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2010年12月25日 (土)

夏の雪辱を果たした中京大

全日本大学サッカー選手権
準々決勝 @西が丘
駒澤大学 1-2 中京大学
[得点者]
80分肝付(駒澤大)
55分藤牧、88分森本(中京大)

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夏の総理大臣杯・決勝戦カード、再びとなった一戦は、中京大の成長が読み取れる試合となった。

[駒大スタメン]
ーーー肝付ー山本ーーー
ーーーー碓井ーーーーー
ー金久保ーーーー奥村ー
ーーーー笠井ーーーーー
亀井ー林堂ーー金ー酒井
ーーーー石川ーーーーー

[中京大スタメン]
ーーー藤牧ー斎藤ーーー
ー星野ーーーーー平山ー
ーーー佐藤ー熊沢ーーー
須崎ー中田ー森本ー小川
ーーーー石川ーーーーー

夏の総理大臣杯では守備的な戦術を駆使して、決勝まで勝ち進んだ中京大。このチームはいつも守備的に戦っているのか? と思ったほどの戦い方だったが、東海大学リーグではリーグ最多となる60得点を挙げ、2位フィニッシュでインカレ出場権を得てきた。

Img_7469

そう、西ヶ谷監督ははっきりと総理大臣杯での戦い方を「オプションの一つ」であると語り、リーグでの戦い方、全国大会での戦い方を敢えて違うものにしてきた。ちなみに、夏の基本システムは下記のような4-1-4-1であり、時には石原が最終ラインに入る5-4-1という場面もあった。

[中京大/夏の基本型]
ーーーー斎藤ーーーーー
石原ー佐藤ー熊沢ー星野
ーーーー森本ーーーーー
平山ー須崎ー中田ー小川
ーーーー石川ーーーーー

夏から秋にかけての成長もあり、総理大臣杯のような極端な守備的システムを立ち上がりから敷いてこなかった中京大だが、この日も自慢の堅守が冴えを見せていく。

Img_7438

試合は基本的に、「いってこーい!」と言うような、ガンガン長いボールを2トップ目がけて放り込み、それを前が必死に競り合い、2列目がセカンドを拾って展開という、いつもの駒大サッカーが繰り広げられる。ただ、この戦い方に関しては、中京大も織り込み済みであり、セカンドボールへの寄せを早くすることで駒大の攻撃にうまく対応していく。

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しかし、中京大にとってやっかいだったのは、ロングボールだけではなく、両サイドから飛んでくるロングスローも脅威となり続けたことだ。特に前半は追い風をうまく利用したため、それほど危険な位置ではない場所からでも、ゴール前まで鋭いボールが入り、毎回セットプレーのピンチを迎えるような時間帯が続いていく。

それでも中京大守備陣は慌てずに対応。ボランチの熊澤は、時にはアンカー役となり相手の攻撃を摘み取り、もう一人のボランチの佐藤は積極的に前へ出て、攻撃を組み立てていく。

しかし、前半は互いに決定的場面まで持ち込めないまま、試合は後半戦に突入。

Img_7576

さて後半だが、試合のペースを掴んだのは中京大であった。5分、7分と立て続けにチャンスを作り勢いを得た中京大は、スーパーサブ的役割の中村亮太を投入。その直後、中村が中盤に入ったことで、右SBに回った平山のオーバーラップからチャンスが広がり、中に素晴らしいクロスを入れる。これを待っていた藤牧が蹴り込み、中京大が先制。

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ズバリはまった交代策とシステム変更。一つの戦い方の枠にとらわれず、いろいろな戦い方を局面ごとに取り入れてきた中京大の「本領発揮」という場面でもあったのだが、その後も「らしい」戦い方を披露する。

先制点を奪われたことで、駒大ベンチは奥村を下げFW大塚を投入。前を変則的な3枚にしたことで、よりパワープレー的なサッカーに舵を切る。それに対して中京大も臨機応変に対応し、3バックや5バックと相手の交代ごとにシステムを変えていく。

だが、前を増やしたことで、駒大は碓井の存在感が薄まってきてしまう。ボールは常に碓井の上空を通過する。さらに、後ろの枚数を厚くし、熊澤もアンカーの位置で常にセカンドを狙っていることもあり、1年生司令塔はどんどんゲームの中で孤立していく。

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なかなか局面を打開できない駒大は、碓井に替えて濱田を投入。この濱田を左SBに入れ、亀井がCBにスライドし、金を中盤に上げる。とにかく、1点を求めてラッシュを仕掛ける駒大。なんとかこれを凌ぐ中京大。しかし、一瞬の「間」が駒大に同点を呼び込むこととなる。

79分、選手が痛んだこともあり、スローインからのリスタートで若干のインターバルが生まれるのだが、ほんの一瞬だが、中京大守備陣に気持ちのゆるみが生まれてしまう。ここまで、集中を切らさなかった守備陣だが、この場面のスローインで対応が遅れ、あっという間に左サイドを破られ大塚が中にクロス。これに肝付が飛び込んで試合を振り出しに戻す。

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中京大にとっては、総理大臣杯を思い出させるイヤな展開だった。しかし、あの時から大きく成長した中京大はそれでも慌てなかった。ベンチからも「チャンスはある」と檄が飛ぶなか、終了間際の88分、右サイドでFKのチャンスを得る。

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キッカーは佐藤。右足で放たれたボールは、ニアで待っていた森本が頭で合わせ、ついに中京大が勝ち越し。

そして試合はロスタイムへ。残された時間は4分。駒大は、金も最前線に上がるなど、怒濤の攻撃を見せるのだが、バイタルエリアに壁を築き上げる中京大ディフェンスをどうしても攻略できない。ラストの酒井のシュートもバーに嫌われ万事休す。

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夏はパワーで押し切った駒大だが、冬は中京大の成長の前に逃げ切られた格好となったこの試合。確かに、中京大の成長というか、選手それぞれの戦術理解度の高さは目を見張るものがあった。複数のポジションをこなし、ベンチの指示だけではなく、選手同士の判断でシステムを変えるなど、臨機応変さは抜群であった。

そして、夏はカウンターにセットプレーばかりであったが、冬のこの大会では主導権を握りながらチャンスを作るなど、攻撃面でも良さが出るようになってきた。

それに対して駒大は、夏から秋の成長はあまり見られなかった。良くも悪くも「駒大らしいサッカー」に終始したのだが、守備を固める相手に「押しの一手」ばかりでは、そう簡単に崩せるわけがない。

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勝つための方法論には、いろいろな道があり、どれが正解とは言えない部分もあるのだが、この日は駒大の「信念」よりも、中京大の「柔軟さ」が上回り、準決勝に駒を進めた。

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さて、準決勝の相手は明治大学を破った高知大学。間違いなく、今大会で一番波に乗っているチームといえるはず。さらには攻撃力が自慢と言うこともあり、中京大は再び守備的な戦い方を取ってくるはず。しかし、高知大は駒大とは違って前に放り込んでくるだけではない。西ヶ谷監督もその点はしっかり理解しており、また違った対策を準備している。

現状では、両者の攻撃力を比べた場合、高知大の方が上かも知れないが、夏に実績を残した「一撃必殺」は冬も健在。リーグ戦で見せた攻撃的サッカーが、仮に披露できなくとも、戦い方の幅が広い中京大は、高知大にとってもっともやりにくい相手である。

勝つのは堅守なのか? はたまた攻撃力か?
準決勝は明日26日、平塚で行われる。

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