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2010年12月19日 (日)

インカレ1回戦、高知大完勝

第59回全日本大学サッカー選手権
1回戦 @西が丘サッカー場
鹿屋体育大学 0-2 高知大学
[得点者]
99分芝野、105分竹内(高知大)

ともに地方大学とはいえ、近年は都市近郊の有力大学と同等の力を有するようになった者同士の対戦が1回戦で実現。当初はかなりの接戦になるかと思われたこの試合だが、予想外のゲーム展開で終始進んでいくこととなる。

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[高知大スタメン]
ーーー福本ー布施ーーー
ー芝野ーーーーー香川ー
ーーー酒井ー西山ーーー
塚本ー山部ー實藤ー赤木
ーーーー片山ーーーーー

[鹿屋体大スタメン]
ーーー大山ーー岡田ーーー
ー多田ーーーーーー岩崎ー
ーーー野林ーー村川ーーー
山﨑ー與那嶺ー代田ー前田
ーーーーー井上ーーーーー

メンバー表を見たときに、鹿屋体大の方に「期待の選手」の名前がスタメンになく、やや残念であった…

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その選手の名は桃井宏和。佐賀東で見せたパフォーマンス、そして去年の天皇杯でのハットトリック。あの強烈な印象が残っていることもあり、どうしても彼のその後、そして成長を見たかったのだが、残念ながらこの日はベンチスタート。

さて試合だが、鹿屋のいきなりの先制パンチでスタートする。開始直後、いきなり右サイドの岩崎が持ち込んでシュート! このシュートはポストを直撃してゴールインならず。本当に立ち上がりのファーストタッチで、いきなりシュートまで持ち込んだ鹿屋。しかし、このシュートが決まらなかったことこそ、この日の流れを全て決めてしまったような気がする。

この開始直後のシュートで鹿屋はいい流れで試合を進められるかと思ったが、そうはいかなかった。高知大にとっては、寝起きにいきなり奇襲を喰らったような形となったのだが、ここは運も味方して「あわや」のピンチを切り抜ける。すると、すぐさま落ち着きを取り戻し、さらには鹿屋を圧倒していくこととなる。

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前線でターゲットマンとして抜群の働きを見せた福本。その福本をフォローし、ボールを左右に散らすだけではなく、自ら果敢にドリブル突破を仕掛けてチャンスを切り開いた布施。サイドアタッカーでありながら司令塔的な動きも見せ、攻撃を牽引した香川、左サイドを切り裂いた芝野といった攻撃陣が、実に素晴らしい動きを見せつける。

確かに攻撃陣の動きは良かった。しかし、それ以上に見逃してはならないのは攻守の切り替えを速くして、全体のテンポアップを推し進めた西山、酒井のボランチコンビの動きである。2人の献身的な動きがあったからこそ、セカンドボール、ルーズボールを確実にマイボールとし、さらには相手ボールを高い位置から奪い、攻守にいいリズムが生まれていく。

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4分に福本がファーストシュートを放ち、12分には香川のスルーパス1本から福本が抜け出し、この日最初の決定機を迎えるのだが、ここは痛恨のシュートミス。16分には立て続けにCKのチャンスを掴むなど、試合は一方的な高知大ペースで進んでいく。

なんとか劣勢を押し返したい鹿屋だが、相手の速い動きに対応できず、開始直後のチャンス以来、まったくいい場面を作り出せない。しかし30分、ここまで耐えに耐えてきた鹿屋にやっとチャンスが訪れる。カウンターから一気に相手ゴール前に攻め上がり最後は大山がシュート! しかしこのシュートもポストを直撃し、どうしてもゴールを奪えない。だが、ここでも鹿屋の攻撃は単発で終わってしまい、すぐさま高知大のペースとなってしまう。

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そして36分、右サイドを突破した高知大SBの赤木が中央に絶妙なクロス。これを中で待っていた香川がボレー一閃。完璧なタイミングで放たれた一撃は決まったかと思われたが、鹿屋GK井上がファインセーブを見せ得点を与えない。

前半はなんとかスコアレスで折り返すことが出来た鹿屋体大。ハーフタイムの修正でどこまで挽回できるか注目していたのだが、後半になっても相手攻撃陣の動きを捉えることができない。いや、修正するどころか後半に入ると前半以上に相手の攻撃をファールで止めてしまう場面が増えだし、さらに悪循環を繰り返してしまう。

