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2010年1月10日 - 2010年1月16日

2010年1月14日 (木)

極・私的選考大会ベストイレブン

極・個人的ですが、第88回全国高校サッカー選手権大会ベストイレブンを選んでみました。

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まあ、大会の決勝当日に発表された、大会優秀選手とほぼかぶりますが、私がみたところではこんな感じです。そして、公式発表の優秀選手選考についてですが、大筋同意する選考でした。しかし、どうしても一部納得しない点も…。

あくまでも「大会優秀選手」という選考で考えた場合、初戦敗退したチームから選ばれているのは、「どうかな?」とも感じたのだった。中京大中京FWの宮市亮、佐賀東FW赤崎秀平、前橋育英MF小島秀仁の3人の実力は、トップレベルの選手であることは間違いない。これまでにもU-17、U-18日本代表に選ばれていることもあり、1戦しか戦ってはいないが、実力の高さを改めて見せつけたから選考したのだろう。

だが、あくまでも「大会で活躍した優秀選手」と考えた場合、どうしても違和感を感じてしまうのだ。まあ、とにかく選ばれた選手の今後の活躍と、2月27日に開催される、富士ゼロックス・スーパーカップの前座として行われるU-18Jリーグ選抜との試合を楽しみにしたいところだ。

ちなみに大会が発表した優秀選手はコチラ

GK
櫛引政敏     2年     青森山田
菅野一輝     3年     尚志
村井泰希     2年     四日市中央工
原田直樹     3年     広島観音

DF
横濱充俊     2年     青森山田
中島龍基     3年     青森山田
須藤貴郁     3年     矢板中央
関 篤志     2年     山梨学院
中田寛人     3年     山梨学院
藤巻 謙     3年     山梨学院
山本真也     3年     藤枝明誠
小谷祐喜     3年     関学第一
岡崎克也     3年     境
宇都宮憲司     3年     広島観音

MF
椎名伸志     3年     青森山田
三田尚希     2年     青森山田
柴崎岳     2年     青森山田
渡辺裕紀     2年     矢板中央
益子直樹     3年     矢板中央
小島秀仁     2年     前橋育英
長澤和輝     3年     八千代
碓井鉄平     3年     山梨学院
平塚拓真     3年     山梨学院
辻 俊行     3年     藤枝明誠
久保開立     3年     関大第一
柳 直人     3年     作陽
柳田優介     3年     広島観音
大楠恭平     3年     神村学園
福野あさと     3年     神村学園

FW
伊東拓弥     3年     山梨学院
宮市亮     2年     中京大中京
久保綾祐     3年     関大第一
大西晃広     2年     香川西
赤崎秀平     3年     佐賀東
山本大貴     3年     ルーテル学院

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私がベストイレブン+ベンチ入り7名はこれ
GK 櫛引政敏 2年 青森山田
DF 藤巻 謙 3年 山梨学院
DF 関 篤志 2年 山梨学院
DF 須藤貴郁 3年 矢板中央
DF 田中 集 3年 香川西
MF 辻 俊行 3年 藤枝明誠
MF 椎名伸志 3年 青森山田
MF 碓井鉄平 3年 山梨学院
MF 柳 直人 3年 作陽
FW 野間涼太 3年 青森山田
FW 山本大貴 3年 ルーテル学院

控え
GK 村井泰希 2年 四日市中央工
DF 小谷祐喜 3年 関大第一
DF 中島龍基 3年 青森山田
MF 久保開立 3年 関大第一
MF 平塚拓真 3年 山梨学院
FW 伊東拓弥  3年 山梨学院
FW 安東大介 3年 藤枝明誠

この中では、

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野間涼太(青森山田)

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安東大介(藤枝明誠)

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田中集(香川西)
の3人は優秀選手選考からモレていますが、ぜひ、選んで欲しかった選手と言えます。特に藤枝の安東は、体格の良さ、ホストプレーの強さもあり、将来性の高い選手といえる。そして右サイドバックの田中は地味ながらも堅実な守備だけではなく、果敢な攻撃参加も光る物があった。まあ、左が攻撃重視の藤巻、中島という人選なので、右はバランス重視、やや守備的という考え方から選考。あと、碓井と椎名の共存なんておもしろいのでは?と思い、碓井を右サイドの前に置いてみました。

まあ、とにもかくにも、優秀選手に選ばれていない選手たちも、数年後に期待の即戦力と呼ばれるような選手になることを大いに期待したいところです。

2010年1月12日 (火)

