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2010年4月25日 - 2010年5月1日

2010年4月28日 (水)

先週の地域リーグ結果など

先週末に行われた各地域リーグの流れを、ざっと紹介しておきます。

●北海道リーグ(開幕前)

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●東北リーグ1部
[第3節結果]
プリメーロ 0-4 グルージャ盛岡
福島ユナイテッド 4-1 盛岡ゼブラ
NECトーキン 3-3 秋田FCカンビアーレ
塩釜ヴィーゼ 2-1 コバルトーレ女川

[順位]
1位:グルージャ盛岡(9pt +17)、2位:福島ユナイテッド(9pt +12)、3位:NECトーキン(5pt +1)、4位:カンビアーレ(4pt -3)、5位:盛岡ゼブラ(3pt -2)、6位:塩釜ヴィーゼ(3pt -15)、7位:プリメーロ(1pt -5)、8位:コバルトーレ女川(0pt -5)

[寸評]
グルージャ、福島の2強は今週も勝利してともに3連勝。しかし、ジリジリと得失点差を離されている福島は、直接対決で逆転できるところまで詰めておきたいところ。

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●関東リーグ1部
[第4節結果]
FCコリア 3-1 ACアルマレッザ
ヴェルフェたかはら那須 0-0 クラブドラゴンズ
さいたまSC 0-1 tonan前橋
Y.S.C.C 6-2 厚木マーカス

[順位]
1位:Y.S.C.C(9pt +9)、2位:ヴェルフェ(8pt +5)、3位:さいたまSC(7pt +1)、4位:FCコリア(6pt +2)、5位:tonan前橋(6pt -2)、6位:厚木マーカス(4pt -4)、7位:ACアルマレッザ(3pt -5)、8位:クラブドラゴンズ(2pt -6)

[寸評]
昨年・最終節の雪辱を果たしたかったアルマレッザだが、コリアに返り討ちされてしまった。一部残留のためにも、これ以上負けられない。ヴェルフェはドラゴンズに痛恨のドロー、2位Y.S.C.Cは完勝したため、首位が逆転。これから先の2強対決はおもしろそうだ。

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●北信越リーグ1部
[第3節結果]
パルセイロ 5-0 ジェンシャン
JSC 2-0 ヴァリエンテ富山
サウルコス福井 1-0 アンテロープ塩尻
グランセナ新潟 0-1 テイヘンズ

[順位]
1位:パルセイロ(9pt +15)、2位:JSC(9pt +5)、3位:サウルコス福井(6pt 0)、4位:ジェンシャン(6pt -1)、5位:テイヘンズ(3pt -2)、6位:ヴァリエンテ富山(3pt -2)、7位:グランセナ新潟(0pt -4)、8位:アンテロープ塩尻(0pt -11)

[寸評]
パルセイロvs長野エルザとも言われた対決は、力を見せつけてパルセイロが勝利。パルサポにとって、感慨深い試合になったのでは? しかし、なにげにJSCも無敗でパルセイロを追っているところは不気味。

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●東海リーグ1部(開幕前)

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●関西リーグ1部
[第3節結果]
三洋電機洲本 6-0 BIWAKO S.C HIRA
奈良クラブ 5-3 ルネス学園甲賀
アイン食品 0-0 バンディオンセ加古川
ラランジャ京都 1-3 阪南大クラブ

[順位]
1位:三洋電機洲本(9pt +15)、2位:アイン食品(7pt +3)、3位:阪南大クラブ(6pt +2)、4位:バンディオンセ(4pt +4)、5位:ラランジャ(4pt +1)、6位:奈良クラブ(4pt -1)、7位:S.C HIRA(0pt -11)、8位:ルネス学園甲賀(0pt -13)

[寸評]
J挑戦から撤退したバンディオンセだが、意地を見せアイン食品とドロー。しかし、本命・三洋洲本はスキがないですね。

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●中国リーグ
[第3節結果]
佐川急便中国 2-0 JFE西日本
レノファ山口 3-0 日立笠戸
NTN岡山 0-1 VOLADOR松江
宇部ヤーマン 1-1 新日本石油水島
※8月1日開催
デッツォーラ島根 vs ファジアーノ岡山NEXT

[順位(※暫定順位)]
1位:VOLADOR松江(9pt +4)、2位:新日本石油水島(7pt +4)、3位:NTN岡山(6pt +6)、4位:レノファ山口(6pt +4)、5位:佐川急便中国(6pt +2)、6位:宇部ヤーマン(4pt 0)、7位:日立笠戸(3pt -6)、8位:岡山NEXT(0pt -3)、9位:デッツォーラ島根(0pt -4)、10位:JFE西日本(0pt -6)

[寸評]
開幕前はまったくノーマークだったVOLADOR松江が、3連勝を飾り今週も首位をキープ!。このまま勢いに乗れば、レノファを抑えて優勝ということもアリエル???

