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2010年5月16日 - 2010年5月22日

2010年5月20日 (木)

椎名伸志、流経の救世主へ

関東大学サッカーリーグ 第8節 @西が丘
駒澤大 1-1 流経大
[得点者]
49分金久保(駒澤)
85分椎名(流経)

どうしても波に乗りきれない流経大。
前節の国士舘戦では2-0で勝利したものの、内容に関しては中野監督も「う〜ん…」と首をひねるようなものであり、ここまでの成績も3勝1分3敗と、内容の悪さがそのまま出てしまっているのだが、この日もまた、「う〜ん…」が出てしまった。

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前節のようにガンガン前からプレスをかけて、相手の自由を奪って試合を組み立てていくのか、それとも、本来の目指すスタイルであるショートパスを繋いでゲームを作っていくのか注目していたが、後者を選択。だが、どうしても全体の動きがピリッとしない。ケガから戦列を離れていた村瀬も前節から復帰し、前節出場停止だった司令塔の中里も戻り、中盤の構成はベストといえる布陣でありながらもだ。試合のペースを握っていることは間違いないのだが、パスにこだわりすぎて、ゴールに向かっていこう気持ちがあまり見えてこない。

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そして、以前から警鐘も鳴らしていた「声が出ない」というところは相変わらず改善されていなかった。この日は平日ナイターとうこともあり観衆の姿は少なく、試合中に両校の応援が途切れるとスタジアムに静寂が訪れてしまう。プロの試合でなくとも、声を出してプレーするのはどのカテゴリーでも同じなのだが、今の流経は極端に声が少ないのだ。

ゲームキャプテンである武藤や、最上級生のフランクが闘志を剥き出しにして、チームを牽引すべきなのに、自分のプレーに集中してしまい、それが出来ていない。そうなると、チーム全体も自分のプレーだけに集中してしまい、個では相手を上回るものの、チームとして相手を凌駕することができない。

そして駒澤大だが、相手が「自滅」といっていいような試合をしているにも関わらず、そこをつけ込むことができない。攻撃の形はカウンターからの速攻ばかりで、分厚い攻撃を仕掛けることができず、両チームともやや低調な内容でスコアレスもまま前半を折り返す。

打開策が見いだせない両チームだが、こういう試合は一つのミスが失点に繋がるもの。後半開始直後、駒澤がチャンスを掴む。このとき、守備に入ったフランクが痛恨のクリアミス。本来なら、大きく蹴り出さなければいけない場面だったが、クリアが小さく、駒澤の奥村に奪われ、右サイドの酒井へボールが渡り、これを中に折り返して、最後は金久保が詰めて駒澤が先制。

試合の主導権を奪いながらも、先に失点してしまうという最悪なパターンの流経。ここから怒濤の攻撃を仕掛けるのだが、ブロックを形成してゴール前を固める駒澤ディフェンスを破れない。以前、中野監督は冗談交じりに「千明(現岡山)を留年させておけばよかった」なんてことを言ったことがあるが、本当にそうしていれば…と思うようなシーンが続いていく。かつての卒業生たちならば、強烈なリーダーシップと個性でチームを牽引し、逆転するだけの力がチームにあったのだが、残念ながら今のチームにはそれがない。

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長短のパスを織り交ぜて、駒澤ゴールに何度も迫るも、赤い壁を攻略できず、時間だけが過ぎていく。それどころか、逆に相手のルーキー碓井鉄平に、カウンターから危ない場面を何度も作られてしまう。そして82分、ついにベンチが動いた。

古川大士と椎名伸志を同時に投入するのだが、交代する選手は武藤とフランクであった。シーズン当初、「武藤のチームだから」と言った中野監督だったが、結果が出せずもがき苦しむ4年生2人を同時に替えるという賭けとも言える采配に打って出た。

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前節、待望のリーグ戦デビューを飾った椎名。この日もチームは「ジョーカー」として彼を送り出した。柴田コーチも「決めてこい!」と言ってベンチから送り出すと、いきなり本領発揮。ファーストタッチはワンタッチでヒールパスを決め、征矢に流すのだが、ここで相手DFがファールで止めFKを獲得。そしてポイントに立ったのはなんと椎名。

