« 2010年11月7日 - 2010年11月13日 | トップページ | 2010年11月21日 - 2010年11月27日 »

2010年11月14日 - 2010年11月20日

2010年11月20日 (土)

高校サッカー地区予選状況

89回目となる、全国高校サッカー選手権大会の予選が各地で行われているが、すでに48代表のうち、40校がすでに決定しており、残すところは8地区のみとなっている。そして、今週末の20、21日には、群馬、埼玉、千葉、京都、大分で決勝戦が行われ、22日(月)に選手権の組み合わせ抽選会が行われる予定だ。

※27日決勝が行われる山梨、滋賀、沖縄に関しては、地区協会代表者が参加し、本大会対戦相手のみ先に決定する

ということで、各地域の決勝スコアならびに、決勝カード(一部準決勝)を一覧にしておきます。(※左チームが代表校です)

<北海道・東北地区>
北海道:室蘭大谷 3-2 帯広北
青森:青森山田 8-0 三本木農
岩手:遠野 0-0(PK5-4) 盛岡商
秋田:秋田商 2-1 西目
山形:羽黒 4-3 日大山形
宮城:宮城県工 1-0 聖和学園
福島:尚志 1-0 福島工

<関東地区>
茨城:鹿島学園 2-0 ウィザス
群馬:11/20決勝@敷島(前橋育英 vs 桐生第一)
栃木:佐野日大 2-1 矢板中央
埼玉:11/21決勝@埼スタ(正智深谷 vs 西武台)
千葉:11/21決勝@市原(流経柏 vs 市立船橋)

東京A:都立駒場 1-0 國學院久我山
東京B:駒澤大学 1-0 帝京
神奈川:座間 1-1(PK4-3) 日大藤沢
山梨:11/27決勝@小瀬
※準決勝(11/21小瀬:山梨学院 vs 帝京第三、日大明誠 vs 日本航空)

<北信越地区>
新潟:新潟西 1-0 開志学園JSC
長野:松商学園 3-1 岡谷東
富山:水橋 1-0 富山第一
石川:星稜 3-1 遊学館
福井:丸岡 4-1 福井商

<東海地区>
静岡:静岡学園 3-1 清水商業
愛知:中京大中京 2-1 東海学園
岐阜:帝京可児 2-1 各務原
三重:四日市中央工 1-0 三重

<関西地区>
滋賀:11/27決勝@皇子山(綾羽 vs 野洲)
京都:11/21決勝@西京極(立命館宇治 vs 久御山)

奈良:香芝 1-0 一条
和歌山:初芝橋本 2-1 桐蔭
大阪:関大一 2‐1 阪南大高
兵庫:滝川第二 1-1(PK7-6) 報徳

<中国地区>
鳥取:米子北 3-0 境
島根:立正大淞南 8-0 開星
広島:広島皆実 1-0 瀬戸内
山口:宇部 2-1 豊浦
岡山:作陽 4-1 玉野光南

<四国地区>
香川:香川西 3-1 高松北
愛媛:宇和島東 2-0 松山工
徳島:徳島商 6-2 富岡東
高知:明徳義塾 1-0 高知商

<九州・沖縄地区>
福岡:九州国際大付 0-0(PK21-20) 東福岡
長崎:国見 6-1 諫早商
佐賀:佐賀北 4-1 佐賀学園
大分:11/21決勝@大分ドーム(大分鶴崎 vs 大分)
熊本:大津 2-1 ルーテル学院
宮崎:日章学園 1-0 鵬翔
鹿児島:神村学園 2-1 鹿児島城西
沖縄:11/27決勝@西原陸上
※準決勝(11/20@西原陸上:那覇西 vs 前原、那覇 vs 具志川)

さて、簡単に出場校の顔ぶれを見ると、いくつかの地区で有力校が予選敗退しましたが、全体的に見渡すと波乱は少ない印象を受け、結構「順当?」という感じの出場校となっております。

そんな中で、今大会の有力校(優勝を狙えるチーム)を挙げるとすると、青森山田、静岡学園、滝川第二の3校の実力が抜け出ているといえるだろう。そして、まだ代表には決定していないものの、千葉県代表となる、流経柏、市立船橋の勝者は、本大会での優勝候補筆頭に上がってくるはず。

ここに挙げた5校はそれぞれ、今季のプリンスリーグ、インターハイ、全日本ユースで実績と経験を積み重ねており、他校を圧倒するタレントも豊富に揃っているのだが、細かい選手名とかについては、対戦カードが決まったのちに、また取り上げたいと思います。