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●四国リーグ(試合なし)

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●九州(KYU)リーグ
[第4節結果]
九州INAX 2-0 九州総合スポーツカレッジ
MSC.FC 0-3 HOYO Atletico ELAN
川副クラブ 3-1 新日鐵大分
三菱重工長崎 0-2 ヴォルカ鹿児島
※海邦銀行は試合なし

[順位(※暫定順位)]
1位:HOYO(10pt +5)、2位:ヴォルカ鹿児島(8pt +7)、3位:九州INAX (8pt +3)、4位:新日鐵大分(6pt +1)、5位:スポカレ(6pt +1)、6位:海邦銀行(6pt +1)、7位:川副クラブ(4pt -1)、8位:三菱重工長崎(0pt -6)、9位:MSC.FC(0pt -11)

[寸評]
昇格組のHOYOがガッチリ首位をキープ。昇格組と言っても、そもそも高いレベルを目指していたチームなので、この先も勝つ抜いて行きそうな雰囲気もある。そういえば、4/14日にヴォルカ鹿児島も正式に「J準会員申請」をしたそうですね。こちらも今後の展開が楽しみです。

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さて、先週ですが(4/21)、今年の地域リーグ決勝大会についての大会概要が正式に発表されました。

1次リーグはひたちなか、藤枝、高知
決勝ラウンドは、市原臨海

となりました。
詳しいことは、協会オフィシャルを参照していただければと思いますが、出場枠については、前回のエントリーどおり、各9地域の優勝チーム+全社枠2+JFA優遇枠1の12チームとなっている。しかし、出場チーム決定については、これ以外にもいくつかのパターンがある。各優勝チームは文句ナシですが、仮に全社のベスト4がすべて「権利持ち」だった場合はどうなるのか? さらには、JF優遇枠のチームがなかったら? という場合です。

その場合は枠が3余ることとなるので、原則として前年度各地域の全社連登録数(2009年6月末)の多い順で配分するのだが、それでいけば関東、関西、九州の順となるのだ。ということは、全社枠は別として、JFA優遇枠のチームが現れず、参加チーム決定方式の変更がなければ、関東2位はこの先も無条件で出場できることになる。

これって、やや不公平感を感じるところなのですが、どうなんだろうか… ただ、実際には全社ベスト4、全てが権利持ちということは、あまり考えられないので、とりあえずは「優遇枠」が焦点となってくるだろう。

で、今年の優遇枠については、3月にJ準会員申請が認められた、神奈川県1部の相模原SCが候補となってくるのだが、はたして本当に「飛び級」が認められるのだろうか? 決定については7月中旬発表となっているので、それまでは相模原SCの試合情報も、しっかりチェックしておきたい。

ということなんですが、先週末に行われた県リーグの公式戦の結果なのですが、結成以来、リーグ戦で初のドローをやってしまったんだよなあ…

相模原SC 0-0 六浦FC

望月代表は「もちろん(飛び級を)狙います」とコメントしているのだが、地域2部からではなく、県1部からの申請であるのだから、1敗どころか、1分でも大きなマイナスとなることは予想される。そう考えれば、このドローは痛すぎるものであるはず。改めて、もう一度気を引き締め直して、リーグ戦に挑んでもらいたいところです。



とは、いいつも、今日行われたtonan前橋とのTMでも、0-1で負けてしまったんだよなあ…

佐野カラーの浸透度

佐野達・率いるV・ファーレン長崎というチームの結果は、いつも気になっていた。

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実は昨年、1試合も長崎の試合を見てはいない。そんなこともあり、長崎に佐野さんが入ったことで、チームが「どう変わったのか?」という点では、何もわからないままだった。しかし、現状では「どう変わったか」など、わからなくてもいいのだ。佐野さんが指揮を執ることで、このチームに「Jクラブとして戦えるだけの力」が、備わっていればいいのだから。

