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2010年7月12日 (月)

互いの「これから」とは?

JFL 後期第2節
@たつのこフィールド
流通経済大学FC 1-2 松本山雅FC
[得点者]
24分久保(RKU)
61分木島、80分本田(山雅)

今季から、大学←→JFLの入れ替えが、一定期間以外は認められなくなったことから、大学リーグに参戦するチームとは別部隊を編成して、JFLのリーグ戦に挑んでいる流通経済大学FC。過去の最高位では、4位という成績を収めたこともあるチームだが、今季は選手の「入れ替え」が出来なくなったことと、1、2年生を主力としたチーム編成にしたことが影響して最下位に低迷するなど、大学リーグ戦同様にこちらも大ピンチである。

前置きが長くなったが、後期第2節は流経大FCのホームである、たつのこフィールドで行われたこの試合は、最近にしてはスタンドが埋まる大入りとなったのだが、残念ながら結果は順位そのままとなってしまった…

※入場者数記録のご指摘がありました。お詫びして訂正いたします。

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ここ最近は大半の選手が固定されつつある流経大FC。しかしメンバー構成の半分以上は相変わらず1年生が中心で、対戦相手である松本山雅の先発メンバーとの平均年齢差は実に6.6歳になっていた。若さが誇る運動量が優るのか、経験値が若さを上回るのか? 試合前はそんなところがポイントになるかと思われたが、試合は経験値が若さを凌駕して始まっていく。

チームの大黒柱でもある、エースの柿本倫明はこの日もベンチスタートで、こちらも最近固定されている石田、北村の2トップで試合はスタート。しかし実際は石田の1トップで北村は1.5列めといったところで、2列目鐵戸、大西と合わせて、3人が自由に動き回る形を見せる。そして、前半のポイントは前4人の出来でもあった。

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確かに、2列目(北村も含む)の3人が変幻自在にポジションを変えることで、流経大FCディフェンスの的が絞れない。誰が誰にマークをするのかが不安定な時間が続き、序盤から山雅ペースで進んでいく。しかし、中央の守りだけはしっかり固めて対応する流経大FC。2列目でが圧倒的にボールを支配してサイドを次々と破っていくのだが、どうしても折り返しのクロス、または中への突破が上手くいかない。

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中央がしっかりしている流経大FCディフェンスの前に、ペースを握っているものの、トップに入っている石田は思うように起点となることが出来ない。北村、鐵戸の2人は豊富な運動量で相手守備陣に脅威を与えていくが、自身の左サイドばかりでしか動かなかった大西は、それほど怖い存在では無くなっていく。

そしてゲームは20分過ぎに動きを見せる。

23分、中央でボールを受けたジョシュアが縦にドリブル突破を図る。ボールは堀河を経由して右に開いた内山に渡ると、ここで中にクロスを入れる。これに再びジョシュアが反応。頭で落としたところに、後ろから久保武大が走り込み、右アウトサイドでシュート。流経大FCにとって、この日のファーストシュートが見事にゴール右隅に決まって劣勢だった流経大FCが先制。

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あれだけ攻め続けていた山雅だが、たった1発のカウンターで先制点を奪われてしまったことは、大いに反省すべきであろう。そしてこのシーンだが、前がかりになっていた場面でボールを奪われたため、後ろの人数と攻撃の人数が4 vs 3の状況になっていた。

この1点で流経大FCは随分落ち着きを取り戻し、相手の攻撃を受け続けることにはなるのだが、序盤に比べて幾分安心して見られるようになっていた。確かに流経大FCは最下位に沈んでいるチームだが、よく考えて欲しいのは、ほとんどの選手が今年の3月までは高校生だった選手ばかりで戦っているのだ。今の順位を否定するよりも、「よくここまで出来るなあ…」といった方が正しいと考えるのだ。

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さて、前半はこのまま流経大FCの1点リードのまま折り返すが、ハーフタイムで柴田峡監督から戦術的指示が出された後、中野総監督からは精神的な引き締めが語られた。

『オマエたちさぁ、サッカーは野球と違ってホームラン一発で2点や4点入るとかはないんだよ。1回につき、1点しか取られないんだよ。だからね、1点とられることは仕方がないかもしれないが、そこでいかに気持ちの切り替えが出来るかが大事なんだよ。今の順位にいるのは、オマエたちが若いだからとか、経験がないからだとは思ってはいない。要はね、失点した後のに切り替えが出来ていないんだよ。オマエたちが対戦相手より優っているのはなんだ?

若さしかないだろ? だったら若さを活かして最低限、相手より運動量を上回れ。もし危ないシーンがあったら、なりふり構わず蹴り出せばいいんだよ。まだ下手なんだから後ろから繋いでいくなんて出来ないんだから。別にね、大きくクリアすることは恥ずかしいことではないんだよ。出来ないことを、いかにも出来るようにプレーしてミスする方がよっぽど恥ずかしいんだよ。

とにかく、運動量で相手に勝つこととと、気持ちの切り替えをしっかりやれ!』

こう言って中野総監督は選手をピッチに送り出したのだが、相手は後半開始から柿本、木島という勝負のための切り札をいきなり出してきた…

前半、石田がうまく起点になれていなかったが、柿本が入れば確実に変わる。木島は前半の北村以上にFWととしてのポジションを取ってくる。これに鐵戸、北村が絡み、後半30分過ぎから今井昌太、木村勝太のどちらかが出てきたら、これは1点のリードではきついな…と感じた。