躊躇無く、右足を振り抜くと強烈な無回転弾が駒澤ゴールを襲う。これはゴールに結びつかなかったものの、椎名投入で限りなく得点に匂いが流経の攻撃から漂い出す。さらにチャンスは続き、左サイドをオーバーラップした天野からのクロスに征矢が競り、このこぼれ球を椎名が左足でボレー一閃。ゴールデンルーキーの記念すべき公式戦初ゴールは、値千金の同点弾となる。

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完全に勢いを取り戻した流経だが、あまりにも反撃開始する時間が遅すぎた。試合は結局1-1の痛み分け。駒澤としては、勝てた試合を落としてしまった痛恨のドローであり、流経にとっては「負けなくてよかった」という試合だった。

そして試合後の中野監督も、「悪かった点、良かった点の両方があったが、とにかく負けなくて良かった」とコメント。悪かった点に関しては、言うに及ばず「4年生」についてだ。昨年、一昨年であれば、0-1で負けていてもそれを逆転できる力を持っていたが、今はそれがない。そして、勝負所で交代させられたのが4年生で、替わりに出来ていたのが2年生と1年生という現状。

中野監督は「できない選手には厳しく指導しないんですよ。厳しくして萎縮してしまっては伸びていかないから…。ただ、武藤やフランクは『できる選手』なんだから、敢えて厳しく指導しています。あいつらはできる選手だし、プロを目指しているのだから、もうワンランク上を目指して欲しい。だから今日は敢えて彼らを替えました」と語ってくれた。

確かに武藤、フランクは急激に成長してプロを目指せるレベルまで来たが、それはあくまでも個人としてのレベルアップだけ。中野監督としては、個人の技術だけではなく、先輩として、大人として、人としてもう一皮むけて欲しいのだ。

さて、一向に調子の上がらない流経だが、このままの順位であれば3連覇どころか、インカレ出場(4位までに権利が与えられる)すら危なくなってくる。中野監督も、目標を4位以内に切り替えたことを明言。不調に悩む4年生に、上條はケガで戦列復帰は未定。比嘉はU-21代表で不在、ディフェンスリーダーの山村はワールドカップ帯同のため、次の試合からチームを離れることとなる。

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本当に厳しいチーム状況なのだが、救世主となった椎名に関して監督は高い評価をした。

「彼には『スパイス』になって欲しいと伝えたが、その通りの動きを見せてくれた。やはり、高校時代に大舞台を経験している選手は違う。ちゃんとベンチの意図を理解しているし、自分のリズムをしっかり持っている」

中野監督は、次が土曜日だから修正は難しいですが、とにかくやるしかありませんと言いながらも、椎名のような新しいスターが飛び出してきたことに手応えを感じていた。あとは、悩む4年生がどう変わっていくかが、流経浮上の鍵となってくるはず。

さて、ワールドカップ帯同前の最終戦となった山村和也だが、試合後、このようなコメントを残してくれた。

「メンバーに選出されて嬉しいです。秋津での代表合宿で、練習要員として今のメンバーの方と一緒にやったことはありますが、こうやって一緒に行動するのは初めてです。代表メンバーの方とは面識が無く緊張していますが、今はとにかくやるしかないと思っています。緊張するけど、してもしょうがないので…。練習とはいえ、高いレベルを求められているので、その期待に応えられるように頑張りたい。日本が勝つことが一番なので、自分も貢献したいと思っています」

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流経にとっては、「山村不在」は痛いところだが、将来を見据えた上では、世界を間近で見られることは大きな経験となることは間違いない。貴重な時間をもらえた山村は、大きな財産を得て戻ってきて欲しいと願いたい。

2010年5月19日 (水)

5/16、地域リーグ結果

やっと北海道も開幕し、全国9地区の戦いが本格スタートとなりました。
ということで、5月16日の結果を振り返ります。

●北海道リーグ
[第1節結果]
5月16日開催
札幌蹴球団 2-1 札幌ウインズ
札大GP 4-0 マルセイズ
ブラックペッカー 0-12 ノルブリッツ

[順位]
1位:ノルブリッツ(3pt +12)、2位:札大GP (3pt +4)、3位:札幌蹴球団(3pt +1)、4位:札幌ウインズ(0pt -1)、5位:マルセイズ(0pt -4)、6位:ブラックペッカー(0pt -12)

[寸評]
やっと開幕した北海道ですが、開幕戦はノルブリッツが圧勝。ライバルとなる札大GPも4-0と結果オーライのスタート。結局のところ、北海道は2強の直接対決で順位が決まるので、しばらく順位の変動(1位2位の)はないでしょう。

