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2010年9月5日 - 2010年9月11日

2010年9月11日 (土)

流経大、白星発進

関東大学サッカーリーグ
後期第1節 @熊谷陸上競技場
中央大学 1-2 流通経済大学
[得点者]
8分安(中大)
17・73分中里(流経大)

この日から始まった後期のリーグ戦だが、ちょっとした変化が会場にあった。それは非常に些細なことだが、実は各学校のプライドに関わることでもあったのだ…

2008、2009年と連覇を果たし、4季連続で左ベンチ、第2試合開催という「強者」の証を手にしていた流経大が、2008年前期以来の右ベンチ、第一試合開催という屈辱のスタートとなったのである。

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これについて、中野総監督は前期の最終戦で「選手たちはね、知らないうちに第2試合、左ベンチが当たり前になっていて、その現実の『重さ』を忘れてしまっていたんですね。阿部(現湘南)や塩田(現FC東京)とかの選手の時代は、土のグラウンドの上で、一部で戦うために必死に練習してきた。そのひたむきさが流経の持ち味となり、伝統となって今に繋がってきたけど、いつの間にか先輩たちが築いてくれた伝統にあぐらをかいてしまい、持ち味を忘れ、それを壊してしまった選手たちには大いに反省してほしい」と語っていた。

そんな流経大だが、リーグ戦では不振が続き、総理大臣杯も1回戦敗退と結果が出なかったこともあり、一部の選手はJFLにも参戦し、夏場の合宿(妙高)ではハードなトレーニングをこなし、天皇杯予選の時期には2部練習を続け、徹底的に鍛え上げてきた。

迎えた後期開幕戦。奇しくも開幕カードは、前期最終戦と同じ会場(熊谷)で同じ相手(中大)となった。前期は0-1で敗れており、さらに昨年の対戦成績が1分1敗と、中大に分が悪い流経大。前期10位からインカレ出場権を得る4位以内を目指すためにも、どうしても「開幕」は勝ちたかった。

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さて、流経大のスタメンだが、先週の天皇杯1回戦で足を負傷して、村瀬が退いた後のシステムと同じ形で来た。

[流経大スタメン]
ーーー征矢ー武藤ーーー
ー河本ーーーー増田智ー
ーーー中里ーフランクーーー
比嘉ー平田ー小川ー佐藤
ーーーー増田卓ーーーー

対する中大だが、中盤の司令塔である六平光成がU-19日本代表に合流中のため、不在。しかし、前期の対戦でもやはり遠征で不在だったが、この時も渡部ー永木のセットが活躍していることもあり、大きな戦力ダウンは正直なところなかった。

[中大スタメン]
ーーー林ーーー安ーーー
ー佐藤謙ーーーー今井ー
ーーー渡部ー永木ーーー
佐藤ー畑中ー大岩ー木下
ーーーーー畑ーーーーー

試合前、トップチームのレギュラーメンバーとは、まだ連携部分では完全でない、平田、佐藤、増田智をピッチサイドに呼び寄せ、最後まで戦術面の確認を行った中野総監督。正直なところ、怪我人続出でメンバー構成のやりくりが厳しい流経大にとって、この3人に賭ける期待は大きかった…

さて試合だが、立ち上がりは流経大が2分、5分にチャンスを迎えペースを握るかに見えたが、一瞬のミスで逆に先制点を中大に奪われてしまう。

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中大ボランチの永木がゴール前でチャンスを作り、これを佐藤謙介を経由して左に展開しようとしたが流経大DF平田の下にボールが流れてしまう。しかし、ここで平田が痛恨のクリアミス。これを安に奪われて冷静にゴール右隅に決められてしまう。

一瞬のミスを逃さなかった安のセンスが優り、中大が先制点を奪ったが、流経大もここから粘りを見せる。厳しい夏合宿に、2部練習を重ねてきたのは、すべて後期のリーグ戦で結果を出すためであり、強い気持ちを持ってこの試合に臨んでいた選手たちはすぐに気持ちの切り替えを行い、悪い流れを断ち切ることに成功。

