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2010年11月7日 - 2010年11月13日

2010年11月 9日 (火)

残留のために必要なこと

JFL 後期第14節 
11月6日(土) @浜川
アルテ高崎 0-2 SAGAWA SHIGA FC
[得点者]
50分御給、85分岩永


試合後、「内容は悪くはないんだよね…」と、つぶやいたアルテ高崎・後藤監督

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確かに試合内容については悪くなかったアルテ。前半はシュート数でこそ、4-5でSAGAWAに後れを取ったが、相手1トップの米倉に対しては厳しいマークで仕事をさせず、奪っては縦に早い展開からSAGAWA以上にチャンスシーンを作り出した。しかし、後藤監督も永遠の課題という「決定力不足」に泣き、チャンスをことごとく決められない。

後半に入って、相手はついに切り札を投入。
御給匠の登場だ

前半、1トップの米倉はマークに苦しみ、存在を消されてしまっていたが、御給が入ると存在感が大きく際だっていく。競り合いではほぼ全勝し、入ったボールをしっかりキープできる御給の登場により、左右のアタッカーである中村元、大沢(後半から投入)がより躍動的に動いていく。

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そして後半5分、トップ下の清原を経由して、左サイドに開いた山根が中央にクロス。これを相手選手と競り合いながらも御給が蹴り込んでSAGAWAが先制。

現在、JFL3位に着けているSAGAWA SHIGAだが、この日見た(見せた)パフォーマンスは、かつてぶっちぎりで優勝した時と比べてしまうと、残念ながら後退してしまっていると感じるものだった。しかしそれでも、SAGAWAはまだまだ強い。やはりチームとしての積み重ねがあるからこそ、パフォーマンスが決して良くなくとも、勝ち方を知っているし、必勝パターンもある。だからこそ、今現在もJFLの重鎮的存在として君臨しているのだ。

話は逸れてしまったが、先制点を奪ったことで、この後の試合展開はSAGAWAにとって非常に楽なものになっていく。前線にボールが入ればしっかり御給が納めてくれる。それにより、両サイドや後ろからのオーバーラップを呼び込み、アルテは前半のような真っ向勝負が出来ず、後手後手に回っていく。なかなか前に出て行けなくなったアルテに対して、SAGAWAは無理に攻めることなく、じっくりと時間を使いながら攻撃を仕掛け、カウンターの機会すら与えない、したたかなサッカーを展開。

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時間が無くなっていくなかで、後半40分に途中交代で入った岩永が大きな仕事を成し遂げる。この直前に投入された岩永は、左サイドを駆け上がった旗手からのいいクロスに見事に反応。ファーストタッチとなるヘディングで値千金の2点目を奪って見せた。

もう、この2点目で十分だった…

得点力不足に悩むアルテにとって、1点でも大きな壁なのに、2点は厳しすぎた。

試合は結局、このまま0-2でSAGAWA SHIGAが勝利。敗れたアルテは勝って降格圏を脱出したいところだったが、勝ち点を伸ばせず29のまま、ラスト3戦に賭けることとなった。

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さてアルテだが、この日の試合でも勝負どころを抑えきれずに完敗。確かに前半だけは良かった。というよりも、毎試合前半だけは「なんでこの順位にいるんだ…」と思わせるほど、良い試合を展開する。しかし、勝負を賭けてくる後半は、相手の圧力にいつも屈してしまう「負け癖」が顔を出してしまい、チームから覇気が消えていくのが非常に気になってしまった。

サポーターからは「いい試合をしなくてもいい。勝つサッカーが見たいんだ…」という声が試合後に選手に投げかけられたが、アルテのポイントとはまさしくそこなんだと感じる。

横浜FCでコーチやU-18監督として指導してきた後藤監督。選手をじっくり育てることに長けてきた後藤監督だからこそ、アルテはここまで戦えるチームに成長してきた。在籍する選手は、お世辞でも名のある選手とはいえない者ばかり。しかし、ここに集まった選手は皆、「チャンスを掴みたい」とひたむきに願う選手が集まった。

そんな無名の選手たちを後藤監督は情熱を注ぎ込んで指導し、チームは変わりつつある姿を見せてくれた。戦力的には他のチームより劣っているかもしれないが、引いて守ってカウンターで勝つよりも、監督が志す繋いで展開していくサッカーでリーグ戦に挑んでいる。しかし、健闘はするものの、結果が付いてこないのもまた事実。そして、結果が出てこないチーム状況に、選手それぞれのメンタルがここに来て低下してしまっているのだ。

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監督が目指す攻撃的サッカーもいいだろう。しかし、サポーターが声にした「勝つところを見たい」という声に応えるのも重要な部分でもあるはず。それをするには、監督が目指してきた繋ぐサッカーを放棄するとまでは言わないが、守備に重点を置く試合運びをする必要もあるだろう。また、勝利からしばらく見放されていることが、この日の観客数(186人)に影響していることは否定できないはず。であるのだから、なおのこと勝利という起爆剤が必要不可欠なはず。

現時点では勝ち点29で15位のアルテ。自動降格となる最下位で終わる可能性は少ないと思われるが、入れ替え戦に回ることもある17位で終えることは無いとはいえない。残された3試合では、確実に「結果」が求められる後藤アルテ。果たして、監督は選手のメンタルをどこまでコントロールできるのか? そして、理想論ではなく現実路線で試合に挑むのかに注目したいところである。

2010年11月 8日 (月)

明大、3年ぶり3度目のリーグ制覇

関東大学サッカーリーグ
第20節(後期9節)@保土ヶ谷
明治大学 1-1 国士舘大学
[得点者]
60分吉野(国士舘)
70分松岡(明治)

