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2010年5月2日 - 2010年5月8日

2010年5月 8日 (土)

悩める関東大学王者

関東大学サッカーリーグ 第5節
2010年5月3日 @駒沢競技場
早稲田大学 2-1 流通経済大学
[得点者]
15分菅井(早大)、17分関戸(流経大)、60分富山(早大)

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4月から始まった今年の関東大学サッカーリーグだが、3連覇のかかる流通経済大学は、やや苦しい戦いとなってしまっている。4節を終わって2勝1分1敗と数字だけをみれば、それほど悪くもないように感じられるが、昨年に比べて内容は決してよくない。

では、何が悪いのか? と聞かれれば、実は目立って悪いところ、劣っているところはそれほど見あたらない。今年のレギュラーのほとんどは、昨年からトップチームで出場していることもあり、決して経験が無い訳ではない。しかし、あえて昨年との違いを見つけるとすれば、「真のリーダー不在」という事に尽きるだろう。

昨年は大量11人、そして今年は5人のJリーガーを輩出した流経大。さらには、今年の3年生には逸材が多く、この年代からも多くのプロ選手が生まれることが予想される。しかし、今の4年生はこれまでの先輩や下級生に比べ、やや地味という印象が強い。悪く言ってしまえば「流経の谷間の世代」でもあるのだ。

青森山田卒のベロカル・フランクを除けば、ユース年代で大舞台を経験している選手はほぼ皆無。トップチームキャプテンである武藤雄樹のように、無名からの叩き上げの多い4年生。彼らは昨年まで、上級生に引っ張られ、純粋にサッカーに打ち込んでいるだけでよかったのだが、最上級生となった今はそれだけでは済まなくなる。自身のサッカースキル向上だけではなく、チームを引っ張っていく責任も生まれるのだが、強烈なリーダーシップを発揮する選手が、いまだに出てきていない。

トップチームのキャプテンである、武藤雄樹は実は部全体のキャプテンではない。4年生が卒業となり、新しいキャプテン選出の際に、なかなか声を上げる人間がおらず、最終的にドラゴンズに在籍する選手が部のまとめ役となったのだ。

やはり、率先してリーダーシップを発揮する選手が出てこなければ、チームの勝利には繋がっていかない。開幕戦こそ5-0と拓大を一蹴したが、あの試合でも先取点を奪うまでは非常に苦しんでしまった。3節の筑波戦で今季のリーグ戦で初黒星を喫してしまい、先日の第5節早稲田大戦でも、圧倒的に攻めながらもゴール前にエンジの壁を築く早稲田ディフェンスを最後まで攻略できず、早くも2敗目となってしまう。

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決して内容は悪くはない。ダイレクトパスもしっかり繋がり、ピッチをワイド使った攻撃もしっかり出来ていた。ボランチからのミドルシュート→こぼれ球を狙うという指示通りのサッカーはほとんど出来ていた。しかし、それでも勝てないのがサッカーのおもしろさであり、難しさでもある。早稲田の得点シーンは、見事というほど、ワンチャンスをものにしたものであり、それ以外はひたすら体を張ってゴールを守った試合であった。清水入団が決定しているキャプテン岡根直哉を、ケガのため欠く早稲田は、副キャプテンである4年生の野田明弘が最後まで声を出し、体を張り続け、チームの勝利に大きく貢献。精神的な柱となれる選手、責任感を背負える選手がいたことが、この勝利を呼び込んだともいえるはず。

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試合後の流経大・中野監督は「やるべきことはしっかり出来ているんだけれど、最後(シュート)がねえ…。気持ちを切り替えて次に望みます」とコメントしたとおり、見ている方も特に悪いとは感じない。だが、相手よりも「勝ちたい」「戦う」という気持ちの部分では劣っていたといえるだろう。この日、出場した4年生は武藤、フランク、竹石、高野の4人だが、チームをどうやって引っ張っていくかを、改めて見直してくれればと願うところだ。彼らのリーダーシップなくして、流経大の3連覇は見えてこないのだから。

