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2010年12月27日 (月)

関大、見事な逆転勝利

大学サッカー選手権/準決勝@平塚
筑波大学 1-2 関西大学
[得点者]
37分瀬沼(筑波大)
78・84分藤澤(関大)

良くも悪くも「筑波らしい」と呼べる試合だった…

[筑波スタメン]
ーーーー瀬沼ーーーーー
ー上村ーーーーー小澤ー
ーー八反田ーー森谷ーー
ーーーー須藤ーーーーー
山越ー今井ー谷口ー不老
ーーーー三浦ーーーーー

[関大スタメン]
ーーー藤澤ー金園ーーー
ー海田ーーーーー中島ー
ーー田中裕ー岡崎ーーー
田中ー寺岡ー小椋ー桜内
ーーーー金谷ーーーーー

筑波1年生エース赤﨑を出場停止で欠き、この日は瀬沼をトップに起用。また、ここ最近はアンカーに使われていた谷口だが、前の試合でやや精細を欠いたこともあり須藤とポジションを入れ替えて試合に挑んだ。

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前半立ち上がりは筑波大ペースで進む。八反田、森谷が高い位置でボールを奪い、そこから両サイドの上村、小澤に展開。さらには最前線で待つ瀬沼へのスルーパスも次々と狙っていく。そして11分、小澤から縦1本のスルーパスが通り、瀬沼はGKまでかわしたのだが痛恨のシュートミスで決定機を外してしまう。(公式記録では、シュートとすら認められていない…)

これ以降、関大守備陣も落ち着きを取り戻し、筑波の攻撃に対して冷静に対応できるようになり、ボールを持つ時間も徐々に増え出していく。20分を過ぎると試合は一進一退の攻防が続き、緊張感のある試合となっていく。そのまま前半の戦いはスコアレスのままで終えるのかと思われたが37分、ついにスコアが動くことに。

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アンカーの須藤から八反田に繋がり、これを前線で待つ瀬沼に流すと、今度は右足で落ち着いてゴールに流し込み筑波が先制。前半はシュート数でこそ、3-4と関大より1本少なかった筑波だが、ポゼッション、決定機の数で上回り、リードを奪って後半戦を迎えた。

さて関大だが、1点は奪われたものの流れ自体は決して悪い者ではなかった。島岡監督は「マイボールになったとき、筑波の後ろ(アンカーの部分)にはスペースがあるから、もっと積極性を出し、そのスペースを素速く狙い、ゴールに向かう姿勢を強くしよう。そしてシュートで終わるようにしていこう」と指示を送って選手を後半のピッチに送り出した。

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すると後半は、2分にFKのチャンスを得て、桜内が後半最初のシュートを放って流れを掴んでいくと、ここから関大が目指す「全員サッカー」で筑波を圧倒していく。エース金園は、この日は周囲の引き立て役して前線で体を張り続け、中盤の田中、岡崎も積極的に攻撃に絡み、より分厚い攻撃で筑波守備陣にプレッシャーを与えていく。

後半の筑波は、自陣ゴール前に釘付けにされてしまうのだが、20分にやっと後半最初のチャンスが訪れる。関大守備陣がバックパスをミスしてしまい、これが瀬沼に渡り、願ってもない決定機を迎える。しかし、GK金谷が判断よく飛び出し、シュートを打たさせない。

金谷の勇気ある判断が好セーブを呼び込み、守りからもペースを作り出す関大。25分には中島が左サイドをえぐり、中へクロスを入れると金園がシュート。これは惜しくも枠を捉えきれず。その後も攻撃の手を緩めず、次々と両サイドから揺さぶりをかけ続け、ついに34分、途中交代で入った安藤のクロスに藤澤が合わせて同点とする。

