーーー熊沢ーーーーー
須崎ー中田ー森本ー平山
ーーーー石川ーーーーー

西ヶ谷監督は藤牧を呼び「左に行け」と指示した後、人差し指を立てて「1トップで」と声を掛けた。夏の基本形でもある4-1-4-1システムに変え、前と後ろに強固なラインを作り、試合をクローズさせに来たのだ。この日のように、試合中に何度もシステムを変える中京大だが、練習では戦術練習やチームとしての意思統一を徹底し、選手にはいろいろなポジションを経験させてきた。だからこそ、選手交代やシステム変更で監督が「何を求めるのか」をすぐにその意図を読み取ったのである。

30分以降、高知大は選手交代のカードを切って勝負に出る。だが、リードした時の中京大はめっぽう強かった。いや、強いというよりは「堅い」という言い方の方が正しいかも知れない。前と後ろに強固な壁を作り、その間は運動量が豊富な熊澤がしっかりケアして隙間を埋めていく。

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中京大1点リードのまま残り時間5分となったところで、高知大はついにCBの實藤を最前線に置いたパワープレーに打って出る。大学1年まで本職のFWであり、アジア大会でも決勝ゴールを決めた男の決定力にすべてを賭けたのだが、中京大もすぐさまこれに反応。後半開始から投入された中村に替え、實藤のマンマーク要因としてDFの加藤を投入。

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交代で入った選手を替えることは、監督しては難しい決断でもあった。中村の出来は悪いという程ではない。しかし、勝つためには非常な決断も必要であり、「これが今はベストな選択である」と考えるなら実行するしかない。

そしてこの決断は結果的に、最後の高知大の猛攻を凌ぎきる力となり、中京大は優勝した2000年以来、10年ぶりの決勝進出を決めた。

それにしても、中京大の組織力には脱帽である。あそこまでしっかり守られては、相手としてもお手上げだろう…

攻撃面については、やはりカウンターとセットプレーという「お家芸」が炸裂して勝利に結びついたが、主導権を握って得点を取った訳ではないことにはやや不満であり、西ヶ谷監督自身もその点は認めていた。守備に大半の時間を費やし、2トップにボールが収まるシーンはほんのわずかしかなかったが、それでも「決めるべき所」でしっかり決められる決定力があるからこそ、ここまで結果を出せてきたのである。

さて、敗れた高知大・野地監督は試合後に「もったいない試合だった…」と感想を述べた。

「風も強かったので、前半は風上を取って先手必勝で行こうと思っていました。今日も試合の入り方は良かったし、流れの中から先制点を奪い、ウチらしいサッカーが出来ていました。しかし、前半のうちに2点目を取るチャンスは何度もあったのですが、そこで決められなかったのが痛かった。

守備に関しては、前半でもなんどか相手の選手をフリーにしてしまう場面があり『注意しよう』と伝えていたのですが、あんなに早い時間で同点にされ、焦りが出てしまいました」

内容では中京大を圧倒した高知大。
しかし、試合に勝利したのは中京大であった。

リーグ戦を戦う上では、高知大の戦い方の方がいいかも知れないが、負ければ終わりというトーナメントでは、リスクを排除した堅守速攻型チームの方が可能性は広がる。一般的に、ポゼッションを高めたサッカーが好まれ、リアクションサッカーに対しては「つまらない」という印象が強いかも知れない。しかし、大会というものは内容の品評会ではなく、強い者を決める場所。であるならば、勝つためのプロセスはなんだっていいのである。いい試合をしたチームが強いのではなく、勝った者が強いのだから。

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夏の総理大臣杯ではあと数分… というところで優勝を逃してしまった中京大。あの悔しさがあったからこそ、今の勝負強さは身についてきたのだが、今度こそ「優勝」という結果を得ることが出来るだろうか?