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●東北リーグ1部
[第5節結果]
5月16日開催
盛岡ゼブラ 0-2 グルージャ盛岡
NECトーキン 0-2 福島ユナイテッド
コバルトーレ女川 2-3 FCプリメーロ
秋田カンビアーレ 8-0 塩釜ヴィーゼ

[順位]
1位:福島ユナイテッド(15pt +15)、2位:グルージャ盛岡(13pt +19)、3位:カンビアーレ(8pt +5)、4位:NECトーキン(8pt +3)、5位:プリメーロ(7pt -3)、6位:盛岡ゼブラ(3pt -5)、7位:塩釜ヴィーゼ(3pt -28)、8位:コバルトーレ女川(0pt -7)

[寸評]
実力のあるトーキンに苦しめられた福島だが、しぶとく勝利を掴み今週も首位をキープ。最下位のコバルトーレだが、あと一歩…という試合が続いてるが、集中を切らさず頑張って欲しいところ。

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●関東リーグ1部
[第7節結果]
5月16日開催
Y.S.C,C 8-0 アルマレッザ
ドラゴンズ 0-4 さいたまSC
FC KOREA 3-0 厚木マーカス
tonan前橋 0-1 ヴェルフェたかはら那須

[順位]
1位:Y.S.C.C(18pt +22)、2位:ヴェルフェ(14pt +6)、3位:さいたまSC(13pt +5)、4位:FCコリア(12pt +3)、5位:厚木マーカス(8pt -4)、6位:tonan前橋(7pt -4)、7位:クラブドラゴンズ(5pt -11)、8位:ACアルマレッザ(3pt -17)

[寸評]
Y.S.C.Cがアルマレッザに圧勝。試合内容もよく、優勝に向け完全に抜け出したといえるだろう。さて、関東2位には条件付き(※JFAの優遇枠チームが該当なしだった場合)ながらも「地域決勝」の出場権が与えられるので、今後は2位争いが注目となってきそうだ。現在、ヴェルフェ、さいたまSC、KOREAの3チームによる2位争いとなっているが、それぞれの勝ち点差は1しかないため、毎節逆転の可能性があり、目が離せない展開である

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●北信越リーグ1部
[第5節結果]
5月16日開催
パルセイロ 8-0 サウルコス福井
JSC 0-0 グランセナ新潟
ジェンシャン 1-0 テイヘンズ
ヴァリエンテ富山 1-1 アンテロープ塩尻

[順位]
1位:パルセイロ(13pt +23)、2位:JSC(13pt +8)、3位:ジェンシャン(9pt -3)、4位:テイヘンズ(6pt -2)、5位:サウルコス福井(6pt -9)、6位:ヴァリエンテ富山(5pt -2)、7位:グランセナ新潟(4pt -1)、8位:アンテロープ塩尻(1pt -14)

[寸評]
前節、痛恨のドローで一歩後退してしまったパルセイロだが、今週はホームで前節のモヤモヤを吹き飛ばす圧勝劇を見せた。さて、ライバルのJSCだが、今週はこちらが「やってしまった」…。痛恨のスコアレスドローで、1週で首位は逆転。パルセイロとしては、2節連続となる「アウェー・人工芝決戦」が大きな山場となりそうだ。

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●東海リーグ1部
[第2節結果]
5月16日開催
鈴鹿ランポーレ 1-0 矢崎バレンテ
芙蓉クラブ 1-3 FC刈谷
マルヤス工業 1-0 浜松大学FC
中京大学FC 0-4 藤枝MYFC
※藤枝市役所は試合なし

[順位]
1位:藤枝MYFC(7pt +7)、2位:鈴鹿ランポーレ (7pt +2)、3位:矢崎バレンテ (4pt +3)、4位:FC刈谷(4pt +2)、5位:藤枝市役所(4pt +2)、6位:浜松大学FC(3pt 0)、7位:マルヤス工業(3pt -4)、8位:中京大学FC(1pt -4)、9位:芙蓉クラブ(0pt -8)

[寸評]
藤枝MYFCが4得点を奪って勝利し、早くも首位に立った。今年から1部参戦となったランポーレだが、強敵矢崎を1-0で下し、好調なところをアピール。さて、注目のFC刈谷だが、1週空いての試合だったが、3-1とまずまずの内容で勝利して初勝利を挙げた。1試合少ないので、現時点で順位を焦ることは全くないだろう。