さて、中野監督だが、試合後に山村、比嘉、中里の3人だけ個別に呼び出して指導を行った。後から内容を聞いたが、決勝点となってしまった2点目の守備についてであり、本来なら見過ごしてしまうような、ほんの小さなミスだったのだが、この3人に大きな期待をかける中野監督は、あえて呼び出して厳しい注文をつきつけた。中野監督は「あの3人は、大学とかJではなく、世界で戦って欲しいのです。世界を見据えて戦うには、今日のようなマークの付き方、スペースの埋め方では戦えないことを伝えました。ハイレベルな戦いでは、ミスとまでは言い切れないプレーでも失点に繋がって行くので、今日のようなミスは絶対にしてはいけないと…。そして、もっとスピード感をもってプレーすることも要求しました。彼らには、より高いレベルに到達してほしいのでね」とコメント。

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そして中野監督はこうも続けた。

失点シーンはさ、本来、山村が富山について、比嘉がスペースを埋めなきゃいけないのに、なぜか逆になっていた。比嘉もスキルが非常に高いからセンターでも出来るけど、本来は攻撃力を活かしたサイドバックをやらせてみたいのですがね… 天野とかも非常に良くなってきているし、2年の藤本(大)も成長してきているから、これから先、変えていくこともありますね。あと、椎名(伸志・青森山田卒)はケガが完全に回復していないので、あせらずに準備させています。ただ、能力は非常に高い子なので、夏以降には使ってみたいと思います

ついに椎名の話題も出てきたのだが、やはり注目は下級生であり、4年生の話題はほとんど出てこない。こんなところが、今季すっきりと勝ちきれないことに繋がっているような気もする流経大。これで成績は2勝1分2敗となり、順位も6位に後退。中野監督は前期終了時に勝ち点差「6」以内であれば、後期に逆転可能だが、それ以上離されると厳しいとも語ってくれた。

3連覇のためにも、ここはなんとか4年生の奮起に期待したいところだ。

2010年5月 5日 (水)

激闘、三菱ダービー

プリンスリーグ関東1部 第5節
5月2日(日) @養和巣鴨グラウンド
三菱養和SCユース 3-2 浦和ユース
[得点者]
9分近藤、46・49分田中(養和)
54分若井、60分矢島倫(浦和)

試合を振り返る前に、来年のプリンスリーグの話から。

地域リーグ同様、9地区に分かれて行われているプリンスリーグU-18だが、来年から各地域の上位チームを集めて、東西10チームづつで編成される全国リーグがスタートすることがすでに決まっている。

とりあえず、全国リーグ参加枠だが、【東日本リーグ→北海道1、東北2、関東5、北信越2】、【西日本リーグ→東海3、関西2、中国3、四国1?、九州2】という振り分けになっており、当然ながら、今季の順位がそのまま、来年の全国リーグ出場枠に直結していくことに。
(※1:来年、全国リーグを開催することは決定なのだが、2012年大会に向けての、リーグからの降格・昇格をどうするかについては、今のところ正式なアナウンスは何もないような…)
(※2:各地域の参加枠は、発表のない四国を除いてすべて公式のものだが、西日本はこのままの数だと11チームになってしまうのだが…)

そんなこともあり、どの地域も「全国枠」を目指すための戦いとなるのだが、その中でもやはり関東がおもしろい。今年の関東1部は、ユース5チーム+高校1の「6強」と開幕前は言われていた。内訳としては、横浜FM、浦和、FC東京、東京VのJユース組に三菱養和SCユース、それと流経大柏である。そして4節終了時点では、ヴェルディユースは出遅れたものの、それ以外の5チーム全てが予想どおり上位を独占している。

さて、関東1部第5節では、5位以内の座を守るためにも、ともに負けられない同士の戦いが行われた。

三菱養和SCユース vs 浦和レッズユースの対決である。

「三菱ダービー」でもあり、ともに年代別日本代表選手を擁し、高い戦術眼とスキルを兼ね備えたチームの対戦に、巣鴨の養和グラウンドには、会場に入りきれないほどの観衆が訪れていた。

両チームのスタメンだが、以下のとおり。

【養和スタメン】
ーーーー田中ーーーーー
佐藤ー北出ー近藤ー川上
ーーーー千葉ーーーーー
後藤ー冨田ー櫻岡ー川田
ーーーー中島ーーーーー
(※北出はやや下がり気味かな…)

