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2010年9月12日 - 2010年9月18日

2010年9月18日 (土)

準会員チーム動向とJFL残留争い

まず、9月5日に町田ゼルビアがJ入会予備審査の内容を発表し、16日にV・ファーレン長崎も予備審査について会見を開いたことで、JFL在籍でJ準会員4チームの予備審査内容がすべて出そろったので、簡単にまとめてみたいと思います。

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●ガイナーレ鳥取
後期第7節終了時点:1位(58pt、+30)
J入会予備審査→一部で基準を満たしていない→本審査(10〜11月)までに平均入場者数を3000人台に乗せ、債務超過を解消し、財務基盤強化を進めて行くこと
ソース:http://www.gainare.co.jp/news/20100907-01.html

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●町田ゼルビア
後期第7節終了時点:3位(42pt、+20)
J入会予備審査→スタジアムが2010Jリーグ基準ではない→審査対象外→今季の昇格はナシ
ソース:http://zelvia.jp/cgi-bin/info/info.cgi?month=201009&num=1283

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●V・ファーレン長崎
後期第7節終了時点:6位(36pt、+8)
J入会予備審査→スタジアムは基準外、財政基盤も不十分→審査対象外→今季の昇格はナシ
ソース:http://www.v-varen.com/news/detail.cfm?page_id=316

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●松本山雅FC
後期第7節終了時点:9位(33pt、+1)
J入会予備審査→一部で基準を満たしていない→本審査(10〜11月)までに組織体制の整備、資本増強・財務基盤強化、ホームタウンとの関係強化を進めて行くこと
ソース:http://www.yamaga-fc.com/news/2010/09/08/1283951832808.html

ということで、鳥取と松本は条件付きながら、J入会の道が開けましたが、町田と長崎にはJリーグ側から「基準外」と評価され、今季のJFLで4位以内に入ったとしてもJ昇格対象にならないことが決定した。なお、町田に関しては、2012年J入会を目指すことをいち早くアナウンスしたが、長崎についてはJ基準のスタジアムが完成すのは2013年ということもあり、来年昇格について「可能であれば」という表現だけにとどまった。

で、現在勝ち点58で首位を走る鳥取だが、あと3勝して勝ち点を67とした時点で、J2昇格基準である4位以内を確定させることとなる。また、秋田、長崎、琉球が勝ち点36で並んでいるが、これらの3チームが8節、9節のどちらかで敗れ、鳥取が連勝(勝ち点64)すると、その時点でも4位以内が確定となる(秋田、長崎、琉球は1敗した時点で、残り全勝しても勝ち点は63にしかならないため)。

さて、条件付きながら本審査まで残った松本だが、こちらは現在9位とやや4位以内に滑り込むことが厳しい順位にある。これまでも書いてきたが、4位以内に滑り込む基準として「勝ち点60以上」という数字があるが、勝ち点33の松本にとって、60に到達させるには9勝1敗というハイペースで行かなければならない。

また、残り10戦の中には首位鳥取に、JFLの門番筆頭であるHonda FC、昨年王者のSAGAWA SHIGA FC、さらには町田ゼルビアに北信越時代からライバル関係の続くツエーゲン金沢と難敵が続くのだが、当然ながらこれらのチームに勝ちきれなければ、Jに行く総合力はまだ無いと結論づけられたとしても致し方がないところだろう。

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J1クラブにとっても、ホームにしたいと思うほどの素晴らしいスタジアムを持ち、箱(スタジアム)に見合う熱いサポーターを擁する松本山雅。このような地方クラブがJに参入してくることは、サッカー熱が地方に広がる起爆剤にもなり、非常に好ましいことと思うのだが、4位以内にいてもおかしくない、と思えるだけのチーム力は、残念ながらまだ身につけていない気もするのだが、果たしてここからの大逆襲はあるだろうか?