2010年12月27日 (月)

関大、見事な逆転勝利

大学サッカー選手権/準決勝@平塚
筑波大学 1-2 関西大学
[得点者]
37分瀬沼(筑波大)
78・84分藤澤(関大)

良くも悪くも「筑波らしい」と呼べる試合だった…

[筑波スタメン]
ーーーー瀬沼ーーーーー
ー上村ーーーーー小澤ー
ーー八反田ーー森谷ーー
ーーーー須藤ーーーーー
山越ー今井ー谷口ー不老
ーーーー三浦ーーーーー

[関大スタメン]
ーーー藤澤ー金園ーーー
ー海田ーーーーー中島ー
ーー田中裕ー岡崎ーーー
田中ー寺岡ー小椋ー桜内
ーーーー金谷ーーーーー

筑波1年生エース赤﨑を出場停止で欠き、この日は瀬沼をトップに起用。また、ここ最近はアンカーに使われていた谷口だが、前の試合でやや精細を欠いたこともあり須藤とポジションを入れ替えて試合に挑んだ。

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前半立ち上がりは筑波大ペースで進む。八反田、森谷が高い位置でボールを奪い、そこから両サイドの上村、小澤に展開。さらには最前線で待つ瀬沼へのスルーパスも次々と狙っていく。そして11分、小澤から縦1本のスルーパスが通り、瀬沼はGKまでかわしたのだが痛恨のシュートミスで決定機を外してしまう。(公式記録では、シュートとすら認められていない…)

これ以降、関大守備陣も落ち着きを取り戻し、筑波の攻撃に対して冷静に対応できるようになり、ボールを持つ時間も徐々に増え出していく。20分を過ぎると試合は一進一退の攻防が続き、緊張感のある試合となっていく。そのまま前半の戦いはスコアレスのままで終えるのかと思われたが37分、ついにスコアが動くことに。

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アンカーの須藤から八反田に繋がり、これを前線で待つ瀬沼に流すと、今度は右足で落ち着いてゴールに流し込み筑波が先制。前半はシュート数でこそ、3-4と関大より1本少なかった筑波だが、ポゼッション、決定機の数で上回り、リードを奪って後半戦を迎えた。

さて関大だが、1点は奪われたものの流れ自体は決して悪い者ではなかった。島岡監督は「マイボールになったとき、筑波の後ろ(アンカーの部分)にはスペースがあるから、もっと積極性を出し、そのスペースを素速く狙い、ゴールに向かう姿勢を強くしよう。そしてシュートで終わるようにしていこう」と指示を送って選手を後半のピッチに送り出した。

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すると後半は、2分にFKのチャンスを得て、桜内が後半最初のシュートを放って流れを掴んでいくと、ここから関大が目指す「全員サッカー」で筑波を圧倒していく。エース金園は、この日は周囲の引き立て役して前線で体を張り続け、中盤の田中、岡崎も積極的に攻撃に絡み、より分厚い攻撃で筑波守備陣にプレッシャーを与えていく。

後半の筑波は、自陣ゴール前に釘付けにされてしまうのだが、20分にやっと後半最初のチャンスが訪れる。関大守備陣がバックパスをミスしてしまい、これが瀬沼に渡り、願ってもない決定機を迎える。しかし、GK金谷が判断よく飛び出し、シュートを打たさせない。

金谷の勇気ある判断が好セーブを呼び込み、守りからもペースを作り出す関大。25分には中島が左サイドをえぐり、中へクロスを入れると金園がシュート。これは惜しくも枠を捉えきれず。その後も攻撃の手を緩めず、次々と両サイドから揺さぶりをかけ続け、ついに34分、途中交代で入った安藤のクロスに藤澤が合わせて同点とする。

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今季の筑波を象徴するような場面だった。

序盤の運動量があるうちは、自分たちの思うようにゲームを進めることが出来る。しかし、その運動量が試合終盤まで持つことは決して多くはない。こうなると、相手の運動量の前に、守勢に回ってしまう。また、アンカーシステムも、攻撃している時間はいいのだが、守に回ってしまったときにはスペースを一人でケアしなければならず、筑波にとっては諸刃の剣とも言えた。

