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2010年10月18日 (月)

松江、ドラマチックに散る

第46回全国社会人サッカー選手権
2回戦 @乃木浜Aグラウンド
tonan前橋 2-2(PK5-4) ヴォラドール松江
[得点者]
14・97分氏家(tonan)
28・99分吉岡(松江)

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今年から中国リーグに昇格してきたヴォラドール松江だが、リーグ戦序盤でレノファ山口に勝利して一気に波に乗り、終盤まで優勝争いを演じてきたチーム。最後はデッツオーラ島根にも抜かれて3位で終わったが、お世辞にもそれほど知名度の高い選手はいないのになぜ強いのか? その答えがどうしても知りたかったし、どうしても、その「気になるチーム」を見ておきたかった…

[tonanスタメン]
ーーー反町ー松永ーーー
ー渋谷ーーーー小仁所ー
ーーー山田ー氏家ーーー
林田ー間下ー柳澤ー山本
ーーーー金子ーーーーー

[松江スタメン]
ーーー澁山ー尾島ーーー
ー小川ーーーーー石富ー
ーーー樋口ー松本ーーー
錦織ー吉岡ー須藤ー油木
ーーーー伊藤ーーーーー

tonanは1回戦から5人スタメンを変えてきたのに対して、松江は9番森が13番石富に変わっただけのメンバーでこの試合に挑んできた。この大会で地域決勝出場権を目指すtonanは、連戦を見据えてメンバーを入れ替えてきたが、松江にはターンオーバーする余裕は正直なかった。

tonanのキックオフで始まった試合は、いきなり氏家のシュートで幕を開け、個々の能力で上回るtonanが序盤からペースを掴んでいく。4分には左SB林田のシュートでCKのチャンスを奪い、これに山田が頭で合わせて続けざまに松江ゴールを脅かしていく。なかなかペースを掴めず、相手のプレッシャーの前に引いてしまう松江は14分、またも訪れたCKのピンチに、氏家に頭で合わされ先制点を奪われてしまう。

しかし、ここから試合は大きく変わっていく。

本来なら、この先制点でtonanはしっかり試合を勝ちパターンに持って行かなければいけないのだが、両サイドは連携が合わず、分厚い攻撃になっていかない。さらに、反町、松永の2トップが大ブレーキで空回りが続いていくと、徐々に松江のボランチ松本、樋口からいいボールが前線に供給されるようになる。

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23分、26分と連続してチャンスを作った松江は、さらに相手陣内深い位置でFKのチャンスを得ると、キャプテン吉岡が頭で合わせ試合を振り出しに戻す。勢いづいた松江は守備でも冴えを見せていくようになる。30分には連続攻撃を浴び、ゴール前で山田にフリーでシュートを打たれてしまうが、伊藤が神懸かりなビッグセーブを見せ2点目を与えない。

その後も一進一退の攻防が続き、前半は1-1で折り返すが、両軍のHTの表情は全く違うものだった。

元Jリーガーもメンバーに名を連ねる相手に、序盤こそ引いてしまったが、中盤から互角以上の展開を見せた松江は「やれる」という手応えを掴み、廣瀬監督も「集中してやれているし、前半のうちに追いつけたのは本当によかった。セットプレーを大事にしながら、残りの40分も集中してやっていこう」と笑顔で選手を送り出す。

これに対してtonanの菅原監督は「相手は前の4人でしか攻撃してこない。大丈夫。うちの方が攻撃ができている」と前半を振り返ったが、キャプテンの氏家は違った。

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「みんな、話をちゃんと聞け。今もさあ、ちゃんと聞いてないだろ? それぞれが勝手なことをやるから、連携がバラバラになってミスしてボールを奪われてしまうんだよ。自分がミスしてしまうこと、余計力んだプレーになり流れを悪くしてしまう。いいか、よく聞け。しっかり4-4-2のポジショニングを確認して、落ち着いて繋いでやっていこう」