だが、「戦えるだけの力」というものは、何をもって証明するのか難しいところでもある。最終的にJFLで3位以内(※J2クラブが19あるため、今季のJFL上位4チーム全てが準会員だった場合、4位のチームは昇格見送りとなるため)に入ればいいのだが、それはあくまでも結果論。そこで、よく判断基準に使われるのが、「Honda FCに勝つ」ということだ。新興Jクラブなどでは、太刀打ちできないほどの長い歴史を持ち、名選手を数多く輩出してきた名門サッカー部。2004年にザスパ草津の2位以内確定を阻んだ時から、「Jへの門番」と呼ばれたHonda FC。

これは、あくまでも「そう言われているだけ」の話であるのだが、実際のところ「Honda」を超えずして、J加入はありえないと思う人も少なくはない。

そして長崎は、このHonda戦で「超える」どころか、その力の差をまざまさと見せつけられてしまった…

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しかしだ、この敗戦で「昇格は無理」と諦めるのは早計である。これまでに、長崎がどんな試合を披露していたのかは、前述どおりわからない。だが、この試合で見せた選手起用(システム)や、前半に見せた攻撃的姿勢は高く評価してもいいと感じた。サイドバックがガンガン攻撃に絡むスタイルは、去年もよく見た光景であり、ああ、これこそ佐野流だと懐かしくも、うらやましいサッカーを見た気がした。

確かに、この試合では負けてしまったが、何も出来ずに敗れてしまったのではない。そして、このチームが今やれること、そして勝つために「何」が足りないのかを、明確に教えてくれる試合でもあった。佐野さんは試合後「負けて得るものがある。今日の試合で選手が自分で何かを感じ取ってくれないと…」と語っていたが、このチームが強くなるポイントはまさにそこである。長崎の選手に足りないものは、「自信と経験」なのだ。この部分で成長ができれば、間違いなく昇格争いを演じるだけの実力はあるのだから…

佐野達という人間は、恵まれた環境の中でやるよりも、環境が良くなくとも「大きなチャレンジ」ができる場を選ぶ人である。だからこそ、長崎という「これから」のチームを次の挑戦の場所として選んだ。Jリーグ準会員であるものの、昨年の順位は9位。J昇格を実現させるには、もうワンランクどころか、2ランク以上レベルアップする必要がある。さらには、新しいファン層を開拓し、観客動員をもっと増やしていかなければならない。

チームを強くする
クラブという組織を強化する
新しいファンを獲得する
もっと地域に根ざしたクラブとする

やるべき案件が多ければ、多いほど「やりがい」を感じるのが佐野達という男なのである。

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さて、昇格に向けて明確な数値目標を挙げるとすれば、ここ3年の「3位」の最終成績から考えて、勝ち点60という数字が浮かんでくる。昨年のソニー仙台は59、2008年の富山は62、2007年の岐阜は60。現在、2勝3分2敗、勝ち点9の長崎が昇格圏内目安と考える、この数字を狙うには、残りの27試合で18勝分の勝ち点が必要となってくる。さらには、これまでの3位チームで10敗したチームが1つも無いことを考えると、あと負けられる試合数は「7」であることが導き出せる。(※あくまでも、ここ3年のデータから出したものであり、後期の状況次第では数値は前後する可能性があります)

次節以降も、鳥取、武蔵野、SAGAWAと手強い相手が続く長崎。正念場となることは間違いないが、ここをどう乗り切るかが、昇格争いをする上で大きな鍵となってくる。

V・ファーレン長崎というチームが、J昇格を目指す上で、まだまだ未熟なことは佐野自身よくわかっている。しかし、佐野達の目指す方向性というのは、明確に打ち出せているはず。彼の試合観に「ドローで終わってよし」は、まずない。見に来ている観客が試合を楽しめ、勇気を与えることができるような「チャレンジするサッカー」を常に目指すのが佐野スタイル。これが90分間出来るようになることと同時に、Honda戦での教訓が活かされてくれば、目標地点は見えてくるし、Jクラブとして戦えるだけの力も、おのずと付いてくるはず。

