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2010年12月 6日 (月)

2010地域カテ王者は讃岐に

第34回地域リーグ決勝大会
決勝ラウンド最終日 @市原臨海
三洋電機洲本 0-1 カマタマーレ讃岐
[得点者]
58分神崎(讃岐)

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決勝ラウンド2日目まで、1勝1PK勝ちの勝ち点5で首位に立つ讃岐は三洋洲本と対戦。この試合でも、持ち味の堅守と勝負強さを見せつけ、洲本を1-0で下して勝ち点を8とし、地域リーグ決勝優勝というタイトルも獲得してJFL昇格を決めた。

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さて、讃岐というチームだが、2006年の地域決勝、昨年の全社、そして今年のチームと見る度にカラーが変わっていた。

2006年から現在のチーム名に改称し、明確にJリーグを目指すこととなったが、当時は全国の強豪にまったく歯が立たなかった。チームはこの敗北から、これまで以上の強化を進めることとなるが、2007年に四国リーグで優勝を逃したことで、知名度があり、育成にも長けた指揮官を求めたクラブは羽中田昌氏に白羽の矢を立てる。

チームは新監督に、新しい選手を獲得し、これまでのスタイルから大きく姿を変え、モダンなパスサッカーで全国への挑戦を開始したが、2008年はVファーレン長崎の前に屈してしまう。そして2009年、四国リーグで優勝を逃してしまい、全社に復活を賭けて挑んだのだが、同じく全社復活をかけていたツエーゲン金沢の堅固なサッカーの前に、バルセロナのような攻撃サッカーを目指した讃岐はまたも敗れ去ってしまう。

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この敗戦により、クラブは羽中田体制の見直しを行い、理想論ではなく「勝てるチーム」を作り上げるため、ロアッソ熊本で指揮を執った北野誠氏を監督に招聘。そして今季の四国リーグをまず制し、地域決勝を睨んだ戦い方をするために全社に挑んできた。

今季の四国リーグでのパフォーマンスを見ていないこともあり、羽中田体制からどう変わっているのか興味があったが、全社で見た讃岐はまるで去年のツエーゲン金沢のような、堅守速攻型チームに変貌。チームの印象をがらりと変えた北野監督は、全社決勝で長野を下して優勝したあと、このようなコメントしてくれている。


「このチームはね、長野さんのようにポゼッションを高めたパスサッカーも当然出来ます。四国リーグではその戦い方で勝った試合も当然ありますから。

しかし、この大会(全社)では地域決勝を睨んでそういうサッカーをするのではなく、敢えて勝つサッカーに徹することを選手全員に伝えました。そのうえで、選手は戦術と役目をしっかり理解し、そして最高の結果を出してくれました。

よくね、地域決勝の権利を持っているチームに対して、『全社は調整の場』とかいう人もいるけど、このレベル(地域リーグ)の選手が簡単に調整なんて出来ないですよ。とにかく、試合をこなして強化を続けるしかないんです。それにね、四国という地域は、関東や関西に比べてまわりにJクラブも少ないし、強いチームもあまりないので、練習試合でいい(強い)相手となかなか組めない不利な点があります。

だからこそ、この大会(全社)では、同等、または自分たちよりも強いと思われる相手と緊張感をもって真剣勝負ができる最高の舞台なので、選手には全力で行って結果を残そうと伝えたし、自分自身、ロッソ(当時の名称)の時に全社を制したとき、選手が1戦ごとに自信を付けていくのが手に取るようにわかったこともあり、今の選手たちにも『この気持ち』をどうしても味あわせてあげたかったのです」


そして全社決勝が終わった直後、地域決勝の組み合わせ決定の報が北野監督の下に入ると、苦笑いしながら「また長野さんと一緒ですか…」とだけコメントしたが、その表情からは大きな自信が見えていた。

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今季、四国リーグ、天皇杯香川県予選、全社四国予選、第46回全国社会人大会と、同カテゴリーとの戦いでは、無敗のまま地域リーグ決勝大会を迎えた讃岐。高知ラウンドに振り分けられたが、同グループには全社上位を占めた長野パルセイロ、福島ユナイテッドが含まれ(あと1チームはさいたまSC)、1次リーグで最も注目を集めるグループとなったが、ここでも全社同様の「負けないサッカー」を終始貫き、最激戦区を1位で通過(出場12チームの中で最高勝ち点となる8を獲得)