必然だった山梨学院大付属高の優勝

第88回高校サッカー選手権 決勝戦
山梨学院大学付属高校 1-0 青森山田
【得点者】
11分:碓井(山梨)

この日の青森山田は、準決勝以上に「何か」が違っていた…

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準決勝の関大第一戦で、FW成田鷹晃が負傷により途中交代していたが、このケガにより決勝戦の出場は最後まで危ぶまれていた。10日の駒沢で行われた前日練習では、成田不在という事態も考えた4-2-3-1もテストしてた青森山田だったが、本人の「悔いを残したくない」という意志を尊重して、黒田剛監督は成田をピッチを送り出していた。さらにこの他にも、キャプテン椎名伸志は常にヒザのケガと向き合いながらのプレーであり、右サイドアタッカーの遠藤竜史も痛み止めの注射を打ちながらという状態で、大半の選手はどこかに故障を持ちながら決勝のピッチに立っていた。

対する山梨学院も、ベストメンバーではあるものの、この日で通算6試合目となり、疲労はピークを達していた。

このように、両者ともベストとはいえないコンディションの中で迎えた決勝戦だったが、試合は山梨学院の強烈な先制パンチが炸裂して始まった。キックオフと同時に猛攻を仕掛ける山梨学院。ハイプレッシャーを仕掛け、相手中盤は機能不全に陥ってしまう。名将・横森巧監督は「相手の前半20分間の動きはいつも素晴らしい、さらに決勝のようなビッグマッチで序盤に失点することは取り返しのつかないことになる。だがらこそ、相手にペースを握らせないためにも最初から行こう」と徹底させていた。また、青森山田のラインを下げさせるためにも、とにかくシュートで終わろうということも指示していたが、これが見事にはまることとなる。

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開始直後から猛攻に晒された青森山田は、完全に自分たちのサッカーがやれないまま、前半11分の失点シーンを迎えてしまった。山田としては、最も注意すべき選手だった碓井をあまりにも自由にしすぎてしまった。いや、山田の戦術としては、碓井対策は特に練ってはいなかったのだ。相手の長所を奪うのではなく、自分たちの目指す攻撃サッカーで相手を凌駕しようとしていたが、正直そのプランは今の山田にとってあまりにもリスキーであった。

準々決勝の神村学園戦のようなコンディションと調子を保てていれば、山梨学院にも十分対応できたであろう。しかし、満身創痍の中では到底、あの試合を再現するのは無理だった。そして何よりも、この日の山田は椎名とコンビを組む柴崎岳のパフォーマンスは残念ながら大会の中で一番悪かった…

この日の柴崎のポジションはボランチというよりも、完全にトップ下であった。そして椎名はワンボランチのアンカーのようだった。この2人がバランスを取り合い攻撃を組み立てるのであれば、それは山田のペースである。だが決勝は完全に柴崎は攻撃だけに偏ってしまい、椎名一人で中盤の広いスペースをカバーすることとなってしまう。さすがにこれでは荷が重すぎた。

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しかし、前半30分を過ぎると山梨のラッシュもややペースダウン。これと同時に、青森山田も試合に順応し始めてくる。守備面では貢献できなかった柴崎だが、攻撃センスの高さは「さすが」と思わせるプレーを見せる。さらに左サイドバック中島龍基が攻撃参加するシーンも増加しだす。両者とも、それぞれのカラーを出し合い、ともに攻め合った前半は1-0のまま折り返す。

さて後半に入ると、試合はリードされている青森山田が必死の猛攻を見せることとなる。だが、初戦以降4試合無失点で来ている山梨学院のディフェンスは、予想以上に強固であった。高さのある関篤志は、相手FWに制空権を握らせなかった。ディフェンスリーダーの中田寛人は170センチと小柄でありながらも、読みと冷静な判断で相手攻撃をシャットアウト。さらにはボランチ宮本龍は豊富な運動量で中盤の守備に奔走。何度も攻撃を仕掛ける青森山田だが、山梨学院の守備の前に結果的に外へ外へと追いやられていた。

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攻勢に出てペースを握っているかのように見える青森山田だが、全体が連動して守る山梨学院の前に実は封じ込められていた。今大会、攻守に渡って大活躍だった山梨左SBの藤巻謙は「試合中にGKと話して守備ラインを修正できるようになった」と試合後に語り、さらには「(点が)取られる気はしなかった」とコメント。1試合ごとに成長するチームに手応えを感じ、仲間に対する大きな信頼が生まれ、自分にとっても自信が生まれ、試合中でも精神的余裕を持つことが出来たのだった。そして、前半よりペースダウンしてしまった攻撃だが、数こそ多くはなかったが絶妙のカウンターで青森山田ゴールに襲いかかる。