そして、こちらもまだ代表決定となっておりませんが、前回大会で初出場・初優勝を飾った山梨学院大学附属高校の動向も気になるところ。インターハイにも出場し、山梨県ユースリーグでも優勝し、来年からはプリンスリーグ(2部)に戦いの場所を移すことが決まり、着実に強豪校として足場を固めつつある。

今年のチームには、前回大会で活躍した関、諸井、宮本、加部、菅野、堤など多くの選手が残っており、今大会での躍進も期待されるが、まずは地区予選を突破することが大きな目標であろう。

昨年までは挑戦者という立場であったが、初めて「追われる立場」となった山梨学院。これまで以上に大きなプレッシャーを感じる戦いとなるが、これを勝ち抜いてこそ、初めて強豪校の仲間入りが出来るというもの。横森総監督がかつて率いた韮崎高校のように、全国有数の強豪校の仲間入りを果たせるのか、大いに注目したい。

2010年11月18日 (木)

U-23、育英に快勝

練習試合 11月17日@前橋育英グラウンド
前橋育英 0-3 ザスパ草津U-23
(1本目:0-2、2本目:0-1、3本目:0-0)
[得点者]
1本目:24分藤崎、38分森川(U-23)
2本目:29分森川(U-23)
※1、2本目は40分、3本目は30分

今週末、選手権群馬県予選決勝を控える前橋育英にとって、本番前の最終調整となる練習試合であったが、やや課題の残る試合となり、ザスパ草津U-23からすれば内容も充実した快勝となった。

Img_0019

育英の1本目は顔と名前が一致しない選手もいたが、小牟田、白石、小島、湯川、戸内、大平、三柴、中嶋といった主力中心のメンバーをピッチに送り出してきた。当然、システムは不動の4-4-2(中盤はボックス)。対するU-23は、現時点でのベストと言えるメンバーを1本目に揃えてきた。

ーーー藤崎ー森川ーーー
ー清水ーーーーー宮下ー
ーーー古矢ー市川ーーー
星野ー成田ー飯山ー冨田
ーーーー笠原ーーーーー

ゲームだが、序盤からU-23のハイプレスが効きまくり、育英は湯川、小島のボランチコンビがゲームメークになかなか加われない時間が続く。ここ最近の練習で、組織的な守備の徹底を行ってきたU-23。その練習の効果が遺憾なく発揮され、2トップの森川、藤崎が前からガンガン相手最終ラインにプレッシャーをかけ続けると、ボランチの古矢、市川も高い位置を取り、相手スペースを次々と消していく。

Img_0086

前にボールの出しどころのない育英は、最終ラインでボールを横に回すだけとなり、最後はやや苦し紛れに縦に蹴る展開に終始し、湯川、小島というチームの心臓部がなかなか機能していかない。

Img_0201

それでも22分、右サイドを起点に育英がボールを動かすと、湯川が斜め前方に素晴らしいランで駆け上がってチャンスを作り、あっという間にCKを奪ってみせる。やはり、キーマンにボールが入れば「さすが」という場面も所々で見せつける。しかし、「さすが」と思わせる場面は連続していかない。どうしても相手プレスの前に自由を奪われ、単発の攻撃ばかりとなり悪いリズムが続く育英。すると、守備面においても悪循環が生まれてしまう。

せっかく奪ったCKのチャンスだが、ボールを簡単にU-23に奪われて、前線にロングボールを蹴り込まれる。そしてここでの守備がやや緩慢であった。走り込んだ藤崎をDFは止めることが出来ず、技ありのループシュート(?)が見事に育英ゴールに決まる。

Img_0117

先制点を決めたことで、精神的に余裕が生まれたU-23。すると、これまで以上に前からのプレスを強め、セカンドボールの大半を支配していく。こうなると、育英は挽回するチャンスの糸口すら見つけられなくなってくる。そんな弱々しい姿を見せる相手をよそに、U-23は再び1点目と似たようなパターンで追加点を奪う。今度も裏に出たボールに森川が判断よく飛び出して素速くシュート。これも決まって1本目はU-23が2点のリードを奪う。

相手のプレスに全体のラインが下げられ、中盤がやや機能不全に陥り、ボールの出しどころを失った育英。気持ちだけは前に行こうとする。しかし、「前へ」という意識が強すぎて焦りに繋がり、空回りを続けるうちに裏のスペースをがら空きにしてしまった。