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決勝ラウンド初戦では、今年の地域レベル最強の座を決める戦いといってもおかしくない「讃岐 vs 長野」の対決がまたも実現。今度の対決もドローで終わったが、内容では長野を終始圧倒。全社からの3連戦の成績を1勝2PK勝ちとし、4部カテゴリー最強の座を事実上ここで獲得。

2戦目のY.S.C.C.戦は、開始直後に失点、さらには同点にした直後にPKを与えてしまい、再び突き放されるというイヤな流れとなってしまうのだが、讃岐は慌てず組織的守備をまず立て直す。守りの中から流れをたぐり寄せ、前半ロスタイムに追いつくという抜群の勝負強さを見せつける。

最後の3戦目の三洋洲本戦は、前の試合で長野がJFL入り(2位以内)を確定させていることから、チームに「負けられない」というプレッシャーがかかり、体におもりを付けているかのような、キレのない動きに終始してしまい、三洋洲本の鋭いカウンターの前に危ない場面を何度も作られてしまう。

しかし、それでも失点しないところこそ、讃岐の強み。

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熊野實社長から「勝つチームにしてほしい」と頼まれて監督を引き受けた北野誠。就任してから取り組んだのは「選手の意識改革」からであった。自分たちがやっていて面白いサッカーをしていても、勝たなければ意味がない。勝つからこそ、サッカーがおもしろくなり、そして上手くなるというもの。だからこそ、選手には練習からでも勝負に徹しさせ、常に緊張感を持たせるようにしてきた。また、指導法、練習メニューだけではなく、味方のプレーや判定などに文句を言う選手に対しては容赦なく厳しく怒鳴りつけてきた。

すべては、「勝つ」ということを追求するために。

勝つチームというのは、必ずクリーンであり、気持ちが切れず、仲間をいたわり、そしてチームが1つになっているものであると北野は信じている。そんなことから、個人プレーよりも「フォー・ザ・チーム」を徹底させてきたのだ。

だからこそ、厳しい流れの中でも、讃岐は最後まで崩れることがなかったし、この日もセットプレーから奪った虎の子の1点をガッチリ守りきって今季最終戦も勝利で飾り、ついに同カテゴリー相手には無敗(※)のまま優勝。全社、地域決勝のタイトルをひっさげて、来季からはついにJFLに戦いの場を移すこととなった。

※通算成績:34勝2分1敗
西日本社会人大会:3勝(
うち2PK勝ちも含む→優勝)、四国リーグ:12勝2分(優勝)、全社香川県予選:2勝、全社四国地区予選:2勝、天皇杯香川県予選:3勝、第46回全国社会人大会:5勝(優勝)、天皇杯本大会:1勝1敗(1回戦→1-1PK5-4 高知大学、2回戦→1-4 大宮アルディージャ)、地域決勝:6勝(うち2PK勝ちも含む→優勝)

表彰式のとき、キャプテンを務めた下松、そして決勝点を挙げた神崎の二人は涙を流していた。ともに、バンディオンセ神戸(のちに加古川)時代に全国の舞台まであと一歩、という所まで行きながら悔しい思いをしてきた両者。悔しい思い、辛い思い、現役を離れていった仲間のこと、そして讃岐で支えてくれた仲間やサポーターのことを思うと、涙が溢れてきたそうだ。

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そんな彼らが、チームで大黒柱として牽引。また、びわこ草津や三菱水島では思うようなパフォーマンスを見せられなかった波夛野は、地域決勝で抜群の働きを見せてくれた。このチームには、突出した選手は誰一人としていない。前線には、ターゲットマンとなる長身選手もいない。その代わりに、160センチ台の小さなアタッカー陣が小気味良い動きを見せていく。

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そう、一人に頼るのではなく、全員がそれぞれのタスクをさぼらず遂行してこそ、讃岐の堅実なサッカーが生まれるというもの。

結果的に、全社の優勝、準優勝がそのまま地域決勝でも同じ順位となり、ある意味で妥当な結果となった今年の大会。ただ、讃岐、長野の両サポーターにとって、「何年待たせるんだよ…」という所かも知れないが、続けてきたらこそチームは歴史を積み重ね、ここまで来たのだと思う。

しかし、この両チームはJFLに上がるところが「終着点」ではない。

その「次」のために、もう動き出さなければいけないはずであり、この先の進化に大いに注目したいところだ。

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とにかく、カマタマーレ讃岐の皆さん、優勝&JFL昇格おめでとうございます。

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