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後が無くなった青森山田だが、相変わらず椎名と柴崎の連動は影を潜め、柴崎の「ひらめき」に頼るだけのような形が続いていた。そしてこの日は、中盤をコンパクトにして細かく繋ぐ本来の姿はあまり見られず、最後はDFの櫛引信敏を投入しパワープレーを選択。結果的に最後まで「らしさ」を見失っていたのは青森山田であった…

この交代も試合の流れを変えることは出来ず、そのまま1-0で試合は終了し、山梨学院大学付属高校が初出場・初優勝という偉業を達成して今大会の幕は閉じた。

試合終了を告げるホイッスルが吹かれたと同時に、感極まって涙した山梨学院の選手たち…

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Jのジュニアユースで育ち、才能が高い選手が集まっていたことは否定できない。しかし、数名の選手はユースチームに上がれず、横森監督の誘いでこの学校に来た選手たちだった。本格強化が始まって2年目の2007年に入学した今の3年生にとって、選手権に出ることこそ、この学校に来た「意義」だった。しかし、昨年は県予選で韮崎に敗れ出場権を得られなかった。キャプテンの碓井はその時「やっぱり他のJユースに行けばよかったなあ…」と悩んだそうだ。しかし、キャプテンに指名されてからその迷いは消えた。新チームとなった時に、進学時に夢見た選手権出場の想いを再び強め、仲間と「全国制覇」を目標を掲げ、そこからチームは飛躍的に成長して行った。

さらに、山梨学院の勝利の裏側を考えたときに、ヘッドコーチの吉永氏の存在を忘れてはならない。名将・横森巧の影に隠れているが、この人の緻密な対戦相手分析がなければ、山梨快進撃は無かったかも知れない。ただ単に「優勝するぞ!」という漠然とした目標を立てたとしても、1試合1試合をしっかりと戦って勝ち抜かなければ意味はない。山梨学院は試合ごとに目標を持ち、相手をしっかり分析して戦っていた。そしてそこには「先を考えること」はなかったのだ。常に1戦必勝である。いくら優勝する!と言っても、目の前の試合を勝たなければ、優勝はあり得ない。結果的に1戦1戦しっかり戦ってきた山梨学院の優勝は、後になってみれば「必然」だったのである。

そして名将は、自身初となる、国立競技場での胴上げを経験した。山梨県大会の決勝で、日本航空高校に3-1と勝利して、初の選手権を決めたときに横森監督は「どうせするなら国立でしてくれよ」と言っていたのだが、まさかこれが実現するとは…

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横森巧、現在67歳。かつて韮崎高校を率いて、5年連続ベスト4以上に進出し、そのうち3度決勝の舞台に立ちながらも、すべて準優勝で終わった悲運の名将。韮崎工業で指揮を執り、ここでも全国の舞台にたったが、3回戦で涙をのんでいる。その後は「現場」を離れ、山梨県サッカー協会の役職や、ヴァンフォーレ甲府のアドバイザーを歴任。しかし、山梨学院からのラブコールで、2006年から総監督として現場復帰。そして、今年から高等部の監督に復帰すると、あれよあれよという間に選手権出場を勝ち取るだけではなく、26年ぶりに国立競技場に舞い戻り、さらには「27年前の忘れ物」まで取り戻してしまった…

横森監督は「私はラッキーなだけです。運がよかっただけですよ」と謙遜したが、どうしても「運命」と感じてしまう…
自ら「今回が最後です」と言った名将が、最後の最後に優勝を勝ち取ってしまうなんて、少しかっこよすぎです(笑)

とにかく、横森監督、そして山梨学院の選手たち、おめでとう!