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さて、J昇格争いの話をしてきましたが、今度はJFL残留争いに目を移そう。

まず、今回(今年)JFLを卒業しそうなチームだが、今のところ鳥取だけであり、最終的にこの1チームだけになりそうな可能性がやや高い。ということで、本来は入れ替え戦に進むこととなる16位チーム(現時点では栃木ウーヴァ)は残留が確定する。そして17位チーム(現時点ではジェフリザーブス)は、地域決勝大会3位チームと入れ替え戦を行い、18位チーム(現時点では流通経済大学)が地域リーグに降格となる。 ※ここで名前の入れたチームは、あくまでも今の順位であり、予想でもなんでもないです

なお、松本山雅が4位以内に滑り込んだ場合は、17位も残留で、18位のチームが地域3位チームと入れ替え戦を行う。 ※地域決勝大会の優勝、準優勝チームはJ昇格チームが1チームでも2チームでもJFLに自動昇格となる

さて、現在のJFL最下位チームは流通経済大学FCなのだが、このチームが最下位となった場合、その先がどうなるか興味のあるところである。基本的にJFLのレギュレーションでは、「大学生チームが降格(もしくはなんらかの理由で脱退)した場合は、学校所在地のある地域社会人リーグには降格しないことになっている。即ち、降格→大学リーグだけに専念という形になっており、過去の例でも降格した静岡産業大学や、部員の不祥事で脱退した国士舘大学は社会人リーグに参加していない。

しかしだ、今年から大学ーJFLの二重登録が出来なくなったことで、流経大は大学リーグに参加する「トップチーム」とは別に、JFL用(1種登録チーム)に「流通経済大学FC」というチームを作って参戦しているので、JFL降格後に関東社会人サッカーリーグ1部に参加する可能性もあり得なくはない。

という2つのパターン(可能性)があるわけだが、まだ降格も決まってはいないので、実際の所どうなるのか何も決まってはいない。しかし、今年の茨城県サッカー選手権(天皇杯予選)では、大学トップチーム、JFLチーム(流通経済大学FC)、クラブドラゴンズの3チームが参加しているということから考えると、JFL降格後に関東リーグ参加するということも、実はある???とも勘ぐってしまう。また、現在関東1部に在籍している流通経済大学の3軍である、クラブドラゴンズは関東リーグで7位だったため、2部降格が決まっていることから、同一カテゴリー(1部)で同母体チームが被って在籍することもないのだ。

さすがに、リーグ戦はまだ10試合残っているし、最下位も確定してはいないので、流経大の中野総監督に「どうするんですか?」とは、さすがに聴くに聞けません。あくまでも「仮定」の話であり、とりあえずは現実的に降格が「濃厚」となった時に、確認してみようと思います。

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話を残留争いに戻しますが、現時点の順位と勝ち点はこのようになっています。

15位:アルテ高崎 25pt、-13
16位:栃木ウーヴァFC 24pt、-28
17位:ジェフリザーブス 20pt、-18
18位:流通経済大学FC 16pt、-25

で、JFLが18チーム制となった2006年以降の16位の成績ですが、
2006年:流通経済大学 28pt
2007年:FC刈谷 28pt
2008年:FC琉球 27pt
2009年:FC琉球 38pt

となっておりまして、16位の平均獲得勝ち点を算出すると30.25になる。そこから考えれば、勝ち点31が残留圏の指標になりそうだが、今年の15位、16位がすでに25pt、24pt獲得しており、さらにはリーグ全体が混戦模様ということを加味して考え直すと、残留の指標となる勝ち点は「36〜38pt」ではないかと予想する。

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さて、最下位の流経大FCだが、勝ち点38まで伸ばすには7勝1分2敗という、かなりハイペースで勝ち進まなければ目標に到達しない。また、17位のジェフリザーブスも同様である。だが、最下位の流経大FCよりも、実は気がかりなチームがある。それは現在16位の栃木ウーヴァFCだ。なんと前期12節(5/22 1-0 Mio)以来、12試合連続で勝ち星が無く、苦しい展開が続いているウーヴァFC。さらには、残り試合に難敵との対戦をかなり残していることもマイナス要素といえる。

難敵との対戦が続くことに関しては、流経大FCも同じなのだが、8月の登録変更期間を利用して、トップチームで主力だった選手をJFLチームに登録するなど、選手の入れ替えを行いチーム力は確実にアップさせており、まだまだJFL残留を中野総監督は諦めてはいない。

J2昇格争いに関しては、鳥取だけに絞られたが、優勝争いでは鳥取とSAGAWAの一騎打ちとなった感もある今年のJFL。しかし、サバイバルレースが続いていく残留・降格争いの方が、もっと熾烈になっていくことだろう。なんと言っても、J1チームがJ2に落ちるなんかより、JFLから地域リーグに落ちる方が、天と地ほどの差があるのだから…