Img_0209

完全に育英の負けパターンである。

2本目は、GK以外の10人を総入れ替えしてきた育英。フレッシュな選手の登場で流れが変わるかと思われたが、U-23の勢いは止まらない。1本目はあまり攻撃に絡めなかった左SB星野。しかし、2本目には積極的な攻撃参加を見せチームに勢いを与えていく。特に2本目16分の、トミケンのオーバーラップからのパスを受けてシュート(シュート自体はバーを直撃)は得点にはならなかったが、この試合一番のプレーであった。

Img_0315

しかし、2本目20分でU-23は5人が交代(古矢→マテウス、成田→田村、星野→川瀬、冨田→高崎、宮下→西野)。さすがに一気に5人を変えたことで、一時的にペースダウン。25分すぎには相手の反撃に遭うが、ここは守備が粘り強く対応してピンチを乗り切っていく。交代した直後はマークの受け渡しが徹底できておらず、試合の流れにも乗れていなかったが、徐々に相手に慣れ出すと、1本目同様高い位置からのプレスが掛かるようになり、再びペースを取り返し、29分に森川がこの日2点目となるゴールを叩き込む。

Img_0366

さらに35分、西野が右に開き、中で受けた森川が見事のポストプレーを見せ、最後は走り込んだ清水がシュートという、素晴らしい流れを見せる。木村コーチが何度も繰り返して指導してきた「3人目の動き」がこの日は随所に見られたのである。

で、3本目に関しては、正直なところ両者ともあまり見るべき所もなく、スコアレスで終了。

ということで、3本トータル0-3でU-23の完勝で終わった。

さて、決戦が近づいている育英サイドからこの試合を見ると、確かに課題(劣勢時の挽回法、裏を簡単に取られてしまった場面など)が見えたのは事実。しかし、この日の相手は年代も体格も上なので、そう、悲観することもないはず。さすがに、今日のようなハイプレッシャーを仕掛けてくるのは高校チームは流経柏ぐらいだけだから…

Img_0387

また、1本目終了後、最終ラインに入った選手たちが、隣のハーフコートで反省点をすぐさま修正するなど、チームは決戦に向けて最終調整に余念がない。2年前は準決勝までコマを進めたが、昨年は初戦敗退。そして今年のインターハイでは地区予選敗退と結果を出せていない育英。だからこそ、選手たちはラストにかける意気込みは非常に高いのだが、その気持ちの高ぶりが空回りにならないことを祈りたい。

そして、ザスパ草津U-23については、別の機会でまた書いていきたいと思います。

2010年11月16日 (火)

千葉決勝は再びライバル対決に

千葉県予選といえば、流経柏、市立船橋、八千代、幕張総合、習志野などの強豪校がひしめき合い、ここ数年は予選突破することが全国一厳しい地区になっている。そんな激戦区も、残すところ決勝のみとなったが、決勝戦のカードは3年ぶりの「赤と青」のライバル対決となった。

ということで、14日に行われた全国高校サッカー選手権・千葉県予選の準決勝2試合を振り返ります。

ーーーーーーーーーーーー

全国高校サッカー選手権・千葉県予選
準決勝第一試合 @柏の葉総合競技場
流通経済大学付柏 1-0 柏日体
[得点者]
10分田宮(流経柏)

試合のスコアこそ、最少失点差の試合だったが、試合全体から見れば、流経柏の完勝であったことは否定しない。しかし、いい試合であったかと言えば、完全に「No」であり、試合後、1時間以上もロッカールームで続けられた本田裕一郎監督の「お説教タイム」が内容の悪さを物語っていた。

Img_0087

試合は序盤からいつものとおり、前からガンガン仕掛けてくる流経柏の鬼プレスの前に、柏日体は為す術無く防戦一方となってしまう。その流れから、序盤からファールを繰り返してしまう柏日体守備陣。そして10分、FKから前線に上がっていた増田の折り返しに最後は田宮が押し込み、流経柏が早くも先制する。

Img_0081

早い時間での先制点。そして圧倒的な流経柏のペース。
このまま行けば大量得点差になってしまうのか… と思ったのだが、元々劣勢で戦うことを予想していた柏日体は、失点後からFWの10番柏崎が1.5列目に下がり、実質4-4-1-1という形に変え、流経攻撃陣に対応。そしてここからの流経柏は、ボールこそキープするが、なかなかバイタルエリアに進入出来ず、遠くからシュートを打つだけの単調な攻撃に終始してしまう。ただ、柏日体も守備では奮闘するものの、攻撃面では良さを何も見せられず、シュート0で前半を終える。