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今季の筑波を象徴するような場面だった。

序盤の運動量があるうちは、自分たちの思うようにゲームを進めることが出来る。しかし、その運動量が試合終盤まで持つことは決して多くはない。こうなると、相手の運動量の前に、守勢に回ってしまう。また、アンカーシステムも、攻撃している時間はいいのだが、守に回ってしまったときにはスペースを一人でケアしなければならず、筑波にとっては諸刃の剣とも言えた。

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同点になり、さらに勢いづく関大。足が止まってしまい、為す術のない筑波。こうなると、後期の流経大戦(2-4/江戸川陸上)同様、逆転されるのは時間の問題であった。38分には金園が決定機を迎えシュートを放ったのだが、ここはポストに嫌われ、まだ運は筑波にあるのかと思われたが、その直後に今度は右サイドから崩され、オーバーラップした右SB桜内のクロスに藤崎がダイビングヘッド!

これが見事に決まってついに関大が逆転。

後半からの怒濤の反撃。チームが目指す「全員サッカー」の言葉通り、ディフェンスもフォワードも関係ない。守るときはみんなで守り、攻めるときはリスクを犯してでもみんなで攻める。とにかく最後まで足を止めない。やっているサッカーはすごくシンプルだが、11人だけではなく、ベンチ入りした選手、いや、部員160人全員が「同じ方向性」を向いているからこそ、チームはどんなときでもブレることは無かった。

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最後は1点を守りきった関大が決勝戦にコマを進めたのだが、内容的にみても関大の完勝であったことは間違いない。

さて筑波大だが、冒頭に書き記したように、今季のリーグ戦で敗れた試合と同じパターンで自滅してしまった。だからといっても、毎試合後半になると足が止まってしまう訳ではなく、中大戦のように、0-3から一気の逆転で5-3と勝利した試合もあった。しかしそれは、稀なパターンの方でもあるし、例えば前期最終戦となった拓大戦のように序盤で大量リードを奪ったのに、後半追い上げられて苦戦したゲームなどもあり、常に終盤の運動量とは筑波の課題であった。

風間監督が指揮を執り、今年で3年目。明らかに昨年より内容の濃いサッカーをしているのだが、求めることがハイレベルでもあり、なかなか監督が本当に満足するレベルにまでは到達していない。また、魅力的でおもしろいサッカーを求めるが故に、自分たちのリズムが崩されると非常にもろい一面を持っている。

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そんな現状を踏まえて風間監督は試合後、このように語ってくれた。

「内容的にも良くないし、(選手個々に)技術がない。

これにつきますね。

確かにシーズン当初より、格段に良くなっていますがサッカーにおいて「これでいい」という場所はありません。常に上を目指さないと、いいサッカー、やっていて楽しいサッカーにはなりませんから。

あれだけ(後半)相手にボールを与えてしまい、回されたらサッカーになりません。もう一度、技術と(崩れたときに立て直せる)メンタル部分を上げていく必要があります」

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監督だけではなく、選手自身も敗因はわかっていた。これで4年生は引退となるのだが、来年も主力としてチームに残る八反田や瀬沼、そして、この試合に出られなかった赤崎らが、引退していく先輩達の悔しさをどう引き継いでいくのか? そして監督が言った「足りないもの」をどう補っていくのか? 体力面、メンタル面でこれまで以上の精進を進めてトップレベルになれば、今年以上の結果を出せるはずだ。

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さて、決勝戦に進んだ関西大学だが、1月5日に国立競技場で中京大と大学日本一の座を争うこととなるのだが、決勝の相手はこれまで戦ってきた相手とはかなりカラーが違うために、非常にやりにくい戦いとなるだろう。

相手の中京大は堅守をベースとしたシステマチックな連動をベースにしたチーム。試合中に何度もシステムチェンジを繰り返し、相手の動き次第に瞬時に対応していく柔軟さを持ち合わせている。

準決勝の高知大 vs 中京大同様、決勝戦も攻撃力がまさるのか、守備力がまさるのか? という流れになるだろう。

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で、準決勝第二試合の高知大 vs 中京大はまた後ほど。

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