2010年9月17日 (金)

粘りと「推進力」の勝利

関東大学サッカーリーグ
後期2節(通算第13節)@江戸川陸上競技場
筑波大学 2-4 流通経済大学
[得点者]
19分赤崎、25分八反田(筑波)
77分柿崎、79分武藤、84分河本、89分村瀬(流経大)

これまでも、何度も激しい点の取り合いをしてきた両者の対戦だが、この日も激しい戦いが繰り広げられたのである…

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さて、この日の筑波大スタメンだが、風間監督が「ネックになっている」と語った右サイドバック以外は、開幕戦と同じメンバーであったが、奇しくもこのメンバーは、8/29と全く同じ顔ぶれでもあった。
[筑波大スタメン]
ーーー瀬沼ー赤崎ーーー
ー曽我ーーーーー小澤ー
ーーー森谷ー八反田ーー
原田ー谷口ー須藤ー長沼
ーーーー三浦ーーーーー

対する流経大は小川が負傷のため欠場で、中大戦・前半38分以降と同じスタメンで挑んできた。
[筑波大スタメン]
ーーー征矢ー武藤ーーー
ー河本ーーーー増田智ー
ーーーフランクー村瀬ーーー
比嘉ー平田ー中里ー佐藤
ーーーー増田卓ーーーー

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試合は、2分に筑波大がFKのチャンスを得ると、小澤がこれを直接狙ってこの日最初のシュートを放ち、早々と流れをたぐり寄せていく。5分にも曽我が左サイドを突破してシュート。全体のラインをコンパクトにし、奪ったら素速く展開し2列目の選手が追い越していくサッカーで流経大を圧倒。10分にはまたも左サイドからチャンスを掴み、この日最初のビッグチャンスを迎えるが、GK増田とDFのブロックでなんとかピンチを凌ぐ。

その後も12、13、14、16分と波状攻撃から筑波大はシュートを連発。そして18分、流経大は立て続けに迎えたピンチの中で、平田が開幕戦に続いて痛恨のミス。筑波2トップの赤崎、瀬沼の前からのフォアチェックに、なかなか前に出せない流経大守備陣。この場面で平田のバックパスが中途半端となり、赤崎がカット。GKと1vs 1の場面となり、赤崎は相手の動きを見ながらシュート放ち筑波大が先制する。さらに4分後、ボランチの森谷から出たボールをトップの赤崎が落とし、2列目の八反田が蹴り込んで追加点を奪う。

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筑波大の豊富な運動量&前からのプレスにより、高い位置でボールを奪うことが出来ず、最終ラインでクリアすることが精一杯の流経大。当然ながら、この状態で前に繋いでいくサッカーは無理と言うもの。筑波大の早い出足の前に、手も足も出ない流経大守備陣は、残り時間もピンチの連続となってしまう。

44分には小澤が絶妙なループシュートを放つも、これはバーの上。そして前半最後には瀬沼にビッグチャンスが訪れる。赤崎がゴール前でボールを持ちシュート体勢に入ったが、これを平田がブロック。そのこぼれ球が瀬沼の前に流れ、GKと1 vs 1となり、試合を決定づける3点目を前半のうちに奪うかと思われたが、なんとシュートを枠外に外してしまう… 流経大にとっては命拾いした瞬間であり、筑波大にとってはとどめを刺す千載一遇のチャンスを逃してしまうのだった。

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前半を振り返ると、筑波大の良い場面しかない試合だった。流経大が悪いというのではなく、あのサッカー、あの走り、あのプレッシングをされてしまったら、たぶんどんな大学であろうと沈黙するしかないほどの出来であり、風間監督も試合後に「一番の出来だった」と前半のサッカーを褒め称えた。しかし、筑波大の課題といえば、足が止まってしまう後半20分以降をどう乗り切るかである。序盤からハイペースで飛ばしていって、そのペースを最後まで持続することはまず不可能であるからこそ、前半終盤に3点目、4点目を奪えなかったことは非常に痛かったし、後半をどのように戦うのか注目された。