しかし、この日の決勝戦のユニフォームの色って、61回大会の決勝戦と同じなんだよなあ
青が清水東で緑が韮崎。そして青が優勝した。そして今回は青が山梨で緑が青森山田。これって縁なのか因縁なのか…

2010年1月10日 (日)

山梨学院高、頂点まであと1勝

第88回高校サッカー選手権 準決勝
山梨学院大学付属高校 2-0 矢板中央

矢板中央としては、「策」が見事に的中した試合であったが、総合力で山梨学院を上回ることは出来なかった。

試合は山梨学院の司令塔、碓井鉄平に厳しいプレスを掛け、彼のポジションを下がり目にするこに成功。これにより山梨学院は味方同士の距離感が微妙に離れ、これまでのようなパス回しが影を潜めてしまった。まさに矢板の思い描いたとおりの形だった。しかし、それでも個の力で勝る山梨学院は、今度は「縦」からの突破でチャンスを作り出していく。

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矢板としては、個の力の差を運動量と戦術でカバーしようとしたが、やはり局面局面では個の力に凌駕されるシーンも見え始め、34分にはエース碓井がゴール前に飛び出しシュート放つ。このシュートはGKに阻まれるが、そのこぼれ球に鈴木峻太が反応。これを豪快にけり込み、山梨が先制。矢板としては、今大会において初めて前半で奪われた得点だった。しかし、その後はすぐに気持ちを切り替えて、前半は1点差のままで終わった。

矢板・高橋監督は「チームの戦い方はしっかり出来ている、後半も自信を持ってやろう。相手よりも動けば絶対にチャンスは来る」とだけ指示して、選手を後半のピッチへ送り出した。すると、前半以上に中盤で激しいプレスを掛け、セカンドボールを奪い、これを素速く縦に展開していく。

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後半は完全に運動量で上回った矢板中央。試合を完全に支配して、山梨ゴールに連続攻撃を仕掛ける。だが、山梨学院守備陣は、この手の「縦」や「高さ」を使った攻撃にはすでに今大会で「経験済み」だったこともあり、冷静に対応。さらに後半23分から投入した2年生エース・加部未蘭が、守備面で大きく貢献。本職の攻撃では結果を出せなかったが、相手セットプレーでの対処や、ラストの相手パワープレーでも落ち着いた対応を見せ、短い時間だったが勝利に貢献。

矢板中央としては、素速く縦に展開という形だけではなく、もう少しショートパスを多用して崩すというプランがあれば、もう少し山梨学院守備陣を慌てさせることは出来たはず。その辺の「もうひと工夫」が欲しいところでもあった…。

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何度も山梨ゴールに迫るも、どうしても1点が奪えない矢板中央。残り時間があと5分となったとき、山梨学院のカウンターが炸裂。エース碓井はワンチャンスを華麗に決め、値千金の2点目を奪って勝負あり。だがこの試合、山梨学院としては、「らしい」攻撃サッカーを披露することは最後まで出来なかったが、厳しい試合でもしっかり勝ちきることができる「試合巧者ぶり」を十分に見せつけてくれた。

横森監督は後半の相手猛攻に対して「修正がきかなかった」とコメントしたが、相手攻撃に最後まで冷静に対処した選手たち一人一人の成長と、前向きな姿勢を高く評価。そして最後は「今日はほめてやりたい」とにこやかな顔で国立競技場を後にしていった。

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これで、27年ぶりに4度目の決勝進出を果たした横森巧監督。
名将、最後の挑戦はいよいよ明日である…

思わぬ死闘となった準決勝

第88回高校サッカー選手権 準決勝
青森山田 2-2(PK3-2) 関西大学第一

昨日の準決勝第二試合は正直、なんと表現していい試合なのか…

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試合前から「ウチの選手よりもスキルは数段上」と関大第一高・佐野監督は、青森山田を評し、技術の差があることを素直に認めていた。しかし、「走ること、諦めないこと、気持ちを切らさない」という体力面や精神面では決して劣っていないことも強調していた。

優勝候補の青森山田、ノーマークの関大第一高という、対照的な両者の一戦は、まずは青森山田の高い技術が関大第一高を圧倒する。この日も椎名伸志-柴崎岳のボランチコンビが繰り出す多彩なパスワークは冴え、両サイドの三田、遠藤もおもしろいように突破を繰り返し、序盤から攻勢に出る。これに対し、関大第一高は自慢の走力と体を張ったディフェンスで対応。徐々に相手の動きにも慣れ出すと、1トップの久保を起点にカウンターから何度か山田ゴールを脅かすシーンも見られるようになる。

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だが、関大第一高の攻撃は、どうしても青森山田のように「線」にはなって行かない。やはり試合の主導権を握っていたのは青森山田であった。そして30分、試合のスコアがついに動き出す。関大第一高DF小谷が、ペナルティ内で相手選手を後ろから倒してしまいPKを献上。これをFW野間涼太が落ち着いて決め、青森山田が先制。さらに9分後、今度はキャプテン椎名が技ありの一撃を見事にゴール左隅に決め、前半のうちにリードを2点に広げる。