今はその「道程」と思えばいいだろう。
佐野さんの情熱は、必ず選手に伝わるはずだし、サポーターにも届くはずなのだから。
長崎の関わる人たちは、もう少しだけ辛抱強く見守って欲しいところである。

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さて、話は長崎の話から逸れますが、4ヶ月ぶりの佐野さんとの対面で、昔話から今の草津の状況まで、いろいろな話が飛び出したが、佐野さんの口から「今は自由にやらせてもらっていて、とってもやりやすいですよ」と、素敵なコメントをいただきました。

う〜ん、このコメント、なんとも本音がにじみ出ています(笑) それに「ドローを狙う消極策なんて、勝利を見に来ているサポーターに対して失礼だよね」と、目から鱗が出るようなお言葉も飛び出した。とりあえず佐野さん、今でも草津の状況はチェックしているそうですよ。

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また、試合中では、佐野さん名物でもある

(判定に対しての)
おっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜い!

(判定にキレそうになる選手へ)
言うな!!!!!!!!!!

など、指示なのか罵声なのかは不明だが、相変わらずデカイ声がこだましていた。
しかし、主審の判定に対して、選手に異議を唱えるな!とベンチで指示をだすのだが、一番異議を言っているのは実は佐野さん自身でないかい??? いやはや、何も変わっていないあの姿を見ると、なぜか安心してしまいます(笑)

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さらに、雑草魂と諦めない気持ちを選手に注入するため、佐野さんとともに長崎に行った、我らのヨージ(堺陽二)も、すっかり「ヘッドコーチ」の顔になっており、藤井大輔もディフェンスリーダーとして奮闘。新天地で頑張る彼らの姿を見られて、こちらも一安心でした。

なかなか、長崎の試合を見る(見られる)機会は少ないのですが、6月27日は群馬(浜川)で長崎の試合があるので、ぜひとも佐野さん、ヨージ、藤井の姿を見に、多くの人が会場に足を運んでくれることを願いたいところです。

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2010年4月26日 (月)

心に響いた「ひたむきさ」

JFL 第7節 @都田サッカー場
Honda FC 1-0 V・ファーレン長崎
[得点者]
48分新田(Honda)

第2節(3/20@カシマ)で見た以来のHonda FC。この日の対戦相手は準会員のV・ファーレン長崎ということもあり、都田へ向かった。

2節以降、Hondaの試合を見てはいないので、どんなチーム状況かわからないところだったが、前日(24日)の西が丘に、石橋前監督がスカウトにやってきていたこともあり、その場で話を伺った。

「今はケガ人ばかりでやりくりが大変です。そんな状況なので、選手もいろいろなポジションにチャレンジしている最中でして、チームとして固まるまでにはもう少し時間がかかるかも…」

確かに開幕4戦で1勝1分2敗と、やや苦しいスタートとなったHondaだが、その後は連勝で白星先行となったが、チーム事情はいまだに楽ではないようだ。

Hondaはおなじみの4-3-3システムだったが、中盤はワンボランチ(アンカー)をやめて、糸数-西のダブルボランチに変更していた。(大久保監督曰く、5節・ジェフリザーブス戦からとのこと)

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Hondaの「ウリ」と言えば、「弘大+新田+もうひとり(伊賀or細貝or川嶋)」の強力3トップである。この3トップを柱とした、超攻撃サッカーを目指すために、中盤の底にアンカー(ワンボランチ)を置くシステムを採用していたが、やは1枚では荷が重すぎた。対戦相手は、常にアンカーの位置を狙い撃ちした攻撃を仕掛けてきたこともあり、大久保監督もここに来てやっと決断したのだった。

 

さて試合だが、立ち上がりからアウェーのVファーレン長崎が猛ラッシュを仕掛けて、試合の流れを一気に掴んでいく。何よりもこの試合、「鬼軍曹・佐野達」が長崎をどんなチームに仕上げようとしているのか? が一番のポイントでもあった。

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そして長崎が見せた立ち上がりのラッシュこそ、佐野さんが求める攻撃的サッカーそのものだった。相手3トップに仕事をさせないために、両サイドバックにはどんどん上がれ!という指示を送り、特に左サイドの中津留は素晴らしい攻撃参加を見せる。かつて、「2点取られても3点取るサッカーをする」と言ったことは、ここでも変わりはなかった。