流経大の方だが、ケガ人、コンディション不良でトップで使える選手は、相変わらず限られた人数しかいなかった。ここ最近の控えメンバーも1年生中心という苦しい台所事情なのだが、中野総監督はこう語ってくれている。

「必ずしも、彼ら(1年生)がJFLチームで戦っている同級生や、ほかの上級生より能力が高いという訳でありません。JFLチームが降格という現実が目の前に迫っていることもあり、向こう(JFLチーム)にも、トップ選手や能力の高い新人を置かざるを得ない状態になってしまったので、現在のような選手登録となっています。本当はもっとトップで使いたい選手がいるのですが、今年から2重登録が出来ないため、登録されているメンバーの中でやりくりするしかないのですよ…」

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この日のベンチ入りメンバーを見渡すと、攻撃陣の控えでは1年生しかいなかった。しかしだ、柿崎弘樹はJFLデビュー戦で初ゴールと最年少ゴール記録を残すなど、何かを「持っている男」であり、柳直人は高校時代(作陽高校)の実績において、椎名伸志と替わらないほどのものを残しており、先週大学リーグ戦デビューもすでに飾っている。ゲームは筑波大の圧倒的有利で進んでおり、この状況で途中出場しても、実力を発揮できるかは微妙なところであったが、今のチーム状況では「彼ら」に期待するしかなかった。

さて後半だが、相変わらず筑波ペースは変わらなかったが、流経大守備陣がしっかりブロックを作って対応。攻撃に関しても、前半途中から征矢とポジションチェンジしていた河本明人がボールに絡む機会が増え、徐々に試合の流れを取り戻し始める。そんな中、ハーフタイム時に「途中から行くぞ」と伝えられていた柿崎が、急ピッチでアップを進めていく。そして筑波大の運動量が下がり、プレスが緩くなり始めた頃を見計らっていた中野総監督から「思い切っていけ」と伝えられピッチに送り出される(公式記録では「61分」となっているが、正しくは71分です)

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この交代により、河本が再び左MFに流れ、2トップが武藤ー柿崎という武相高校コンビに変わる流経大。残り時間が20分となってから、勝負に出た流経大が怒濤の反撃を見せる。77分、村瀬からボールを受けた左の河本が縦に突進。長沼がマークに入る前に早いタイミングで中にクロスを入れ、これを柿崎が頭で押し込み、まずは1点差に迫る。

それにしても、柿崎は本当に「何かを持っている男」である。出場から5分たらずで得点を奪い、チームに勢いを呼び込んだのだから…

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この1点で息を吹き返した流経大は、2分後の79分、再び河本がゴールをアシスト。今度は右に開き、またも早いタイミングでクロスを入れると、これを武藤が頭で合わせてついに同点。しかし、流経大の勢い、いや、河本明人の勢いが止まらない。84分、GK増田のキックが最前線の武藤に入り、後ろから入ってきた河本にスルーパス。これを豪快にミドルの位置から蹴り込んでついに流経大が逆転!

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呆然とする筑波大GK三浦…

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柿崎のゴールから、完全に足が止まってしまった筑波大守備陣に、最後まで足が止まらない流経大攻撃陣を止める術がなかった。そして流経大は、まだコンディションが万全ではない山村を投入する余裕まで見せてしまう。この交代に関して中野総監督は「本当は山村を使う予定は無かったのですが、逆転してチームの雰囲気がよかったので、山村に実戦感覚を味わってもらうのにはいいタイミングだと思って出しました」と語り、ポジションについても「将来を考えてボランチ中心でやらせます」ともコメントしてくれた。

さて、試合の方だが、89分に村瀬がFK直接決めて4点目を奪い、そのまま試合終了。

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流経大にとって、この大逆転勝利はこれから先のリーグ戦を戦う上で、チームに勢いを呼び込む最高の勝利となったが、試合後の中野監督は苦笑いしながらこのように述べた。

「勝ったからいいけれど、内容はとてもじゃないけど褒められるものではなかったですね…(笑) 筑波さんが、もし後半引いて来ていたら、うちは絶対に逆転できなかったでしょうね。ただ、筑波は最後まで攻撃的姿勢を崩さず、3点目、4点目を狙ってくるチームだから、ウチにスペースが生まれてくるし、体力的に後半途中から下がってくる。だから、1点でも取れればやれると思っていました。

