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2010年12月 4日 (土)

洲本、初戦を粘り勝ち

第34回地域リーグ決勝大会・決勝リーグ初日
Y.S.C.C. 1-2 三洋電機洲本
[得点者]
4分寺田(YS)
20分梅川、78分森川(洲本)

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いきなりだが、サッカーをするときに、2つの方法論があると思う。

・自分たちの理想を追求するやり方
・試合に勝つ方法論を探り、徹底するやり方

当然、自分たちの理想を追求したうえで勝つサッカーをする、ということがベストであることはわかるのだが、それが出来るのはトップレベルの一握りか、実力差のあるチームと対戦した場合のみ。だからこそ、それ以外のチームはいろいろな方法論を模索する。

そして、地域決勝初日の第一試合はまさに「理想論」vs 「現実路線」の戦い方となった。

昨晩(埼玉は昨晩からでしたが…)から降り続く雨は、明け方から激しくなり、こりゃ第1試合は雨の中かな…と思われたが、市原は幸いにも試合前に雨が止み、晴れ間も見えだした。しかし、雨は止んだが、激しすぎる風が選手を大いに悩ますこととなる。

前半、風下にエンドを取ったのはY.S.C.C.(以下YS)。そして、風の威力は開始直後からいきなり発揮される。2分に三洋洲本がFKのチャンスを得たのだが、あまりの強風のため、ボールは全く前に飛んで行かない。すると、このボールを奪ったYSはいきなりCKのチャンスに結びつけていく。

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キッカーは絶妙のボールを入れる中村竜也。右足で中に入れたボールに寺田が飛び込んで頭で合わせていきなりYSが先制。その後も、風下の利点を活かすために、普段よりも早いタイミングでクロスを入れてくると、9分にはクロスがそのままシュートとなり、バーを直撃する惜しい場面も生まれる。また、早いタイミングからのクロスだけではなく、チームの特性である、ダイレクトパスを多用したパスサッカーで揺さぶりをかけ、洲本陣内で優位に試合を進めていく。

ポゼッションで相手に圧倒され、さらには風上のため前にボールをなかなか運べない洲本だが、20分に最初のチャンスを迎える。カウンターから16番友定が右サイドを駆け上がり、中にグラウンダーのクロスを入れると、4番森川がシュート! このシュートはYSのGK浜村がファインセーブではじき出すも、左サイドから詰めていた梅川が蹴り込んで同点(公式記録では「6」のアシストになっているが間違えかと…)。

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見事すぎるカウンターが炸裂し、同点とした洲本だったが、このゴールで流れをたぐり寄せることは出来ず、その後もYSの猛攻に晒されてしまう。失点直後の22分に須原のFKが洲本ゴールを襲い、24分には中村のミドル、29分には辻のヘディング、32分に寺田のオーバーラップから分厚い攻撃、39分にもまたも須原の直接FK、41分に再び辻と、洲本はピンチの連続。だが、洲本は相手の攻撃に対して体を投げ出し、必死のディフェンスを見せる。

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さて、1-1で前半を折り返し、後半は風上となったYSだが、前半を上回るペースで猛攻を仕掛けていく。ロングパスはこの風では意味がないこともあり、前半以上にショートパス、ダイレクトパスを多用して、サイドを攻略。そして後半5分、辻→松田とパスが渡り決定機を迎えたのだがシュートは枠の外。続く10分には松田のポストプレーから、走り込んだ須原がシュート。展開は抜群なのだが、フィニッシュがどうしても決まらない。

攻め続けるYS、なんとかしのぐ洲本という展開が続く中、前半同様、カウンターから洲本は活路を見いだす。19分、CKのピンチからクリアボールを素速く前線に入れると、沈が縦に飛び出しシュートまで持って行く。その後も相手に攻め続けられるものの、耐え続ける洲本。そして33分、一瞬の相手の隙を洲本は逃さなかった。試合が一瞬途切れた後のリスタートのボールを、素速く前線に繋げると、先制点をアシストした森川が再びシュート。これが見事に決まって、劣勢の洲本がなんと逆転。

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後半のシュートは、19分とこの33分のたった2本だけ。そして、1試合を通じての決定機は2度しかなかった洲本だが、その2回をものの見事に得点に結びつけた決定力は脱帽。そして決定力以上に、あれだけ相手に回され続けても、集中を最後まで切らさなかったディフェンスは賞賛に値するだろう。

さて、粘り強く対応した守備に関してだが、試合後の洲本・稲葉監督はこのように語ってくれている。

「決勝リーグに残ったチームはどれも強いチームばかりで、ボールをある程度回されることは覚悟していました。だからこそ、選手たちには、相手がシュート体制に入ったらしっかりブロックすること、そして守備に回ったらしっかりと2ラインを作り上げることを徹底させました。ウチはまだまだそのレベル(相手と同じという意味)には達していないチームなので、とにかくチャレンジするしかない。それが出来なければ、強敵と対等に戦うことができないと試合前に伝えましたが、今日は本当に選手はよくやってくれたと思います」

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自分たちは「強くない」と認識したうえで、強敵に「勝てる方法」を見事に最後まで貫徹した三洋洲本。そして、彼らはこの大会において、JFLに昇格することよりも、「厳しい中で強い相手と真剣勝負できることに感謝しよう」という気持ちで挑んでいた。

それに対してY.S.C.C.は、シーズン当初から積み重ねてきたポゼッションサッカーに磨きを掛け、アマチュア最高峰(JFL昇格)にたどりつくために戦ってきた。そしてこの試合では、良いサッカー、目指すサッカー、そしてJFLへという「目標」を成し遂げようと必死に攻撃を繰り返したのだが、プレッシャーの中で最後は自滅してしまった格好となってしまった。

誰が見ても試合はYSのペースであり、どちらが面白いサッカーをしたかと問われれば、それはYSであることは間違いない。しかし、試合に勝ったのは三洋洲本である。

理想論は当然必要である。
だが、この大会だけにおいては不要なのでは? と感じることもある。

なぜならば、この大会は「勝たなければいけない大会」なのだから…
そう考えると、三洋洲本というチームは、非常に不気味なチームであると言えるし、長野も讃岐も侮ったら痛い目にあう相手であると言えるはず。

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また、初日に敗れたYSだが、内容は間違いなく悪くはない。正直、あと1本さえ決まっていれば、試合はどう転んでいたかわからない。この段階に来て、いまさら戦術を変えることは得策ではないし、三宅監督自身も戦術やシステムを変える気は毛頭無い。であるならば、あと2試合でYSが目指してきたサッカーを、讃岐、長野に全力でぶつけるしかない。そんあこともあり、残された2戦は撃ち合いになる可能性も十分考えられるだろう。

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