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失点以降は両者一進一退の攻防が続き、どちらがペースを握っているか評価しにくい展開が続く。しかし17分、スローインのリスタートから素速く武藤が左サイドを突いて中へクロス。これに飛び込んだのがボランチの中里。相手選手と交錯したものの、先に足を出した中里が執念のゴールを決め、早い時間帯で追いつくことに成功。

しかしこの後、アクシデントが再び流経大を襲う。30分、相手ボールをインターセプトした小川が果敢にドリブル突破を試みる。そしてPA直前まで来たところで相手DFと接触して足首を負傷。ここで無念の負傷交代となってしまう。

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本来、先週の天皇杯で負傷交代した村瀬は温存しておきたかったのだが、出さざるを得なくなってしまう流経大。さて、村瀬投入によるポジションチェンジだが、前期、山村とセンターバックに入った比嘉がスライドし、強化指定で横浜FCに参戦している中里が左に回るかと思われたが、村瀬をボランチに入れ、中里をCBに起用する。突然のアクシデントだったが、選手は慌てることなく対応し、とりあえずは前半を1-1で折り返すこととなる。

さて、後半戦だが、前半以上に中大の両サイドバックが攻撃参加に加わり、分厚い攻撃を仕掛け、流経大ゴールに襲いかかる。特に左サイドの「ダブル佐藤」が素晴らしい連携を見せ、流経期待の2年生、佐藤卓斗を自陣に釘付けにする。左サイドを制圧すると、後半から入った磯部(13番)が左右にダイナミックに動き、流経大ディフェンスを翻弄。

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後半開始から20分ぐらいまでは、完全に中大のペースとなったが、この中で本来は左サイドバックの比嘉が、中に絞って相手との1vs1で抜群の強さをみせ、決定的なシュートを打たせない。また、前半、自身のミスが失点に繋がってしまった平田だが、それ以降は相手エースである安に制空権を与えず、懸命の守りでチームを盛り立てる。

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そして28分、守備陣の粘りが実を結ぶこととなる。26分に後半最初のCKのチャンスを得ると連続でCKが続き、4本目のCKで中里が頭で合わせてついに流経大が逆転。ボランチでスタートしたが、アクシデントで急遽、センターバックに入った中里が値千金の決勝弾を中大ゴールに叩き込んだ。

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その後は、同点を目指す中大の猛攻に遭ったが、流経大ディフェンスは最後まで安定した守りを見せ、後期開幕戦を逆転勝利という最高のスタートを切ることに成功した。

確かに、この日の勝利は内容を問えば、ベストとは言えない。本来であれば、もっと両サイドバックがオーバーラップする攻撃的サッカーで勝利したいところだが、厳しいやりくりの現状ではそれは欲張りすぎというもの。まずは内容よりも結果だし、結果が伴わなければいい流れを呼び寄せられないのは、前期の戦いでいやというほど、選手も実感しているはず。

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だからこそ、この日2得点の中里は、自身の2ゴールよりも勝ったこと開講一番喜んだ。そして「勝つことで自信が付きます。夏から結果だけを意識して練習してきたので、これを継続して少しでも(流大の)評価を上げられるよう頑張ります」とコメント。

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さて、敗れた中大だが、内容的には決して悪い部分はなかったので、ここは気持ちを切り替えて次戦に臨んで貰いたい。左サイドの「ダブル佐藤」の連携もよく、これから先は六平もチームに戻ってくることもあり、開幕戦でこそ敗れたが、中大侮れずという印象を改めて強くする試合だったといえるだろう。ただし、試合の最後で永木がこの日、2枚目のイエローを受け、退場処分になったことはいただけない。これにより、次節は出場停止となるが、自身の軽率なプレーに対して猛省してほしいところだ。

で、第2試合の明治大学 vs 拓殖大学の一戦については、またのちほど。

2010年9月 9日 (木)

SC相模原、地域決勝へ

本日夕方、地域リーグ決勝大会への特例出場を申請していたSC相模原が、日本サッカー協会より「優遇措置」が承認され、今年の11月末に行われる第34回地域リーグ決勝大会への出場が可能となったことを発表した。

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これで、地域リーグ決勝大会出場決定チームは、関東のY.S.C.C.に続いて2チーム目となった。また、この決定により、関東リーグ1部で2位に入ったさいたまSCの地域リーグ決勝大会出場は、残念ながら消滅。ちなみに、優遇措置で地域決勝に進出するチームは、2003年のザスパ草津に続いて2チーム目。