【浦和スタメン】
矢島倫ーー鈴木ーー磯部
ーー矢島慎ーー藤野ーー
ーーーー野崎ーーーーー
皆川ー広瀬ー畑本ー若井
ーーーー中島ーーーーー

養和だが、注目されていたU-17代表である、田鍋陵太はベンチスタート。

さて試合だが、両者ともに流れを掴もうと、開始直後から積極的な攻撃に出る。2分に養和、3分に浦和がそれぞれCKのチャンスを得るものの、DFがそれぞれ無難に対応。お互いに、しっかり繋いで崩していこうという意図が見え、好ゲームを予感させた。

しかし9分、浦和はミスから痛恨の失点を許してしまう。GK中島のミスキックを養和は逃さなかった。これを拾って中盤で繋ぎ、佐藤が左サイドを抜け出してシュート。GKがなんとかはじくも、これに近藤が詰めて養和が先制。相手のミスに乗じた、見事な攻撃で先制点を奪うと、試合の流れまでも引き寄せてしまう。

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ワントップの田中+中盤の4人の見事なパスワーク&ハイプレスが冴え渡り、浦和は守勢に回る時間帯が続き、なかなか攻撃に転じられない。マイボールになっても、養和のブロックを崩すことができず、ボールを前に出すことが出来ない。こうなると、後ろから縦に蹴り出すか、個での打開だけとなり、養和のような「連動する攻撃」がまったく出来なくなってしまう。

厳しい時間帯が続いた浦和だが、養和のペースも徐々にトーンダウン。30分に鈴木が久々にシュートを放つと、ここから少しずつだが攻撃の形が作れるようになってくる。しかし41分、養和が右サイドチャンスを作る。すべてワンタッチプレーでパスを繋ぎ、あっという間にゴール前までボールを運び、最後は川上がシュート。これは惜しくも上に外れたが、思わず「セクシー!」と言いたくなるような、見事な攻撃を披露。

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序盤〜中盤は養和ペース、中盤〜終盤は浦和が挽回という流れで進んだ前半だが、1-0のまま終了。後半浦和は、ワントップの田中の動きをどう封じ込め、逆転に向けてどのような、攻撃のオプションを見せてくるか期待されたのだが、ガツン!と相手で出鼻をくじかれてしまう。

後半キックオフと同時に、相手ボールを養和の田中が奪うとドリブルで突進。そのまま豪快に右足でシュートを放つと、ボールはゴールマウスに一直線。田中の目の覚めるようなスーパーゴールが生まれ、点差が2点と広がる。

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さらに49分、連続攻撃を仕掛ける中で近藤がペナルティ内で倒され、養和がPK獲得。これもエース田中が決めて試合は3-0となり、誰もがこれで勝負ありと思ってしまったことだろう。だが、ここから試合はおもわぬ方向に進んでいく。

絶対に負けられない浦和は、ここから脅威の反撃を見せることとなる。まずは54分、左サイドで皆川→矢島慎と渡り、最後はオーバーラップしてきた右SBの若井が、豪快なミドルシュートを決めて、まずは1点を返す。さらに選手交代策に出て、追撃弾を放った若井を前に出し、より攻撃色を強めていく。

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前半のように、前からのプレスがかからなくなり、中盤のブロックも下がりだしてしまう養和。こうなると浦和は押せ押せである。そして60分、若井がボールを左サイドに展開。パスを受けた矢島倫が、養和・田中のシュートに負けじと豪快な一撃を放つ。左足から放たれたシュートは、こちらも見事に決まってついに1点差。

時間はまだ、後半15分
残り時間はあと30分もある
試合の流れは完全に浦和

あれだけ前半には出来ていた、見事のパス回しは完全に影を潜めてしまい、ひたすら守るだけとなってしまった養和。なんとか流れを変えようと、ついに田鍋を投入するものの、浦和に傾いた流れを引き戻すには至らない。

そして84分、FKのチャンスにDF広瀬が飛び込んで、ドンピシャのタイミングで頭で合わせたのだが、シュートはわずかに枠の上。浦和は猛攻の中で、何度もセットプレーのチャンスを得たのだが、どうしても得点に結びつけられない。