どうしても流れを掴むことの出来ない鹿屋体大は、後半18分ついに桃井を投入。彼の攻撃センスに望みを託すのだが、高知大ディフェンス陣の前に「らしさ」を封じ込められてしまう。

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攻撃では前半以上に手も足も出せなくなっていた鹿屋だが、試合終了間際に死力を振り絞って反撃に出る。セットプレーからチャンスを掴み、パワープレーに出る鹿屋はこの日初めての「たたみ掛ける攻撃」を見せるのだが、高知大守備陣はこれを冷静に対応しきって90分間の戦いが終了。

残された時間は延長戦の20分(10分ハーフ)のみ。

こうなると、高知大の攻撃が優るのか、鹿屋が最後まで凌ぎきるかに懸かってきたのだが、ここまで高知大の猛攻に晒されてきた鹿屋に体力は残されていなかった。

延長前半9分、高知大はFKのチャンスを得るのだが、直接ゴールマウスに飛んでいったボールは鹿屋2番が頭でクリア。しかし、このクリアボールがゴール前にフリーだった芝野の目前に流れ、これを豪快にボレーで蹴り込み高知大がついに均衡を破る。

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この場面、鹿屋GKの井上にとっては不運だった…
芝野のシュートが味方DFによりブラインドとなってしまい、コースを見切ることが出来なかったのである。

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1点ビハインドとなった鹿屋体大。残された時間は延長後半の10分しかなかったのだが、延長後半5分にも2点目を奪われて万事休す。結果的に、延長戦まで戦うこととなったが、内容的には高知大の完勝で試合は幕を閉じた。

予想以上に何もさせてもらえず、悔しい敗戦となってしまった鹿屋体大。そして大会前に、佐賀東の1年後輩である、赤崎秀平がいる筑波大とぜひ対戦したいとコメントしていた桃井だが、その願いをこの大会で実現することが出来なかった。4年生の悔しい思い、そして自身の叶わなかった願いを実現するためにも、来年は本物の「エース」に成長することを願いたいところだ。

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さて、試合に勝った高知大・野地監督は「いつ点を取ってくれるのかヒヤヒヤでした…『なんでもいいから早く1点を取ってくれ』という状態で試合を見ていましたよ」と苦笑いしながら語りはじめ、次のようなコメントを残した。

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「90分で決められなかったことは残念だが、勝てたことは本当によかった。この試合では4年生が多かったこともあり、最後の最後で意地を見せてくれたと思います。

今日の試合では、ほとんどの時間帯で優位に(試合を)進めることが出来ましたが、連動の大切さ、そしてファーストディフェンスの重要さが改めてわかる試合でもありました。選手たちは、大きな舞台でも自分たちのサッカーをやり切り、そしてサッカーを最後まで楽しんでプレーしてくれて監督として嬉しかった。

組み合わせが決まったときに、『ぜひ明治とやりたい』と話をしていたので、その目標が叶ったので、次に向けていい準備をしてきます」

総理大臣杯では、2回戦で駒大の前に惜しくも0-1で敗れてしまった高知大学。いい試合を繰り広げながらも、最後は相手のパワーサッカーの前に屈してしまった夏。あれ以降、チームは『インカレ』を目標に練習を重ね、その中で中心選手の一人である實藤がアジア大会のメンバーに選ばれるなど、選手はそれぞれスキルアップを果たし、チーム力も格段に上昇していったのである。そう、1年の集大成でもある「この大会」で勝つために。

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この日の第2試合では、明治大学が新潟経営大学を11-0と大差で下し、23日に行われる2回戦での激突が決まった。

しかし、高知大学は何も恐れることはないだろう。
この日見せたパフォーマンスを見せることが出来れば、全国有数のタレント軍団である明大に対しても後れを取ることはないはずだ。また、夏に敗れた駒大のような縦に蹴ってくるチームより、ゲームを組み立ててくる明大の方がやりやすいだろう。

明治大学 vs 高知大学

このカード、2回戦でやってしまうには、なんとももったいないカードである。
国立大学のサッカー部が、私学の雄にどう対峙するのか? 今から楽しみでならない一戦だ。

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