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2010年9月 6日 (月)

佐野・長崎、三ツ沢で散る

第90回天皇杯2回戦 @ニッパ球三ツ沢
横浜Fマリノス 3-1 Vファーレン長崎
[得点者]
22分神崎(長崎)
55・63分山瀬、75分小野(横浜FM)

1回戦の環太平洋大学戦は、サブメンバーで4-0と危なげなく勝利したが、この日のスタメンは全員が入れ替わり、ベストメンバーを揃えてきた長崎。対するFマリノスだが、日本代表に合流中の中澤、栗原にコンディション不良のため、中村俊輔が欠場するなかで、キックオフを迎えた。

[長崎スタメン]
ーーーー森田ーーーーー
有光ー山城ー川崎ー熊谷
ーーーー山本ーーーーー
神崎ー加藤ー藤井ー杉山
ーーーー近藤ーーーーー

[横浜FMスタメン]
ーーー小野ー山瀬ーーー
ー兵藤ーーーー長谷川ー
ーーー狩野ー河合ーーー
波戸ー松田ー小椋ー天野
ーーーー近藤ーーーーー

立ち上がりこそ、両者ともに慎重な入り方となったこの試合だが、10分に山瀬が左サイドを駆け上がって中央にクロス。これに「高校生」の小野が飛び込んで最初のチャンスシーンが生まれると、その後はFマリノスの圧倒的な攻撃力の前に長崎は自陣に釘付けとなってしまう。

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相手のボール回しに翻弄され、動かされ続けてしまう長崎守備陣。さらにはラインも徐々に後退していったことで、ボールを奪ったとしてもパスの出しどころが無く、簡単に相手プレスの前にマイボールを失ってしまう。

さらには、2トップを含めた攻撃陣だけではなく、左右のサイドバックである、天野、波戸もアタッカーばりの攻撃参加を繰り返すことで、長崎の自慢であるサイド攻撃は完全に沈黙。為す術無く相手猛攻に晒されて、12分から22分の10分間には、5度CKのチャンスを与えてしまう。

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しかし、22分のCKを長崎GKの近藤がキャッチすると、素速く前線にフィード。中央で山城が受け、右サイドに展開した有光が縦に突進。右サイド奥まで進入し、ゴール前にクロスを上げると、なんとそこに走り込んだのは左サイドバックの神崎大輔!

5分に川崎が放ったシュートに続き、2本目のシュートがFマリノスゴールネットを揺らし、圧倒的不利だった長崎が先制する。

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これぞ、天皇杯のおもしろさ!と言えるシーンだった…

絵に描いたようなカウンターで先制点を挙げた長崎。この1点により、勇気づけられた長崎の選手達は、攻め込まれながらも「アグレッシブな守備」で相手の猛攻にしっかりと対応。

かつての草津時代、大事な試合で自らのファールでイエローやレッドを貰い、自滅していた藤井大輔は、この日、イエローをもらうことなく、激しい当たりながらもクリーンな守備で貢献。試合後は「何も通用しませんでした… 相手にどんどん前に来られてしまい、とにかく跳ね返すだけで精一杯になってしまいました」とコメントしたが、強豪を相手におおいに奮闘してくれた。

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さて試合の方だが、長崎の1点リードのまま、前半の終盤を迎えたが、相変わらず相手猛攻に苦戦の連続。いつ同点にされてもおかしくないシーンが続き、前半だけでCKの数はなんと9本にも上った。しかし、兵藤、山瀬、小野のシュートはGK近藤の好セーブもあり、どうしても長崎のゴールネットを揺らすことが出来ない。

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そして40分を過ぎると、佐野監督が宣言していた「攻撃的に行く」という形がやっと見えだしてくる。41分、カウンターからのチャンスで有光がチーム3本目のシュートを放ち、続く43分には、カウンターからではなく、初めて自陣から繋いで相手ゴール前に攻め込む形を作り出し、44分、45分と連続シュートを放ち、前半をリードして折り返すことに成功する。