まったくもって「ブレない男」である(笑)

開始2分で1stシュートを放つと、これを合図に猛攻を見せる長崎。中津留-大塚の縦の連携が冴え渡るだけではなく、2列目から川崎なども飛び出しを見せ、Hondaゴールに襲いかかる。10分にはサイドチェンジしたボールが大塚に渡ると、そのままドリブル突破。中央で切り返しをみせ、DFのマークを完全に外したシーンは圧巻。しかし、惜しくもシュートは枠の上。その後も高いラインを保つ長崎がペースを握り、今季最高(佐野監督談)の滑り出しを見せる。

だが、残念ながら、今季最高の時間は、そう長くは続かなかった。

立ち上がりから、防戦一方のHonda。これがアンカー(1ボランチ)システムであったのならば、間違いなく失点していたことであろう。しかし、中盤の底が2枚いることで、アタッカーに対して早い寄せができるだけではなく、バイタルエリアのケアも可能となり、相手攻撃陣に最後の一手を打たせない。そして、踏ん張りどころで失点しなかったことが、この後のリムズを呼び込むこととなる。

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徐々に長崎のサイドアタックが弱まり出すと、今度はHondaの強力3トップが牙をむく。弘大、細貝が頻繁にポジションチェンジして、相手DFに的を絞らせない。最前線で体を張る新田。そのボールに絡む弘大と細貝。DFが中央に釣られてしまうと、開いたサイドのスペースに右SBの桶田がオーバーラップを繰り返す。あれだけ攻勢を誇っていた長崎だが、25分以降は自陣に釘付けされてしまう。

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完全に流れを掴みきったHondaは、やはり試合巧者であった。前半こそスコアレスで折り返したものの、後半の立ち上がりにセットプレーのチャンスを掴む。ここでGKがクリアしたボールに糸数が絡んで中に折り返す。そして、これを新田が冷静に左足でけり込んだ。

48分、Hondaがついに先制

どうしても追いつきたい長崎は、次々と交代策に打って出る。疲れの見え始めたアタッカー陣を交代してフレッシュな選手を送り込んだが、Hondaの堅い守りをどうしても崩せない。焦る気持ちからか、長崎の選手は連動というよりも、個人での突破ばかり目に付きだしてしまう。後半のポゼッションは明らかに長崎の方が上なのだが、どうしてもシュートまで持ち込めない。

それでも長崎は、必死に相手ゴールへ近づこうとする。だが、Hondaは相手が前がかりになればなるほど、懐の深いところを見せつけた。リードするまでに見せた3トップを柱とした攻撃サッカーから、しっかりと守りを固めた上で、狙い澄ましたカウンターに移行。まさに「勝ち方」を知っているサッカーであり、力の違いを見せつけた瞬間でもあった。

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結局、試合はこのまま1-0でHonda FCが勝利したが、試合後の長崎・佐野監督も「力の違い」を素直に認めていた。

「こんなもんですよ。序盤の入り方は良かったけど、失点してからが特に悪かった。あの時間帯に取れないところが、相手との力の差です。あそこで1点取れてれば、かなり違ったんだろうけど…。それとね、一人に頼るサッカーではダメ。練習で求めてきた繋ぐサッカーが出来なければ、Hondaには勝てませんよ」

だが、決して長崎の見せたサッカーが悪いものではなかった。試合の入り方、高いラインを保つ戦術、最後の猛攻などにおいて、佐野カラーは徐々にだが出てきており、今後の展開が楽しみなチームであることは間違いない。この日においては、「相手が悪かった」という感じでもあるのだから…

少なくとも、この日のHonda FCは流経大FC戦よりも断然良かった。そして、訪れた観衆の「満足度」も高かったはず。大久保監督はケガなどで、なかなかベストメンバーを組めない状況にある今、選手に「サッカーの原点」だけを求めたのである。

ひたむきにピッチを走る
ひたむきにボールを追う
シンプルにボールを繋ぐ

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難しい戦術は問わなかった。相手に対する策も特に練らなかった。しかし、選手は監督の言葉どおり、90分間、ひたむきにボールを追い、ひたむきにピッチを走り回った。そしてその結果が、この勝利である。監督は「はずかしい戦術ですよ」と謙遜しつつも、試合後に充実感を見せる選手の表情をうれしそうに眺めていた。