しかし、この相模原を率いているのが元ザスパ草津の秋葉忠宏というのも、なにかの縁でしょうか…。そしてSC相模原ですが、地域決勝に出場することだけではなく、秋葉「監督」がS級ライセンスを取得したことも合わせて発表した。

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とりあえず、ここまではオフィシャル発表に沿った内容でして、ここからはあくまでも私感。

まず、SC相模原ですが、先日(天皇杯・神奈川予選準決勝)書いたとおり、決して実力では劣っているチームとは思いません。地域決勝に出ても、それなりに戦えることは、まず間違いないと感じます。しかし、戦えるといっても、「一番強い」とは言い切れません。

それは、天皇杯・神奈川予選の決勝でも証明されていること。SC相模原はY.S.C.C.に2-4と手痛い敗北を喫し、天皇杯出場権を逃してしまっている。で、この結果こそ、正直なところ相模原の「最終試験」だと思っていました。

当初は7月中旬に「特例枠(優遇措置チーム)」の発表をするとしていたJFAだが、さすがに県リーグからの特例申請に、「合否の発表」は慎重になり、9月にその発表を引き延ばしていた。そして、9月にしたということは、私は「天皇杯で力を見せなさい」ということだと感じていた。だからこそ、Y.S.C.C.に負けた時点で、出るべき(出すべき)ではない(地域決勝に)と思っていた。

ただ、決定するのは私でもなく、サポーターでもなく、あくまでもJFA。ルール上(特例措置)でJFAが、特例出場にふさわしいと判断したのならば、釈然としない人もいるかも知れないが、ルール上なんら問題はない。

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ただし、特例出場するからには、絶対に失敗(敗退)を許されません。ここでJFL昇格に失敗してしまえば、今後、優遇枠という存在がどうなっていく不透明になってしまう。ザスパの植木監督も、「最初に優遇枠を使う自分たちが失敗してしまうと、今後、優遇枠を目指すチームに支障がでてしまう」と激しく気を遣い、精神的に追い詰められたと過去に語っている。

まあ、SC相模原はチャンスを得たという反面、大きな十字架を背負ったとも言えるはず。今は相模原の地域決勝出場の是非を問うのではなく、このチームの進化というのを、まずは見届けるべきなのではないだろうか? そして見届けるに絶好の機会が、来月の全社であろう。

ここで、周囲を納得させるだけの内容を、ぜひとも見せてもらいたいものである。

まもなく大学リーグ、後期開幕

6月20日に関東大学サッカーリーグ・前期が閉幕し、その後は総理大臣杯、夏合宿、天皇杯予選、天皇杯本大会を経て、明日(10日、荻野・熊谷)から後期のリーグ戦が開幕を迎える。

さて、前期の順位をおさらいしますが、

1位 明治大学 9勝1分1敗 勝ち点28 +18
2位 駒澤大学 6勝3分2敗 勝ち点21 +6
3位 中央大学 6勝3分2敗 勝ち点21 +4
4位 筑波大学 5勝3分3敗 勝ち点18 +3
----------<インカレ出場圏>----------
5位 国士舘大 5勝3分3敗 勝ち点18 +3
6位 順天堂大 5勝2分4敗 勝ち点17 +2
7位 神奈川大 5勝1分5敗 勝ち点16  -1
8位 慶應大学 4勝1分6敗 勝ち点13 -1
9位 早稲田大 3勝3分5敗 勝ち点12 +1
10位 流経大 3勝2 分6敗 勝ち点11 -2
----------<2部降格ライン>----------
11位 法政大学 2勝2分7敗 勝ち点8  -10
12位 拓殖大学 1勝0分10敗 勝ち点3 -23

と、なっていますが、この順位と前期「以降」の各チームの動向を踏まえながら、後期の展望を考えて行きたいと思います。

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まずは前期を首位で折り返した明治大学ですが、その後の総理大臣杯予選は大苦戦したものの、なんとか勝ち抜いて本大会に出場したが、2回戦の国士舘大学戦で敗退(0-2)。また、その後の天皇杯東京都予選(学生の部)で東京ヴェルディユースに敗れるなど、相変わらず結果が着いてきていない。

