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2010年11月16日 (火)

千葉決勝は再びライバル対決に

千葉県予選といえば、流経柏、市立船橋、八千代、幕張総合、習志野などの強豪校がひしめき合い、ここ数年は予選突破することが全国一厳しい地区になっている。そんな激戦区も、残すところ決勝のみとなったが、決勝戦のカードは3年ぶりの「赤と青」のライバル対決となった。

ということで、14日に行われた全国高校サッカー選手権・千葉県予選の準決勝2試合を振り返ります。

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全国高校サッカー選手権・千葉県予選
準決勝第一試合 @柏の葉総合競技場
流通経済大学付柏 1-0 柏日体
[得点者]
10分田宮(流経柏)

試合のスコアこそ、最少失点差の試合だったが、試合全体から見れば、流経柏の完勝であったことは否定しない。しかし、いい試合であったかと言えば、完全に「No」であり、試合後、1時間以上もロッカールームで続けられた本田裕一郎監督の「お説教タイム」が内容の悪さを物語っていた。

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試合は序盤からいつものとおり、前からガンガン仕掛けてくる流経柏の鬼プレスの前に、柏日体は為す術無く防戦一方となってしまう。その流れから、序盤からファールを繰り返してしまう柏日体守備陣。そして10分、FKから前線に上がっていた増田の折り返しに最後は田宮が押し込み、流経柏が早くも先制する。

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早い時間での先制点。そして圧倒的な流経柏のペース。
このまま行けば大量得点差になってしまうのか… と思ったのだが、元々劣勢で戦うことを予想していた柏日体は、失点後からFWの10番柏崎が1.5列目に下がり、実質4-4-1-1という形に変え、流経攻撃陣に対応。そしてここからの流経柏は、ボールこそキープするが、なかなかバイタルエリアに進入出来ず、遠くからシュートを打つだけの単調な攻撃に終始してしまう。ただ、柏日体も守備では奮闘するものの、攻撃面では良さを何も見せられず、シュート0で前半を終える。

さて後半途中から、相手の堅い守りを打ち崩すために、流経柏はサイドアタッカーの吉田とFWの田宮の位置を変え、なんとか柏日体の守備を打ち破るためにテコ入れを図る。そして、このポジションチェンジは時として田宮もトップの位置に上がる4-3-3にも姿を変えていく。

すると、前半のように縦に蹴って展開するサッカーではなく、ハイプレスからボールを奪い、繋いでゲームを作っていく「流経柏らしさ」が顔を出してくるのだが、柏日体も体を張った守備で徹底対応。しかし、いくら体を張り続けても、流経柏の猛攻は止まらず、15分、16分と立て続けに決定機を迎えるのだが、FW宮本や途中交代で入った中村が決めきれない。

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そして後半33分、CKのチャンスがまたも宮本が抜け出して、無人のゴールに流し込むだけ… という場面を迎えるのだが、ここでもシュートを外してしまい、試合は結果的に1-0のまま終了してしまう。

柏日体がこの試合で決定機を迎えた場面は1度も無かったので、点差は別として流経柏の完勝ではあったが、本来なら3-0、4-0で終わらせていなければいけない試合と考えてもおかしくはない。さらには、次が決勝戦なのだから、気持ちよく勝って次に繋げたかったところだが、ため息しか出ない試合をしてしまったことはやや気がかりでもあった。

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準決勝第二試合 @柏の葉総合競技場
八千代 0-3 市立船橋
[得点者]
43分山野辺、50分水谷、61分石原(市船)

ともにプリンスリーグ関東の1部で戦っているチームであり、ハイレベルな争いが期待された第二試合は、緊張感漂う展開で試合は始まっていった。

市船はすでにお馴染みである、9番水谷を1トップに置く4-2-3-1のシステムで来たのに対し、八千代はFW登録の密本が左サイドに入り、22番大塚がトップ下に入る4-4-1-1のシステムをぶつけてきた。

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今年のプリンスリーグでは6-0と市船が圧勝しているが、この日は序盤から拮抗した試合となる。ともに中盤のつぶし合いが続き、第一試合とは全く違う拮抗した展開が繰り広げられる。一進一退の攻防が続く中、八千代は大和久、大塚という縦のラインが機能して、徐々にペースを握り、27分には大和久のあわや先制点!というスーパーミドルも炸裂する。

ここは、GK高橋のファインセーブで凌いだが市船。守備面では「さすが」と思わせる堅さを見せるのだが、攻撃面ではイマイチ波に乗れない。司令塔の藤橋の動くスペースを、ことごとく相手守備陣に潰され、動きを制限されてしまい攻撃の形を作り出せない。