優勝に王手を掛けながら、2試合連続未勝利で足踏みを続けていた明治大学。さすがに、どのチームも目前で優勝を決められるのはおもしろくない。相手側の意地と、優勝へのプレッシャーが重なり、ここ2試合では「らしさ」が出せないままでいたのだが、この日は気迫に満ちたプレーがチームに戻り、勝利こそ得られなかったが貴重な勝ち点1を追加して、3年ぶり3度目のリーグ制覇を決めた。

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さて試合だが、序盤は完全な国士舘ペースで進む。開始直後に岩崎がシュートを放つと、これを合図に国士舘の猛攻が始まる。直後の2分にも縦パス1本から松本が抜け出してシュート。これは明大GK高木がファインセーブ。11分には司令塔の斎藤がヘディングシュートを放つも今度はポストを直撃。国士舘の攻撃は、2トップの吉野、松本だけではなく、左サイドバックの瀬川が積極的に攻撃に絡み、非常に分厚い攻撃を仕掛けていく。

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さらに28分、FKのチャンスからDF大久保が頭で合わすも、今度はバーを直撃してまたもゴールインならず。この直後の31分には松本が再び縦に抜け出してシュートを放つがこれも枠を捉えられず。さらに41分、CKから再び大久保が頭で合わすも、DFがゴールラインギリギリでカット。

まるで、前期の試合(明治1-0国士舘)が再現されているかのようだった…

攻める国士舘、守る明治

この日の前半に関しては、明大が優勝へのプレッシャーから、出来が悪くなっていると考えるより、国士舘のパフォーマンスが素晴らしかったというべきであろう。国士舘はピッチ上で最高の試合を披露していた。

しかし、明大もケガと体調不良で戦列を離れている丸山の代役として入った吉田啓祐が奮闘。シーズン前のスペイン留学で大ケガを負って帰国し、前期から夏にかけてはリハビリだけとなってしまった吉田だが、リーグ終盤の大事な場面で復帰して復調ぶりをアピール。コンビを組む松岡とともに、体を張り続け国士舘にゴールを与えない。

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前半は完全に国士舘に圧倒され続けた明大だが、神川監督はまったく焦りを見せていなかった。

「今日の試合は厳しい戦いになることは予想していました。相手が序盤からラッシュを仕掛けてくることは想定内でしたし、まずは前半は0で抑えようと選手に伝えていました」


さて後半だが、前半とは真逆の展開となり、明大の猛ラッシュから始まっていく。1分、3分、4分と立て続けにシュートを放ち、国士舘ゴールに迫る明大。前半より、三田、宮阪のボランチコンビが高い位置でボールを奪えるようになり、明治らしい早い展開が生まれていく。

しかし後半15分、一瞬の気のゆるみが明大を襲う。カウンターから素速く前線にボールを繋いだ国士舘。そしてボールを受けた吉野は迷うことなくミドルレンジからシュートを放つとゴールマウスに吸い込まれていった。

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後半に入って劣勢だった国士舘が先制。

またもまずい試合展開となってしまった明大。しかし、選手はこの失点で気落ちすることは無かった。当然ながら、この試合で優勝を絶対に決めるという意識が高かったのだが、それ以上に夏の総理大臣杯で完敗を喫した相手にどうしてもリベンジしたかったのだ。

失点直後は国士舘に圧された明大だが、徐々にペースを奪い返し、後半25分についに同点弾が生まれる。直前のセットプレーのチャンスでゴール前に上がっていた明大CBコンビ。一度は相手DFにクリアされたが、流れから続いたスローインのボールがゴール正面で待っていた松岡の下にこぼれ、これを左足で蹴り込んでついに同点。

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さらにこの直後、国士舘の吉野が2枚目の警告を受け、退場となり残り時間を数的有利で戦えることとなった明大。しかしこの場面で神川監督が選手に指示したのは「相手と戦うのではなく、自分の心と戦え」であった。

優勝を目前にし、さらには相手が一人少ない状況。そんな状況であれば、つい、平常心を失いがちになってしまう。だからこそ、神川監督はここで選手に落ち着くように指示を飛ばした。そして選手はその指示に応え、勝ち越し点こそ奪えなかったものの、試合をそのままクローズさせることは成功し、勝ち点1を積み上げてついに優勝を勝ち取った。

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さて、この日の明大だが、前期に独走していた時はやや違うメンバー構成になっていた。

ーーー久保ー山村ーーー
ー田中翔ーーー田中恵ー
ーーー宮阪ー三田ーーー
奥田ー吉田ー松岡ー鹿野
ーーーー高木ーーーーー

山田大記小林裕紀、そして丸山祐市といった不動だったメンバーは、それぞれケガで戦列離脱しており、春先のメンバーとはそれなりに変わっている。さらにはシーズン当初は久保ー山本の2トップだったが、後期に入って山村が急成長しスタメンの座を奪った格好となり、最終ラインの松岡、鹿野も楠木、豊嶋とレギュラー争いをすることで、それぞれの飛躍的に成長しており、誰が出ても「明治のサッカー」がシーズンを通して大きく変わることも、崩れることはなかったのである。

対戦相手に勝つ前に、チーム内での激しいレギュラー争いがあるからこそ、強い明大が出来たと言っても過言ではないだろう。確かに、ここ最近の明大はこれまで以上にスポーツ強化に力を入れており、いい選手が集まり(集めやすい)環境であることは間違いない。しかし、良い選手を獲得すれば即、強くなるわけでもない。

チーム内に発生する、緊張感のある「競争」があるからこそ、今の強いメイジが生まれたのである。また、これまでは優勝を目指す「チャレンジャー」という立場であったことも忘れてはならないだろう。

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とにかく、今年の明大は本当に強かった。
とりあえず、明大サッカー部については、また別の機会にまた取り上げたいと思います。

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