前期だったら、前半で失点してしまったら、ズルズル行ってしまったのでしょうけど、ハードなトレーニングをこなしてきた成果が後期は出てきており、粘り強い戦い方が出来るようになってきました。

昨年まではね、今日の筑波さんのようにボールを支配して、自分たちが主導権を握ってゲームをコントロールすることが出来ていたんですが、4年間で3度優勝したことにより、今の子たちは『強い時(勝っているとき)のサッカー』が当たり前となっていき、サッカーの原点であるはずの『がむしゃらさ』や『ひたむき』」を忘れてしまったことが不振の原因となってしまった。


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日本代表もそうだし、流経もそうなんだけど、小さな体のチームが勝って行くには全員がハードワークするしかないんですよ。前期の流経はハードワークすることを忘れてしまっていたが、夏合宿を経たことでチームに最後まで諦めずに戦う気持ちが芽生えてくれた。プレスに関しては、ボールを奪えなくとも、プレッシャーを与え続ければパスコースを変えることは出来ると伝えています。相手のパスコース(パスの選択肢)を変えられれば、相手のゲームプランを変えることも出来る。そういう、地味だけど重要な動きを選手は最後までしっかりやってくれたし、狙いだったショートカウンターも終盤に出すことが出来ました。


内容に関しては、まだまだ不満があります。それでも、今日のように試合をひっくり返せるようになったことは大きいですよ」

とコメントし、この日活躍した柿崎などの1年生について、中野総監督はこのように述べた。

「2日前にね、ジェフと練習試合をして3-1で勝ちましたが、途中から多くの1年生(JFLチームの中美、久保なども含む)を出しましたが、彼らはプロ相手でも負けておらず、1年生の子たちに『推進力』があるなあと感じました。まあ、だからといって、柿崎や柳を先発で使うにはまだ難しいのですが、短い時間であるならば十分に力は出せるし、途中から流れを変えるには、2人がピッタリだと感じたので送り出しましたが、本当によくやってくれましたよ…」

中野総監督のコメントにあったとおり、3点目を奪われなかったことと、最後まで足が止まらなかったことが勝因に結びついたが、反撃ののろしを上げた柿崎の一撃が無ければ、大逆転は無かったと言えるだろう。そしてパスを繋いで崩していくチームの中にありながら、果敢な突破でチャンスを広げていった河本の活躍も見逃してはならない。

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確かに前半は何一つ自分たちのサッカーが出来なかったが、「耐えること」が本当に出来るようになってきた流経大。中野さんが最後にコメントしてくれた「勝ったことは自信になるけど、うぬぼれてはいけない。1戦1戦トーナメントのつもりでしっかり戦っていきます」という言葉を、選手全員が共通認識として持つことが出来れば、チームは本当に勢いを取り戻すはずだ。

さて悪夢のような逆転負けを喫した筑波大だが、当初の不安のとおり、後半20分以降の戦い方に問題を残してしまった。筑波大に関しては、良くも悪くも「理想を追い求める」傾向があるため、どうしても「勝負」には不向きなチームという印象が残ってしまう。この日の試合も、確かに前半で瀬沼、赤崎、小澤が決定的なシュートを外してしまい、追加点を奪えなかったことが敗戦に繋がってしまったが、後半は2点差を守りきるというサッカーを選択してもよかったのではと思うのだが…

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確かに、日本のサッカーを面白くするには、筑波大がこの日に見せた「前半のサッカー」を90分間やり通せば面白くなるはず。だが、それを大学生に求めるには酷すぎる。いや、プロでも厳しいだろう… たぶん、筑波が2部に落ちることはないが、このままのサッカーをしていけば、優勝することもないと思われる。目指す理想を求めるには、高すぎるハードルを設定している風間・筑波大。しかし、このチームは、その高いハードルにあえて今後も挑戦し続けるのである。

2010年9月15日 (水)

明大、後期開幕戦を快勝

関東大学サッカーリーグ
後期第1節(通算第12節) @熊谷
明治大学 6-0 拓殖大学
[得点者]
31分山村、51分田中、58分山田(PK)、69・79分小林、89分楠木