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攻める浦和、守る養和という図式のまま時間が進み、残りはロスタイムの3分だけとなる。最後まで同点に追いつこうという、執念を見せる浦和だが、結局このまま3-2で試合終了。

辛くも逃げ切った養和が3位に浮上し、敗れた浦和は流経大柏に抜かれ5位転落。勝った養和にしても、負けた浦和にしても、それぞれ課題と収穫がハッキリした試合でもあった。

3点目を奪うまでは、自慢のパスワークを活かしたサッカーが出来ていた養和。どんな組み合わせでも、中盤が活きることを証明できたのだが、終盤以降の消極的な戦い方はいただけない。点差が開いたこともあり、慢心が生まれてしまったことも事実だが、やはりここは完封して終わらせたい。いい流れのままで、次の試合に向けるためにも「終わらし方」に、もうひと工夫欲しいところである。

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敗れた浦和だが、後半立ち上がりの連続失点が全てであった。相手エースに豪快な一撃を浴びると、完全に浮き足立ってしまい、3分後に再び失点。立ち上がりの場面を、もっと落ち着いて戦えれば、このような苦しい試合とならなかったはず。攻撃に関しては、両サイドバックの積極的な攻撃参加も見られ、後半は分厚い攻撃を見せることが出来ていた。終盤に追い上げができたことで、負け試合であるものの「次に繋がる試合」が出来たことは間違いない。

さて、この両者の試合だが、願わくば高円宮杯で再び見たいものである…

2010年5月 3日 (月)

甘くはない1部の戦い

関東サッカーリーグ1部 第5節
2010年5月1日 @保土ヶ谷サッカー場
厚木マーカス 1-1 tonan前橋
[得点者]
41分鈴木(マーカス)
57分ドグラス(tonan)

以前から「Jリーグを目指す」と公言していたtonan前橋。

だが、群馬県リーグ1部で無敵の強さを誇ったものの、5年連続で関東リーグ復帰に失敗して、足踏みを続けてしまう。しかし、昨年6年ぶりに関東リーグ復帰を果たすと、1年で1部昇格を決め、全国社会人大会では3位に入るなど、着実に戦力アップしていることを印象づけたのだった。そして今年、JFL昇格を目指す年と位置づけ、選手を補強して1部リーグの戦いに挑んでいるのだが、ここまで2勝2敗と厳しい戦いが続いている。

開幕連敗スタートから、なんとか立て直して星を五分に戻したtonanだが、優勝を狙うには負けどころか、引き分けすら許されない状況のなかで厚木マーカスとの対戦を迎えた。

このマーカスだが、1週間前、全国自衛隊サッカー大会で優勝しており、その勢いを持続してこの試合を迎えており、非常にモチベーションが高かった。相手はJリーグを目指すチーム。だからこそ、一泡吹かせてやろうと…

マーカススタメン
GK:1、DF:2、3、4、14、MF:6、10、28、29、FW7、10

tonanスタメン
GK:33、DF:2、3、38、MF:6、7、8、15、19、FW13、14

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しかし、tonanのメンバーですが、関東リーグで戦うには随分贅沢なメンバーを揃えておりまして、JFL以上のカテゴリー経験者を挙げると…

金子芳裕(FC琉球)
柳澤宏太(草津→アローズ北陸)
大河原亮(柏→FC琉球)
ドグラス(山形→北九州)
氏家英行(横浜F→大宮→草津)
山田智也(高崎→金沢)
林田光佑(FC琉球)
反町一輝(早稲田→強化指定で草津)
鏑木豪(横浜→FC東京→神戸→福岡→水戸→高崎)
関根秀輝(ジヤトコ→三菱水島)
森田真吾(水戸→甲府)
マルキーニョ(山形→新潟→川崎→水戸)

と、いう感じで揃っております。

さて、試合だが、開始直後から、ほぼ一方的な試合となる。
圧倒的なtonanペースである。

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さすがに、それなりのネームバリューを持つ選手を揃えているのだがら、圧倒してもおかしくはない。マーカスGKの堀は、立ち上がりのピンチを迎えたときから、「とにかく辛抱強くやるしかない!」とコーチングしていたが、まさにそのとおりであった。この日は最初から最後まで、マーカスは守備に奔走することとなり、辛抱の連続となっていく。

両サイドは完全にtonanアタッカー陣に制圧され、次から次へとゴール前にクロスが入ってくる。引こうと思っている訳ではないのだが、ラインをズルズルと下げられてしまうマーカス。序盤からサンドバック状態と言っても過言でなかった。しかし、GKの堀がここで好セーブを連発。ゴール前に雨あられのように飛んでくるクロスやシュートをことごとくブロック。さすがに自衛隊員。「防衛策」はお手のもの?