前半はスコアレスで終えた第二試合。八千代としては、策が見事にはまった形であり、このままいい流れを持続して点に結びつけたいところであったが、市船・石渡監督は後半に向けてシステムを変更して勝負を賭けてくるのであった。

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左サイドアタッカーの山田を下げ、FWの和泉を後半から投入。水谷の1トップは変わらないが、和泉をその下の1.5列目に置き、藤橋を右サイドに配置転換し、八千代と同じ4-4-1-1システムに変えてきたのだ。

そして、この交代策がズバリ的中する。前半はトップ下の位置で、スペースを奪われて動きを制限されていた藤橋だが、スペースを得たことにより、自由に右サイドを突破して次々とチャンスを作り出していく。

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いきなり流れを掴んだ市船は、ここから自慢の「勝負強さ」を発揮していく。後半3分、CKのチャンスから山野辺が押し込んで均衡を破ると、後半10分にもFKからのチャンスを最後は水谷が蹴り込んで、早くも2点差を付ける。なんとか流れを取り戻したい八千代は12分、17分に選手を入れ替えて打開しようとするが、市船に傾いた流れを押し戻すことが出来ない。

さらに後半20分、8番石原が左サイドをドリブル突破してPAまで進入。ここで八千代DFが倒してしまい、痛恨のPK献上。自身の突破でチャンスを獲得した石原がそのままPKを決め、これで3-0として完全に勝負あり。

前半の悪かった部分をしっかり把握し、後半には的確に修正し流れを掴む。そして流れから奪ったセットプレーを確実に点に結びつける効率の良さ。リードしてからのソツのない試合運びといい、さすが今年のインターハイ王者だ… と思わせる隙のない試合を見せた市船であった。

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さてご覧の通り、千葉県予選の決勝は流経柏 vs 市立船橋の間で行われることが決まったが、今年も「事実上の選手権決勝戦」と言っても過言ではないだろう。

今年の千葉県で行われた大会で一度も負けてはおらず、全国一のハイレベルを誇るプリンスリーグ関東1部ではJクラブユースを押しのけ2位に入り、全日本ユースでも8強進出を果たした流経柏。そして、プリンスリーグでこそ9位に終わったが、インターハイで優勝を飾った市立船橋。本当は、この両校を選手権に出してもいいのでは? と思うほどなのだが、冬の選手権では千葉県は1校となっているので、どちらかしか出れないのは致し方のないところ。

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で、両者の対戦は今年に入って公式戦で3回実現しているが、プリンスリーグ(3-0)、総体予選決勝(2-0)、全日本ユース(2-1)と、3戦すべて流経柏が勝利しているのだが、あまり過去の結果は両者の対戦において参考にならないと言える。春先から夏前は、選手層が厚い流経柏が優位に立っていたが、夏のインターハイを経て成長した市船が猛烈な追い込みを見せている。

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石渡監督も、夏以降の1、2年生の成長に大きな手応えを感じており、準決勝でも存在感を見せた1年生小出悠太のパフォーマンスを手放しで喜んでいた。また、今年のチームの能力は昨年よりも高く、後から(交代で)出てくる選手にも十分期待が出来るので、80分間の中でいつでも勝負できることに、頼もしさを感じてきているそうだ。

さて流経柏だが、準決勝の内容はお世辞でも良くなかった。しかし、だからといって流経柏の評価が下がった訳ではない。

市船・石渡監督も「決勝は決勝ですからね。(流経柏も)プレッシャーも大いに感じていたはずだから、準決勝の出来なんて関係ないですよ」とコメントしているほどだ。

そして、この日は流経らしいプレッシングサッカーを体現する吉田、田宮、宮本、進藤、富田らの攻撃陣はやや不調であったが、流経勝利の鍵は、攻撃陣よりも守備の要の存在感にあると考える。近い将来「山村二世(流経大3年でU-21日本代表)」と呼ばれるであろう、増田繁人のキャプテンシーがしっかり発揮されれば、流経柏の屋台骨を支える強固なディフェンスラインはそう簡単に破られない。

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全日本ユース・ラウンド16で死闘を繰り広げた両者の戦いは、これまで以上に厳しい戦いになることが予想されるが、決勝のポイントは間違いなく、市船が流経の「鬼プレス」にどこまで対応出来るかに懸かってくるだろう。ハイライン・ハイプレスサッカーの流経柏が優るのか? 堅守からの一撃必殺で市船がライバルを沈めるか? 千葉県のみならず、全国が注目する決勝戦は11月21日、13時から市原臨海競技場で行われる。

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