今シーズンは「天皇杯ではベスト8を目指し、取れるタイトルは全て狙おう」と目標を立てていた明治大学。前期リーグ戦では、素晴らしいスタートダッシュを見せ、順調に勝利を重ねて10節の流経大に勝利したことで、最終節を待たずして前期の首位ターンを決めた。最終節こそ駒大に0-1で敗れたものの、決して悪い流れではないと思われていたが、実情は違っていた。

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神川監督は当時をこのように振り返ってくれた。

「4月から全力で突き進んできて、流大戦の勝利で前期首位が確定したが、その時には疲労のピークに達していました。同時期には総理大臣杯予選も行われていたが、こちらはリーグ戦のようなキレのある動きが出来ず、紙一重で勝ち抜いて本大会出場を決めましたが、大阪では勝つ力は残されていませんでした。それに国士舘さんは、前期の対戦で非常に悔しい負け方(ロスタイムのPK)をしていたことで、絶対に勝ってやろうという強い気持ちを持っていましたね」

まあ、総理大臣杯に関しては、監督も「疲労のピーク」だったことを認めており、致し方がないと考えていたが、天皇杯予選に関しては少し違っていた。

「あの時は、最も勢いのあるチームと当たってしまったのは不運でしたね」と笑いながら答えてくれたが、さすがに「高校生」に敗れたことは大きなショックであったことも認めた。

「天皇杯予選の時期ですが、選手が試験の時期と被っていまして準備が決して万全ではなかったのです。しかし、準備がどうのこうのではなく、昨年、初めてJ1勢(明治3-0山形)を破ったことが力となり、自信となり、インカレ制覇に繋がったこともあり、今年は『ベスト8』を目指していたので、早すぎる敗退(8/7:明大1-2ヴェルディユース)に、選手のモチベーション管理に苦労しました。その後はやはりショックを引きずっていましたが、夏合宿(長野県川上村)を挟んでチームをもう一度鍛え直し、チームの目標もまずはリーグ戦で優勝することに変えました」

そして、後期の開幕を迎えたが、序盤はメンバーをがらりと変えてきた拓大にやや手を焼いてしまう。

[拓大スタメン]
ーーーーーーー松島ーーー
ーーー樋口ーーーーーーー
ー三村ーーーーーー唐澤ー
ーーー根岸ー小古瀬ーーー
山村ー丸山ー安良田ー石塚
ーーーーー大坪ーーーーー

[明大スタメン]
ーーー山本ー山村ーーー
ー山田ーーーーー田中ー
ーーー小林ー宮阪ーーー
奥田ー丸山ー楠木ー豊嶋
ーーーー高木ーーーーー

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拓大だが、前期のスタメンとはかなり入れ替えを行い、1、2年生を5人入れたフレッシュな顔ぶれで挑んできたのだが、序盤は新しい戦力の選手たちが必死にピッチを駆け回り、明大に対して早いプレッシャーを仕掛けていく。相手の鋭い出足の前に、なかなか前に出て行けない明治は、逆に拓大のカウンターを受け、危ない場面も作られてしまう。

初戦特有の堅さの見られた明大だが、徐々に相手のプレスを受け流せるようになり、31分に逆襲から山村が一気にゴール前まで持ち込んでシュート。これが決まって明治が先制。

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この先制までいい展開が出来ていなかった明治だが、ここから自分たちのサッカーを取り戻し、後半に入ると素速く高い位置でブロックを作って相手の自由を奪い、次々とマイボールにしてサイドを有効に使った展開を繰り広げて相手を圧倒。まさに「明治らしい」試合で後半は大量5点を奪い、トータル6-0で拓大を下して快勝スタートとなった。

不安はあったものの、フタを空けてみれば万全のスタートとなった明大だが、その中でも3年生の能力が非常に伸びていることが好調の原因となっている。守備ラインに関しては、ディフェンスリーダーに成長した丸山やGK高木を含めて全員が3年生。豊嶋や楠木に関しては、前期では完全なレギュラーではなかったが、夏場に力を着けて、レギュラーポジションを不動のものとした。

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しかし、ベンチにはこれまでレギュラーだった松岡や鹿野が控えており、下手なプレーをしてしまえば、次の試合でスタメンの座がどうなるかわからない。また、前期ゴールを量産した久保とてベンチスタートだ。久保のコンディションの影響もあるが、ここ最近の山村は練習試合でも好調を維持しており、2枠しかないFWレギュラーの座を奪い取ろうとしている。