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tonanとしては、何度も決定機を迎えるのだが、ことごとく決まらない。かつて、大器として期待をかけられた反町だが、周囲との連携もまだまだイマイチだし、シュートも打てども打てどもゴールネットを揺らすことは出来ず、大ブレーキとなってしまう。猛攻に必死に耐えるマーカスだったが、20分以降になると、徐々にだがボールを前に運べるようになる。そして41分。セットプレーのワンチャンスを見事にものにして、なんと劣勢だったマーカスが先制。

たぶん、この41分のシュートが、マーカスのファーストシュートだったような気がする…
意地悪な言い方ですが、この1点で試合は俄然、おもしろくなってきた。

赤い壁をゼブラ軍団が打ち破るのか?
はたまた、自衛官のプライドで「鉄壁のガード」を貫けるのか?

しかし、時間とともにさらに攻勢を強めるtonan
3バックの一角である、ドグラスがついに攻撃参加しだしたのである。

193センチという、舶来巨神兵の力はこのクラス(カテゴリー)では絶大で、競り合いで相手を圧倒。ドグラスがゴール前に来ると、脅威以外の何ものでもない。相手DFは競り合いで勝つことを諦めて「ヘディングさせないようにしろ!」という指示を確認しあうだけとなってしまう。そして、この巨神兵の力が、ついに赤い壁を打ち破ることとなる。

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53分、左からのクロスに飛び込んだのは、なんとドグラス!
FWがいるにも関わらず、セットプレーでもないのに飛び込んでゴールを奪ってしまった。

いやはや、規格外の高さである…

ここで同点にされれば、「ガクン…」となって、逆転を許してしまうパターンが多いのだが、この日のマーカスは違った。気落ちするどころか、前半以上に「攻めよう!」という姿勢を強く見せる。相変わらず、相手に攻撃されっぱなしなのだが、中盤で奪うことが出来れば、鋭いカウンターを仕掛け、得点を感じさせるシーンを作り出していく。本来なら、「引き分けでもいい」と考えるところだが、マーカスは「勝ちに行くこと」を選択。この攻撃的な姿勢があったからこそ、tonanを相手に、緊張感のある試合ができたのではないかと考える。

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結果的に、この試合は1-1のドローという結果に終わったのだが、tonanとして痛すぎるドローとなってしまった。また、結果も痛いところだが、内容的はもっと痛かったはず。決定力不足。期待された反町は連携がイマイチ。攻撃のパターンは連動性に乏しい。ドグラスが上がった時にしか、相手に大きな脅威を与えられない。マルキーニョは全く動けない。セットプレーで簡単に失点してしまったところなど、反省すべき点は山ほど見えてしまった。やはり、ネームバリューだけで戦えるほど、地域1部は甘くはないのだ…

試合後は、まるで「敗者」のよう顔つきでベンチに戻る tonanの選手たち

氏家を中心にミーティングを行っていたのだが、果たして次節までに修正することが出来るのだろうか?
tonanは今、正念場を迎えようとしている。

保土ヶ谷乱打戦

関東サッカーリーグ1部 第5節
2010年5月1日 @保土ヶ谷サッカー場
Y.S.C.C 5-3 さいたまSC
[得点者]
10分・91分寺田、24分辻、85分服部、95分松田(Y.S.C.C)
32分・53分田嶌、83分清水(さいたま)

首位に立つY.S.C.Cが、3位のさいたまSCと対戦。

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さいたまSCは、先日(第2節。4/10 vs FCコリア)も見たのだが、その時のメンバーから5人も変わっていた。ケガやコンディションの問題だけではなく、新加入の選手が合流したこともあり、今回の起用になったとのこと。