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後半も山田優勢という状況は大きく変わることはなかった。それどころか、前半以上に決定機は増えていたはず。しかし、追加点は結果的に奪えなかった。関大第一高必死のディフェンスがあったことは間違いないが、山田の決定力不足も否めないところだ。

攻めども追加点の奪えない青森山田。終盤はやや雑な攻撃も目立ち始め、さらには味方同士の距離間も前半と比べれば明らかに離れだしていた。後半35分以降の運動量は、完全に関大第一高に負けていたこともあり、無難に勝利を収めるために「キープ」という選択肢はあったはず。しかし、山田はキープすることなく最後まで攻める姿勢を選択。

だが、この攻め方はまずかった。フィニッシュまで行けず、ボールを奪われるシーンが目立ち始めていたのだ。足が止まりだした山田に対して、最後の意地を見せつける関大第一高。これこそ、関大第一高・佐野監督が試合前に言っていた「ラスト20分からが本当の勝負どころ」の真骨頂だった。そして後半44分、難しい角度でありながらも、エース久保が左足で決め、1点差に詰め寄る。

2-1となったところで試合はロスタイムに突入。
残り時間は3分と表示される。
だがこうなると、試合は関大第一高のものだった。

ロスタイム1分経過したときにFKのチャンスを得る。キッカーはGKの樫根。10人のフィールドプレーヤー全員は青森山田陣内で待ち受けっている。だがこのFKは相手GKのパンチングでクリアされたのだが、このボールを再び拾ってつなげるところで、再び青森山田がファール。

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またもやGK樫根がキッカーとなり、ラストの全員攻撃を仕掛ける関大第一高。だがここで奇跡が起こった。FKのチャンスから20番浅井がシュートを放ったが、これは相手がクリア。しかし、このこぼれ球に18番井村一貴が見事に反応。難しいダイレクトシュートだったが、見事に決まって土壇場で同点に追いつく。

後半44分からロスタイム2分台の3分間で同点に追いついた関大第一高。さらに時間はあと1分残っている。会場の雰囲気は、関大第一高が逆転してしまうのでは…というような感に包まれていた。そして青森山田は正直、棒立ちのような状態になってしまっていた。キックオフのボールもまたもや関大第一高に奪われ、本当に逆転されるのでは?と思ったが、さすがにそこまではいかず、2-2のまま前後半終了し、決着はPK戦に持ち越される。

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土壇場で追いついた関大第一高だったが、最後は青森山田GK櫛引政敏のスーパーセーブ連発の前に、準決勝で涙をのむこととなった…

さて、この試合を振り返ると、ある意味で「高校サッカー」らしい内容だったかとも感じる。

青森山田は途中までは、優勝候補にふさわしい内容を見せていた。しかし、時間が経つにつれてプレーがやや雑になりだし、相手に攻め込まれ1点を奪われ、最後は冷静さを欠くこととなり、結局は薄氷を踏むような試合となってしまった。

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逆に関大第一高は、大阪府予選を突破することすら難しいと言われたチームだった。しかし、近大付属などのライバルチームに競り勝ち、まさかの全国大会出場権を得ると、チームは飛躍的成長を遂げていた。今大会も初戦突破すると、八千代、藤枝明誠という強豪を次々と撃破。今年の8月には夢にも思っていなかった、国立競技場の舞台で試合をするまでになっていた。そしてその舞台でも自分たち「らしさ」を十分に発揮。OB会が寄贈した「月まで走れ!」の幕のとおり、最後まで走り続け、そして諦めない気持ちをもってプレーすることで、埋めがたいはずの「技術の差」を見事に克服したのであった。

本来なら、拮抗するはずのない両者の試合が、たった一つのプレーや。気持ち一つで思わぬ死闘となってしまうところなど、まさに「高校サッカー」ならではといったところであろう。

だが、この試合…
試合時間が40分ハーフの80分間であれば、関大第一高の同点劇はなかったといえるだろう。そして、延長戦が「もし」あったら、青森山田は本当に逆転されていたかも知れない。まあ、結局のところ、青森山田が後半に追加点を奪えなかったことが全ての原因であり、自分で自分の首を絞めてしまったような試合なのだが…。

しかし、関大第一高の驚異的粘りは、素直に賞賛すべきであろう。このチームの躍進は、「代表クラス」がいない、普通の高校でも十分やれるんだ!ということを示してくれたはず。逆に青森山田にとっては、初優勝を目指す上で、試合運びをもう一度見つめ直すことと、メンタルの大切さを、身をもってい知るいい経験になったのではないだろうか。

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