この他にも、2点目を決めた田中もキレのある動きを見せてくれたが、彼もレギュラーの座が安泰ではない。先日、バルセロナに留学していた阪野豊史、三田啓貴が帰国してチームに合流したことが影響しているのだ。田中にとって、三田、阪野という2年生はポジション争いをする上で、大きなライバルとなってくる。

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この他にも、有望な1、2年生が揃っていることもあり、チーム内で激しいレギュラー争いが続く明大。これこそ、明大が強さを持続している裏付け。前期最終節から、やや「ガス欠」となってしまったが、夏の合宿を経て力強さを増した明大は、やはり後期も本命であることは間違いないだろう。

2010年9月12日 (日)

鳥取、J2昇格へあと一歩

JFL 後期 第7節 @西が丘
横河武蔵野FC 0-1 ガイナーレ鳥取
[得点者]
57分梅田(鳥取)

ここ最近の横河は、どうもピリっとしていなかった…

中断前の佐川印刷戦では相手の術中にはまり1-4と惨敗。天皇杯予選では、高校生のヴェルディユースに真っ向勝負で敗れてしまうなど、どうしても歯車が噛み合わない試合が続いたが、1週間試合が空いたことで気持ちをリセットして、リーグ再開の日を迎えた。

[横河スタメン]
ーーー冨岡ー関野ーーー
ー高松ーーーーーー林ー
ーーー桜井ー平岩ーーー
勝野ー瀬田ー熊谷ー小山
ーーーー飯塚ーーーーー

[鳥取スタメン]
ーーー梅田ーハメドーー
ー美尾ーーーー小井手ー
ーーー服部ー実信ーーー
冨山ー喜多ー水本ー加藤
ーーーー小針ーーーーー

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両チームのスタメンだが、全員アマチュアである横河の平均年齢が25.1歳で、元Jリーガーが大半を占める鳥取は28.8歳。平均でこそ、この数字となる鳥取だが、11人のうち6人が平均年齢以上の「ベテラン」が揃う鳥取にとって、この日の気温(37.2度)がどう影響するか気になるところだった。

さて試合だが、慎重に試合に入っていった横河に対し、鳥取は攻撃的姿勢を見せて試合に入っていく。いきなり、ハメドのシュートから始まり、その後も2トップが積極的にゴールに向かっていく。

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序盤は完全に「受け」となってしまった横河だが、10分以降から高松が左サイドでボールをキープし出すと流れは徐々に変わりだしていく。続く12分、冨岡、高松が連続シュートを放つと、完全にペースは横河に移り、冨岡ー高松ー勝野が左サイドで絶妙の連携を見せ、おもしろいようにチャンスを作り出していく。

左サイドを起点にチャンスを作る横河は、次第に全体の動きも良くなり、ボランチの桜井、平岩が精力的に動き回り、セカンドボールもしっかりカバーして鳥取にペースを与えない。鳥取もなんとか反撃に出ようとするが、横河中盤の動きが素晴らしく、なかなか前に出ることが出来ず、2トップと中盤の距離が離れすぎてしまい、全体が連動する攻撃がなかなか仕掛けられない。

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ただ、これまで何試合か鳥取の試合を見ているが、前半悪くても必ず後半には修正し、いつも間にか勝利をさらっていく試合巧者という印象が残っている。そういう点から考えても、横河がいくらペースを握っていても、前半のうちに先制点を挙げなければ厳しい試合になると予想した。

そして32分、横河にとってこの日一番のビッグチャンスが訪れる。左右の揺さぶりを仕掛け、最後は右サイドバックの小山が中央にクロスを上げる。これに中で待っていた冨岡が頭で合わし、シュートはゴールめがけて飛んでいくが、小針がスーパーセーブを見せ得点を与えない。

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また、横河の攻撃が左に偏っていたこともあり、水本とCBを組む喜多は中というよりも、若干右(横河からみて左)に守備を絞り、相手攻撃に対応。ベテランらしい冷静かつ落ち着いた対応で、横河の攻撃をなんと食い止める。