神川監督は、「4月からMAXで突っ走ってきたこともあり、疲労のピークを迎えていたので、大臣杯は難しいと思っていました。これから何人かの選手は遠征や留学の予定があり、それ以外の選手は夏合宿(長野県)が予定されているので、個人のスキルアップとチーム力をさらに高めて秋の開幕に合わせられればと思っています」と、総理大臣杯終了後にコメントしてくれていたが、果たして夏合宿の成果はどうなのだろうか?

そして明大と並んで「秋」の本命となりそうなのが駒澤大学だ。

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前期、最終的に2位に滑り込み、総理大臣杯では中京大を延長で下して優勝した駒大は、大学3冠に照準を合わせてリーグ戦に挑んでくる。明大が開幕からエンジン全開でリーグ戦に突入した事に対して、駒大は開幕に照準を合わせるのではなく、戦いながらベストを探り出しチーム力を上げていった。そしてその結果が、総理大臣杯優勝に繋がったと駒大・秋田監督をコメントしている。また期待の新人から絶対的司令塔に成長し、背番号も33番からレギュラー番号に替わることが予想される碓井鉄平のパフォーマンスにも期待したいところ。

また、中央大学、国士舘大学といった大崩しない、安定した実力のある2チームがこれに追従していく存在として名前を挙げられる。国士舘としては、総理大臣杯でベスト4止まりとなってしまったが、後期のリーグ戦に向けて大きな自信に繋がってきていることもあり、5位から躍進! ということも考えられる。

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そして前期4位に入った筑波大学に関してだが、先日の天皇杯予選を見る限る、試合途中までの「完成度」は抜群なのだが、足が止まり出す70分以降に自滅し出す傾向があるのが玉に瑕。風間監督が目指す魅力的な攻撃サッカーは確かに面白いのだが、あのサッカーを大学生に90分求め続けるのも酷なことであり、優勝に関してはやや厳しい予想をせざるを得ない。

もう一つ、注目しなければならないのは、3連覇が「懸かっていた」流通経済大学だろう。

前期はまさかの10位、そして総理大臣杯では1回戦敗退。また、先日行われた天皇杯では1回戦でアルテ高崎に敗退し、いまだに上昇気流に乗れていないのが非常に気がかりだ。もう一つの流経大である、JFLの流通経済大学FCも、現在最下位と崖っぷちに立たされており、両方のリーグで「降格」という現実を突きつけられており、非常に厳しい戦いが予想される流経大。さらに悪いことに、山村和也や椎名伸志といった多くの中心選手がケガやコンディション不良でチームを離れており、開幕戦をベストで戦えないのは非常に頭の痛いところ。こうなると、エースの武藤雄樹の活躍に、大きな期待がかかってくることとなる。

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天皇杯予選見せた「ここ一番でのエースのゴール」がリーグ戦でも出れば、もともとポテンシャルの高いチームなので、逆襲は大いに可能なはず。3連覇は厳しいかもしれないが、インカレ出場権を得ることは不可能ではない。秋のリーグを面白くするためにも、流経大の復調を期待したい。

また、降格争いにも目を移すが、こちらは上位校との実力差から考えると現状の順位のままで終わる可能性が非常に高いといえる。そして中位〜下位に沈んでしまった慶応大学、早稲田大学の両チームだが、実力はありながらも、良い試合と悪い試合のムラが激しすぎる傾向にあり、コンスタンス勝ち点を稼げなかった点は痛かった。後期に関しては、両者ともメンタル面での立て直しがどこまで出来ているかがポイントだ。

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とりあえず、だらだら書いてしまいました、明日から開幕ですが、J内定者もすでに数名出ていますので、それらの選手の動向を踏まえながら、後期の戦いにも注目していこうと思います。

2010年9月 6日 (月)

佐野・長崎、三ツ沢で散る

第90回天皇杯2回戦 @ニッパ球三ツ沢
横浜Fマリノス 3-1 Vファーレン長崎
[得点者]
22分神崎(長崎)
55・63分山瀬、75分小野(横浜FM)