うーん… どっちが監督なのだろうか…

それはともかく、氏家の檄に目を覚ましたtonanが後半は両サイドバックと2列目が連動した分厚い攻撃を次々と仕掛けていく。だが、相変わらず2トップの決定力不足は変わらない。10分には左サイドを切り裂いた林田から絶妙のクロスが中に入るが、なんと中の2人ともこれを合わせられず…

13分にもゴール前に飛び出した反町がGKと1 vs 1になるが、ここでも決められず、さらには19分に渋谷が放ったミドルはクロスバーに阻まれて、どうしてもゴールを奪えない。

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相手の動きもよくなったことで、守備の時間が増えた松江だが、集中を切らさずに粘り強い守備でゴールに鍵を掛け、カウンターから逆転の機会を狙っていく。後半は互いのゲームプランがしっかり反映され、1点を争う好ゲームとなっていく。しかし36分、松江の左SB錦織が2枚目の警告を受け、レッドカードで退場となり、残り時間を数的不利で戦うことになってしまう。

それでもキャプテン吉岡と、須山が中央を固める松江守備陣が奮闘。

ここで、この試合は延長入りするな…と感じて、残り3分で隣のグラウンドで同時進行している「トヨタ蹴球団 vs ノルブリッツ北海道」の試合へ。こちらに関してはまた別の機会で。

予想通り、A会場はロスタイムに得点は入らず、そのまま延長戦入りしたが、さすがに10人の松江は厳しいかと思われたが、2戦連続で延長戦入りしたtonanも厳しいことは変わりはなかった。我慢比べのような試合になっていたが、延長後半にtonanは絶好の決定機を迎える。延長後半5分、松江DFがPA内で痛恨のハンドでPKを与えてしまう。これをキャプテンの氏家が決めて、待望の2点目が入る。

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これで勝負ありかと思われたが、松江は最後まで諦めない。試合終了直前の延長後半9分、CKのチャンスを得ると、自陣にはGKだけを残して全員相手ゴール前に集結。そして樋口の蹴ったボールに、吉岡が頭で再び合わせて土壇場で追いつくという、ドラマチックなシーンが訪れた。

鳥肌モノでしたわ…

だが勝負はこれでは終わらない。3回戦(準々決勝)に進出するチームを決めるためにPK戦へ

ここまで、粘り強く戦ってきた松江だが、5人全てゴールに蹴りこんだtonanが勝利して、次の試合へとコマを進めた。

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敗れてしまった松江だが、攻守のメリハリがあり、非常に整備されたチームで、将来がとても楽しみなチームであることを知らしめてくれた。今年の中国リーグでの快進撃も、今日の試合を見ればフロックでもまぐれでもないことは、見た人全てが感じたはずであろう。

ここまで廣瀬監督のもと、信じてやってきたサッカーが間違いではないことが証明できたし、格上と思われる相手でも勇気を持ってプレーした選手は手応えを感じていた。だからこそ、負けたとはいえ充実感を感じて大会を後にしたのだが、この試合が終えたことで、ヴォラドール松江は新たなスタート地点に立ったともいえる。

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今季は無我夢中で戦ってきた。その中で結果を出せたが、来シーズンは今年の経験をベースに、本格的に「全国への挑戦」を明確にしていかなければならない。より高い位置への挑戦…

この日の戦いは、「J」のつく場所への第一歩を歩み出すための、記念すべき試合だったのかも知れない。

さて最後に、勝利したtonan前橋についてだが、辛口な評価しか付けられないことは否定できない。個々の実力は高いのに、チームとしていつもまとまりがない。これは関東リーグ序盤の時と何も変わってはおらず、課題が克服されていないことを証明してしまった。

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tonanが地域決勝の出場権を得るには、FWの決定力不足が解消されるのではなく、チームとして一体感が出ないかぎり無理といわざるを得ないだろう。ハーフタイム時の氏家の檄に、ほかの選手たちがどう思ったのか… チームを引っ張るベテランの声に応えることが出来れば、明日以降の結果も変わってくるかも知れない。

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