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2010年12月20日 (月)

2010JFL入替戦2ndレグ

2010JFL入替戦2ndレグ @浜川
アルテ高崎 1-1 三洋電機洲本
[得点者]
19分太田(洲本)
90+1分吉田(高崎)

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初戦で3-0と快勝し、JFL残留に向けて大きなアドバンテージを得たアルテ高崎。

入替戦2ndレグだが、アルテは2点差以内での負けでも残留が決まることから、かなり余裕があると思われていた。しかし、後藤監督も選手も、後期はホーム(浜川)で勝っていないこともあり、「絶対に勝って終わろう」という決意を強くしてこの戦いに挑んできた。

さてアルテだが、初戦に引き続き悩みの種を抱えていた。JFL最終戦での退場処分により、出場停止だった小川祐史は2戦目に出場可能となったが、入替戦1stレグでFWの松尾が退場となり、この試合では出られない。

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後藤監督は、初戦での戦い方を見て、2戦目は蹴り合う時間が多いだろうと予想。そうなったときに、前線で競り勝てる人物がどうしても必要であると考え、DFの小柴翔太を松尾の代役として2トップの一角に起用。

[アルテスタメン]
ーーー白山ー小柴ーーー
吉田ー岩間ー小島ー神谷
山田ー増田ー小川ー秋葉
ーーーー岩舘ーーーーー

[三洋洲本スタメン]
ーーー梅川ー中尾ーーー
ー森川ーーーーーー沈ー
ーーー村上ー成瀬ーーー
森田ー新居ー太田ー友定
ーーーー浅野ーーーーー

後藤監督は今週1週間のトレーニングで、「先週の3-0は忘れろ。試合の入り方は非常に大事。とにかく、集中して試合に入ろう」と選手に伝えていたのだが、監督の思惑とはまったく逆の「フワッ」とした不安定な立ち上がりを見せてしまう。

開始直後から、3点差のビハインドを取り返そうと、必死に攻め立てる洲本。アルテの守備が浮き足立っていることもあり、ボランチの村上がフリーになる場面が何度も訪れ、ここからサイドに展開して相手を揺さぶる攻撃を続ける。序盤からペースを握った洲本は19分、セットプレーのチャンスから、上がっていた太田が混戦のゴール前でいち早くボールを蹴り込み洲本が先制。

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確かに洲本は攻め込んでいたものの、3点という大きな壁もあり、どことなくアルテが「守りきれる?」という空気も流れていた浜川競技場。しかし、1点入ったことで、入替戦特有の緊張感も生まれだしていく。

アルテも1点を奪われてから、目が覚めたのか岩間にボールが集まりだし、やっとボールを繋ぐ「らしいサッカー」の片鱗が見えだしてくる。だが、どちらが優勢かと言われれば、やはり洲本。アルテはボールは回るようになったが、守備が甘い、相変わらず、ボランチの位置のスペースが気になるとところであったが、そこを村上は逃さず、ミドルレンジからシュートを放ち、アルテゴールを脅かしていく。特に33分のミドルは、岩舘のスーパーセーブがなければ、確実に2点目を決められていたところだ。

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前線、中盤の守備は甘いものの、最終ラインとの踏ん張りと、岩舘の奮闘があり、2点目を与えないアルテ。後半に入ると、起点としてボールを納めるプレーがイマイチだった小柴に代え、一柳を投入。そして前半で負傷していた秋葉から川里という交代カードをここで切ってくる。

この交代で活性化されたアルテは、2分の神谷のシュートを皮切りに、試合のながれを徐々に取り戻していく。また、洲本の動きも前半より、やや重さが感じられる。最初から飛ばしてきたツケが、ここにきて顔を見せはじめて来たのだ。

後半中盤に差し掛かると両者のラインが間延びしだし、ともにスペースが生まれることで、ノーガードの撃ち合いのような試合に変わりだしていく。両者に決定的な場面が訪れるのだが、どうしても点を奪えない。アルテとしては、この得点力不足が17位という順位で終わった大きな要因であるのだが、ここでもその悪い「癖」が出てしまう…

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試合終盤、なんとか2点差を追いつくために、死力を振り絞って攻撃に出る洲本。途中交代の稲垣、廣瀬が立て続けにアルテゴールにシュートを浴びせていくのだが、すべてシュートは岩舘の正面。刻一刻と時間が無くなっていく洲本。第4審判はロスタイムを目安を知らせる「3」という表示を場内に示す。

残された時間は3分。ここから2点を返せるか? であったが、ここでピンチを凌いだアルテが一気に逆襲。カウンターから素速く展開し、最後は吉田が蹴り込んで、欲しかった1点を最後の最後で奪い、やっとチームに安堵の表情が生まれた。

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洲本としては、あまりにも痛すぎる失点。試合はこのまま1-1のドローで終わり、トータルスコア4-1となり、アルテ高崎のJFL残留が決まった。

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正直に言えば、自分だけではなく、後藤監督も、戦っていたアルテの選手たちも、そして会場に訪れていた観衆も、なんとなく釈然としない試合内容でもあった。

試合後に、キャプテンの岩間選手に話を伺ったが、「決して3点のリードがあったから、(2点差以内なら)負けでもいいというつもりではなかったし、勝って終わるつもりだった」と答えてくれたのが、ホームで見せた試合は紛れもなく、後期に全く勝てなかったアルテと同じ姿。