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●関西リーグ1部
[第5節結果]
5月16日開催
S.C HIRA 2-1 ルネス学園甲賀
三洋電機洲本 1-0 バンディオンセ加古川
ラランジャ京都 0-2 アイン食品
奈良クラブ 1-1 阪南大クラブ

[順位]
1位:三洋電機洲本(15pt +17)、2位:アイン食品(13pt +9)、3位:奈良クラブ(8pt +2)、4位:阪南大クラブ(7pt +1)、5位:ラランジャ(7pt +1)、6位:バンディオンセ(4pt +1)、7位:S.C HIRA(3pt -13)、8位:ルネス学園甲賀(0pt -18)

[寸評]
完全に2強の争いとなってしまった関西リーグ。次節はついに洲本vsアインの直接対決となるが、他のチームの奮起にも大いに期待したい。

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●中国リーグ
[第8節結果]
5月16日開催
レノファ山口 2-0 新日精水島
岡山NEXT 0-1 宇部ヤーマン
NTN岡山 3-4 佐川急便中国
日立笠戸 3-1 デッツォーラ島根
JFE西日本 0-1 Volador松江

[順位(※暫定)]
1位:レノファ山口(21pt +18、8試合)、2位:VOLADOR松江(18pt +8、7試合)、3位:佐川急便中国(15pt +13、6試合)、4位:新日本石油水島(13pt +3、7試合)、5位:宇部ヤーマン(10pt -6、8試合)、6位:岡山NEXT(9pt +10、7試合)、7位:NTN岡山(9pt -1、8試合)、8位:日立笠戸(9pt -15、8試合)、9位:デッツォーラ島根(3pt -6、5試合)、10位:JFE西日本(0pt -24、8試合)

[寸評]
レノファが今週も勝ち点を順調に伸ばして首位をキープしているが、初参戦のVolador松江もここまで大健闘を見せている。レノファより、1試合消化が少ないため2位となっているが、優勝もぼんやりと見えてきたと言っても過言ではない。しかし、優勝に関しては、ここから3節続く難敵との戦いの結果次第。岡山NEXT、佐川中国、レノファと続く3連戦を全勝できれば、松江の力は本物といえるはずだ。

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●四国リーグ
[第5節結果]
5月16日開催
愛媛しまなみ 2-2 カマタマーレ讃岐
黒潮FC 0-1 南国高知FC
三洋電機徳島 0-2 徳島2nd
南クラブ 0-1 R.VELHO

[順位]
1位:徳島2nd(13pt +16)、2位:愛媛しまなみ (13pt +11)、3位:カマタマーレ讃岐(11pt +14)、4位:三洋電機徳島(10pt +3)、5位:南国高知FC(5pt -7)、6位:R.VELHO(3pt -13)、7位:黒潮FC(1pt -10)、8位:南クラブ(0pt -14)

[寸評]
愛媛 vs カマタマーレという上位対決は、2-2の痛み分けとなったが、カマタマーレとしては、ロスタイムに追いつかれてしまい、負けに等しいドローとなってしまった。2強の直接対決を横目に、徳島2ndは三洋電機徳島を2-0下し、首位返り咲きに成功。今週末は愛媛 vs 徳島という、「四国ダービー・2nd版」があり、非常に楽しみである。

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●九州(KYU)リーグ
[第6節結果]
5月16日開催
九州INAX 1-4 ヴォルカ鹿児島
海邦銀行 2-2(PK2-4) 新日鐵大分
MSU FC 4-5 川副クラブ
HOYO 4-1 三菱重工長崎
※ 九州総合スポーツカレッジは試合なし

[順位(※暫定順位)]
1位:ヴォルカ鹿児島(14pt +13)、2位:HOYO(13pt +8)、3位:九州INAX (10pt 0)、4位:スポカレ(9pt +2)、5位:新日鐵大分(9pt +1)、6位:海邦銀行(7pt 0)、7位:川副クラブ(7pt -3)、8位:三菱重工長崎(3pt -7)、9位:MSC.FC(0pt -14)

[寸評]
上位対決となった九州INAXとヴォルカ鹿児島の一戦はヴォルカが1-4で勝利し、首位をキープ。先週試合のなかったHOYOも順調に勝ち点を伸ばし、やや2強の争いとなってきたようだ。しかし、KYUリーグではPK決着もあるので、勝ち点、順位はどう変わっていくかなかなか予想しにくいところだ。

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さて、JFAの推薦枠(俗に言う「飛び級」)を狙う相模原SCの動向だが、次の公式戦(5/23)に向けて練習試合を行っている。現在リーグ戦はまだ1試合しか消化しておらず、結果は1分のまま。神奈川県リーグ1部だが、試合数が少ないため、このリーグの結果だけで「飛び級」を決めるというのはかなり首をひねりたくなるところだが、果たしてどうなるのか?

