« 高円宮杯・ラウンド16を終えて | トップページ | 残された時間でやるべき課題は? »

2010年10月 2日 (土)

怒濤の3分間

JFL後期第10節 @江戸川
町田ゼルビア 3-0 V・ファーレン長崎
[得点者]
63分勝又、65分木島、66分柳崎(町田)


多少の入れ替えはあったものの、ほぼ不動のメンバー&システムでこの一戦に挑んできた両者だが、長崎の方はやや「そうくるか…」と思わせる選手起用をやってきた。

[長崎スタメン]
ーーーーー有光ーーーーー
ー神崎ーーーーーー熊谷ー
ーーー山城ーー川崎ーーー
ーーーーー山本ーーーーー
幸野屋ー加藤ー藤井ー杉山
ーーーーー近藤ーーーーー

前節の秋田戦で、杉山琢也の出場停止を受けて出場した幸野屋敏行の出来に次第点を与えた佐野監督は、今節もスタメンに起用。そして、これまで左SBとして出場してきた神崎大輔を、不調が続いていた宮尾に代えて3トップの一角として起用。

[町田スタメン]
ーーー勝又ー木島ーーー
ー酒井ーーーーーー星ー
ーーー柳崎ー太田ーーー
久利ー津田ー深津ー藤田
ーーーーー近藤ーーーー

町田は前節の栃木ウーヴァ戦から、CBの雑賀が深津に変わっただけの布陣を敷いてきた。

さて試合だが、立ち上がりからホームの町田が積極的な攻撃を見せる。スペースにうまく抜けようとする勝又。強引にでも突破していこうとする木島という、カラーの違う2トップが序盤から長崎守備陣にプレッシャーを与えていくと、2列目の星、酒井もいい攻撃参加を見せ、町田が試合のペースを握っていく。

Img_0141

 

序盤は町田の攻撃に押し込まれ、良い場面を作れない長崎。悪い流れを断ち切れない長崎は18分、自陣ゴール前でパスを木島にカットされ、あわや先制点という危険な場面を招いてしまう。その後も町田ペースで試合は進んでいくが、27分、ようやく長崎にもチャンスが生まれる。

中盤で山城が相手ボールを奪うと、素速くタテにスルーパスを入れる。ゴール前に有光が飛び込むも、ここは町田GK吉田が身を挺してセーブ。得点には結びつかなかったものの、このチャンスからやっと長崎は反撃の機会を得る。ここからは一進一退の攻防が続き、両者ともにチャンスが迎えるが、シュートの正確性を欠きゴールを奪えないまま前半戦は終了。

Img_0248

シュート数こそ町田8:長崎6と大きな差は無かったが、決定的な場面の数上回ったのは町田であり、30分以降は長崎も盛り返したとはいえ、町田のペースで試合が進んでいることは否定できない前半戦であった。長崎としては、前半同様の粘り強いディフェンスを続け、その上で持ち味であるポゼッションを高めて、ピッチを広く使った攻撃に活路を見いだしたいところだったが、なかなかそうはいかなかった。

後半は長崎が2分にCK3連続というチャンスを掴むのだが、ここで得点を奪えず再び町田にペースを握られてしまう。町田は相変わらず2列目のアタッカー、星、酒井の動きが良く、長崎の中盤が徐々にラインを下げてしまう。山城のポジショニングも、アンカー役の山本の位置まで下げられ、前線の3人との距離感も離れてしまい、ボールを奪っても素速い攻撃に繋げられない。

Img_0389

そして後半17分、試合のスコアがついに動くことに…

左の酒井が中に切れ込んで行き、右サイド前にいた星にスルーパス。これを星が素速く中に低いクロスを入れると、勝又が合わして町田が先制。

先制点を奪われた直後、長崎は前線のターゲットマンとして森田を投入し、長崎のキックオフでゲーム再開。しかし、このボールを太田康介に奪われて、酒井に渡り、ドリブル突破を許してしまいクロスを上げられると、木島があっさり頭で合わしてあっという間に2点目。