1回戦の環太平洋大学戦は、サブメンバーで4-0と危なげなく勝利したが、この日のスタメンは全員が入れ替わり、ベストメンバーを揃えてきた長崎。対するFマリノスだが、日本代表に合流中の中澤、栗原にコンディション不良のため、中村俊輔が欠場するなかで、キックオフを迎えた。

[長崎スタメン]
ーーーー森田ーーーーー
有光ー山城ー川崎ー熊谷
ーーーー山本ーーーーー
神崎ー加藤ー藤井ー杉山
ーーーー近藤ーーーーー

[横浜FMスタメン]
ーーー小野ー山瀬ーーー
ー兵藤ーーーー長谷川ー
ーーー狩野ー河合ーーー
波戸ー松田ー小椋ー天野
ーーーー近藤ーーーーー

立ち上がりこそ、両者ともに慎重な入り方となったこの試合だが、10分に山瀬が左サイドを駆け上がって中央にクロス。これに「高校生」の小野が飛び込んで最初のチャンスシーンが生まれると、その後はFマリノスの圧倒的な攻撃力の前に長崎は自陣に釘付けとなってしまう。

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相手のボール回しに翻弄され、動かされ続けてしまう長崎守備陣。さらにはラインも徐々に後退していったことで、ボールを奪ったとしてもパスの出しどころが無く、簡単に相手プレスの前にマイボールを失ってしまう。

さらには、2トップを含めた攻撃陣だけではなく、左右のサイドバックである、天野、波戸もアタッカーばりの攻撃参加を繰り返すことで、長崎の自慢であるサイド攻撃は完全に沈黙。為す術無く相手猛攻に晒されて、12分から22分の10分間には、5度CKのチャンスを与えてしまう。

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しかし、22分のCKを長崎GKの近藤がキャッチすると、素速く前線にフィード。中央で山城が受け、右サイドに展開した有光が縦に突進。右サイド奥まで進入し、ゴール前にクロスを上げると、なんとそこに走り込んだのは左サイドバックの神崎大輔!

5分に川崎が放ったシュートに続き、2本目のシュートがFマリノスゴールネットを揺らし、圧倒的不利だった長崎が先制する。

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これぞ、天皇杯のおもしろさ!と言えるシーンだった…

絵に描いたようなカウンターで先制点を挙げた長崎。この1点により、勇気づけられた長崎の選手達は、攻め込まれながらも「アグレッシブな守備」で相手の猛攻にしっかりと対応。

かつての草津時代、大事な試合で自らのファールでイエローやレッドを貰い、自滅していた藤井大輔は、この日、イエローをもらうことなく、激しい当たりながらもクリーンな守備で貢献。試合後は「何も通用しませんでした… 相手にどんどん前に来られてしまい、とにかく跳ね返すだけで精一杯になってしまいました」とコメントしたが、強豪を相手におおいに奮闘してくれた。

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さて試合の方だが、長崎の1点リードのまま、前半の終盤を迎えたが、相変わらず相手猛攻に苦戦の連続。いつ同点にされてもおかしくないシーンが続き、前半だけでCKの数はなんと9本にも上った。しかし、兵藤、山瀬、小野のシュートはGK近藤の好セーブもあり、どうしても長崎のゴールネットを揺らすことが出来ない。

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そして40分を過ぎると、佐野監督が宣言していた「攻撃的に行く」という形がやっと見えだしてくる。41分、カウンターからのチャンスで有光がチーム3本目のシュートを放ち、続く43分には、カウンターからではなく、初めて自陣から繋いで相手ゴール前に攻め込む形を作り出し、44分、45分と連続シュートを放ち、前半をリードして折り返すことに成功する。

主審の前半が終えたことを告げるホイッスルが鳴らされると、ホーム側スタンドからは激しいブーイングがFマリノスイレブンに突き刺さることとなる。さらに、ベンチに帰ると木村和司監督が激しいカミナリが待っていた。「オマエらやる気あるのか?気持ち見せて戦え!」とハッパを掛けられ、引き続き戦術の確認(山瀬と長谷川のポジションを入れ替え、さらには前から仕掛けていくこと)をしたことで、マリノスは目を覚ますこととなる。