さて後半途中から、相手の堅い守りを打ち崩すために、流経柏はサイドアタッカーの吉田とFWの田宮の位置を変え、なんとか柏日体の守備を打ち破るためにテコ入れを図る。そして、このポジションチェンジは時として田宮もトップの位置に上がる4-3-3にも姿を変えていく。

すると、前半のように縦に蹴って展開するサッカーではなく、ハイプレスからボールを奪い、繋いでゲームを作っていく「流経柏らしさ」が顔を出してくるのだが、柏日体も体を張った守備で徹底対応。しかし、いくら体を張り続けても、流経柏の猛攻は止まらず、15分、16分と立て続けに決定機を迎えるのだが、FW宮本や途中交代で入った中村が決めきれない。

Img_0280

そして後半33分、CKのチャンスがまたも宮本が抜け出して、無人のゴールに流し込むだけ… という場面を迎えるのだが、ここでもシュートを外してしまい、試合は結果的に1-0のまま終了してしまう。

柏日体がこの試合で決定機を迎えた場面は1度も無かったので、点差は別として流経柏の完勝ではあったが、本来なら3-0、4-0で終わらせていなければいけない試合と考えてもおかしくはない。さらには、次が決勝戦なのだから、気持ちよく勝って次に繋げたかったところだが、ため息しか出ない試合をしてしまったことはやや気がかりでもあった。

ーーーーーーーーーーーー

準決勝第二試合 @柏の葉総合競技場
八千代 0-3 市立船橋
[得点者]
43分山野辺、50分水谷、61分石原(市船)

ともにプリンスリーグ関東の1部で戦っているチームであり、ハイレベルな争いが期待された第二試合は、緊張感漂う展開で試合は始まっていった。

市船はすでにお馴染みである、9番水谷を1トップに置く4-2-3-1のシステムで来たのに対し、八千代はFW登録の密本が左サイドに入り、22番大塚がトップ下に入る4-4-1-1のシステムをぶつけてきた。

Img_0443

今年のプリンスリーグでは6-0と市船が圧勝しているが、この日は序盤から拮抗した試合となる。ともに中盤のつぶし合いが続き、第一試合とは全く違う拮抗した展開が繰り広げられる。一進一退の攻防が続く中、八千代は大和久、大塚という縦のラインが機能して、徐々にペースを握り、27分には大和久のあわや先制点!というスーパーミドルも炸裂する。

ここは、GK高橋のファインセーブで凌いだが市船。守備面では「さすが」と思わせる堅さを見せるのだが、攻撃面ではイマイチ波に乗れない。司令塔の藤橋の動くスペースを、ことごとく相手守備陣に潰され、動きを制限されてしまい攻撃の形を作り出せない。

前半はスコアレスで終えた第二試合。八千代としては、策が見事にはまった形であり、このままいい流れを持続して点に結びつけたいところであったが、市船・石渡監督は後半に向けてシステムを変更して勝負を賭けてくるのであった。

Img_0555

左サイドアタッカーの山田を下げ、FWの和泉を後半から投入。水谷の1トップは変わらないが、和泉をその下の1.5列目に置き、藤橋を右サイドに配置転換し、八千代と同じ4-4-1-1システムに変えてきたのだ。

そして、この交代策がズバリ的中する。前半はトップ下の位置で、スペースを奪われて動きを制限されていた藤橋だが、スペースを得たことにより、自由に右サイドを突破して次々とチャンスを作り出していく。

Img_0575

いきなり流れを掴んだ市船は、ここから自慢の「勝負強さ」を発揮していく。後半3分、CKのチャンスから山野辺が押し込んで均衡を破ると、後半10分にもFKからのチャンスを最後は水谷が蹴り込んで、早くも2点差を付ける。なんとか流れを取り戻したい八千代は12分、17分に選手を入れ替えて打開しようとするが、市船に傾いた流れを押し戻すことが出来ない。

さらに後半20分、8番石原が左サイドをドリブル突破してPAまで進入。ここで八千代DFが倒してしまい、痛恨のPK献上。自身の突破でチャンスを獲得した石原がそのままPKを決め、これで3-0として完全に勝負あり。