さいたまSCスタメン
GK:1、DF:4、5、8、13、MF:13、21、33、50、FW23、38

Y.S.C.Cスタメン
GK:16、DF:3、5、13、19、MF:7、10、20、25、FW4、11

さて、前節でヴェルフェたかはら那須が足踏み(※0-0 クラブドラゴンズ戦)してしまったこともあり、首位に立ったY.S.C.C(以下YS)。関東リーグを代表する強豪チームとして、確かな実力が備わってきたこともあり、この日も序盤から試合を有利に進める。まずは10分右サイドでFKのチャンスを得ると、これにDF寺田が頭で合わせてYSが先制。この1点で精神的に楽になったYSは、ボランチ10番石川を中心に、多彩な攻撃を仕掛ける。2列目の選手が次々と前に飛び出し、分厚い攻撃を繰り返すYSは、24分に右サイドでチャンスを作り、最後は中央で11辻が押し込み、早くも2点目を挙げる。

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守備に奔走し、攻撃の形を作れなかったさいたまだが、30分にワンチャンスでCKのチャンスを得る。ここでFW38番田嶌が頭で合わせて1点を返す。この追撃弾で、さいたまは波に乗れるかと思われたが、YSの気持ちの切り替えが良かったこともあり、流れを奪い返すことは出来ないまま、前半を終えてしまう。

後半に入ると、さいたまもペースを奪い返し、イーブンの展開へ変わっていく。そんな中で53分にチャンスを掴み、ゴール前で混戦になったところを田嶌が詰め、ついに試合を振り出しに戻す。これで今度こそ、流れを掴めるかと思ったのだが、思わぬプレーでさいたまは大ピンチを迎える。56分、GKとの接触プレーで23番宮島がこの日2枚目のイエロー。退場処分となり、残り時間を数的不利で戦わなければいけなくなってしまう。

これで、俄然YS有利かと思われたが、簡単に試合は進まない。あくまでも私見なのですが、さいたまSCに対しては「地味に強い」という印象を持っているのですが、この日も「地味に」ここから粘り強さを発揮して、試合をおもしろくしてくれた。数的有利となったことで、試合の流れは完全に、YSペースとなり、実際に何度もチャンスシーンを作り出していた。だが、しっかりと守りを固めるさいたまディフェンスをなかなか攻略できない。

それどころか83分、中盤で奪ったボールを縦にロングフィードすると、これに21番清水大輔が反応。完全にディフェンスは裏を取られてしまい、清水に追いつけない。あとはGKのポジションを見て決めるだけだった。

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10人で戦っているさいたまSCがついに逆転。
サポーターと喜びを分かち合う清水。
これだからサッカーはおもしろい…

残り時間は時計の上ではあと7分。だが、GKが負傷した時間があるので、ロスタイムはかなり長めのはず。そう考えると、さいたまが耐えなければ行けない時間は、あと12分はあると思われた。いくらリードを奪ったとはいえ、体力的に一番厳しい時間帯を迎えることもあり、凌ぎきれるか微妙でもあった。

YSはここで最後の交代カードを切り、さらに攻撃的に出る。そして85分、CKのチャンスを得ると、19番服部が頭で合わせ土壇場で同点に追いついた。こうなれば、YSはもう押せ押せである。90分は過ぎたものの、予備審のロスタイム表示が「5」と示した瞬間、選手は「勝てる」と強く感じていた。完全に精神的に上回っていたYSは、またも猛攻を仕掛け、今度はゴール前でFKのチャンスを得ると、これに再び寺田が頭で合わしてついに逆転!

4-3となり、後は残り時間をキープでも良かったのだが、YSは攻撃の手を緩めない。95分に再びCKのチャンスを得ると、今度は松田が頭で合わせ、激しい点の取り合いにピリオドを打つ一撃をゴールにたたき込んだ。

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試合は5-3で終了し、YSはガッチリ首位をキープしたのである。

試合後、プレースキッカーであり、この日4アシストを記録した7番中村竜也は「蹴ればみんな入るっていう感じでしたね」とにこやかに語っていたが、彼の右足から放たれたボールの正確性は、他のチームにとって「脅威」であることは間違いない。JFL昇格を目指しているYSにとっては、彼の「右足」は必要不可欠な存在となってくるだろう。