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さて長崎だが、後半の立ち上がりが勝負のポイントであった。後半開始から15分間を抑え切れれば、勝利という最高の結果が見えてくるかも知れないが、早い時間帯で追いつかれれば、確実に逆転されるだろうということは予想できた。

だからこそ、立ち上がりが肝心だったのだが、キックオフのボールをいきなり奪われて、すぐさまCKを与えピンチを迎えてしまう。このピンチこそ乗り切ったが、続く3分、5分にもピンチを迎え、前半以上に防戦一方となってしまう。

なんとか後半15分まで持ちこたえられれば…という想いもあったが、後半10分(55分)、天野のクロスをクリアしたボールに山瀬が反応し、豪快に蹴り込んでついに同点とされてしまう。そしてその後は、両サイドバックだけではなく、小椋、松田のCBコンビまで攻撃参加をみせ、圧倒的な力の差を改めて見せつけるのであった。

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前半以上に面白いようにボールを回すFマリノス相手に、長崎守備陣は追いついていけなくなってきてしまう。ボールを奪っても、相手陣内に侵入することすらできず、後半は完全に沈黙状態となり、逆転されるのは時間の問題だった。この後は、62分(公式記録は63分)に再び山瀬が決め、75分にはユースからの昇格組である小野祐二にプロ初ゴールを決められ、スコアは1-3。

佐野監督も、なんとか流れを引き戻そうと、終盤に佐藤由紀彦を投入するも、時すでに遅し。結局、後半は本当に何もやらせてもらえないまま、逆転を喰らって2回戦で姿を消すこととなった。

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正直なところ、Fマリノスにとっては、勝って3回戦に進んだという結果以外は、特に収穫があったわけでもなく、逆に前半の不甲斐ない戦いについては、反省点となってしまったこの試合。改めて、下のカテゴリーと戦うことの難しさを痛感させられる試合となった。

対する長崎だが、杉山や川崎などは「相手のレベルの高さに完全にやられてしまった」と語ったが、その反面でJFLでは絶対に対戦することはないレベルのチームと戦ったことは大きな経験になったとも語ってくれた。

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確かに、得点シーン以外は何一つ相手を上回れたシーンはなかった。だが、国内最高峰レベルと実際に戦い、そのレベルの違いを肌で感じたことは、チームにとって大きな財産となっていくはず。また、強敵に負けないために、JFLの試合では考えられないほど走り回った経験も、今後の試合で必ず生きていくことだろう。

試合後、ピッチで木村監督と握手を交わした佐野監督だが、偉大なる「日産の先輩」から、ここで、「オマエ、いいチームを作ってきたなぁ」と声を掛けられた。この言葉に関してはお世辞ではなく、木村監督の本心から出たものであり、引くことなく真っ向勝負に出てきた「後輩」に対して、心から賞賛を送ったのだった。

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確かに、格上相手に引いて守る戦術は一発勝負のトーナメント戦では、非常に有効な手段なのだが、長崎の就任したときから、常に攻撃的に出るという目標は、この試合でも貫かれ、少ないながらも「らしさ」を見せてくれた。

JFLのシーズン序盤では、なかなか結果の出ない時期も続いたが、自分の信念を曲げずにやり続け、前期終盤から徐々に佐野流攻撃的サッカーが浸透しつつある長崎。この日、Fマリノスに見せつけられた攻撃サッカーを、超えられる日が来るまで佐野達とVファーレン長崎の挑戦は続くはずである。

2010年9月 5日 (日)

第46回全社組み合わせ決定

第46回全国社会人サッカー選手権組み合わせが発表になっていますので、対戦カード一覧を掲載しておきます。

1回戦(10/16)
[01] tonan前橋 vs FC KAGOSHIMA
[02] ヴォラドール松江 vs テイヘンズ
[03] ヴェルカ鹿児島 vs カマタマーレ讃岐
[04] 新日鐵室蘭 vs アイン食品
[05] 坂戸シティ vs トヨタ蹴球団
[06] FC大阪 vs ノルブリッツ北海道
[07] SC相模原 vs デッツォーラ島根
[08] 矢崎バレンテ vs グルージャ盛岡
[09] 阪南大クラブ vs tonan前橋サテライト
[10] 藤枝MYFC vs SC鳥取ドリームス
[11] ヴェルフェたかはら那須 vs マルヤス工業
[12] 福島ユナイテッド vs 三洋電機洲本
[13] 新日鐵大分 vs 札大GP
[14] 三洋電機徳島 vs レノファ山口
[15] 市川SC vs Laranjya Kyoto
[16] HOYO Atletico ELAN vs AC長野パルセイロ