前半の悪かった部分をしっかり把握し、後半には的確に修正し流れを掴む。そして流れから奪ったセットプレーを確実に点に結びつける効率の良さ。リードしてからのソツのない試合運びといい、さすが今年のインターハイ王者だ… と思わせる隙のない試合を見せた市船であった。

ーーーーーーーーーーーー

さてご覧の通り、千葉県予選の決勝は流経柏 vs 市立船橋の間で行われることが決まったが、今年も「事実上の選手権決勝戦」と言っても過言ではないだろう。

今年の千葉県で行われた大会で一度も負けてはおらず、全国一のハイレベルを誇るプリンスリーグ関東1部ではJクラブユースを押しのけ2位に入り、全日本ユースでも8強進出を果たした流経柏。そして、プリンスリーグでこそ9位に終わったが、インターハイで優勝を飾った市立船橋。本当は、この両校を選手権に出してもいいのでは? と思うほどなのだが、冬の選手権では千葉県は1校となっているので、どちらかしか出れないのは致し方のないところ。

Img_1581

で、両者の対戦は今年に入って公式戦で3回実現しているが、プリンスリーグ(3-0)、総体予選決勝(2-0)、全日本ユース(2-1)と、3戦すべて流経柏が勝利しているのだが、あまり過去の結果は両者の対戦において参考にならないと言える。春先から夏前は、選手層が厚い流経柏が優位に立っていたが、夏のインターハイを経て成長した市船が猛烈な追い込みを見せている。

Img_0507

石渡監督も、夏以降の1、2年生の成長に大きな手応えを感じており、準決勝でも存在感を見せた1年生小出悠太のパフォーマンスを手放しで喜んでいた。また、今年のチームの能力は昨年よりも高く、後から(交代で)出てくる選手にも十分期待が出来るので、80分間の中でいつでも勝負できることに、頼もしさを感じてきているそうだ。

さて流経柏だが、準決勝の内容はお世辞でも良くなかった。しかし、だからといって流経柏の評価が下がった訳ではない。

市船・石渡監督も「決勝は決勝ですからね。(流経柏も)プレッシャーも大いに感じていたはずだから、準決勝の出来なんて関係ないですよ」とコメントしているほどだ。

そして、この日は流経らしいプレッシングサッカーを体現する吉田、田宮、宮本、進藤、富田らの攻撃陣はやや不調であったが、流経勝利の鍵は、攻撃陣よりも守備の要の存在感にあると考える。近い将来「山村二世(流経大3年でU-21日本代表)」と呼ばれるであろう、増田繁人のキャプテンシーがしっかり発揮されれば、流経柏の屋台骨を支える強固なディフェンスラインはそう簡単に破られない。

Img_0268

全日本ユース・ラウンド16で死闘を繰り広げた両者の戦いは、これまで以上に厳しい戦いになることが予想されるが、決勝のポイントは間違いなく、市船が流経の「鬼プレス」にどこまで対応出来るかに懸かってくるだろう。ハイライン・ハイプレスサッカーの流経柏が優るのか? 堅守からの一撃必殺で市船がライバルを沈めるか? 千葉県のみならず、全国が注目する決勝戦は11月21日、13時から市原臨海競技場で行われる。

2010年11月15日 (月)

駒大高、初の選手権出場へ

全国高校サッカー選手権 東京都Aブロック決勝
帝京高校 0-1 駒澤大学高校
[得点者]
79分大畠(駒大高)
※試合後の抽選により、駒大高は「東京B代表」として選手権に出場


インターハイこそ出場した帝京だったが、最終目標であるはずの選手権出場は逃してしまった…

Img_0443

試合は序盤から駒大高のペースで進む。兄貴分でもある、駒大のような激しいプレスに、縦に蹴って走るサッカーで帝京ゴールに迫る。攻撃だけではなく、守備面でも冴えを見せ、守りに入ると素速く中盤でブロックを形成し、帝京に攻めの形を作らせない。

Img_0164

駒大高・大野監督は今年の帝京のデータをしっかり確認していた。「T1リーグでは、前半に点の取れなかった試合には勝てていない」という情報のもと、前半は0-0でもいいと選手に伝え、守備をしっかりやった上で駒大高らしいサッカーをしようと指示して選手を送り出していた。前半のうちに先制点こそ奪えなかったものの、ほぼ監督が思い描いたとおりの展開となり、してやったりの駒大高。