主審の前半が終えたことを告げるホイッスルが鳴らされると、ホーム側スタンドからは激しいブーイングがFマリノスイレブンに突き刺さることとなる。さらに、ベンチに帰ると木村和司監督が激しいカミナリが待っていた。「オマエらやる気あるのか?気持ち見せて戦え!」とハッパを掛けられ、引き続き戦術の確認(山瀬と長谷川のポジションを入れ替え、さらには前から仕掛けていくこと)をしたことで、マリノスは目を覚ますこととなる。

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さて長崎だが、後半の立ち上がりが勝負のポイントであった。後半開始から15分間を抑え切れれば、勝利という最高の結果が見えてくるかも知れないが、早い時間帯で追いつかれれば、確実に逆転されるだろうということは予想できた。

だからこそ、立ち上がりが肝心だったのだが、キックオフのボールをいきなり奪われて、すぐさまCKを与えピンチを迎えてしまう。このピンチこそ乗り切ったが、続く3分、5分にもピンチを迎え、前半以上に防戦一方となってしまう。

なんとか後半15分まで持ちこたえられれば…という想いもあったが、後半10分(55分)、天野のクロスをクリアしたボールに山瀬が反応し、豪快に蹴り込んでついに同点とされてしまう。そしてその後は、両サイドバックだけではなく、小椋、松田のCBコンビまで攻撃参加をみせ、圧倒的な力の差を改めて見せつけるのであった。

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前半以上に面白いようにボールを回すFマリノス相手に、長崎守備陣は追いついていけなくなってきてしまう。ボールを奪っても、相手陣内に侵入することすらできず、後半は完全に沈黙状態となり、逆転されるのは時間の問題だった。この後は、62分(公式記録は63分)に再び山瀬が決め、75分にはユースからの昇格組である小野祐二にプロ初ゴールを決められ、スコアは1-3。

佐野監督も、なんとか流れを引き戻そうと、終盤に佐藤由紀彦を投入するも、時すでに遅し。結局、後半は本当に何もやらせてもらえないまま、逆転を喰らって2回戦で姿を消すこととなった。

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正直なところ、Fマリノスにとっては、勝って3回戦に進んだという結果以外は、特に収穫があったわけでもなく、逆に前半の不甲斐ない戦いについては、反省点となってしまったこの試合。改めて、下のカテゴリーと戦うことの難しさを痛感させられる試合となった。

対する長崎だが、杉山や川崎などは「相手のレベルの高さに完全にやられてしまった」と語ったが、その反面でJFLでは絶対に対戦することはないレベルのチームと戦ったことは大きな経験になったとも語ってくれた。

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確かに、得点シーン以外は何一つ相手を上回れたシーンはなかった。だが、国内最高峰レベルと実際に戦い、そのレベルの違いを肌で感じたことは、チームにとって大きな財産となっていくはず。また、強敵に負けないために、JFLの試合では考えられないほど走り回った経験も、今後の試合で必ず生きていくことだろう。

試合後、ピッチで木村監督と握手を交わした佐野監督だが、偉大なる「日産の先輩」から、ここで、「オマエ、いいチームを作ってきたなぁ」と声を掛けられた。この言葉に関してはお世辞ではなく、木村監督の本心から出たものであり、引くことなく真っ向勝負に出てきた「後輩」に対して、心から賞賛を送ったのだった。

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確かに、格上相手に引いて守る戦術は一発勝負のトーナメント戦では、非常に有効な手段なのだが、長崎の就任したときから、常に攻撃的に出るという目標は、この試合でも貫かれ、少ないながらも「らしさ」を見せてくれた。

JFLのシーズン序盤では、なかなか結果の出ない時期も続いたが、自分の信念を曲げずにやり続け、前期終盤から徐々に佐野流攻撃的サッカーが浸透しつつある長崎。この日、Fマリノスに見せつけられた攻撃サッカーを、超えられる日が来るまで佐野達とVファーレン長崎の挑戦は続くはずである。

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