2回戦(10/17)
[17] [01勝者] vs [02勝者]
[18] [03勝者] vs [04勝者]
[19] [05勝者] vs [06勝者]
[20] [07勝者] vs [08勝者]
[21] [09勝者] vs [10勝者]
[22] [11勝者] vs [12勝者]
[23] [13勝者] vs [14勝者]
[24] [15勝者] vs [16勝者]

3回戦(10/18)
[25] [17勝者] vs [18勝者]
[26] [19勝者] vs [20勝者]
[27] [21勝者] vs [22勝者]
[28] [23勝者] vs [24勝者]

準決勝(10/19)
[29] [25勝者] vs [26勝者]
[30] [27勝者] vs [28勝者]

3位決定戦(10/20)
[31] [29敗者] vs [28敗者]
決勝(10/20)
[32] [29勝者] vs [28勝者]

という組み合わせがすでに発表になっておりますが、現時点で地域リーグ決勝大会の「権利持ち」チームはゼロ。ただし、長野パルセイロに関しては事実上、優勝を決めており、この大会で「敗者復活」ということにはならない。

また、まだ各地域リーグで優勝を決めていないものの、三洋電機洲本(関西)、レノファ山口(中国)、HOYO Atletico ELAN(九州)の3チームはこの大会前には優勝を決め、すでに「権利持ち」の状態で大会に挑んでくることが濃厚だ。しかし、その他の地域に関しては依然、優勝争いは混沌としており、当然ながら権利を獲得できるチーム、この大会で敗者復活を賭けるチームに分かれてくる。

さて、大会展望ですが、現在2年連続で長野県勢(08年長野パルセイロ、09年松本山雅)が連覇している状態で、今大会も出場する長野パルセイロは明確に「優勝を狙う」と宣言しており、長野県勢3連覇なるか?に注目したいところだが、初戦の相手は九州のHOYO Atletico ELANで、この試合はまさに地域決勝を睨んだ戦いとなるはず。

また、先日の天皇杯予選でY.S.C.Cに敗れ、JFA推薦枠確保が不透明になっているSC相模原は初戦でデッツォーラ島根と対戦。デッツォーラ島根だが、中国リーグ開幕当初は躓いた立ち上がりとなってしまったが、ここにきて徐々にまとまりを見せ復調してきている。「特例」が認められない場合は、自力で出場権を勝ち取るしかない相模原はベスト4進出が絶対目標となるが、初戦から厳しい戦いが続くことが予想される。

そしてもう一つ、注目したいのがtonan前橋だろう。氏家英行をはじめとした元J戦士を擁し、メンツ的には関東リーグで最も豪華な陣容と言われたが、ふたを開けてみれば、良いときと悪いときの差が激しすぎる内容で、まさかの5位に終わったが、昨年同様(昨年は長野を破り3位入賞)この大会に賭けてきているので要注意な存在と言えるだろう。

まあ、全社開幕までまだ1ヶ月以上あり、ここから地域決勝出場権を獲得するチームもどんどん出てきますので、それによってこの大会への「本気度」が変わってくるので、なかなか予想しずらいところですが…

で、話は変わりますが、本日の午前中、JFL所属の町田ゼルビアは、以前Jリーグに提出していた「入会予備審査」について、返答があったことを発表。また、その内容について「Jリーグ入会のための条件を満たしていない」と判断されたことも証した。

実は早い段階から「スタジアムの問題や金銭的な部分で昇格(J入会)は難しいだろう」とあるJFLの総監督さんから話を聞いていたので、やっぱりか…ということになってしまいました。また、同じくJ準会員の長崎については、まだなんのアナウンスもされていない状況なので、こちらの動向も見守っていきたいと思います。

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