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ただ、いい面だけではなく、課題も少なくはなかった。
この日、5得点奪ったとはいえ、流れの中から奪った得点を1点のみ。あとは全てセットプレーからの得点なのである。さらには、相手は1人少ない10人であるのだから、セットプレーに頼るだけではなく、やはりここは崩して得点を重ねたかったところだ。確かに、地域決勝などの大舞台では、セットプレーというものは、大きな武器となるのだが、「上」を目指すチームとしては、もっと「崩し」のバリエーションを持ち合わせたいところでもある。

まあ、注文もいろいろありますが、ゴールシーンも数多く飛び出し、両チームとも気持ちがしっかり入った好ゲームでありました。

2010年5月 2日 (日)

成長し続ける大宮ユース

プリンスリーグ関東2部 第4節
2010年4月29日 @育英グラウンド
佐野日大高 0-2 大宮アルディージャユース
[得点者]
50分中村佑輔、89分清水道浩(大宮)

こちらも、川崎フロンターレU-18同様、今年からプリンスリーグに昇格してきた、大宮アルディージャユース。しかし、前評判では川崎よりも高い評価をされていた大宮ユース。はたして、どんな試合を披露してくれるのか、非常に楽しみであった。

大宮スタメン
ーーー清水中村ーーー
小山ー
飯野ー清水ー平野
菊池ー石川ー木村ー小池
ーーーー高橋ーーーーー

しかし、試合は意外な立ち上がりとなる。
大宮が、やや受け身で試合に入ってしまったこともあるのだが、佐野日大の縦にボールを蹴ってくる「キック&ラッシュ」と表現しても遜色ない、古典的な戦術の前に、大宮は苦戦してしまう。さらには、丁寧に繋いで、2トップに預けて展開という、自分たちのサッカーもやらせてもらえない。

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なかなかペースの掴めない大宮。しかし、佐野日大が圧倒的にペースを握っているのか? と言われればそうでもない。次々と「縦」という展開を仕掛けるのだが、大宮ディフェンスも混乱することなく対応し、相手攻撃陣にバイタルエリアでは自由にさせない。ただ、両チームとも、細かい部分でパスミスやトラップミスなどがあり、雑だなあ…といったところ。

正直、見所の少ない前半戦であり、う〜ん、大宮、それほどいいのかなぁ…と、思う内容であった。

まあ、後半になれば修正してくる? と予想したのだが、なんと後半立ち上がりも、佐野日大がラッシュを仕掛けてきた。後半開始直後から、GKと1vs1になるなど、決定的場面を何度か迎える。だが、どれもGKに阻まれたり、シュートが枠に飛ばなかったりで、またもチャンスを潰してしまう。

自分たちでチャンスを潰してしまうと、どうしてもリズムが悪くなるもの。

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するとピンチを凌いだ直後の50分、中央でボールを持った7番飯野が、左に展開。これに走り込んだ11番中村が左足一閃。豪快にゴールネットを揺らし、大宮がついに先制。そして、このゴールを合図に、大宮の圧倒的な攻撃力が本領発揮となる。U15日本代表に選ばれている左SBの菊池は、自慢の速さを活かして次々とオーバーラップを仕掛けていく。

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FW中村はボディバランスもよく、もらったボールは確実にコントロールして、見事にさばいていた。さらに7番飯野は、攻撃の中心として大車輪の活躍。佐野日大は、ゴール前から動けなくなり、試合の主導権は大宮が握ったままロスタイムを迎えると、ここで追加点が生まれ2-0。終わってみれば、大宮ユースの完勝で試合の幕は閉じた。

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今年、2部初参戦であるが、実力はすでに1部と同等とも言われていた。しかし、前半は「寝てるの?」と思うほど、冴えない試合をしてしまった大宮ユース。後半に入って、立ち上がりに「パンチ」を浴びたことで目を覚ますと、そこからエンジン全開となり、ポテンシャルの高さをやっと見せ、前評判が「ダテ」ではないことを示してくれた。

プリンスリーグこそ、初参戦だが、これまでにトップ昇格する選手を育てるなど、すでに「結果」を残している大宮ユース。正直なところ、来年と言わず、今すぐ「1部と戦って欲しい」と思わせるチームの出現である。