結局、攻勢に出ていた横河だが、先制点を奪えず前半はスコアレスで折り返す。しかし、鳥取の方も守備では奮闘したものの、攻撃に関しては相手プレッシャーの前に思うように攻め手を出せずに終わってしまったことは、やや気がかりであり、後半はどう出てくるかが注目された。

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両者とも、メンバー交代はなくピッチに姿を現したが、後半は明らかに前半とは違う試合となっていく。前半はそれほど目立つこととのなかった服部年宏だが、徐々に存在感を発揮し、中盤のせめぎ合いを制して流れを鳥取に引き戻していく。そして、服部がうまくバランスを取ることで、2トップ、中盤の両サイド、ボランチのそれぞれの距離感がコンパクトになり、前半以上に連動する攻撃が出てくるようになる。

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前半のシュートはほぼ2トップからだけだったが、後半に入ると右の小井手、左の美尾のシュートも増え、攻撃に厚みとバリエーションが見られるようになる。そして後半12分(57分)、ついに均衡がやぶれる瞬間を迎える。

11分に横河がFKのチャンスを得るのだが、これを水本がクリア。そしてこのボールを加藤が前線にロングフィード。この縦パスに梅田が滅妙のタイミングで抜け出し、瀬田のマークを振り切ってシュート。ループ気味に放たれた一撃は、見事に横河ゴールに吸い込まれていった。

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ついに先制点を奪った鳥取は、したたかで本当に勝負強かった。当初は、9月とは思えない37度を超える気温の中と言うこともあり、ベテランの揃う鳥取には厳しい気候条件かと思われたが、結局このベテランの力が勝利に大きく貢献していく。

1点のリードを受け、喜多をはじめとする鳥取守備陣は慌てることなく相手攻撃に対応し、ボランチの服部も時間を計算しながらゆったりとしたペースでボールをキープして、勝利をたぐり寄せていく。相変わらず、ポゼッションに関しては横河優位なのだが、後半は「持たせているだけ」の状態で、前半のような危ない場面は訪れない。さらには、隙あれば相手の背後を突いて、追加点を狙っていく。

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横河だが、70分を前にして高松、桜井に替えて、常盤、永露を投入。しかし、横河の攻撃の中で、高松ー勝野の連携が光明を見いだしていたこともあり、やや残念な交代でもあったし、できれば最後まで高松のプレーを見たい気もした。だが、以前から依田監督は「高松に関しては、ケガをしやすい体質ということもあり、あまり無理させずに使っています」とコメントしており、これに関しては致し方がないのかと…

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さて、高松が退いた後だが、本当に横河は攻撃の「手」が出せなくなってしまい、鳥取としてはかなり楽な試合となる。追加点こそ奪えなかったものの危なげなく試合をクローズさせ、勝ち点を58にまでのばし、J2昇格への指標とも言える「勝ち点60台」が目前となってきた。

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次節は苦手としているSAGAWA SHIGAだが、松田監督は「相手がSAGAWAとかは意識せず、目の前の試合(目の前の相手)をしっかりやるだけです」とコメント。よくありがちのコメントなのだが、試合経験の豊富なベテランが揃うチームであるからこそ、このコメントにも納得できるというもの。JFL在籍10年目の鳥取だが、今年こそ「卒業」することは間違いないだろう。

敗れた横河だが、依田監督は「暑いなかの試合だったが、全体的にはよく動けていたので、失点の場面は非常に悔やまれます。また、前半にあったビッグチャンスを決められなかったのも痛かった。天皇杯予選に敗れ、残す試合はJFLの公式戦だけとなってしまった時点で、残り試合を全部勝つつもりでやってきたのだが、残念な結果となってしまった。とにかく切り替えてやっていく」とコメント。

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依田監督としては、勝てなかったことに不満だったが、試合内容に関しては明らかに中断前より良くなってきていることは間違いない。横河が目指す、繋いでサイドから崩していくサッカーは、しっかり表現されていた。ここまでくれば、あとはフィニッシュだけなのだが、ここだけはどうしても練習通りに行かないもの。

結果が出ないと迷いが生じてしまうものだが、やりたいサッカー、目指すサッカーは確実に見えているはず。ここは辛抱強く、自分たちの「横河武蔵野のサッカー」を貫いてほしいところだ。

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