そして再び長崎のキックオフでリスタートとなるのだが、なんとまたもこのボールを奪われて、センターサークル付近で勝又にボールが渡るとそのまま突進。左前を走る木島に縦パスを送ると、これを受けた木島がワントラップ目で藤井のマークを見事に外し、ここで勝負あり。体勢を悪くしながらも木島が右に流すと、フリーで後ろから走り込んできた柳崎は流し込むだけだった…

Img_0410

たったの3分間で、あっという間の3得点。

この場面での長崎だが、キックオフ直後にボールを奪われたことよりも、奪われた後の中盤のチェックの甘さよりも、左右に揺さぶられたときの弱さよりも、そこでチームの流れを「変えようと」しなかったことに対して疑問を感じてしまった。

得点を奪われたあと、誰かが声を出してチームを鼓舞するわけでもなく、ただ淡々とリスタートして奪われて失点という最悪の流れ。先制点を奪われたあとの2失点は、完全に集中を欠いてしまった長崎。あっと言う間に3点を奪った町田は、残り時間を悠々と終わらせるだけで十分だった。

Img_0458

なんとか1点を取ろうと、最後まで必死の攻撃に出る長崎だが、引き気味となった町田守備陣を崩せず、結局0-3で完敗。「たられば」はよくないのだが、2点目の失点がなければ、まったく違う試合展開になっていたと思う試合でもあり、なんともあの「3分間」が悔やまれるゲームであった。ここ最近の8試合で負けナシの長崎だったが、この敗戦により、松本、秋田、琉球の結果次第では8位転落の危機を迎えてしまった。

--------------------------------

試合内容・結果に関しては、町田の快勝で終わったが、両者にとってこの試合は、いろいろな意味で「負けられない試合」でもあった。

ともにJ準会員チームでありながらも、予備審査でスタジアム基準を含めて「不合格」を言い渡されており、来季からのJ参入どころか2012年からの参入も難しい状況となっている。Jリーグ入りを目指して集まった選手たちにとって、あまりにも残酷な結果が言い渡されたが、両者ともJに上がれなくとも「上がれる順位」という結果だけは残そうという、強い意志を持ってこの試合に挑んでいた。

Img_0620

試合後の木島は「このチームの選手はね、心の奥底で諦めていないというか『もしかしたら…』という期待を持って、みんな試合をしてます」とコメントしてくれたのだが、まさにその通りなのである。

諦めてしまった何事も進まない…

これについては、町田だけではなく長崎もまた同様。選手個人としては、Jへの道を閉ざされてしまったものの、チームとしては「やはりJで戦える力はある」ということを、まず証明しなければ今後に繋がっては行かない。

スタジアム整備にしても、お金を集めるにしても、強くなければ、魅力が無ければ「(自治体や一般市民、企業、団体を含めて)大きなもの」を動かす原動力とはなっていかないものである。そのためにも、負けることは許されないし、不甲斐ない戦いをすることは許されないのだ。

そんな、同じような境遇の両者の対戦だったからこそ、負けられない一戦であり、試合前の選手たちも気合いが入っていたのですが…

--------------------------------

試合後、佐野監督といろいろ話をしたが、まだまだ発展途上なクラブに苦労が絶えない事を聞かされた。また、選手のモチベーション切らさないためにも、毎試合選手起用を少しずつ変えていくかも知れないともコメントしていた。そんな中で気になったのは、クラブの「運営力」だけではなく、県協会の「本気度」についてだ。

これについては、また別の機会でお話出来ればと思います。

« 高円宮杯・ラウンド16を終えて | トップページ | 残された時間でやるべき課題は? »

JFL」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/176307/49625715

この記事へのトラックバック一覧です: 怒濤の3分間:

« 高円宮杯・ラウンド16を終えて | トップページ | 残された時間でやるべき課題は? »