« 堅守中京大、再び決勝の舞台へ | トップページ | 高校サッカー1回戦@埼スタ »

2010年12月31日 (金)

駒大高、国立で初陣を飾る

第89回高校サッカー選手権
1回戦@国立競技場
駒大高 2-1 大津
[得点者]
7分高平、67分須貝(駒大高)
17分若杉(大津)

最後まで目の離せない展開となったこの試合。前評判では経験値と個の能力で上回る大津有利と言われていたが、都大会からの勢いを持続する駒大高が大舞台で選手権初勝利を挙げた。

[駒大高スタメン]
ーーーー須貝ーーーーー
高平ーー山本ーーー黒木
ーーー長澤ー宮﨑ーーー
池田ー大畠ー松岡ー倉本
ーーーー岸谷ーーーーー

[大津スタメン]
ーーーー米良ーーーーー
宮本ー車屋ー若杉ー佐藤
ーーーー中村ーーーーー
遠山ー藤本ー植田ー成松
ーーーー松永ーーーーー

現役時代、ともに国立の舞台を経験している両監督。大津・平岡監督は帝京高校で優勝、駒大高・大野監督は武南高校で準優勝と、ともに輝かしい成績を残している。そんな「国立を知る」指揮官同士の戦いとなったオープニングゲームは、初出場の駒大高の先制パンチで幕を開ける。

Img_0267

開始直後、駒大高の「武器」である黒木のロングスローがいきなり大津ゴールを襲い、その流れから上がってきた池田がこの日最初のシュートを放つ。大野監督は「初出場でいきなり開幕戦の国立という舞台。さらに相手は強豪の大津ということだが、とにかく平常心で挑もう」と、対戦が決まった時から言い続けてきたのだが、選手たちにそんなプレッシャーはなかった。

最初から自分たちのカラーを前面に出し、流れを掴んだ駒大高は山本の突破などからも次々とチャンスを広げていく。そして7分、再び黒木のロングスローが大津ゴールを襲う。しかし、ここはDFが対応したかに見えたのだが、このクリアが小さく須貝がこれを拾ってシュート。だがポストに嫌われるのだが、こぼれ球を高平が蹴り込み駒大高が先制。

Img_0274

対戦が決まった時から、駒大高のロングスローを警戒していた大津高校のだが、実際に体験する「それ」は、想像以上の脅威であり、最後までこれに悩まされ続けていく。さらに直後の9、12、13分と立て続けにチャンスを掴み、このまま駒大高が前半を押し切っていくかと思われた。しかし、14分に与えてしまったFKから流れが変わり出す。

この場面、中に入ったボールをDFがクリアするも、こぼれ球を宮本に拾われ「あわや」というシーンを作られてしまう。続く17分、右サイドの佐藤からボールを受けた若杉が中央にドリブル突破。DF3人に囲まれながらも強引に放ったシュートはゴールに吸い込まれていき、早い時間帯で大津が同点に追いつく。

Img_0338

15分過ぎから、大津アタッカー陣のエンジンが掛かりだし、両サイドを攻略してチャンスを広げ、21分にも車屋がドリブル突破からシュートを放つ。ここはGK岸谷のファインセーブで難を逃れたが、個の力で上回る大津がペースを握っていく。

駒大高・大野監督からは「前で(ボールを)奪え」、「耐えろ」と選手に指示が飛ぶ。30分ぐらいまでは、完全に相手のサイドアタックに防戦一方となってしまった駒大高だったが、ここは何とか凌ぎきり同点のままハーフタイムを迎えた。

Img_0320

ロッカールームに戻った大野監督は「もっと前でボールを奪おう」と選手に声をかけると、後半は見違えるような動きとなる。ポゼッションでこそ大津の方が上回ったかも知れないが、高い位置でのプレスが見事にはまり、大津の攻撃に連動が消えていってしまう。その結果、大津は単発の攻撃を繰り返すだけとなり、効果的な攻撃を繰り出せなくなる。それに対して駒大高は高い位置でボールを奪い、素速く中に入れる攻撃を繰り返し、67分に生まれた須貝の決勝点に結びついていく。

手詰まりとなり、最後は植田を最前線に上げ、パワープレーに出た大津。駒大高もしっかり対応し、試合はロスタイムを残すのみとなったが、ここでドラマが訪れる。

左から入ったロングボールの競り合いで松岡が後ろから倒してしまい、土壇場でPKを与えてしまう。

Img_0620

キッカーはキャプテンの藤本。

誰もがこのまま決まってPK戦突入かと思われたが、またしても岸谷がスーパーセーブを見せる。熊本県大会でのPKのビデオを見た岸谷は、「同じコースには蹴らないはず」と読んで右に飛び、見事にシュートをはじき飛ばす。

劇的なラストシーンで幕を閉じた開幕戦。

この日のヒーローは得点を決めた須貝や高平ではなく、間違いなく岸谷だった。都大会途中まではサブとしてベンチで出番を待ち続けた苦労人。出番を待ち続け、試合にでられなくとも常に集中してきたことが、この日の活躍に結びついたといえるだろう。

Img_0637

駒大高には、目玉となるタレントなど存在していない。だからこそ、全員でそれをカバーしあう「和」がチームにある。さらには、大事な大会、試合で負け続けてきた苦い思いがあるからこそ、最後に掛ける想いも強い。

この先も、勝ち進めば全てが「格上」との対戦となる駒大高だが、この日のような全員攻撃、全員守備、そしてみんなのために走り続けるという気持ちを切らさなければ、大いに「化ける」可能性は高いかもしれない…

« 堅守中京大、再び決勝の舞台へ | トップページ | 高校サッカー1回戦@埼スタ »

高校サッカー」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/176307/50447944

この記事へのトラックバック一覧です: 駒大高、国立で初陣を飾る:

« 堅守中京大、再び決勝の舞台へ | トップページ | 高校サッカー1回戦@埼スタ »