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同点になり、さらに勢いづく関大。足が止まってしまい、為す術のない筑波。こうなると、後期の流経大戦(2-4/江戸川陸上)同様、逆転されるのは時間の問題であった。38分には金園が決定機を迎えシュートを放ったのだが、ここはポストに嫌われ、まだ運は筑波にあるのかと思われたが、その直後に今度は右サイドから崩され、オーバーラップした右SB桜内のクロスに藤崎がダイビングヘッド!

これが見事に決まってついに関大が逆転。

後半からの怒濤の反撃。チームが目指す「全員サッカー」の言葉通り、ディフェンスもフォワードも関係ない。守るときはみんなで守り、攻めるときはリスクを犯してでもみんなで攻める。とにかく最後まで足を止めない。やっているサッカーはすごくシンプルだが、11人だけではなく、ベンチ入りした選手、いや、部員160人全員が「同じ方向性」を向いているからこそ、チームはどんなときでもブレることは無かった。

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最後は1点を守りきった関大が決勝戦にコマを進めたのだが、内容的にみても関大の完勝であったことは間違いない。

さて筑波大だが、冒頭に書き記したように、今季のリーグ戦で敗れた試合と同じパターンで自滅してしまった。だからといっても、毎試合後半になると足が止まってしまう訳ではなく、中大戦のように、0-3から一気の逆転で5-3と勝利した試合もあった。しかしそれは、稀なパターンの方でもあるし、例えば前期最終戦となった拓大戦のように序盤で大量リードを奪ったのに、後半追い上げられて苦戦したゲームなどもあり、常に終盤の運動量とは筑波の課題であった。

風間監督が指揮を執り、今年で3年目。明らかに昨年より内容の濃いサッカーをしているのだが、求めることがハイレベルでもあり、なかなか監督が本当に満足するレベルにまでは到達していない。また、魅力的でおもしろいサッカーを求めるが故に、自分たちのリズムが崩されると非常にもろい一面を持っている。

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そんな現状を踏まえて風間監督は試合後、このように語ってくれた。

「内容的にも良くないし、(選手個々に)技術がない。

これにつきますね。

確かにシーズン当初より、格段に良くなっていますがサッカーにおいて「これでいい」という場所はありません。常に上を目指さないと、いいサッカー、やっていて楽しいサッカーにはなりませんから。

あれだけ(後半)相手にボールを与えてしまい、回されたらサッカーになりません。もう一度、技術と(崩れたときに立て直せる)メンタル部分を上げていく必要があります」

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監督だけではなく、選手自身も敗因はわかっていた。これで4年生は引退となるのだが、来年も主力としてチームに残る八反田や瀬沼、そして、この試合に出られなかった赤崎らが、引退していく先輩達の悔しさをどう引き継いでいくのか? そして監督が言った「足りないもの」をどう補っていくのか? 体力面、メンタル面でこれまで以上の精進を進めてトップレベルになれば、今年以上の結果を出せるはずだ。

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さて、決勝戦に進んだ関西大学だが、1月5日に国立競技場で中京大と大学日本一の座を争うこととなるのだが、決勝の相手はこれまで戦ってきた相手とはかなりカラーが違うために、非常にやりにくい戦いとなるだろう。

相手の中京大は堅守をベースとしたシステマチックな連動をベースにしたチーム。試合中に何度もシステムチェンジを繰り返し、相手の動き次第に瞬時に対応していく柔軟さを持ち合わせている。

準決勝の高知大 vs 中京大同様、決勝戦も攻撃力がまさるのか、守備力がまさるのか? という流れになるだろう。

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で、準決勝第二試合の高知大 vs 中京大はまた後ほど。

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