1部復帰に視界良好

プリンスリーグ関東2部 第4節
2010年4月29日 @育英グラウンド
前橋育英 1-0 川崎フロンターレU-18
[得点者]
66分柏俣翔也(育英)

 

昨年、夏のインターハイで王者となったものの、その前に行われていたプリンスリーグ1部で9位に終わり、2部降格となってしまった前橋育英。今年は「1部復帰」を合い言葉に、この大会に挑んでいる。

さてこの試合では、序盤から育英は「らしさ」を存分に発揮。
小島ー湯川のボランチコンビから繰り出される多彩なパスワークが冴えたり、トップや両サイドに次々とパスが入り、チャンスを作り出していく。パスだけではなく、自分でもチャンスと見るや果敢に突破を仕掛け、川崎に攻撃する機会をなかなか与えない。

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育英スタメン
ーーー白石ー小牟田ーー
柏俣ーーーーーー四分一
ーーー小島ー湯川ーーー
筑井ー北爪ー李ーー大関
ーーーー牛越ーーーーー

先日の練習試合(ザスパ草津U-23戦)でも存在感を見せつけたFW小牟田は、この日も競り合いで「強さ」を披露。中盤からの展開だけではなく、トップに預けてから展開と、いくつものパターンを織り交ぜて、早々と育英が試合のペースを奪っていく。15分以降、ほぼ一方的な試合となり、30分〜40分にかけては、いつ得点してもおかしくないシーンが連発。しかし、川崎守備陣も懸命のディフェンスを見せ、粘り強く対応。さらにはクロスバーも味方するなど、育英のシュートは枠をとらえるものの、どうしても得点に結びつかない。

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育英の分厚い攻撃の前に、なかなか反撃の糸口を見いだせない川崎。だが、10番ボランチの苅部がボールを持つと、チャンスに結びつく。キープ力、展開力に優れ、川崎の中でも孤軍奮闘の活躍を見せる。数少ない川崎のチャンスシーンは、ほぼ、苅部くんが起点となって生まれるのだが、それ以外の場面では、効果的な攻撃を仕掛けることができず、劣勢を強いられることとなる。

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川崎スタメン
ーーー平敷ー仲川ーーー
松田ーーーーーーー奥沢
ーーー苅部ー今野ーーー
小口ー萩間ー松原ー長野
ーーーー牛越ーーーーー

なかなかゲームを組み立てられない川崎を横目に、中盤の底でゲームを組み立て、縦に入れて展開、時にはロングパスをサイドに入れ、後ろからの飛び出しを待つ展開など、バリエーション豊かな攻撃パターンを見せつける育英。あとはフィニッシュのみ! なのだが、こればかりは相手もいることなので、そう簡単には決まらない。

攻める育英、守る川崎という図式のまま、試合は終盤を迎えようとした66分、ついに均衡が破れた。中央の小島が、右サイドに大きく展開。これをサイドアタッカーの柏俣が受けると、躊躇なく縦に抜けるドリブル突破を選択。1人かわしてペナルティエリアに入ると、迷わず左足を振り抜いた。

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先制して精神的にも余裕の生まれた育英は、次々とメンバーチェンジ策に出る。しかし、それでもサッカーのクオリティが下がらないのはさすが。終盤、川崎も猛反撃を仕掛けるのだが、育英ディフェンス陣は冷静に対応。結局、試合はこのまま1-0で終了して前橋育英が勝利。

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点差こそ1点差だったが、内容的には育英の「完勝」と言ったところ。川崎としては、繋いでゲームを作りたいのはわかるのだが、苅部以外の選手からチャンスを作れないのは大きなマイナス点。今季からプリンスリーグ(2部)に昇格してきたチームだが、残留に向けてもう少し攻撃のバリエーションを増やしたいところだ。

対する育英は、1年で「一部復帰」という「ノルマ」は達成濃厚といえよう。いや、4位以内に入るだけではなく、当然ながら優勝を狙っているし、さらには夏の総体連覇という目標も控えている今年の育英。チームの心臓であり、頭脳である、小島-湯川のコンビが、すべての試合でしっかり「仕事」ができれば、連覇も不可能ではない。

夏に向けて、楽しみな仕上がりを見せるチームに、大きく期待したい。

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