シーズン序盤、中盤がフラットに並び、攻守の切り替えの早いサッカーに「可能性」を見せていたアルテ。名のある選手はほとんどいない。それでも、トレーニングすれば「ここまで戦えるようになるのです」ということを見せつけてくれた後藤アルテ。だからこそ、後期の戦いに期待をしていたのだが、得点力不足から来るリズムのズレが最後まで悪影響を及ぼしてしまい、前期の「いい流れ」を取り戻すことが出来なかった。

さて、後藤監督だが、試合後にこのようなコメントを残してくれている。

「とにかく胃が痛いです(笑)

JFLというカテゴリーから落ちたくないという意識が強すぎて、メンタル的に難しいゲームだった。

地域決勝を市原で見たときに、(洲本は)早いカウンター、チームワークの良さが目に付き、手強い相手だと思っていましたが、1戦目はまったく元気が無くウチがしっかり勝てましたが、今日は市原の時のように元気がありましたね。

選手には「集中しよう」とお願いしていたのですが…

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この入替戦を戦ったことで、何を得たということは特にありません。ただ、監督しても、選手としても『もう2度とやりたくない』ということだけは強く感じました。この『やりたくない』という思いが、来季の教訓になり、選手の闘争心、そして「勝ちたい」という強い気持ちに繋がってくれればと思います」

そして来季については、「まだ白紙」としたものの、このように語ってくれている。

「先のことはわかりせんよ(笑) ただ、自分がやるのであれば来季は3年目。1年目はとにかく守備の再構築のみでやってきた。今年は守備面でのベースがあったので、攻守の早い切り替えが出来るチームになるようにトレーニングを続けた。先のことはわからないけど、3年目があるならばこれまで積み重ねてきたものをベースに、もう一段上のサッカーを目指したいね」

内容はどうあれ、JFLに残ったアルテ。
この日は相手のカテゴリーが下であったからこそ、負けはしなかった。だが、相手が同カテゴリーであれば、負けていた可能性を感じさせるゲームであった。

確かに、アルテの勝てない要因は決定力不足であることは間違いない。しかし、決定力不足に関しては、どのカテゴリーでも同じ悩みは付いてきて回っている。その課題を克服するため、どのチームを工夫や試行錯誤を続けているのだが、アルテはどのようにして答え(やり方)を示していくのであろうか? 残念ながら、クラブに優秀なストライカーを獲得する資金力はない。だとすれば、一からチームを作り直すより、後藤監督の続投という方針が、現状で一番いい選択なのではないだろうか?

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得点力不足解消と同じく、チーム作りにおいても資金力のあるクラブは、そのマネーパワーにより1年で強力なチームを作り上げるが、そうでない場合の方が大半である。であるなら、2年、3年というサイクルでチームを作り上げることがベターであり、その中で種を蒔き、芽を伸ばし、花を咲かせるという「3年」のサイクルがベストであるはず。

そしてアルテは、後藤監督が続投すれば「3年目」となるのだが、このままの体制で花を咲くところをぜひ見たい気もするのだが、果たして現実はどうなるのだろうか…

今は、いち早くクラブが「来季体制」を発表することを望みたい。

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さて、敗れた三洋洲本の稲葉監督だが、ここまで勝ち上がってきてくれたチームにねぎらいの言葉をかけて、このように言葉を続けてくれた。

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「勝ちきれなかったが、ここまで選手たちは精一杯やってくれまして、本当に誇りに思っております。

ホームで0-3と敗れたこともあり、最低でも3点取って勝とうという意識で試合に入り、いい時間帯で1点取れました。ただ、欲を言えば前半でもう1点が欲しかったですね。

昨年は地域決勝に出たものの、1次ラウンドで敗退。しかし、今年はJFLが『あともう少し』というところまでたどり着くことが出来ました。チームが年々成長している姿を見せられて本当によかったです。技術、スピードでは、まだまだ格上には負けているかも知れませんが、諦めない気持ち、チームワークでそれを補うことが出来ていたと思います。

選手はそれぞれ力を着けてきているので、来年はこれまで以上に『勝負にこだわる姿勢』もっとを見せて欲しいですね」

結果的には戦前の予想通り、アルテに勝ち切れなった三洋洲本。しかし、地域決勝1次ラウンドから見せつけた「粘り」は、十分通用するところを見せてくれた。惜しいかな、この日の試合を初戦で出来ていれば、もっと僅差の戦い方ができたのであろうが…

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決勝ラウンドに残った4チームの中で、大変申し訳ないのだが一番戦力的に劣っているかも知れないと感じたのは三洋洲本だった。だが、前評判など本当に役に立たないものである。いざ、大会に突入すると、そんな下馬評を跳ね返し、見事に洲本は3位に入った。入替戦でこそ、格上に跳ね返されてしまったが、シーズン序盤の西日本大会から、年末の入替戦まで長いシーズンを戦ったことで、選手だけではなく監督にとっても大きく成長した1年となり、かけがえのない経験をすることとなった。

これまで以上に「濃い1年」を過ごした洲本。浜川で流した涙が、来季の歓喜となることを願いたいところだ。

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