あくまでも私見だが、8/29日に行われる天皇杯予選の結果をもってして、結論を出すというのではダメなのだろうか? 推薦枠発表は7月中旬となっているので、この大会の結果を待つことは出来ないのだろうが、やはり現在関東リーグで首位を走るY.S.C.Cや、関東大学リーグ1部の神大に公式戦で勝てなければ、到底「飛び級枠チーム」として納得されないだろう。

というか、両者の試合を見比べた上で見解を述べると、厳しい言い方だが相模原SCが、Y.S.C.Cよりも強いとは到底思えないのだ。少なくとも、飛び級枠を狙うチームは、各地域の優勝クラスと同等の力が無ければ、認めてはいけないはず。それに、飛び級枠で出たチームが、地域決勝大会で「惨敗」なんてことが起これば、この「枠」の廃止も論議で浮上してくるかも知れない。

関東2部にいるならともかく、県1部では飛び級の基準とする「強さ」はなかなか計れない。それとも、トレーニングマッチの結果で審査してください! というのだろうか? 果たして相模原SCの「飛び級認定」は今後どのようになっていくのだろうか?

2010年5月17日 (月)

流経柏、王座奪還への道

プリンスリーグ関東1部 第8節 @秋津
市立船橋 0-3 流経大附柏高校
[得点者]
10分菅谷、48分田宮、58分進藤(流経柏)

1月の新人戦で優勝し、今年は県内の高校生相手には一度も負けていない流経柏。周囲からはすでに、「2007年の2冠時と並ぶほど」という評価をされている新チームだが、その評価が正しいのか確かめたく秋津へ向かったが、まずは観衆の多さに驚いた…

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昨年は流経柏を見る機会がなく、ほとんど初物を見る感じであり、本田裕一郎監督に今年はどんなチームなのですか?と質問すると、「みんな小手先の技術は巧いけど、チームとしてはまだまとまっていないです」という答えが返ってきた。しかし、そうは言いながらも、「今年は30人レギュラーのいるようなチームなので、それぞれの個性を見定めて、組み合わせを試しています」と、実はかなり期待しているんだな、ということがよく掴み取れた。

さて、両チームのスタメンとシステムは以下のとおり。

流経柏
ーーー杉山ーー田宮ーーー
ー進藤ーーーーーー菅谷ー
ーーー川本ー古波津ーーー
八角ー中村ー増田繁ー中西
ーーーーー松澤ーーーーー

市船橋
ーーー岩渕ーー和泉ーーー
ー石原ーーーーーー河崎ー
ーーー笠井ーー今瀬ーーー
八角ー平尾ー山野辺ー藤橋
ーーーーー積田ーーーーー

流経柏だが、U-17代表GKの松澤、ディフェンスラインの八角、増田繁、中西、ボランチの古波津の5人は完全に固定された形となっているが、その他のポジションで可能性を試している状況。また、市船橋だが、FWの和泉は岩渕と並ぶのではなく、やや下がり目に位置する場面も見受けられ、4-4-1-1もしくは、4-2-3-1とも取れる布陣を敷いてきた。

今年の新人戦では対戦することの無かった両者であり、これが今季初めての公式戦で顔を合わせ。互いにライバル視する両者の対戦は、序盤から激しい攻防が繰り広げられる。しかし、流経柏の厳しいプレスに早い出足が相手を上回り、ペースを握っていく。早くもセットプレーからのチャンスなども掴み、流経柏は市船に落ち着きを取り戻す時間を与えない。そして10分、流経柏の連続攻撃が続き、左サイドの突破に対してCBが釣られて飛び出してしまい、その隙を菅谷(28番)が逃さず詰め、流経柏が早くも先制する。

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この1点で完全にペースを握った流経柏。球際の攻防でも強さを発揮し、市船は前にボールを進める事が出来ない。流経柏は、ショートパスを繋いで崩すだけではなく、後ろからのロングフィードからもチャンスを掴み、何度も決定機を作り出していくのだが、フィニッシュの部分が雑で追加点が奪えない。