Img_0224

しかし、後半に入るとさすがに帝京も相手のブロックを崩すために、前半以上の運動量で攻撃を仕掛けてくる。すると試合展開は帝京ペースに傾き出すのだが、攻撃のアイディアがやや足らず、単調な攻撃に終始してしまい決定的な場面をなかなか作り出すことが出来ない。これに対して駒大高はしっかり守ってから、鋭いカウンターで対抗。ポゼッションでは帝京が優位に立った後半戦だが、決定機で数で言えば駒大高の方が上。点を取ることだけに固執するあまり、帝京ディフェンスの裏にスペースが生まれてしまっていたのだ。

そして後半37分、やはりカウンターからチャンスを掴む。左からのクロスボールのこぼれ球をPA内で拾った黒木に対し、帝京DFが倒してしまい駒大高がPKを獲得。ペナルティスポットに立ったのはキャプテンの大畠。2年前の決勝戦(0-1國學院久我山戦)に1年生ながら出場していたが、自身のミスで決勝点を奪われてしまった苦い経験も持っていた。だからこそ、責任感を持ってスポットに立った。

「これを決めれば全国だ…」

Img_0370

そう思った大畠。しかし緊張することなく、落ち着いて放ったシュートはGKの逆を突き、部創立45年目にして初の選手権出場をたぐり寄せる、値千金のゴールが土壇場の79分に生まれた。

Img_0386

帝京にとって、残された時間はアディッショナルタイムしかなかったが、再び円陣を組み直し、必死の攻撃を見せる。しかし、駒大高も最後まで集中を切らさず、虎の子の1点を守りきり、ついに全国切符を獲得した。

試合結果こそ1-0であったが、限りなく駒大高の完勝といえたこの試合。シュート数では11-7と帝京が上回り、ポゼッションでも6:4程度でこちらも帝京が終始優位であった。しかし、駒大高は危険なエリアのケアがしっかりしており、帝京は「持たされている」だけのような格好になっていた。気持ちだけは前に行くのだが、それが全体に波及していかず、連動する攻撃や素速く相手をしとめる攻撃に繋がっていかなかった帝京攻撃陣。

Img_0392

そんな帝京の姿は、昨年の選手権オープニングゲーム(1-3 ルーテル学院戦)同様、「勝ち方」を忘れてしまっているかのようだった。かつての帝京といえば、内容が悪くてもいつの間にかゲームをモノにする、したたかな強さがあったのだが、残念ながら今のチームはその姿は見えてこない。

時代の変化と言ってしまえばそれだけなのかもしれない。
しかし、高校サッカー界において「カナリア色の帝京」といえば、いつになっても特別な存在でいてほしいものなのだ。

Img_0396

初出場を掴んだ駒大高の大野祥司監督も「帝京を倒して全国に出るのが夢だった」と語ったが、それぐらい「帝京」というブランド力は、目に見えない輝きを今でも放ち続けている。確かに、かつての強さはチームにはないし、プリンスリーグ2部に復帰も出来ていない現状だ。それでも、指導者であるならば、やはり「帝京」という壁は乗り越えたいものなのである。

Img_0436

大野監督は、帝京の廣瀬龍監督同様、高校時代に輝かしい成績を残している一人だ。68回大会で武南高校が準優勝(決勝:南宇和 2-1 武南)した時のエースであり、その時代に活躍した選手だからこそ、「帝京に勝つ」ということの重さを十分に理解している。しかし、その夢を実現するまでに、監督就任から13年という月日を費やした。

さて、駒大高だが、冒頭に書いたとおり抽選の結果「東京都B代表」となることが決まったのだが、東京都B代表といえば、オープニングゲーム(国立)に登場する可能性が非常に高いことで知られている。もし、オープニングゲームとなれば、大野監督にとって、21年ぶりの国立凱旋となるのだが、はたして22日に行われる抽選の結果はどうなるのだろうか?

Img_0467

大学チームも総理大臣杯で優勝しており、リーグ戦でこそ優勝を明治大学に奪われたが、冬の高校サッカー選手権シーズンに被って行われるインカレ(大学選手権)に向けて虎視眈々と優勝を狙っている。高校と大学、どちらも揃って冬の頂点を狙う戦いがこれから始まっていく。

« 2010年11月7日 - 2010年11月13日 | トップページ | 2010年11月21日 - 2010年11月27日 »