どんなに難しい戦術を取り入れて勝利しても、その勝利やプレーが観客の心に響かなければ意味はない。戦術論で考えれば、この日のHonda FCは稚拙だったかも知れない。しかし、観衆はひたむきに走り、ひたむきにボールを追い、全力ファイトする選手の姿に、試合後は惜しみない拍手を送っていた。

親会社(本社)の経営状況により、少しずつチームに暗い影響も及ぼし始めている。選手もケガ人続出で、台所事情は非常に厳しいものがある。そんなことが重なり、近年ではかつてのように「常勝」とまではいかなくなってきている。だがしかし、この日は「さすが」と思わせる試合を、Jを目指すチームの前で見せつけてくれた。

Honda FC
やはり「門番」と呼ばれるにふさわしいチームである。

2010年4月25日 (日)

大学界の「いばらきダービー」

関東大学サッカーリーグ 第3節
流通経済大学 0-1 筑波大学
[得点者]
87分小澤(筑波)

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試合前、流通経済大学・中野総監督は「筑波のオフェンスは、間違いなく今年一番ですよ」と語りながら、「ウチはどこまで耐えられるかが勝負ですよ…」とウソかまことか、なかなか真意が掴みにくいコメントを残してくれた。

今年の流経大だが、エースでありキャプテンの武藤雄樹がチームの中心であることは間違いないが、それ以上に2007年度に高校2冠を達成した、流経大附柏卒のメンバーがチームを形成する上で、欠かせない存在になってきている。

[流経スタメン]
ーーー征矢ーー武藤ーーー
フランクーーーーーーーー村瀬
ーーー中里ーー小島ーーー
竹石ー比嘉ー山村ー保戸田
ーーーーー増田ーーーーー

sub:白井、長浜、加来、関戸、上條、古川、高野

対する筑波大は、風間八宏氏が監督に就任して3年目の今年は、「勝負の年」と位置づけている。これまでの2年間の積み重ねにプラスして、意欲の非常に高い即戦力(新1年生)が入ったことで、「やれる」という手応えを感じており、連敗スタートとなってしまったが、それほど不安視をしていなかった。

[筑波スタメン]
ーーー瀬沼ーー赤崎ーーー
玉城ーーーーーーーー小澤
ーーー森谷ーー八反田ーー
原田ー谷口ーー須藤ー堀谷
ーーーーー増田ーーーーー

sub:乗松、石神、長沼、山越、中尾、上村、曽我

大学界の「いばらきダービー」と呼ばれる両者の一戦は、昨年こそ3-1、1-0で流経大が勝利しているが、過去には5-6や4-3といった、激しい点の取り合いを何度も演じている両者であるため、今日の試合の展開もどうなることやら…と、予想はつかなかった。

さて試合だが、両者落ち着いた静かな立ち上がりとなったが、そのままどちらがペースを握っているか、甲乙つけがたい試合となる。若干、筑波の方がサイドに展開してチャンスを作り出す回数は多いものの、決定機という面で考えれば流経大の方が上。

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ただ、気がかりだったのは、流経大の攻撃している時間のテンポが遅い事である。ボランチの中里から展開したあとの、プッシュアップがやや遅いことだ。これを試合後に選手や中野監督に聞いたのだが、「相手のカウンターを警戒したこともあり、前に出ることを一瞬ためらってしまった」とのことらしい。よく言えば「安全策」、悪く言えば「消極的」という姿勢が、苦戦の要因を作り出していったのである。

それでも、決定機を筑波よりも作り出したのは、スキルの高さを物語っているのだが、この日はエースの不調がすべてであった…。ことごとく訪れるチャンスシーンに顔を出す武藤だが、彼の放つシュートはどれもゴールネットを揺らすことができない。

後半に入ると、HTでの指示が効いたのか、流経大のペースで試合が動き出し、5分、左サイドでフランクがドリブル突破をはかると、筑波6番がペナルティ内で倒してしまい、PKを献上。

またとない絶好のチャンスを掴んだ流経大。

キッカーはPKを獲得したフランクではなく、エースの武藤だ。

しかし、ベンチはここで采配を迷ってしまう。中野監督は「あれ、絶対にはずすぞ」と言っていたそうである。しかし、このチームは「武藤のチームなのだから、彼で決められなければ仕方がない」ということで、キッカーの変更は指示しなかったそうだ。