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すると25分以降から、市船が徐々に盛り返してくる。いや、盛り返したのではなく、明らかに流経柏の運動量が下がりだし、自分たちでペースを相手に渡してしまう。ピッチをワイドに使った展開が出来なくなり、序盤のような素速い押し上げが影を潜めだすと、球際の攻防でも競り負け、どちらがリードしているのかわからない試合となってしまう。その後、得点の動きこそ無かったものの、ペースを奪い返すまでには至らず前半を戦い終えた。

ハーフタイム。

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ベンチに戻るなり、本田監督にカミナリを落とされた流経柏の選手たち。5、6、7節と、Jユース強豪との連戦が続いたものの、これを2勝1分とほぼ完璧な内容で乗り切ったそうなのだが、この日はどうしても体にキレが見られない。連戦の疲れと言うよりも、メンタル部分の問題であり、みっちり本田監督に絞られて後半のピッチへ姿を現した。市船の石渡監督も、失点シーンの守備について不満を述べたものの、中盤以降の盛り返しを評価し、「球際での執念と運動量で絶対に負けるな」と言って、選手をピッチへ送り出した。

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前半のいい流れのまま、後半もスタートしたかった市船だが、今年の流経柏はそう甘くはなかった。後半いきなりCKのピンチとなったが、これを冷静に対処すると、その後は再び猛ラッシュ。後半3分、中央でボールをカットした菅谷が縦パスを前に送る。これが田宮に渡り、左足で蹴り込んで待望の追加点をゲット。

その後はやや一進一退の攻防が続いたのだが、11分、市船がビッグチャンスを掴む。CKのチャンスに誰か(すいません確認できず)がヘディングシュート。これがドンピシャでヒットしたのだが、シュートは惜しくもバー直撃。その後、こぼれ球の奪い合いから流経柏のゴールネットを揺らしたものの、オフサイドの判定でノーゴール。気落ちする市船の選手を横目に、すぐにリスタートする流経柏の選手たち。

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攻撃の手を緩めず、13分には右サイドから中央の進藤にボールが通り、ゴールまではやや距離はまだあったものの躊躇無く左足を振り抜くと、ボールは一直線にゴールマウスに吸い込まれていった。

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これで試合は3-0。試合の結果は、この時点で残念ながら決まってしまった。早い時間帯で先制したことで、余裕というか慢心を抱き、つい相手に合わせてしまい、受け身になってしまった流経柏だが、ハーフタイムでその気のゆるみを一瞬で切り替えてくるところはさすがである。さらには、本田監督の「レギュラーが30人」はウソでも何でもないことが、これから先の交代劇で明らかとなってくる。

この試合では、5人の選手が入れ替わったが、すべての選手が途中からゲームに参加しているのに、ゲームの流れにしっかり乗り、彼らはことごとくチャンスシーンで顔を出してくる。選手は「今日スタメンだったからと言っても、次の試合でもその座が保証されるなんてことは無いですから」と、どんなに短い時間であろうとも、とにかくどん欲にボールを追い、自分の持てる力を全力で発揮。彼らが躍動すればするほど、市船は沈黙するしかなかった…

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流経柏は全体的にみて、前評判よりもいい試合を披露することは出来なかったが、それでもしっかりと「完勝」するところはさすがだ。デフェンスリーダーの増田は「今日は体も重かったし、決していい試合ではなかった。相手の動きを見てしまうのではなく、自分たちで積極的に仕掛けていきたいし、気持ちで絶対負けないようにしたい」と。

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本田監督も「高校生は前が良くても、いきなりこうなるからね…」と、メンタルコントロールの難しさを口にしていた。しかし、2007年のチームと比べ、前線での連携ははるかに今のチームの方が上と言えるはずだ。前線までボールを運ぶパスの連携、全体の運動量、球際での強さ・執念は、今年の選手たちの方が現時点で上。しかし、増田も本田監督もともに口を揃えるが、「まとまり」という点である。

個人個人では能力が高く、それぞれがレギュラーを目指して全力プレーしているが、まだチームが完全にひとつになっている訳ではない。このチームが、Jユースクラスのチームワークと連動性を見せれば、秋の全日本ユースで再び日本一を獲得することは不可能ではない。

今年の高校サッカーの注目は、「流経柏の逆襲」であろう。
早く、夏と秋の「本場所」を見てみたい。

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