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さて、後半だが、予想通り柿本がトップに入ったことで前線が活性化する山雅。FW2枚のタメにより、前半以上にボランチも攻撃参加に絡んでくる。流経大FCのゴール前対応は、前半以上に忙しくなっていく。これでは、いくら中野総監督が「運動量」「切り替え」と言っても、このラッシュではどうしようもない。また、ベンチに控えている選手の中にも、残念ながら流れを変えられるキープレーヤーは存在していなかった。

そして60分、山雅の猛攻に必死に耐えていた流経ディフェンスだが、木島のスーパーミドルによって、ついに同点に追いつかれてしまう。気持ちで負けない、運動量で負けないと、必死になっていた流経大FC。監督の指示や檄もあり、なんとか中央の危ない部分は前半同様しっかりケアしていたが、木島の遠い位置からのミドルは防ぎようがなかった。

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しかし、「切り替え」を強く指示されていた流経大FCは、このあとも粘り強いディフェンスで、逆転だけはなんとか阻止し続ける。だが、JFL残留のためには勝ち点1ではなく、どうしても「3」が欲しいところ。だが、今のチームには守備は出来ても、残念ながら攻撃の型がなかった。いや、型がないというか、あまりにもバリエーションや創造性が足りなかった。

こうなると、ドローを狙うしかない状況になってしまうのだが、流経大FCにほんの一瞬の迷いが生じ、これが決勝点に結びついて行ってしまう。

中央でボールを持った木島に、後ろからチャージを仕掛けるのだが、このシーンで流経大FCの選手は、木島が倒れたことと、自分たちのプレーがファールであったと、ほんの一瞬セルフジャッジしてしまう。このシーンだが、見ている分にはわからないと思うが、試合後、流経大の選手は「あの場面、相手よりも判断が遅れてしまった」と語っている。しかし、木島が倒れても山雅の選手はプレーを当然ながら止めなかった。本当に「一瞬」の判断だったのだが、この一瞬が命取りになってしまう。

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この場面で須藤の突破を許してしまい、最後はボランチの本田真吾が左足で蹴り込み、山雅がついに逆転に成功する。その後のゲームは、大人と子供のゲームになってしまう。相手をしっかりといないした山雅が危なげなく逃げ切り、2-1で流経大FCを破った。

試合後の山雅の吉澤監督は開口一番「無様なゲームをしてしまいました…」とコメントを始め、内容の乏しいゲームをしてしまったことをサポーターに詫びた。前半のうちに先手を取っていれば、全く苦労するゲームではなかったのに、ある意味自分たちから苦しいゲームにしてしまったことを深く反省。こういうゲームは次は絶対しないとコメントするなど、まるで勝者とは思えない発言が続いた。

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確かに、選手のスキルや経験差は比べようもないほど離れているはず。しかし、内容は結局のところ僅差なものとなってしまったのだから、監督としては大いに不満が残ってしまったことは、わからなくもない。

あとは、選手達が自分たちで「どう試合に入るか」を、しっかり考えられるかに懸かってくるはず。現実的には、今季の4位以内はすでに厳しい位置にいる松本山雅。だからこそ、残された後期の日程では、どこまで来季に向けての「種」を蒔けるかが、戦いのポイントとなる。


そして敗れた流経大FCだが、現実問題として、「降格」が本当に見えてきてしまった。確かに彼らは1、2年生主体ながらも、プロや経験豊かな選手たちを相手に大健闘している。だが、いくら健闘してみせても、JFLから降格してしまったら、その経験もまったくの無駄となってしまう。そして、来年以降の選手たちに「財産」を残せなくなってしまう。

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この点について、中野総監督は実は6月の関東大学リーグ戦の頃から「トップ←→JFLの入れ替えをやろうと思っています」と言っていたが、選手の変更が可能となる7/13日から、ついにJFLチームに4年生を投入することを明らかにした。

代表候補や大学選抜に選ばれている山村、比嘉、中里、村瀬、増田、椎名などの選手はJFLには参戦してこないが、武藤、フランク、竹石といった4年生が次節、もしくは25日のホーム戦から姿を現してくることが濃厚だ。中野総監督は、「残留のためにはなりふり構わない。秋のリーグ戦や天皇杯茨城県予選まで1ヶ月以上あるから、その間に行われるJFLでは、勝ち点をとにかく上積みして、残留ラインまで順位をあげますよ」とコメント。

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これまでの、若手中心だった流経大FCが、次節から大きく変わってくる可能性は大である。対戦相手は最下位だからといって、ナメてかかったら本当に痛い目に遭うはず。

賛否両論はあるだろうが、私は流経大FCの逆襲が今から楽しみでもある。

〜7/14追記〜

第2登録期間(ウインドー) は、2010年7月16日(金)〜8月13日(金)となっており、この期間内はトップチーム(大学リーグ)の公式戦がない。そのため、期間内いっぱいまでは、選抜に選出されている(予定されている)選手以外の「主力」を、JFLに投入することを中野総監督は示唆している。

なお、4年生、3年生の上級生が対象となるようで、一部の4年生はこのままJFL終了まで「流経大FC」として戦うことになるとのこと。また、JFLチームで成長を見せた1年生をトップに抜擢することもあるとコメントしている。

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