そして武藤が放ったシュートだが、相手GKに完全にコースを読まれ、ストップされ、先制点をどうしても奪うことが出来ない。

不思議なもので、このPKストップから、完全に流れは筑波のペースに変わっていく。相変わらず中盤で効果的な押し上げができず、2列目からの飛び出しがないため、分厚い攻撃を仕掛けられない流経大。それに対して筑波は、全員がハードワークして、セカンドボールをしっかり拾って、サイドに素速く展開する。

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筑波の2トップだが、長身の瀬沼(2年)がターゲットマンとして体を張り、期待の1年生・赤崎がその周囲を精力的に動き回り、相手ディフェンスを攪乱。攻撃のリズムがよくなり、あとはゴールを奪うだけの筑波だが、流経大GK増田が好セーブを連発し、こちらも得点を挙げることが出来ない。

時計の針は、もうまもなく45分。このままだとドローか…と思った瞬間、1年生赤崎が左足でシュート。増田がセーブするも、こぼれ球に10番小澤が反応。これをしっかり詰め、土壇場で筑波が先制。先制というか、決勝弾である。

開幕前に高評価を受けたにも関わらず、結果を出せずに悩んでいた選手達。ここで負けたら本当に厳しくなる。しかし、選手は意地とプライドをかけて、ライバルとの試合に挑み、見事に今季初勝利を挙げたのである。

まるで、優勝したかのように喜びを表現する、筑波の選手達。

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たかが1勝、されど1勝
この1勝で、筑波は(良い方に)大きく変わっていくかも知れない。

試合後の、筑波・風間八宏監督は、やや厳しめのコメントを交えながらも、チームの成長にうれしそうな表情を見せながら、このように語った。

「はやく、だれでもいいから決めてくれ!という試合でしたね。相手に対して、特別に何も用意してこなかった。自分たちがやるべきことを、普通にやれば大丈夫だと思っていた。ただ、厳しい言い方かも知れませんが、失敗していいサッカーはあり得ない。ちょっとでもダメならすぐに替える。それが今日の交代でした。一つのミスでリズムが崩れることもあるし、ミスがあったら楽しくサッカーなんてできないでしょ? まあ、シュートなんかわさ、練習で10本入っても、試合では1本決まればいいところだよ。それにチームの質は本当に良くなってきている。後は試合をこなしていくことだね」

そして最後は、新1年生に対しての期待が語られた。

「彼らは人に言われてプレー(練習)するのではなく、自分たちで考えて取り組むことが出来る。僕は「やらせる」サッカー(練習)は嫌いなんですよ。でも、彼ら(1年生)は意欲が高いから、それが自分たちだけで出来てしまう。だからどんどん若い子(1年生)は上に出てくると思うよ」


さて、敗れた流経大だが、試合後の中野監督は、敗戦に対してはそれほどショックを見せなかった。

「開幕から2試合で5得点の武藤とて、毎試合ゴールを量産できる訳ではない。『調子はみずもの』なんだから。優勝するチームも、ここ数年は勝ち点50を超えてはいない。50を超えないということは、5敗までは十分『優勝圏内』なので、1敗したからと言っても、不安視してはいません。逆に、今日はもっと筑波さんにやられるかと思っていましたが、それなりに対応出来ので、よかったとも思っています」

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確かに今年の流経大は「武藤が中心」であることは否定しないが、多くは3年生が中心のチーム。苦戦が続いたとしても、それはそれで、今後への大きな経験となっていくはず。流経大附柏の「黄金世代」の実力はこんなもんじゃない。彼らなら、もっといい試合ができるはず。この1敗が、大きく飛躍するための1歩となることを願いたいところだ。

一般的に、いばらきダービーといえば、プレシーズンマッチとして行われる「鹿島 vs 水戸」だが、この関東大学サッカーリーグで行われる「ダービー」も、この名称がつけられており、なかなか興味深いものがある。さらには、お互いが同じ土俵にいることもあり、常にライバルとして注目しあう存在であるから、両者の対戦はいつもおもしろい。

ぜひとも、後期に行われるダービーも目にしたいかぎりである。

で、この日は第1試合(明治大学 vs 国士舘)もあったのですが、こちらはまた別の機会で紹介します。

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